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更新日:2025.10.27
登録日:2025.10.27
ベタ基礎とは?主流になった理由やメリット・デメリット、費用などを紹介

「ベタ基礎ってどんな構造?」
「ベタ基礎を選ぶとどんなメリットがある?」
「ベタ基礎を避けた方がいい状況を知りたい」
家づくりの土台に欠かせない基礎の中でも、近年拡大しているのがベタ基礎です。家の基礎が大事なことは分かっていても、具体的にどのような構造なのか分からない人は少なくないでしょう。
この記事では、ベタ基礎の基礎知識やベタ基礎を選ぶことのメリットやデメリット、布基礎との違いやコストなどをご紹介します。丈夫な家に欠かせない基礎について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
・ベタ基礎は、耐震性を高めて地震の揺れに強い住宅を作れる
・地面からの影響を防いで湿気やシロアリ対策ができる
・鉄筋やコンクリートの使用量が多く、費用が高い傾向がある
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「基礎」とは?家の寿命を左右する土台の役割
「基礎」とは?家の寿命を左右する土台の役割
基礎は、土地と建物を結ぶ住宅の土台です。家の寿命は一般的に30年といわれています。耐震性や家の寿命を考えるとき、どうしても上物である建物ばかりに目が行きがちですが、基礎はそれ以上に重要な存在です。
住宅の土台となる基礎は、地震の時に地面の揺れを建物にバランスよく伝える、建物の荷重を支えるなどの大切な役割があります。
建物がどんなに丈夫に建てられていても、基礎が歪んだり傾いたりしていると耐久性能は格段に低くなってしまいます。
だからこそ、基礎は家の寿命を左右すると言えるほど重要なのです。
マンションの基礎については、以下の記事で詳細にご紹介しています。気になる人はぜひチェックしてみてください。
ベタ基礎の基礎知識
ベタ基礎の基礎知識
まずは、ベタ基礎を理解するために、ベタ基礎の基本的な知識を身につけましょう。
・ベタ基礎は家全体を「面」で支える構造
・ベタ基礎が主流になった理由
それぞれ解説していきます。
ベタ基礎は家全体を「面」で支える構造
ベタ基礎は、鉄筋を入れたコンクリートで床全体を覆うことで、家全体を均等に支える構造になっています。点ではなく面で支えることで、地盤への負荷が分散され、耐久性に優れているのが特徴です。
広い面で家を支えることから、平らな意味でもある「ベタ」を連想させます。時間経過とともに建物が傾いていく不同沈下も防げるため、重量のある建物や地盤の弱い土地にも適用可能です。
ベタ基礎が主流になった理由
家の基礎構造はベタ基礎に加えて、布基礎の2種類が一般的です。長く採用されてきたのは布基礎でしたが、鉄筋が入った強度の高さから震災以降はベタ基礎が主流となっています。
とくに、木造住宅ではベタ基礎の導入が拡大しています。木造住宅に大敵のシロアリも、ベタ基礎であれば地面からの侵入を防ぎ、建物を長く保つことにもつながるからです。
ベタ基礎と布基礎の違い
ベタ基礎と布基礎の違い
住宅の基礎構造であるベタ基礎と布基礎はどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの違いをご紹介します。
布基礎は、ベタ基礎と比べると安価で建築コストを抑えられるのがメリットですが、耐震性やシロアリ、湿気などは別の対策を行う必要があります。
寒冷地は、凍結予防のために基礎を地盤の深い位置に設置するため、ベタ基礎より布基礎の方が向いています。
布基礎については以下の記事で詳しくご紹介しています。基礎についてさらに情報を集めたい人はぜひご覧ください。
布基礎のメリット・デメリットを紹介!正しく理解するための基礎知識
鑑定士コメント
ベタ基礎と布基礎、結局どちらを選べばいいのでしょうか?
耐久性や湿気、シロアリ対策に優れているベタ基礎は、予算や地域性に問題がなければおすすめです。ただし、寒冷地やシロアリや湿気が発生しにくい環境であれば、布基礎を検討しましょう。メリットやデメリット、周辺環境をよく理解した上で選ぶことが大切です。
ベタ基礎の5つのメリット
ベタ基礎の5つのメリット
ベタ基礎のメリットは以下の5つです。
・地震の揺れに強い優れた耐震性
・地面からの湿気を防ぎ、建物を長持ちさせる
・シロアリの侵入リスクを軽減
・高い気密性と断熱性で省エネに貢献
・施工品質が安定しやすい
具体的に解説していきます。
地震の揺れに強い優れた耐震性
ベタ基礎は、鉄筋を入れたコンクリートを床下全体に打って作るため、地盤に接している面が大きく建物が安定しやすい構造です。
厚みのある鉄筋コンクリートで家全体を支えるため、地震の揺れに強く耐震性に優れているといえます。
建物の荷重をバランスよく分散することで、地盤が弱い土地や建物自体が重い環境で選ばれる構造です。
地面からの湿気を防ぎ、建物を長持ちさせる
ベタ基礎は地面全体をコンクリートで覆うため、土壌から上がる湿気を防ぎ建物の長持ちされるメリットもあります。
床下からの湿気は、木材や断熱材の劣化をまねき、建物の寿命を縮めてしまいます。ベタ基礎であれば、湿気による建物へのダメージを軽減し、建物の本来の健康寿命を保つことにもつながるでしょう。
シロアリの侵入リスクを軽減
湿気と同様にベタ基礎はシロアリの侵入リスクの軽減にも役立ちます。シロアリは建物の強度に関わる柱や土台の木材を食べて、著しい劣化を引き起こします。
シロアリ被害は目につきにくく、気付いた時には大きな補修が必要な状態になっているケースも少なくありません。
シロアリは地面から侵入するため、ベタ基礎で地面を覆ってしまえば侵入リスクを軽減できるでしょう。
また、ムカデのような虫の侵入も予防することが可能です。
鑑定士コメント
ベタ基礎なら、シロアリ対策は何もしなくても大丈夫でしょうか?
ベタ基礎でも基礎の割れ目や金具のすき間などから侵入するリスクはゼロではありません。ベタ基礎であっても、玄関や勝手口、テラスなどから入る可能性も考えられます。シロアリのリスクが高い環境の場合、土壌の防蟻処理のようなシロアリ対策も検討しましょう。
高い気密性と断熱性で省エネに貢献
ベタ基礎の中には、気密性と断熱性を高めた基礎断熱と呼ばれる工法があります。基礎断熱工法を採用した建物は、地面から空気の流れを遮断することで室内と同様の温度を保つことが可能です。
そのため、冷暖房効率が高まり、省エネにも貢献できるのです。床下エアコンを設置することで、全館空調にもでき、室内の快適性を高められます。
施工品質が安定しやすい
ベタ基礎の構造はシンプルで、比較的施工しやすい面があるため、施工品質が安定しやすいです。
とはいえ、ベタ基礎の施工実績を持つ建築業者の方が、より安定した品質を望めます。ベタ基礎を希望する場合は、ベタ基礎を標準仕様としている建築会社を選びましょう。
知っておくべきベタ基礎の3つのデメリット
知っておくべきベタ基礎の3つのデメリット
ベタ基礎はメリットが多いものの、デメリットも存在します。
・布基礎に比べてコストが高い
・床下の点検・メンテナンスがしにくい場合がある
・コンクリートの打設・養生に時間がかかる
住宅環境に合った基礎を選ぶためには、メリットとデメリットのどちらも理解しておくとよいでしょう。それぞれ解説していきます。
布基礎に比べてコストが高い
ベタ基礎は、地盤全体をコンクリートで覆うため、布基礎と比較して2倍以上のコンクリート量を必要とします。単純に必要な材料が多いことで、布基礎よりも費用は高くなる傾向があります。
それ以外にも、建物の面積や形状に合わせてコンクリートを流し込むために地盤を大きく掘削する作業があり、残土処理費用も必要です。
ベタ基礎は布基礎よりも後から導入されたため、以前はベタ基礎の方が施工費がかさんでいましたが、普及率の増加によって価格差が縮まっています。
とはいえ、布基礎よりも費用がかさむためコストを含めて総合的に判断しましょう。
床下の点検・メンテナンスがしにくい場合がある
ベタ基礎は床下すべてがコンクリートで覆われているため、内部の鉄筋や配管などの点検、メンテナンスが難しいです。
また、地面に接しているため外部環境によるひび割れなどを起こす可能性がありますが、目視が難しい点もデメリットです。
将来的に、水道管やその他の配管を取替え、変更などが発生した場合、複雑な施工が必要となり費用がかさむ可能性も考えられます。
コンクリートの打設・養生に時間がかかる
ベタ基礎の性能を発揮するためには、コンクリートを流し込んで固まるまでの期間を外部環境から守るための養生が必要です。
コンクリートは急激な乾燥や雨、直射日光などの影響で本来の性能を発揮できなくなってしまうからです。
そのため、コンクリートの打設後、養生マットなどで一定期間の養生する期間を設けます。基本的には5日以上とされていますが、使用するセメントの種類や環境によって設定する養生期間は異なります。
ベタ基礎の施工プロセス
ベタ基礎の施工プロセス
ベタ基礎の施工プロセスを具体的に見ていきましょう。
ベタ基礎は以上のようなプロセスを経て作られます。基礎を作る地盤の状態によっては、地盤改良工事などが追加される場合もあります。
マンションの機能用語については、以下の資料で詳しく解説しています。
まとめ:家の土台を知ることが、後悔しない家づくりの第一歩
まとめ:家の土台を知ることが、後悔しない家づくりの第一歩
ベタ基礎は、建物の耐震性を高めて、シロアリの被害から家を守るメリットがあります。また、地面からの湿気を防ぐことで、柱や建材の劣化を抑えることも可能です。基礎は、家の寿命に大きく影響するため、居住環境や地盤の状態に合った適切な基礎を選ぶことが大切です。
本記事でご紹介したベタ基礎のメリットやデメリット、施工プロセスなどを参考にして、後悔のない家づくりを目指しましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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