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更新日:2024.10.22
登録日:2024.10.22
韓国のマンション事情は日本と違う?特徴や選ぶときのポイントを紹介
日本の隣国としてイメージがある韓国に親近感や興味などを持つ方は多いのではないでしょうか。なかには、いつか住んでみたいと思う方もいるでしょう。
韓国のマンション事情は、日本と大きく異なる点がいくつかあります。例えば、日本では「マンション」と呼ばれる物件が、韓国では「アパート」と認識されている点です。
本記事では、韓国のマンションの特徴や賃貸・分譲システム、購入する際のポイントなどについて詳しく紹介します。韓国への移住を考えている方・マンションの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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韓国のマンションの特徴
韓国のマンションの特徴
韓国のマンションは、日本のマンションとは異なる設計や特徴が多くあります。主な特徴は以下のとおりです。
・日本のマンションは韓国ではアパートと呼ばれている
・韓国のマンションは利便性が高い
・マンションの間取りは3LDK以上が多い
・床暖房システムが多く使われている
・人気物件の条件が日本と違う
・ベランダがない
それぞれの特徴を見ていきましょう。
日本のマンションは韓国ではアパートと呼ばれている
日本で「マンション」と呼ばれているものが、韓国では「アパート」として広く浸透しています。韓国における「アパート」は5階以上の高層住宅であり、都市部では一般的な住居形態です。
首都ソウルなどの大都市では、多くの人々がマンションに住んでおり、住宅選びの主流になっています。韓国の住宅総数に占めるマンションの割合は60%超(※)です。
韓国の面積は日本の面積よりも狭いなか、都市部への居住を望んでいる人々が多いため、高層マンションが多く建っています。
日本でいう団地のように1箇所で複数棟のマンションが立ち並ぶ景色を見られるでしょう。
※参照: 聯合ニュース
韓国のマンションは利便性が高い
韓国のマンションは利便性の高さが大きな特徴です。
マンションの敷地内には、コンビニやスーパー、飲食店などの日常生活に必要な施設が併設されています。居住者は敷地内で快適に生活できるでしょう。
また、バス停や地下鉄の駅などの公共交通機関が利用しやすい場所に建てられているため、外出や通勤・通学に便利です。
さらに、図書館やフィットネスジム、保育施設などの施設が併設されており、コミュニティ空間の利用による居住者の交流が図られています。
マンションの間取りは3LDK以上が多い
マンションの間取りは3LDK以上が多い
韓国のマンションは、日本のマンションより広い100平米程度の広さで、3LDK以上の間取りになっているファミリー向けの住居が一般的です。
リビングを中心とした間取りが特徴的で、玄関を開けてすぐにリビングがあり、すべての部屋が面しています。この特徴は、家族との時間を重視する韓国文化が反映されているでしょう。
また、韓国のマンションは洗面台やシャワー、トイレが一体化されたバスルームが2つある場合が多く、家族が多い場合でも快適に暮らせる環境です。
床暖房システムが多く使われている
韓国のマンションには「オンドル」と呼ばれる伝統的な床暖房システムが多く導入されています。
オンドルは、床下に設置した熱源から放射される熱で部屋全体を暖める仕組みで、足元から暖めることが可能です。
韓国の冬は寒さが非常に厳しいですが、オンドルの暖房効率が非常に高いため、寒い冬でも快適に過ごせます。
また、韓国のマンションでは二重窓が多く採用されており、断熱性の高さが相乗効果でオンドルの暖房効果を高めるでしょう。
人気物件の条件が日本と違う
韓国のマンション選びでは、人気物件の条件が日本とは違います。条件の違いは以下のとおりです。
・駐車場の広さと使いやすさ
・角部屋を除いた中間階
韓国は車社会であり、マンションの駐車場の広さや使いやすさが物件選びの重要なポイントになるでしょう。多くのマンションには地下駐車場が設けられており、天候に左右されることなく車を利用できます。
韓国の夏は暑く、冬は寒いという気候の影響で、最上階ではなく中間層の部屋が好まれる傾向です。中間層は断熱効果が高く、快適な温度を保ちやすいでしょう。
ベランダがない
ベランダがない
日本のマンションでは洗濯物を干すためにベランダが設けられていますが、韓国のマンションでは一般的にベランダがありません。
韓国では窓のあるサンルームに似た場所に洗濯機を設置して、室内干しをしていることが多いです。ベランダを設置しないことで物件自体の気密性を高め、冬の防寒対策として設計されています。
ベランダがないことで、居住空間が広く確保でき、リビングスペースを広くすることや収納スペースを充実することが可能です。
鑑定士コメント
オフィステルは、1つのビルにオフィスと住居が一体化した建物です。管理費用が高くなることがありますが、管理室、警備室がついており、セキュリティが優れています。主に高層ビルで、多様な種類の部屋がある新しい物件です。また、地下鉄やバス停など利便性が高い物件が多いところも特徴です。
韓国独自の賃貸・分譲システムとは
韓国独自の賃貸・分譲システムとは
韓国では、日本と異なる賃貸・分譲システムが3つ存在します。
・チョンセ|保証金をまとめて支払い月々の家賃は不要
・ウォルセ|保証金を支払い月々の家賃も支払う
・チョンヤク|定期貯金を積み立てた後にマンション購入
上記の3システムは韓国の賃貸および分譲市場において一般的であり、それぞれの異なる契約形態にはメリットとデメリットがあります。資金状況や住まいに対するニーズに応じて選択することが大切です。
ここでは、韓国独自の賃貸・分譲システムについて詳しく紹介します。
チョンセ|保証金をまとめて支払い月々の家賃は不要
チョンセは韓国特有の賃貸システムで、借主が入居時にまとまった保証金を家主に支払う代わりに、月々の家賃を支払う必要がない契約方式です。
貸主は借主から受け取った保証金を原資として運用を行い、家賃の代わりに運用利益を得る仕組みになります。
保証金は退去時に全額返還される仕組みですが、貸主の運用実績が悪ければ、返還されないリスクがあることに注意しましょう。
保証金の金額は、一般的に不動産売買価格の70%ほどで物件価格に左右されます。都市部や人気のエリアでは高額になりかねません。
チョンセは、初期費用に余裕がある人に適しており、毎月の固定費を抑えたい場合に選ばれやすいでしょう。
ウォルセ|保証金を支払い月々の家賃も支払う
ウォルセは日本の賃貸契約と似ており、保証金の支払いと月々の家賃の両方を支払うシステムです。保証金の金額は家賃の10〜20倍程度で、チョンセよりも初期費用を抑えられます。
ただし、家賃は物件の立地や規模によって大きく変動し、都市部の利便性が高い場所ほど高額になる傾向があります。
チョンヤク|定期貯金を積み立てた後にマンション購入
チョンヤク|定期貯金を積み立てた後にマンション購入
チョンヤクは、韓国の新築マンション購入に特化した分譲システムです。
購入希望者は、2年ほど定期貯金を積み立てる必要があり、この貯金実績によって新築物件のマンションを購入する権利を得られます。
積立期間や積立金額、家族構成や扶養家族の人数などを考慮しポイントが付与されます。そのポイントが点数化されて選考順位が決まります。
韓国でマンションを選ぶ際のポイント
韓国でマンションを選ぶ際のポイント
韓国でマンションを選ぶ際の主なポイントは以下のとおりです。
・世帯数が多いマンションを選ぶ
・南向きの部屋を選ぶ
・最上階と角部屋は避ける
それぞれの要素は居住時の快適さだけでなく、資産価値にも関わるため、慎重な判断が求められます。
世帯数が多いマンションを選ぶ
韓国では、世帯数が多いマンションが人気です。世帯数が多いと管理費が分散され、各世帯の負担が軽減されるメリットを享受できるでしょう。
また、コミュニティが形成されやすい共用施設のフィットネスセンターやプレイグラウンドなどの設備が整備されています。生活における安全性や安定感が向上するでしょう。
世帯数が多いマンション周辺は、人口が増えていくことで商業施設や学校などの需要が高くなり、地域発展に寄与します。マンション周辺の地域発展によりマンションの資産価値が上昇し、将来的な売却時にも寄与するでしょう。
南向きの部屋を選ぶ
韓国では、日本同様に南向きの部屋が人気です。
南向きの部屋は日中に自然光が入りやすく、部屋が明るく保たれるため、居住者にとって快適な環境が提供されます。
また、冬場の寒さが厳しい韓国では、自然光によって部屋が暖められ暖房効率が良くなるでしょう。
韓国のマンションでは、南向きの部屋の数が多く、一列に並んでいる物件が人気です。
最上階と角部屋は避ける
最上階と角部屋は避ける
韓国では、日本と違って、最上階や角部屋が避けられる傾向にあります。最上階は天井からの断熱効果が少なく、夏は暑く、冬は寒くなりやすいのが特徴です。韓国特有の気候である夏の暑さと冬の寒さが影響しているでしょう。
角部屋についても、外気の影響を受けやすく夏は暑く、冬は寒くなります。断熱効果が低く、冷暖房効率が悪くなるため、光熱費が高くなるでしょう。
マンションの外観は、日本も韓国も同様ですが、夏や冬の季節性による体感温度から異なる条件になっています。
鑑定士コメント
韓国でアパートの資産価値に最も影響を与える要因は、立地条件と周囲の環境です。特に下水処理施設や火葬場の近くは悪臭や騒音により資産価値が下がります。一方、学校が近い地域は、教育環境が整っているため価値が上がりやすいです。さらに、コンビニや飲食店などの商業施設、駅近くの物件も高評価を受けます。ただし、大きな道路に隣接するアパートは騒音の影響を受けるため注意が必要です。
韓国のマンションを購入する場合の人気エリア
韓国のマンションを購入する場合の人気エリア
韓国でマンションを購入する際に人気のエリアは、以下の地域が挙げられます。
・東部二村洞(トンブイチョンドン)
・新村(シンチョン)
・江南(カンナム)
東部二村洞(トンブイチョンドン)は「日本人街」として知られ、日本の団地に似た大規模住宅地で日本人駐在員が多く住むエリアです。治安も良好で、漢江市民公園などの自然が近く、交通の便も優れています。
新村(シンチョン)は、ソウル随一の学生街として有名です。外国人用の韓国語語学学校もあり、日本人留学生の居住率が高い地域になっています。学生向けの安くて小さいワンルームが多く、若年層が暮らしやすい地域でしょう。
江南(カンナム)は高級住宅街で、韓国の富裕層が多く住むエリアです。単身赴任者が増えてきており、ワンルームタイプのマンションが多くあります。また、日系企業の進出が顕著で、日系企業駐在員の居住率が上昇傾向です。
韓国のマンションを購入する場合の注意点
韓国のマンションを購入する場合の注意点
韓国でマンションを購入する際には、下記の点に注意しましょう。
・不動産購入の事前申告
・外国為替銀行での不動産取得申告
・不動産購入後の登記申請
・不動産に関する税金の支払い
1998年以降に誰でも不動産を購入する際、「事前申告」が必要になりました。申告内容はすべてデータベースに記録され、政府施策の参照データになります。具体的には、外国人の不動産取引状況を国別・用途別・地域別などで種別毎に記録する方法です。
また、不動産の取得資金を銀行から引き出す際に韓国の外国為替銀行で「不動産取得申告」を行います。韓国と日本それぞれで準備する資料があるため、事前準備を確実にしておきましょう。
購入後は契約締結日60日以内に「登記申請」を行い、所有権を確定させることが必要です。所有権が法的に保護されないため、必ず期限内に手続きを完了させましょう。
日本同様に不動産に関する税金の支払いが必要です。マンション購入時には、取得税や登録税、付加価値税などがかかります。購入後は物件を保有している間、財産税の支払いが毎年必要です。
まとめ:韓国のマンション事情は日本とは大きく異なる
まとめ:韓国のマンション事情は日本とは大きく異なる
韓国のマンション事情は、日本と大きく異なることを解説しました。賃貸・分譲システムや人気物件の条件、マンションの設備などの違いがあります。
韓国でマンションを選ぶ際には、利便性や生活スタイルに合った物件を選ぶことが重要です。韓国独自の特徴とポイントを理解することで、快適な住環境を手に入れましょう。
#韓国マンション #ソウル #住宅 #アパート
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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