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更新日:2024.12.20
登録日:2024.12.20
ガルバリウム外壁とは何?メリット・デメリットや選び方を徹底解説
「ガルバリウム外壁ってどんな素材?」
「ガルバリウム外壁のメリットとデメリットは?」
屋根材や外壁材を選ぶうえで、ガルバリウム鋼板でできた外壁について、このような疑問を持つ人もいるでしょう。
ガルバリウム鋼板とは、鉄板の表面を、亜鉛・アルミ・シリコンでメッキ処理した鋼板です。この記事では、他のメッキ鋼板との違いや、ガルバリウム鋼板のメリットとデメリットを徹底解説します。
ガルバリウム鋼板を選ぶ際のポイントや、メンテナンス方法もわかりますので、ガルバリウム外壁について知りたい人はぜひ最後までご覧ください。
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外壁に使われるガルバリウム鋼板とは
外壁に使われるガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板とは、母材となる鉄板の表面を亜鉛・アルミ・シリコンでメッキ処理した鋼板のことです。ガルバリウム鋼板は、アメリカ合衆国のベスレヘム・スチールにより1972年に開発され、日本国内ではガルバと略称されることも多くあります。
実際に、現在では多数の建材メーカーが外壁材や屋根材などに採用しており、幅広く使われるポピュラーな金属素材のひとつです。
ガルバリウム鋼板の建材の魅力には、金属素材でありながらもサビにくい、耐用年数が長く耐震性が高いなどの点が挙げられます。
外壁に使われるガルバリウム鋼板と他のメッキ鋼板との違い
外壁に使われるガルバリウム鋼板と他のメッキ鋼板との違い
ガルバリウム鋼板以外にもメッキ鋼板はいくつかありますが、ガルバリウム鋼板と他のメッキ鋼板との違いは鉄板の表面を覆うメッキの素材にあります。
メッキ鋼板にはブリキやトタンなどさまざまなものがあり、主な用途や、それぞれに使われるメッキの素材などは以下のとおりです。
上記のように、鉄板の表面を覆うメッキの素材はそれぞれ異なります。ガルバリウム鋼板は主に外壁や屋根などに使われており、メッキ素材に使われている材料は、亜鉛・アルミ・シリコンです。
ガルバリウム鋼板を外壁に使うメリット
ガルバリウム鋼板を外壁に使うメリット
ガルバリウム鋼板を外壁に使うメリットは、主に以下の7つです。
・耐用年数が長い
・耐震性が高い
・サビに強い
・軽くて施工しやすい
・防水性が高い
・ひび割れしにくい
・スマートなデザインを演出できる
それぞれについて、詳しく解説します。
耐用年数が長い
ガルバリウム鋼板のメリットのひとつに、耐用年数が長いことが挙げられます。ガルバリウム鋼板は金属でできているため、なにかが当たって割れたり経年劣化で脆くなることでひびが入ったりといったことがないのです。
具体的に、ガルバリウム鋼板の耐用年数は約20〜30年とされています。トタンと比べると数倍も長持ちし、外壁の張り替えサイクルを延ばすことが可能です。
実際にどれくらい長持ちするかは、製品や住まいの環境によって異なるため、20年以内に張り替えが必要になる場合もあることは覚えておきましょう。10〜15年を目安にメンテナンスの塗装をすることで、ガルバリウム鋼板をより長持ちさせることもできます。
耐震性が高い
ガルバリウム鋼板は、優れた耐震性を持つ建材です。軽量であるため、地震の揺れに対する建物全体への負担が少なく、住宅の耐震性能を高めることができます。
重い屋根材を使用すると建物が不安定になりやすい一方、ガルバリウム鋼板は軽量な素材のため、建物の安定性を保ちやすくなります。
実際に、軽量なガルバリウム鋼板の建材は、外壁の重ね張り・屋根の重ね葺きなどリフォーム時にもよく使用されています。既存の外装の上から施工する「カバー工法」でも、建物への負担を最小限に抑えながら、外観を一新することが可能です。
サビに強い
ガルバリウム鋼板は優れた防錆性を持つ建材として知られています。ガルバリウム鋼板のメッキに配合されたアルミニウムが表面を酸化させ、安定した保護膜を形成することで、内部へのサビの進行を効果的に防ぎます。
この仕組みにより、トタンなど他の金属製外壁材と比べて格段にサビに強いのが特徴です。
アルミニウムの酸化膜は非常に安定した性質を持ち、一定の酸化が進むと、それ以上の劣化を防ぐ保護層として機能します。ただし、金属製である以上、完全にサビないわけではありませんが、金属系外壁材の中では高い防錆性を誇ります。
軽くて施工しやすい
軽くて施工しやすい
ガルバリウム鋼板の外壁材や屋根は、軽くて施工しやすいメリットがあります。ガルバリウム鋼板は金属製であるものの、厚さが1mmほどと薄いことからほかの建材に比べてとても軽量です。
軽量であることは、施工の際に大きな利点となり、特に張り替え作業が短時間で済むため、工期の短縮につながります。また、補修作業も容易であるため、メンテナンスコストを抑えることも可能です。
さらに、ガルバリウム鋼板は金属製でありながらリサイクルが可能なため、廃材処分の際に費用がかかりません。リサイクル業者に買い取ってもらうこともできるという経済的なメリットがあります。
ガルバリウム鋼板は軽量で施工しやすく、環境にも優しい素材として広く利用されています。
防水性が高い
ガルバリウム鋼板は、優れた防水性能を持つ建材として高い評価を得ています。金属素材であるため、水分を一切吸収せず、外壁材や屋根材として使用した際に内部への水の浸透をほぼ完全に防ぐことが可能です。
特に、セメント・珪石・生石灰・アルミ粉末などを原料とした軽量気泡コンクリート建材のALC外壁と比較すると、その差は顕著です。ALCが微細な気泡構造を持つのに対し、ガルバリウム鋼板は緻密な金属面で構成されているため、水の侵入経路となる隙間がほとんどありません。
防水性が高いことから、カビや苔などの汚れがつきにくいのも利点です。セメント系の外壁材や屋根材にはカビや苔などがつきやすいのに比べ、ガルバリウム鋼板の場合はそういった汚れを防ぎやすくなります。
ひび割れしにくい
ガルバリウム鋼板は、その金属素材としての特性から優れた耐久性を持ち、ひび割れに対して極めて強い抵抗力を持っています。
一般的なコンクリートやモルタルなどのセメント系建材が経年劣化や温度変化によってひび割れを起こしやすいのに対し、ガルバリウム鋼板は金属の持つ柔軟性により、そのようなリスクを大幅に軽減することが可能です。
特に屋根材や外壁材として使用した場合、この特性は建物の防水性能を長期にわたって維持する上で重要な役割を果たします。
セメント系建材にひび割れが発生すると、そこから雨水が浸入し、建物内部の木材や断熱材の劣化を引き起こす可能性があります。しかし、ガルバリウム鋼板はそのような心配がほとんどありません。
ガルバリウム鋼板の場合、金属素材ならではの高い防水性と組み合わさることで、雨漏り等のリスクを抑えられるところもメリットです。
スマートなデザインを演出できる
ガルバリウム鋼板は、金属素材ならではの洗練された質感により、現代的でスタイリッシュな建物デザインを実現することができます。表面の光沢感や均一な仕上がりは、シンプルでありながら高級感のある外観を生み出し、都会的でモダンな印象を与えます。
たとえば、真っ白なガルバリウム鋼板を住宅の外壁全体に使用し、玄関と窓まわりにだけアクセントカラーを入れると洗練された印象になります。ネイビーのガルバリウム外壁に、ウッドバルコニーを組み合わせれば、モダンでクールな雰囲気を演出することも可能です。
さらに、ガルバリウム鋼板の特徴的な素材感は、他の建材との組み合わせによってさまざまな表情を演出できるでしょう。また、直線的なラインを強調したデザインや、曲面を活かした有機的なデザインなど、デザイン性を発揮できる素材としても注目されています。
ガルバリウム鋼板を外壁に使うデメリット
ガルバリウム鋼板を外壁に使うデメリット
ガルバリウム鋼板のデメリットは、主に以下の4つです。
・サビないわけではない
・キズやへこみができやすい
・比較的施工費用が高い
・デザインのバリエーションが少ない
それぞれについて、詳しく解説します。
サビないわけではない
ガルバリウム鋼板のデメリットのひとつに、サビないわけではないということが挙げられます。理由は、ガルバリウム鋼板に含まれるアルミニウムがメッキ表面を酸化させるためです。
ガルバリウム鋼板は、金属素材のなかでサビにくいといえます。トタンといった建材と比べると、サビにくさの差は歴然としています。
サビの発生を過度に心配する必要はありませんが、たとえば工場地帯や沿岸地域などは、特にサビが発生しやすい環境です。そのほかの地域であっても、ガルバリウム鋼板を使用する場合は、サビが発生する場合もあるということを留意しておく必要があります。
キズやへこみができやすい
ガルバリウム鋼板は衝撃に対して比較的弱く、キズやへこみが生じやすい特徴があります。
もしもガルバリウム鋼板に傷がついてしまった場合は、表面がサビてしまうこともあります。施工や運搬の際には特に傷つきやすいため、細心の注意が必要です。
また、物が当たっただけでもへこんでしまうことがあります。日常生活においては、特に気を遣う必要はありませんが、子どもがバスケットボールやサッカーといったボール遊びをする場合は注意しましょう。
ガルバリウム鋼板の建材にどうしてもこだわりたいという場合は、厚みがある・フラットではない波型などのへこみにくいデザインを選ぶという選択肢もあります。
比較的施工費用が高い
ガルバリウム鋼板の施工費用は、施工に手間がかかるため比較的高額となるのが特徴です。
ガルバリウム鋼板の施工価格の相場は、平米あたり5,000円〜10,000円ほどです。ほかの屋根材の例を挙げると、スレート屋根が平米あたり4,000円〜7,000円ほどであることから、ガルバリウム鋼板は施工費用がやや高いことがわかります。
なお、使用するガルバリウム鋼板の種類によって価格は変動するという点には注意しましょう。施工費は業者によっても異なるため、施工の際は複数社に見積もりをとったうえで比較してみてください。
デザインのバリエーションが少ない
デザインのバリエーションが少ないのもデメリットといえます。ガルバリウム鋼板は金属の質感特有のシンプルなデザインをしているため、ほかの建材と比べると模様のバリエーションが少ないです。
たとえば、外壁材の人気商材である窯業系サイディングと比較した場合、ガルバリウム鋼板の外壁材はデザインの選択肢が少なくなります。そのため、気に入ったデザインがないという場合もあるかもしれません。
ガルバリウム鋼板は、金属ならではの質感を持つことから、デザインがシンプルでありバリエーションが少ない点がネックです。さまざまなデザインを比較して選びたいという人にとっては、物足りないと感じる可能性もあるでしょう。
鑑定士コメント
ガルバリウム鋼板は、断熱性と防音性が低いというのは本当でしょうか?
たしかにガルバリウム鋼板の素材単体で見ると、断熱性や防音性は低い傾向があります。ただし、ガルバリウム鋼板をそのまま用いるのは屋根であり、外壁に使う場合は断熱材とセットで使用するのが一般的です。金属系サイディングには断熱材がついていることが多いため、ほかの外壁材よりも断熱性や防音性が低いということはありません。
ガルバリウム鋼板の選び方
ガルバリウム鋼板の選び方
ここでは、ガルバリウム鋼板を選ぶ時のポイントを3つ紹介します。
・実際に見て確認する
・慎重に色やデザインを検討する
・ガルバリウム鋼板の施工経験が豊富な業者に依頼する
それぞれについて、詳しく解説します。
実際に見て確認する
ガルバリウム鋼板の実物サンプル確認は、色や材質の選定に必須です。カタログやデジタル画面では、金属特有の光沢感や質感を正確に判断できないためです。
施工業者やショールームでサンプルを入手し、以下の条件で確認することをおすすめします。
・屋外での様々な角度・光条件での見え方
・朝昼夕での色味の変化
・周辺環境との調和具合
サンプルを確認する際は、外で光の当て方を変えながらチェックすることが大切です。実際に住宅に使用したときに、どのように見えるのかを想像しながら確認しましょう。
慎重に色やデザインを検討する
ガルバリウム鋼板の色やデザイン選びは、建物全体の印象を大きく左右する重要な要素となります。外壁の色選びによって住宅の個性や雰囲気が決定されるため、慎重に検討しましょう。
特に人気の高いホワイトやブラックは、モダンでスタイリッシュな印象を与えることができますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ホワイトは清潔感があり、光を反射する性質から遮熱性に優れていますが、経年による汚れが目立ちやすく、定期的な清掃やメンテナンスが必要となります。一方、ブラックは重厚感と高級感を演出できますが、熱を吸収しやすい性質があり、夏場の室内温度上昇に注意が必要です。
建物全体の印象をよく考えたうえで、ふさわしい色やデザインを選びましょう。
ガルバリウム鋼板の施工経験が豊富な業者に依頼する
ガルバリウム鋼板の施工は高度な技術と経験を必要とするため、信頼できる業者の選定が工事の成否を大きく左右します。
特に金属素材の特性上、切断や曲げ加工、継ぎ目の処理など、細かな技術を要する工程が多く、施工経験の豊富な業者でなければ適切な仕上がりを期待することは難しいでしょう。
また、施工業者のなかには悪徳業者も存在します。もしも悪徳業者と契約してしまうと、ずさんな工事や高額請求などといったトラブルが発生する恐れがあるため、注意が必要です。
ガルバリウム鋼板を使った工事や修理を依頼する際は、施工経験が豊富な業者に依頼し、信頼できる業者かどうかを契約前に調査する必要があります。複数の業者に相見積もりを依頼することで、スキルや提案力などを比較してみましょう。
ガルバリウム外壁のメンテナンス方法
ガルバリウム外壁のメンテナンス方法
ガルバリウム外壁のメンテナンス方法には、主に以下の4つが挙げられます。
・日常のメンテナンス
・塗装メンテナンス
・重ね貼りのメンテナンス
・張り替えのメンテナンス
それぞれのメンテナンスについて紹介します。
日常のメンテナンス
ガルバリウム外壁のメンテナンスには定期的な水洗いが重要です。特に雨が届かない部分はホコリが蓄積してサビの原因となるため、注意しましょう。
手や道具を使って届くところを優しく水洗いします。柔らかいブラシやスポンジを使用し、強くこすらないように注意してください。
手の届かない高い箇所は、無理してこすらずに水をかける程度にします。高圧洗浄機を使うと、塗膜を傷めることがあるため、使用しないほうがよいでしょう。
塗装メンテナンス
ガルバリウム外壁を長持ちさせるためには、定期的な塗装メンテナンスが必要です。特に金属の特性上、適切な塗装管理を怠ると素材の劣化が進行し、建物の寿命に大きく影響を与える可能性があります。
ガルバリウム鋼板の外壁材は、下塗りの際にサビ止め塗料を使用する必要があります。窯業系サイディングとは違い、金属製であるため、長持ちさせるためには下地処理が重要なのです。
塗装工事において最も重要なのが下地処理です。ガルバリウム鋼板は金属製のため、窯業系サイディングとは異なる特別な配慮が必要となります。特にサビ止め塗料による下塗り処理は、鋼板の耐久性を大きく左右する重要な工程です。この下地処理を適切に行うことで、塗装の密着性が向上し、より長期的な保護効果を得られます。
#ガルバリウム外壁、#
重ね張りのメンテナンス
外壁をリフォームしたい場合は、重ね張りのメンテナンスを行います。重ね張りのメンテナンスとは、外壁カバー工法とも呼ばれる、古い外壁の上からガルバリウム鋼板の外壁材を張るリフォームのことです。
雨漏りや経年劣化などを改修するために行うほか、デザインの刷新や断熱効果を求めて行う場合もあります。具体的な作業内容は、軽い金属サイディングを張りつけるだけとシンプルで、繰り返し行う外壁塗装とは異なり1回で済むリフォームです。
張り替えのメンテナンス
張り替えのメンテナンスが必要なケースもあります。張り替えのメンテナンスとは、現在の外壁材を撤去して、新しい外壁材に張り替えるリフォームのことです。
外壁内部の劣化が進んでいる場合は、重ね張りのメンテナンスができないことがあるため、その場合は張り替えを行う必要があります。
張り替えでは、壁の内側の防水紙までメンテナンスが可能です。雨漏りによる外壁の被害が広範囲である場合や、外壁にカバー工事を行えるだけの強度がない場合などに行います。
建物の構造によりますが、外壁材を自由に選び直せるため、建物の外観の雰囲気をガラッと変えることも可能です。
鑑定士コメント
ガルバリウム鋼板の外壁をDIYで施工できるのでしょうか?
DIYでの施工は、基本的にはあまりおすすめしません。リフォームでは高所作業があり、転落などの危険性があるからです。リフォームの内容によっては、施工が上手くできていなかったり、足場や材料などの準備に労力やお金がかかったりと、結果的に業者に依頼したほうが安くなる場合もあると考えられます。
また、ガルバリウム鋼板の塗装は表面を削ることではがれにくくする作業をともない、ほかの外壁材の塗装と比べて高い技術が必要になります。経験や知識がないまま塗装すると、数年で剥がれる場合もあります。
まとめ:ガルバリウム鋼板を使用した外壁にするなら経験豊富な施工業者に相談しよう
まとめ:ガルバリウム鋼板を使用した外壁にするなら経験豊富な施工業者に相談しよう
ガルバリウム鋼板は、耐久性や防水性に優れ、メンテナンス性も高い建材です。ただし、施工には高度な技術と経験が必要なため、施工業者選びが重要になります。
信頼できる業者を選ぶためには、施工実績の確認や複数社からの見積もり取得がポイントです。経験豊富な業者であれば、素材の特性を理解し、適切な施工方法を提案してくれるでしょう。
施工からメンテナンスまで、専門家に相談しながら進めることで、ガルバリウム鋼板の特性を最大限に活かすことができます。
#ガルバリウム #外壁 #施工
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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