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更新日:2023.08.28
登録日:2022.12.20
マンションの火災保険には入るべき?相場や安くするポイントを解説
「マンションで火災保険の加入って必要?」
「たくさんあって保険の選び方がわからない」
このような疑問をお持ちではありませんか?
火災保険を取り扱っている保険会社は多く、特約や補償内容などを自分で調べるのは大変です。そのため、不動産に勧められるまま加入しているという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンションの火災保険の必要性やメリット、補償範囲や選び方などをわかりやすく解説しています。また、火災保険の相場や、保険料を抑えるためのポイントも紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
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マンションでは火災保険の加入は必要?
マンションでは火災保険の加入は必要?
結論から言うと、火災保険への加入は必要です。なぜなら、多くの人にとってメリットがあるからです。マンションなどの集合住宅では、他にもさまざまな人が住んでいるため、何が起こるかわかりません。万が一のリスクに備えられます。
火災保険の加入率
内閣府によると、2015年度末において火災保険の加入率は82%となっています。万が一の際に生活の建て直しを楽にするため、加入しておくことが勧められています。(※)
万が一、隣家から火災が発生し被害を受けたとしても「失火責任法」によって、隣家から損害賠償を受けられない場合があるのです。その場合は、自身が加入している火災保険で補償をしなければいけません。
火災保険に加入していなかった場合、すべて自己負担しなければならない可能性があると言うことです。どんなに注意していても火災のリスク、被害を受けるリスクがあるため、火災保険への加入は必要だと言えるでしょう。
※参照:内閣府
火災以外にも広い範囲の補償がある
火災保険には、火災以外にも広い範囲で補償があります。居住地のリスクを確認し、必要な補償に加入しておくのがおすすめです。火災保険の主な補償範囲は以下の通り。
・火災・落雷・破裂・爆発
・風災・雹災・雪災
・水災
・外部からの物体の落下、飛来、衝突
近年、異常気象による大きな災害が頻発しており、線状降水帯による集中豪雨や、台風や竜巻による風災などの被害が増加しています。こういった自然災害は、いつどこでどのような被害をもたらすかわかりません。これまでに無かったからといって安心はできないのです。
水災や風災を補償する火災保険に加入していれば、床上浸水や室内の損害について補償を受けられます。自然災害に備えられる保険だと考えて良いでしょう。
地震保険は火災保険とセットで加入する
日本は地震大国ということもあり、地震保険への加入を検討している人もいるのではないでしょうか。地震が原因による火災や住宅の損害は、火災保険では補償されません。地震による損害を補償したいなら「地震保険」への加入が必要です。
加えて、地震保険は単独での加入はできません。火災保険とセットで契約しなければいけない保険です。火災保険の契約期間途中からでも、地震保険への加入は可能です。保険料は居住地、建物の構造により異なります。
ちなみに、内閣府によると2015年度末において、地震補償ありの火災保険への加入率は49%と発表されています。地震保険は不要だと考える人もいるようです。しかし、リスクが大きい日本では地震保険にも加入しておくべきでしょう。
マンション火災保険の補償範囲
マンション火災保険の補償範囲
マンションの場合、戸建てに比べて補償範囲が狭いため、保険料が少なく済みます。マンションの補償範囲は「専有部分」のみ。つまり、住居(室内)だけが補償されるのです。
マンションの共用部分は管理組合が火災保険に加入し、管理を行っています。代表的な共用部分はマンションのエントランス、自動ドア、廊下、階段、エレベーター、バルコニー等です。
自宅内で起きた損害がマンション火災保険の補償範囲です。マンションの共用部分以外に補償が必要かどうかを検討する必要があります。
マンションの共用部分に該当する部分がどこか知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
マンションの共用部分とは?トラブル防止のために理解しておくべきこと
鑑定士コメント
マンション共用部分にかける火災保険は、一般的にマンション総合保険といいます。マンション総合保険はマンションの管理組合で加入し、検討や契約、その管理などは管理組合の業務です。
マンション総合保険では「法定共用部分」と「規約共用部分」まで含めた共用部分を補償の対象となります。「法定共用部分」とは、玄関ホール、廊下、階段、エレベーター、電気室、屋上など、建物のしくみ上、各住戸を使用するために欠かすことのできない部分のことです。規約共用部分とは、集会室や管理員室など、建物の構造やしくみの上では一般の住戸のように独立していても、居住者が共同で使うため共用部分であることを管理規約で明確にしている部分のことです。
この2つがマンションのスペックや規約ごとに範囲が異なるので、火災保険の補償範囲もマンションごとに異なるのです。
マンション火災保険の選び方
マンション火災保険の選び方
火災保険を取り扱っている保険会社は多くあります。もしかしたら不要な保険料を支払っている可能性があるため、保険選びは自分で行うのがおすすめです。
マンション火災保険の選び方は以下の3つです。
・火災保険の補償内容をチェックする
・地震保険に加入するかどうか
・火災保険の特約を選ぶ
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
火災保険の補償内容をチェックする
火災保険は、火災だけを補償する保険ではありません。その他の自然災害にも備えられます。保険会社、保険商品によって補償内容や補償範囲は異なるため、事前にチェックしておくことが大切です。
主な補償内容は以下の通りです。
※横にスクロールできます。
この他にも、特約として追加で補償をプラスすることも可能です。特約の内容、補償内容は、保険会社や商品によって異なるため、チェックしておきましょう。
地震保険に加入するかどうか
火災保険に加入する際、地震保険にセットで加入することが可能です。火災保険ではカバーできない地震による損害を補償できます。地震保険への加入は任意となっており、火災保険単体に比べると加入率は49%と落ちますが、加入しておくべき保険だと言えます。
理由としては、「日本は地震大国であり、近年大きな地震が増えている」「地震による火災、水災などの損害は火災保険では補償されない」ためです。万が一被災した際、補償が受けられるのと受けられないのでは大きな違いがあります。
全壊を避けられたとしても、室内の損害や火災など、万が一に備えておくため、火災保険と一緒に地震保険への加入がおすすめです。
火災保険の特約を選ぶ
説明した通り、火災保険は特約を付けることで、補償を増やすことが可能です。特約とはオプションのようなもので、さまざまな種類が用意されています。その中でも、マンションの火災保険に付けることをおすすめする特約は以下の3つです。
・個人賠償責任特約
・臨時費用補償特約
・失火見舞費用特約、類焼損害補償特約
「個人賠償特約」とは、他人や他人の物に損害を与えてしまった時、賠償費用が補償されるものです。子ども、ペットによる過失なども含まれます。
「臨時費用補償特約」とは、保険金に加えて、臨時費用が受け取れる特約です。損害保険金のおよそ10〜30%の費用が受け取れます。(※)
「失火見舞費用特約・類焼損害補償特約」は、どちらも自身の過失により他の住居や家財に損害を与えてしまった時、一定額の損害金(見舞金)を支払うものです。
マンション火災保険の相場
マンション火災保険の相場
マンションの火災保険料は、戸建てに比べると少ないと言いましたが、大体どの程度なのでしょうか。一般的には、年間1〜4万円程度だと考えていいでしょう。ただし、補償内容やリスクの大きさによって異なるため、一概には言えません。(※)
築年数・専有面積・都道府県・マンションの構造(鉄骨か木造かなど)によって算出される保険料は異なります。最も燃えにくい構造のマンションは保険料が安くなっています。多くの保険会社で、公式サイトにて情報を入力するだけで見積もりが可能です。
また、地震保険や特約の有無によっても異なるため、見積もりを比較して検討するのが良いでしょう。ご自分の状況や、居住地などに合わせて補償や特約を選んでください。
鑑定士コメント
火災保険の保険料は、建物の構造・用途・床面積、地域、補償内容によって変わってきます。簡単に言えば、リスクの高い住戸ほど保険料が高くなります。
火災保険は、大きく分けて「火災リスク対応(火災・落雷等)」「自然災害リスク対応(風災・雪災・水災等)」「日常生活リスク対応(水漏れ・盗難・家財の破損等)」に分けられ、保険会社が用意する必要な補償内容を選ぶことが出来ます。
例えば、専有部分がマンションの上階の場合、大雨や洪水等の水災で浸水する可能性は低いので、水災保障は外せば、その分保険料は安くなります。これに対し、ハザードマップでリスクが高いエリアのマンションの1階・2階は保険料が高くなっても水災保障の加入をお勧めします。
火災保険料を安くするためのポイント
火災保険料を安くするためのポイント
万が一の際に備えられる保険は、保険料を支払い続ける必要があります。できるだけ安く抑えたいと思う人が多いでしょう。ここからは、保険料を抑えるためのポイントを3つ紹介します。
・マンションの構造
・保険料の支払い方法
・補償内容がどれくらい充実しているか
上記ポイントについてそれぞれ詳しく解説します。
マンションの構造
マンションの構造は、火災保険料、地震保険料に大きな影響を与えます。火災保険で分類される構造は「T構造」「M構造」「H構造」の3つです。3種類の構造の違いは以下で説明しています。
マンションの場合、耐火性のあるM構造が最も保険料が安くなります。ほとんどのマンションがM構造に当てはまるでしょう。しかし、耐火性の建物でない場合、マンションでもT構造に分類される場合があります。
ご自分のマンションがどの分類に当てはまるかは事前にチェックしておきたいポイントです。
保険料の支払い方法
保険料をできるだけ安く抑えたいなら、保険料の支払い方法で節約が可能です。火災保険は、長期契約であればあるほど、保険料が割引されるケースが多くなっています。火災保険には、最大で10年まで契約できる場合があります。
また、保険料の支払い方法には、年払い・月払い・一括払いがありますが、一括払いの方がお得になっています。保険期間の保険料を一括で前払いしておくため、分割払いに比べると、総額が安くなります。
保険料を安くしたいと考えるなら、長期契約の一括払いがおすすめです。万が一途中で解約した場合は、解約返戻金として保険料が返ってきます。全額返金されるわけではありませんが、一括払いはメリットの方が大きいと思われます。
補償内容がどれくらい充実しているか
保険会社によって補償内容や特約は微妙に異なりますが、特別な理由が無い限りは、保険料の安さで火災保険を選ぶのがおすすめです。ただし、基本的な補償や水漏れなどの補償が付いているかどうかは確認が必要。
マンションの場合、上階からの水漏れ被害など、水漏れによる損害のリスクが高いため、水災や水漏れの補償は外せません。優先して付けておきたい補償といっても良いでしょう。また、火災保険の補償プランから、不要だと思うものを外して保険料を抑える方法もあります。
加えて、火災保険の加入は、インターネットで契約できるタイプの方が安い傾向があります。火災保険への加入を検討する際は、加入方法もチェックしておくと良いでしょう。
まとめ:自分に合った火災保険を選ぼう
まとめ:自分に合った火災保険を選ぼう
火災保険は、保険会社・保険商品によって特約や補償内容、保険料が異なります。マンションなど集合住宅に住む場合、火災保険への加入は必要です。万が一の火災だけでなく、自然災害や上階からの水漏れ被害にも備えられます。
不動産から勧められた火災保険だけでなく、さまざまな火災保険を比べてみてください。勧められた保険よりも安い保険料で必要な備えができる可能性があります。選び方を参考に自分のニーズに合った火災保険を選びましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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