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更新日:2023.02.09
登録日:2022.11.25
マンションの二重床はどんな構造?リフォームに向いている理由を解説
「マンションの二重床とはどんなもの?」
「二重床の構造やそうでない床との違いを知りたい」
このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
住宅の建築やマンションの購入時に、二重床という言葉を聞いた方も多いですよね。二重床とは、その名の通り床が二重構造になっていて、そうでないものと比べてメリットや効果があります。
この記事では二重床の意味から構造、メリット・デメリットについて詳しく解説します。二重床について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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マンションの二重床とは?
マンションの二重床とは?
マンションの二重床とは、そもそもどのような床を指すのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。二重床の意味や構造をそれぞれ詳しく解説していきます。
二重床の意味
マンションの二重床とは、構造躯体の床(床スラブ)とフローリングなどの床材の間にスペースができている二重構造の床です。その名の通り、床が二重になっているため二重床と呼びます。
二重床でできたスペースには、給排水管やガス管などを配置できます。反対に床が二重構造になっていないものを直床構造と呼び、床スラブの上に直接床が貼られているのが特徴です。
二重床の構造
二重床の構造の多くは、床スラブに支柱やボルトをたててその上にフローリングなどの床材を貼ります。ここにできた空間内に配管を通すことで、構造躯体を工事しなくても間取りや内装の変更が可能です。
直床構造の住宅では、構造躯体に配管が埋められているものもあるため、水回りの設備を変更するには大掛かりな工事が必要です。しかし二重床であれば、比較的容易に設備の変更ができます。
二重床と直床の違いは?
二重床と直床の違いは?
二重床は床スラブの上にボルトや支柱をたてて、その上にフローリングなどの床材を貼るため、床同士の間に空間ができます。直床は、床スラブの上に緩衝材や床材を直接貼る構造です。
二重床と直床の大きな違いは、上階から下階への遮音性です。二重床の場合は緩衝材に加えて空間もあるため、足音や生活音が伝わりにくくなります。直床は緩衝材などを貼っても、二重床と比べると音が伝わりやすいです。
また、直床は緩衝材などを貼ることで踏み心地が柔らかく感じます。対して二重床は硬い床の感覚を感じられるでしょう。
他にも、二重床と直床では設備の交換のしやすさに違いがあります。二重床は床の空間に配管が通っているため、水回りの設備を比較的容易に行えます。リノベーションを想定している方は、二重床がおすすめです。
鑑定士コメント
直床から二重床にすることは技術的には可能ですが、いくつか注意するべきポイントがあります。床を1段上げることになるので、後から二重床にした場合、間接的に天井が低くなります。また物件によっては配管経路の問題で間取りに制限が出る可能性もありますし、何より管理規約で床工事に制限があることもあるので、確認が必要です。
二重床のメリット
二重床のメリット
二重床の主なメリットは以下の3つです。
・配管などのメンテナンスや交換がしやすい
・リフォームがしやすい
・遮音性が期待できる
一つひとつ解説していきます。
配管などのメンテナンスや交換がしやすい
二重床のマンションでは、配管などのメンテナンスや交換がしやすいのが大きなメリットです。床スラブと床材の間に配管を通すので、移動や交換の手間が直床と比べてかかりません。
配管はマンションの寿命に直結する要素の1つです。古いマンションであるほど配管の劣化は激しくなりますが、二重床を採用していれば手軽に設備を刷新できます。
リフォームがしやすい
リフォームがしやすいのも二重床のメリットです。
二重床のマンションであれば、間取りや設備などを大きく変更できます。直床の場合は、すでに決められた配管の配置などにより、構造躯体の工事が必要なものもあるでしょう。二重床なら、比較的容易にリフォームやリノベーションが可能です。
遮音性が期待できる
遮音性が期待できる
基本的に、二重床は直床と比べて遮音性が期待できます。床スラブと床材の間にスペースがあるので、音が伝わりにくいからです。中でも二重床の場合は、軽量床衝撃音と呼ばれる軽いものを落とした時に出る音が伝わりにくくなります。
とはいえ、マンションの構造や二重床の種類によって遮音性に違いがあるので注意が必要です。
二重床のデメリット
二重床のデメリット
二重床は良い点ばかりではありません。あらかじめ理解しておきたいデメリットを紹介します。
・工法によって遮音性が低くなることがある
・新しく二重床にする場合は天井高が低くなる
・直床に比べるとコストが高い
それぞれ解説していきます。
工法によって遮音性が低くなることがある
二重床の遮音性については、メリットでも紹介しました。しかし、床とコンクリートが接触していたり、フローリングの下を木材で固定したりした場合、逆に遮音性が低くなるケースもあります。
工法によっては遮音性がデメリットにもなりかねないことを覚えておきましょう。もし、遮音性が低い場合は、遮音性が高い工法でのリフォームを検討してみてください。
新しく二重床にする場合は天井高が低くなる
新しく二重床にすると天井高が低くなるのがデメリットです。というのも、もともと直床だったマンションを二重床に変更すると、天井高は低くなります。
部屋が狭く感じたり搬入経路が確保できなかったり、天井高が低くなることで弊害が生まれるので注意が必要です。変更するときは天井高がどれくらい変わるかまで理解しておきましょう。
天井高は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
天井高の平均は?天井が高い・低い物件のメリットとデメリットも解説
直床に比べるとコストが高い
二重床のデメリットは、直床と比べると建設コストが高いこともあげられます。配管の移動が簡単になるとはいえ、建設時のコストが高くなるので注意が必要です。
工事費が高くあると物件価格にも影響が出るため、直床との差を理解しておくことが大切です。
鑑定士コメント
二重床は一般的には遮音性が期待できますが、条件によっては逆に騒音が気になるケースも見られます。例えば音の逃げ場となる隙間がない二重床は、足音など衝撃が加わると、その振動が空気を通して広い範囲に伝わり、直床よりも響きやすくなるケースがあります。この場合は、空気の逃げ場となる隙間を作ると、床スラブに伝わる音が軽減され騒音の対策ができます。リフォーム施行会社の経験やノウハウに負う部分が大きいので、実績のある会社を選ぶことをお勧めします。
まとめ:リフォームをするなら二重床がおすすめ
まとめ:リフォームをするなら二重床がおすすめ
二重床は直床と比べて配管の交換やメンテナンスがしやすく、リフォームに適している住宅構造といえます。リフォームやリノベーションを想定しているのであれば、二重床がおすすめです。
とはいえ、二重床でも騒音につながる可能性もあるので、構造に工夫が必要となります。正しい知識を身につけることで、理想の住宅作りができますよ。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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