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更新日:2023.06.26
登録日:2023.06.26

マンション価格が高騰する要因は?データを元にわかりやすく解説

マンション価格が高騰する要因は?データを元にわかりやすく解説

マンションを手放すなら、できるだけ高い価格で売却したいものです。近年、マンションの価格が高騰し続けているため、いつ売却するか迷っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、マンションの価格高騰の要因がわからないままでは、適切なタイミングを見極めるのは難しいでしょう。

そこで、本記事では、マンション高騰の要因を複数のデータを元に解説します。高い価格で売却するポイントも紹介しているので、マンション売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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【2023年】マンション価格の高騰が続いている

【2023年】マンション価格の高騰が続いている

【2023年】マンション価格の高騰が続いている

2023年現在、新築や中古にかかわらず、マンションの価格高騰が続いています。現在までに、マンションの価格がどのように推移しているか、気になる方もいるでしょう。

 

2023年までの「マンションの価格推移」や「首都圏の新築マンションや中古マンションの価格推移」を紹介します。

2023年のマンション価格推移

国土交通省が毎月公表している、不動産価格指数の推移は、次のグラフの通り(※)です。

2023年のマンション価格推移

2023年のマンション価格推移

出典:国土交通省

 

不動産価格指数とは、実際の取引価格情報をもとに、不動産価格の動向を示す数値化した統計データです。

 

グラフを見ると、不動産価格指数は、全体的に増加傾向であることがわかります。

 

2019年〜2023年の、マンションの不動産価格指数の推移は、次の表(※)の通りです。

 

不動産価格指数/年度

2019年1月

2020年1月

2021年1月

2022年1月

2023年1月

マンションの不動産価格指数

146.1

151.5

157.2

175.1

189.4

とくに、2021年から急激にマンションの価格が高騰していることがわかります。

 

※参照:国土交通省

 

新築マンションの相場を以下の記事にまとめているので、具体的なマンションの価格が知りたい方はご覧になってください。

 

首都圏の新築マンションの価格推移

首都圏にある新築マンションの価格推移を見てみましょう。2019年〜2023年における、首都圏の新築マンションの平均坪単価は、次の通りです。

 

※横にスクロールできます。

年代

時期

坪単価(万円)

2019年

第1四半期

324.2

第2四半期

319.4

第3四半期

318.1

第4四半期

334.6

2020年

第1四半期

340.9

第2四半期

342.5

第3四半期

321.7

第4四半期

329.0

2021年

第1四半期

324.1

第2四半期

331.1

第3四半期

360.6

第4四半期

345.6

2022年

第1四半期

338.3

第2四半期

315.9

第3四半期

332.8

第4四半期

347.5

2023年

第1四半期

445.4

2023年5月東京カンテイ調べ)

 

2020年〜2022年頃は、坪単価が増減を繰り返していました。

 

その後、2022年の第2四半期から右肩上がりになり、2023年の第1四半期には坪単価が400万円台を大きく突破しています。

 

前期と比較して、坪単価が28.2%も上昇しました。調査を開始した2017年から見ても、2023年の第1四半期の坪単価が最高額となっています。

 

坪単価はマンションの価格に比例するため、首都圏の新築マンションの価格が高騰していることがわかります。

 

首都圏の中古マンションの価格推移

首都圏の中古マンションの価格推移

首都圏の中古マンションの価格推移

次に、首都圏にある中古マンションの価格推移を確認しましょう。

 

※横にスクロールできます。

 

坪単価(万円)

年代

時期

築5年以内

10年以内

20年以内

30年以内

30年超

すべて

2020年

第1四半期

335.3

263.3

205.6

144.4

132.4

176.6

第2四半期

338.8

264.9

203.3

145.6

130.9

173.8

第3四半期

334.6

273.2

207.1

147.0

131.1

176.5

第4四半期

341.8

276.3

215.4

152.0

134.8

181.7

2021年

第1四半期

354.2

284.5

222.8

158.6

140.5

189.9

第2四半期

358.7

294.1

233.9

168.0

141.5

193.0

第3四半期

365.3

303.3

246.4

178.9

147.1

201.0

第4四半期

368.8

317.1

256.9

188.7

152.2

209.2

2022年

第1四半期

387.3

329.0

266.2

199.4

156.1

216.0

第2四半期

394.7

337.0

274.3

204.1

158.9

219.1

第3四半期

388.8

340.9

279.5

210.4

163.3

224.4

第4四半期

399.1

346.6

283.1

218.0

164.8

226.4

2023年

第1四半期

407.2

345.2

288.8

217.6

165.8

227.7

2023年5月東京カンテイ調べ)

 

2023年の第1四半期の平均坪単価は227.7万円で、11期間連続で価格が上昇しています。

 

築年数別に見ても、全体的に中古マンションの坪単価は増加傾向にあります。築5年以内の中古マンションは、2023年の第1四半期に坪単価が400万円を突破しました。

 

前述した通り、首都圏の新築・中古マンションともに、2023年が最も高い価格となっています。

 

以下の記事で、地方ごとのマンション価格推移もまとめているので、住んでいるマンションの価格設定の参考にしてみてください

 

【2022年度】マンションの価格推移を解説!中古マンション価格も紹介

当サイトでは、マンションのパンフレットやチラシの見方、人気エリアにある物件の探し方などを用意しています。新しくマンションを買い換える予定の方は、お役立ち資料をダウンロードしてみてください。

マンション価格が高騰している理由

マンション価格が高騰している理由

マンション価格が高騰している理由

近年、マンション価格が高騰している理由は、次の6つです。

 

・新築マンションの供給減少

・マンション建築費の高騰

・地価の上昇

・住宅ローンの低金利

・住居に対する意識の変化

・投資用としての利用増加

 

価格高騰の理由がわかると、今後、価格が変動するタイミングを見極めやすくなります。

新築マンションの供給減少

マンションの価格が高騰している理由の1つが、新築マンションの供給減少です。

 

近年、新築マンションの供給戸数は減少傾向にあります。2021年の第4四半期から2023年の第1四半期までで、供給戸数は21.15%も減少しました

 

年代

年代・時期

供給戸数

2021年

第3四半期

8,799

第4四半期

10,530

2022年

第1四半期

10,229

第2四半期

10,193

第3四半期

8.264

第4四半期

9,334

2023年

第1四半期

8,303

2023年5月東京カンテイ調べ)

 

価格上昇によって供給物件が絞り込まれる市場となり、結果的にマンション価格の高騰へつながったと考えられます。

 

※参照:東京カンテイ

 

鑑定士コメント

マンションの平均価格が上がると、供給戸数が減るとよく言われます。これはなぜでしょうか?一つは供給面です。そもそも平均価格が上がる要因は土地の高騰や資材・建築単価の高騰があります。このような時にはディベロッパーの仕入れや建築計画が滞り、供給の遅れ・減少に繋がります。次に、需要面です。マンションの平均価格が上昇すると、資金的に購入できる方は限られます。結果として、マンションを購入する方が減少し、売れないということで供給戸数も減少していきます。

マンション建築費の高騰

マンションの価格高騰の理由として、「マンション建築費の高騰」が考えられます。

 

一般財団法人建設物価調査会や国土交通省のデータを元に、建築費の推移を確認しましょう。

 

一般財団法人建設物価調査会は、建築費指数を公表しています。建築費指数とは、工事費用・資材費用・設備費用などを元に決定した、建物の工事価格を把握できる指数のことです。

 

集合住宅(RC造)の建築費指数は、以下のように推移しています。(※)

マンション建築費の高騰

マンション建築費の高騰

出典:一般財団法人建設物価調査会

 

全体的に見て、右肩上がりですが、2021年以降に建築費指数が大きく上昇しました。

 

国土交通省が公表する「建築工事費デフレーター」のデータでも、2021年以降から急激な上昇が見られます。(建築費デフレーターとは、国土交通省が毎月発表している、建築工事費の目安となる指標です。)

 

年度・月

RC造住宅の建築工事費デフレーター

2018年1月

102.5

2019年1月

106.7

2020年1月

109.6

2021年1月

108.4

2022年1月

116.5

2023年1月

122.0

※国土交通省「建築工事費デフレーター」より作成

 

全体的に建築工事費は増加傾向にあるため、2023年以降も上昇することが見込まれます。

 

※参照:一般財団法人建設物価調査会

地価の上昇

地価の上昇

地価の上昇

近年、土地の価値(地価)も上昇傾向にあります。

 

国土交通省が公表する全国の地価動向によると、全国の住宅地における地価は、2022年・2023年と2年連続で上昇しています。地価動向のデータは、以下の表(※)で確認してください。

 

年度

全国の住宅地の地価動向(前年比)

2019年

+0.6%

2020年

+0.8%

2021年

-0.4%

2022年

+0.5%

2023年

+1.4%

 

コロナの影響で一時的に地価は下がったものの、景気の回復によって持ち直し、2023年は前年比+1.4%と地価が大きく伸びています。

 

地価とマンションの価格は比例関係にあるため、地価の上昇に伴い、マンションの価格も高騰したと考えられます。

 

※参照:国土交通省

住宅ローンの低金利

2013年4月に、日銀は金融緩和政策を発表しました。その後の2016年に行った、マイナス金利政策などによる影響で、住宅ローンは10年以上低金利が続いています。

住宅ローンの低金利

住宅ローンの低金利

出典:フラット35|民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

 

金利が低いとマンションを購入しやすくなり、需要が高まります。結果として、マンションの価格の高騰へとつながっているのでしょう。

 

しかし、2022年12月から日銀は、長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.50%へと引き上げました

 

長期金利の上昇によって、2023年から固定金利型住宅ローンの金利がわずかに上昇しています。

 

今後は、変動金利型住宅ローンの金利も上昇する可能性があるため、金利の推移をチェックしておきましょう。

住居に対する意識の変化

コロナの影響による、テレワークへの移行や自宅時間の増加によって、住居に対する意識の変化が起こっています。

 

以前は住宅選びにおいて価格を重視する傾向にありましたが、より快適な環境を求めて「間取り」や「広さ」を重視する方が増加しました。

 

結果としてマンションの購入率が高まり、価格高騰の一因となっています。

投資用としての利用増加

投資用としての利用増加

投資用としての利用増加

投資用としてマンションを購入する方の増加が、マンションの価格高騰の要因の1つです。

 

将来に対する備えとして、新たに不動産投資をはじめる方も増加しました。

 

とくに、駅から徒歩圏内にあるマンションや、周辺施設が充実しているマンションの需要が高まっています。

 

また、円安によって、日本のマンションを購入する海外投資家も増加傾向にあります。

鑑定士コメント

マンション購入は高騰が終わるまで待つべきでしょうか?これは難しい論点ですね。価格はさまざまな要因によって決定するため、いつ価格の高騰が終了するか予想がつきません。この10年スパンの動きを見ていると、いずれ下がると言われながら上昇しているのが実情です。今後も価格が高騰する可能性もあるため、欲しいと感じている今のうちに購入するのが結果的に良かった、ということもあるでしょう。

マンションを高く売却するためのポイント

マンションを高く売却するためのポイント

マンションを高く売却するためのポイント

マンションの価格が高騰している今、売却を検討している方も多いでしょう。売却するなら、少しでも高い価格で売却したいと思うはずです。

 

マンションを売却する際には、押さえておきたいポイントは次の2つです。

 

・築年数25年を超えないように売却する

・高く売れやすい時期に売却する

築年数25年を超えないように売却する

築年数が経過するにつれ、建物が劣化し、資産価値が低下します。そのため、築年数が25年を超えるまでには売却しましょう。

 

築年数が25年を超えたマンションの場合、高い価格がつきにくくなるためです。

 

公益財団法人である、東日本不動産流通機構の調査結果によると、築年数別のマンションの売買価格は以下の通り(※)です。

 

築年数

成約価格

0〜5年

6,838万円

6〜10年

6,193万円

11〜15年

5,543万円

16〜20年

5,250万円

21〜25年

4,290万円

26〜30年

2,832万円

31年〜

2,193万円

 

築年数21〜25年のマンションと比較して、築年数26〜30年のマンションの成約価格は約34%も減少しています。

 

多くのお金を手元に残すためにも、マンションの資産価値が落ちる前に売却しましょう。

 

※参照:東日本不動産流通機構

高く売れやすい時期に売却する

マンションの売却は2月から3月の時期に行いましょう

 

新生活に向けて、マンションの購入や買い替えを検討する方が多いためです。マンションの需要が高まるタイミングは、高い価格で売却しやすくなります。

 

売却のタイミングを見極めるために、周辺環境の変化に目を向けることも重要です。

 

たとえば、近隣で大きな商業施設・駅・病院などが建設される場合、マンションの需要が高まって高い価格で売却できる可能性があります。

 

マンションの価格は、経済情勢にも影響します。常に最新の情報をチェックして、適切なタイミングで売却できるようにしましょう。

まとめ:マンションが高騰しているうちに売却も検討してみよう

まとめ:マンションが高騰しているうちに売却も検討してみよう

まとめ:マンションが高騰しているうちに売却も検討してみよう

2023年現在、新築マンションの供給減少・建築費の高騰・住宅ローンの低金利などでマンションの価格は高騰しています。価格の高騰がいつ終わるのかはわからないので、今のうちに売却を検討しておいてください。

 

売却する際は、買い手が多くなる2月〜3月を狙うのがおすすめです。周辺状況や経済情勢にも目を向けて、高く売却できるタイミングを逃さないようにしましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

マンションの資産価値を見る指標の一つとして、「リセールバリュー(RV)」がありますが、RVを表現した文章のうち、正しいものは次のうちどれですか?

答えは 1

RVは将来予測ではなく、過去10年間で価格がどれだけ上がったかの実数を見るため人気エリアの判断材料として有益な指標になります。

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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