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更新日:2024.09.12
登録日:2023.03.27
RC造とは?耐用年数やメリット・デメリットを詳しく解説
マンションを選ぶ際、立地や間取りも重要ですが、どのような構造で建築されているかを知ることも欠かせません。マンションの構造としてよく採用されるRC造ですが、どのような構造か知らない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、RC造とは何か、耐用年数やメリット・デメリットについて詳しく解説します。RC造のマンションを選ぶ際のポイントについても解説するので、マンション選びで悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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RC造とは
RC造とは
RC造とは「鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)」のことです。直訳すると「補強されたコンクリート」という意味を持ち、鉄筋で組み上げた柱などの骨組みにコンクリートを流し込んで固めます。RC造は、マンションの構造としてよく採用される工法のひとつです。
鉄筋は、引っ張る力に強い一方で、熱に弱く錆やすいという特徴があります。また、コンクリートは熱に強いですが引っ張る力には弱いです。鉄筋をコンクリートで覆うことで、コンクリートが熱や酸化から鉄筋を守り、コンクリートが弱点とする引っ張る力を鉄筋が支えます。このように、RC造は鉄筋とコンクリートそれぞれの弱点を補い合うことで、マンションに必要な強度を実現しています。
RC造の耐用年数
RC造の耐用年数
RC造の耐用年数は住宅用の建物で「47年」と定められており、木造などのほかの構造と比べて比較的長い耐用年数です。そもそも耐用年数とは、マンションをはじめとする固定資産に対して、どれくらいの期間使用できるかを法令上で定めた年数のことを言います。
マンションは、長年使用されることで摩耗や劣化が発生します。また、新技術などが出現すると、既存技術で建設されたマンションの競争力は落ちてしまうでしょう。このような価値の減少がどれくらいの期間で起こるかというのが、耐用年数を決める大きなポイントです。
鑑定士コメント
どれくらい住めるのかの基準として、税法上の耐用年数(RC造は47年)を参考にすることがあります。しかし、この耐用年数はあくまでも、税法上で減価償却の計算に使われる年数です。
実際は、同じRC造でも、素材や施工技術の進化、維持管理の行き届き具合によっては、税法上の耐用年数以上の長い期間住むことも十分可能です。
RC造のメリット
RC造のメリット
RC造のマンションには、下記のようなメリットがあります。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
・耐震性が高い
・遮音性が高い
・耐火性が高い
・デザインの自由度が高い
耐震性が高い
RC造のマンションは、耐震性が高いです。鉄筋は引っ張る力に強く、コンクリートは圧縮する力に強いという特徴があります。地震の揺れはマンションに対して引っ張る力と圧縮する力をかけてくるため、鉄筋とコンクリート両方の特徴を持つRC造は耐震性が高いでしょう。
また、重量を支える構造にも特徴があります。一般的な構造では建物全体の重量を「枠」で支えるのに対し、RC造は「面」で支える構造になっています。面で支えることで建物にかかる地震の負荷を分散できるため、枠で支える構造と比べて地震のダメージを最小限に抑えることができます。
遮音性が高い
マンションに住む際、音に気を使う人も多いのではないでしょうか。マンションのような集合住宅では、隣や上下の生活音が入ってこないか、自分の生活音が周りに漏れていないかなど、音に気を遣うことが多いです。
RC造は、遮音性が高いメリットがあります。遮音性が高い理由は、コンクリートの気密性です。音は空気の振動で伝わりますが、気密性があり隙間の少ない厚いコンクリートを利用しているRC造では音が伝わりにくいため、内部や外部から音が漏れにくいです。
耐火性が高い
鉄筋とコンクリートは、どちらも燃えにくい素材です。そのためRC造は耐火性が高く、万が一火災が発生しても建物が崩壊するリスクは少ないでしょう。建築基準法でも「耐火建築物」に分類されており、火災によって温度が1,000度まで上がっても強度が低下しません。
また、都心部などの建物が密集しているエリアでは「延焼」もリスクの1つです。RC造は燃えない素材のため、火災が発生しても燃え広がりにくく延焼を抑えることができます。
デザインの自由度が高い
RC造は、デザインの自由度が高いというメリットもあります。構造上の強度を確保できれば、柱のない広々とした空間や大きな開口部のあるデザインにすることも可能です。
鉄筋は曲げ加工が可能であり、コンクリートも流動体のためある程度自由に形状を決められます。そのため、木造では難しい曲線状のデザインにも対応でき、より自由にデザインできるのがRC造の特徴です。
RC造のデメリット
RC造のデメリット
RC造のマンションには、下記のようなデメリットもあるため注意が必要です。それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
・工事の費用が高い
・カビが発生しやすい
工事の費用が高い
RC造は、ほかの一般的な構造と比べて工事の費用が高いというデメリットがあります。工事の費用が高くなる理由は、主に下記の3つです。
・地盤工事が必要
・工事に時間がかかる
RC造の材料である鉄筋やコンクリートは重量が重く、木造などと比べて建物全体の重量が重くなります。建物の重さに耐えられる地盤強度を確保する必要があり、地盤補強のための工事をしなければならずコストがかかります。また、RC造はコンクリートを流し込んでから固まるまで待たなければなりません。工事期間が長くなることも、費用が高くなる理由の1つです。
カビが発生しやすい
コンクリートは気密性が高く、室内に湿気がたまりやすいです。そのため、カビが発生しやすいというデメリットがあります。そもそも、コンクリートそのものにも水分が含まれており、この水分は長い期間をかけて蒸散することでコンクリートの強度を高めていきます。
コンクリートが持つ水分と気密性が相まって、湿気がたまりやすくカビが発生します。RC造でカビが発生しないようにするには、高性能な換気システムが欠かせません。新築のマンションであれば24時間換気システムが導入されていることもありますが、事前の確認が必要です。
RC構造のマンションを選ぶときのポイント
RC構造のマンションを選ぶときのポイント
RC構造のマンションを選ぶときは、下記のようなポイントを確認しましょう。
・実際に音を聞いて遮音性をチェックする
・断熱処理の方法を確認する
実際に音を聞いて遮音性をチェックする
遮音性が高いというメリットがあるRC造ですが、かならずしもすべての人が満足できるとは限りません。人によってどれくらいの音を騒音と感じるかは違ううえ、建物の立地や間取りによっても音の大きさは変わります。例えば、大通りに面して窓が設置されている場合、大通りの騒音が窓越しに入ってくることはあるでしょう。
RC造の遮音性は高いですが、窓や換気部などから音が入ってくることを防ぐのは難しいです。そのため、内見時に実際に音を聞いて遮音性をチェックしましょう。隣との遮音性をチェックする際は、壁を軽くたたくのが効果的です。低い音がする場合は遮音性が高く、高い音がする場合は壁が薄い・密度が低いという証拠です。
鑑定士コメント
RC造は例えば木造や軽量鉄骨造といった構造と比べると遮音性が高いと言えます。しかしながら、主体構造だけで遮音性が決まる訳ではありません。同じRC造でも、床や天井、壁の仕様や厚さによって遮音性が変わります。さらに、エレベーター等のモーター音や振動音、風切音など共用部分を含めた全体の設計によることもあります。その原因はいろいろな要因が交差し、単純化して考えることは難しいです。調査を行っても原因が判然としないことも少なくありません。中古マンションであれば、実際に音を聞いて判断しましょう。
断熱処理の方法を確認する
RC造では、断熱処理の方法を確認することも大切です。RC造の断熱処理方法には、マンションの外側に断熱材を施工する「外断熱」と、内側に断熱材を施工する「内断熱」の2種類があります。外断熱は、結露が起きにくく気密性が上がる、建物が保護されるため寿命が延びるなどのメリットがある一方、費用がかかるというデメリットがあります。
内断熱は、コストが安いですが気密性は変わらず結露も起こる可能性があるでしょう。一般的には外断熱が数値上は良いとされていますが、かならずしも外断熱である必要はありません。地域によって内断熱でも十分な場所もあるため、予算に合わせて選びましょう。
まとめ:RC造の特徴を把握してぴったりのマンションを選ぼう
まとめ:RC造の特徴を把握してぴったりのマンションを選ぼう
RC造とは、鉄筋とコンクリートの特徴を合わせ持った建築構造です。RC造は、耐震性・遮音性・耐火性・デザインの自由度が高いため、マンションの構造としてよく採用されます。RC造は耐用年数も長く、適切なメンテナンスを行うことでさらに長い期間住むことができるでしょう。
一方で、工事の費用が高い・カビが発生しやすいというデメリットもあります。遮音性も実際に音を聞いてみなければ判断できないため、内見で確認することが重要です。また、断熱処理の方法によってもカビの発生具合は変わります。RC造の特徴を把握して、自分にあったマンションを選びましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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