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更新日:2025.12.24
登録日:2025.12.23
フローリングの浮き、放置はNG!原因と症状レベル別の正しい直し方を紹介

「フローリングの浮きは何が原因?」
「フローリングの浮きって放置しても大丈夫?」
「浮きの直し方が知りたい」
フローリングの一部がふかふかと盛り上がった状態になり、どのように対処すればいいのかお困りの方もいるでしょう。フローリングの浮きは、発生した原因を特定することで正しい補修方法が分かります。
本記事では、フローリングの浮きが発生する原因を徹底解説します。浮きを放置するとどうなるのか、プロに依頼した時の費用相場、自分で補修する方法など、幅広く解説します。
フローリングの浮きを解消したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
・フローリングの浮きの原因は、湿気・水分・経年変化・熱ダメージ・施工不良の5つ
・浮きを放置すると、カビやダニの繁殖、怪我や転倒のリスク、高額な修理費用などリスクがある
・賃貸物件はまず管理会社に補修の許可をとる
・浮きは軽度であれば、室内の湿度調整や補修アイテムなどで自力補修が可能
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フローリングの浮きの原因とは
フローリングの浮きの原因とは
フローリングの浮きは以下の5つの原因が考えられます。
・湿気による木材の伸縮
・経年劣化による接着剤の剥がれ
・水漏れや飲みこぼしなどの水分
・床暖房や直射日光による熱
・シロアリ被害や施工不良
具体的に確認していきましょう。
湿気による木材の伸縮
フローリングの床材は、木材が採用されているため湿気による伸縮が起きることがあります。
木材は自然素材の性質上、外気の湿気に影響を受けて伸縮します。湿気によって木材が伸縮すると、木材に含まれる水分量の変化で膨張が起こり、フローリングの一部が膨らんで浮いてしまうのです。
経年劣化による接着剤の剥がれ
フローリングが剥がれるように浮いている場合は、経年劣化による接着剤の剥がれが原因です。
水分や湿度の変化、直射日光などの影響を長期間受けると、フローリングと下の木材をつなげる接着剤が劣化します。
そのため、接着剤の劣化で下地が伸びてしまうことで、フローリングが剥がれたように浮いてしまうのです。
窓際や浴室のように結露や直射日光などがあたりやすい部分は、経年劣化しやすいため注意しましょう。
フローリングの耐用年数に関しては以下の記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。
水漏れや飲みこぼしなどの水分
水漏れや飲みこぼしなどの水分
結露や湿気による経年劣化と同様に、水漏れや飲みこぼしの水分によってフローリングの浮きが発生することも考えられます。
キッチンや洗面台などはフローリングに水分が落ちやすく、放置していると内部の接着面やクッション面に浸透してしまいます。
水分を多く含む木材は膨張する性質から、フローリングが離れるように浮いてしまうのです。
水漏れや飲みこぼしに気付いたら、すぐにふき取るなどの対応で対策しましょう。また、キッチンのような水回りでは湿気対策の検討をおすすめします。
床暖房や直射日光による熱
木材は水分量の変化で面積が変化する性質上、床暖房や直射日光による熱もフローリングの浮きの原因になります。
直射日光が長時間あたる場所や、床暖房を設置している部分では、フローリングの温度が上昇しやすく、乾燥による変形や収縮が起こります。
特に、無垢材のフローリングは外部環境によって変形や割れなどが起きやすい床材のため注意が必要です。
シロアリ被害や施工不良
水分や直射日光などの影響がないのにフローリングに浮きが出ている場合は、シロアリ被害や施工不良の可能性があります。
施工中にコンクリートが十分に乾いていない状態でフローリングを貼ると、残っていた水分によって波打つように床材が浮いてしまいます。また、シロアリが床下を食害することで床材を支える力が弱まり、浮きや沈みが発生することもあります。
さらに、フローリングに適度なすき間がなく敷き詰められている状態も、膨張による逃げ場がなく、浮きやすくなるでしょう。
鑑定士コメント
新築やリフォーム直後でもフローリングが浮くことはあるのでしょうか?新築でも施工直後の場合は、床材に残った水分が乾燥していく中で木材が膨張し、浮き上がってしまうことがあります。また、床暖房を設置した直後は、熱による収縮で、フローリングの一部が浮いたり反り返ったりするケースもあります。
フローリングの浮きを放置する4つのリスク
フローリングの浮きを放置する4つのリスク
フローリングの浮きを放置するのは、以下のようなリスクが考えられるためおすすめできません。
・症状が悪化し、修理費用が高額になる
・カビやダニが発生し、健康被害につながる
・床が抜けたり、つまずいて転倒したりする
・「床鳴り」など新たなトラブルを引き起こす
ひとつずつ解説していきます。
症状が悪化し、修理費用が高額になる
フローリングの浮きを発見しても放置してしまうと、症状がどんどん悪化してしまい、結果的に修理費用が高額になるおそれがあります。
フローリングの浮きが軽微で部分的なものであれば、自分でも修理が可能です。
しかし、浮いたフローリングをそのままにしていると、広範囲の床の貼り替えや下地まで張り替えることになり、費用がかさんでしまいます。
フローリングの不具合を発見したら、できるだけ早く適切な対応をとることをおすすめします。
カビやダニが発生し、健康被害につながる
水分や湿気の影響を受けた部分を放置すると、カビやダニの温床になり、健康被害につながる可能性もあるため注意しましょう。
フローリングがぷかぷか浮いたような状態は、湿度が高い場所や水分が残りやすい場所で起こりやすいです。
そのため、木材や継ぎ目にカビやダニが繁殖しやすくなり、健康へのリスクも考えられます。
環境によっては、水分だけでなく床暖房や直射日光などの熱によってさらに症状が悪化するケースもあるため、早めの対処が重要になります。
床が抜けたり、つまずいて転倒したりする
浮きを放置していると、木材の劣化や剥がれによって床が抜けたり、つまずいて転倒したりする恐れがあります。
フローリングの浮きによって、床材の端や継ぎ目が足にひっかかり、転倒や足の怪我につながるリスクも考えられます。
とくに、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、フローリングの劣化は素足を傷つけるため、早めの対応が必要です。
「床鳴り」など新たなトラブルを引き起こす
最初は軽く浮いている状態でも、そのまま放置すると床鳴りのようなトラブルを引き起こす可能性があります。
軽い浮きであれば、ぺこぺことフローリングが少し凹む程度ですが、「ミシミシ」「ギシギシ」などの床鳴りは構造上の問題となり、修繕が大規模になってしまいます。
いずれにしても、フローリングの浮きを放置するメリットはなく、できるだけ早い対処で手間も費用も少なくすむでしょう。
自分で直す?業者に頼む?フローリング浮きの判断基準
自分で直す?業者に頼む?フローリング浮きの判断基準
フローリングの浮きを発見した時は、自分で直すのか業者に頼むのか判断が難しいかもしれません。
ここからは、それぞれのケースを具体的に紹介しながら、自分で直すケースや業者に頼むケースなど、それぞれの判断基準を解説します。
自分で補修できる軽度なケース
部屋の湿度調整や湿気対策でフローリングの浮きが解消される場合は、軽度な状態と判断できます。
フローリングの浮きが、湿気が高い日や寒い日だけなど一定の条件になると発生するケースは、軽度な状態のため自分で対処可能です。
床材が端から剥がれるように浮いている場合は、接着剤や専用の隠しテープなどで比較的簡単に補修できるでしょう。
一方、フローリングが浮いている原因が分からないときは、無理に自分で対応せず専門業者への依頼を検討した方がよいです。
専門業者への依頼が必要な重度なケース
フローリングの浮きが、表面だけでなく床下の湿気が原因のものは専門業者へ依頼しましょう。
また、シロアリによる被害や施工不良による浮きは自力では対応できないため、業者へ早めに相談することをおすすめします。
専門業者へ依頼すると、自力では確認できない床下環境のチェックができ、再発防止にもつながるでしょう。
賃貸物件の場合はまず管理会社へ連絡を
賃貸物件の場合は、建物の所有者は貸主であるため、自力で補修する前にまず管理会社へ連絡しましょう。
一般的に、賃貸の場合は許可を得ずに修理をしてはいけません。こちらから修理に依頼をしても対応してもらえない場合のみ、入居者側が自ら修理することも可能ですが、まずは連絡することを優先してください。
フローリングの浮きの修理にかかる費用相場は?
フローリングの浮きの修理にかかる費用相場は?
フローリングの浮きを専門業者に依頼した場合、修理にかかる費用はどのくらいでしょうか?
プロにお願いするのは適切に対応してもらえるメリットが大きいですが、費用の面が心配ですよね。以下に浮きの修理にかかる費用相場をまとめたのでチェックしてみましょう。
費用はあくまで目安ですが、既存のフローリングを剥がして新しいフローリングを張る修理が、もっとも費用や工期が高くなります。
自分でフローリングの浮きを補修する方法
自分でフローリングの浮きを補修する方法
自分でフローリングの浮きを補修する場合は、以下のような方法があります。
・アイロンやドライヤーの熱を利用する
・注射器で接着剤を注入し、重しで圧着する
自分で補修する場合は、失敗するリスクやかえって状態が悪くなる場合も考えられます。あくまで自己判断で、目立たない場所から試してみましょう。
アイロンやドライヤーの熱を利用する
湿気や水分などで床材が膨張して反っている時は、アイロンやドライヤーの熱を利用した補修方法があります。
アイロンを使用した補修方法は以下のとおりです。
・アイロンの温度を中温に設定する
・蒸気機能はオフにする
・あて布をして、上から優しくかける
アイロンを使用する時は、高温で手早くではなく中温でゆっくり熱を加えるのがポイントです。フローリングは木材のため高温にしてしまうと焦げや火元になるリスクもあるため、注意しながら対応しましょう。
注射器で接着剤を注入し、重しで圧着する
接着剤の劣化で浮きが発生している時は、注射器で専用接着剤を注入する方法があります。
浮いている部分に注射器を挿入し、専用接着剤を流し込んで固める方法です。接着剤自体の劣化が原因で起きる浮きに有効ですが、木材自体が湿気で膨張して反っている場合は、接着剤で無理に押さえつけると割れの原因になるため、この方法は適していません。
接着剤を流し込んだ後は、上から重しで圧着することで平らに補修できます。
マンションの機能用語は以下の資料でチェックできます。ぜひ活用してみてください。
まとめ:フローリングの浮きは原因の特定がカギ!早めの対処で快適な住まいを維持しよう
まとめ:フローリングの浮きは原因の特定がカギ!早めの対処で快適な住まいを維持しよう
フローリングの浮きの原因は、水分や湿気、直射日光などから、施工不良、シロアリ被害までさまざまなケースが考えられます。
浮きを見つけてそのままにしていると、床材の劣化が進み健康被害や怪我のリスクを高めるため、早めの対策が必要です。
軽度であれば、自分で補修対応することも可能ですが、判断が難しい場合はプロに相談することをおすすめします。まず、浮きが発生している原因を特定して、原因に合った対策をとってください。
本記事を参考に、フローリングの浮き対策を行って快適な暮らしを維持しましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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