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更新日:2025.09.26
登録日:2025.09.26
ケレンとは?マンションの資産価値を守る、サビ・塗装剥がれを防ぐ必須工程を解説

「ケレン作業って何で必要なの?」
「ケレン作業の見積もりは何を確認すべき?」
ケレンとは、塗料を塗る前に行う下地処理のことです。必ず必要な工程ですが、必要性や種類について把握している方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、ケレンの必要性や種類についてわかりやすく紹介します。作業方法や費用相場、見積もりでチェックするポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
・ケレンとは古い塗膜やサビを除去する工程のこと
・ケレンは塗料の付着性を高めて耐久性を確保するために必要不可欠
・一般住宅で行われることが多いのは3種ケレン
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ケレンとは

ケレンとは
ケレンとは、古い塗膜やサビを除去する工程の総称です。塗料の性能を発揮できるように下地の状態を整えて、清浄な被塗面を作ります。
清潔を意味する「Clean(クリーン)」が訛り、ケレンと言われるようになったという説が一般的です。また、ケレンと関連する以下のような用語があります。
ケレンは主に「素地調整」を意味する言葉ですが、「下地調整」を含むこともあります。外壁塗装や金属に塗装するとき必要不可欠な工程なので、基本的な知識を確認しておきましょう。
ケレンが必要な3つの理由

ケレンが必要な3つの理由
ではなぜ塗装する前にケレン作業が必要なのか、具体的な理由をわかりやすく解説します。
・塗装面を整える
・塗料の付着性を高める
・塗膜の耐久性を確保する
ケレンが必要な理由について、重要性を把握しておくことが大切です。
塗装面を整える
ケレンは塗装面を整えて平らにするために必要です。サビや古い塗装、汚れなど異物が付着したまま塗料を塗ると、表面がザラザラになります。
異物を取り除いてから塗装することで、キレイな仕上がりになるわけです。サビが残ったまま塗料を塗ると腐食が進むので、キレイに除去しなければいけません。
塗料の付着性を高める
塗装面を整えることで、塗料の付着性を高められます。異物が残ったまま上から塗料を塗ると、十分に付着しません。10年持つはずの塗膜が、3年足らずで剥離することもあるので注意が必要です。
また、ケレンには、表面に凸凹をつけて塗料の接着面積を大きくする作業が含まれます。塗料が入り込むことで付着力が高まる「投錨効果(アンカー効果)」を発揮。塗膜の剥離を防止して長持ちさせます。
塗膜の耐久性を確保する
ケレンを怠ると耐久性が低くなり、塗膜が劣化しやすくなります。紫外線や雨風にも弱くなり、すぐに剥がれてしまうでしょう。見た目の劣化はもちろん、塗料の性能が十分に発揮できなくなります。
塗膜の主な役割は建築物や構造物を保護することです。防水性が失われると腐食しやすくなり、サビが発生して広がれば劣化をまねきます。建築物や構造物の資産価値を守るために、塗膜の耐久性を確保することが大切です。
また、以下の資料ではマンション機能用語を紹介しています。塗装の塗替えを検討している方は、ぜひチェックしてください。
ケレン作業の4つの種類

ケレン作業の4つの種類
ケレンは劣化の度合いによって、4つの種類に分類されます。
・1種ケレン
・2種ケレン
・3種ケレン
・4種ケレン
それぞれの具体的な作業方法をまとめました。
1種ケレン
塗膜の腐食が激しいときや劣化が進んでいるときは、1種ケレンを行います。船舶や橋梁(海峡や鉄道などを横断する構造物の総称)の腐食を防ぐのが、主な目的です。
ブラスト工法や酸洗浄によって、手作業のケレンでは難しい腐食やサビを除去します。大掛かりな作業になるため、一般的な住宅で行われることはありません。
2種ケレン
腐食や劣化が進行しているときは、電動工具を使用してサビや古い塗膜を除去します。サビの範囲が塗装面の30%を超えた場合に、検討するのが一般的です。
ビルやマンションなど鉄骨鉄筋構造や鉄塔に行うケレンなので、一般住宅ではあまり行われません。ただし、古い塗膜と異なる種類の塗料を使用するときは、完全に除去するために2種ケレンが選ばれることがあります。
3種ケレン
部分的にサビや劣化があるときに行われる、一般住宅で最も選ばれているケレン作業です。手作業や電動工具で劣化した部分だけを処理して、問題ない古い膜(活膜)は残します。
上記のようにランクに分けられていて、条件によって適したものを選びます。作業内容や方法には、A・B・Cで変わることはありません。
4種ケレン
塗膜の劣化やサビが少ない場合に行われるケレン作業です。サンドペーパーやケレンパットなどを使用して汚れを除去し、新しく塗る塗料の密着度を高めるため表面に凸凹をつけます。
塗膜異常面積が5%以下で、サビがほとんど見当たらない場合に適用。一般住宅の外壁塗装では、3種ケレンもしくは4種ケレンを行います。
鑑定士コメント
目粗しとは、表面に凸凹をつけて下地と塗料を密着させやすくする作業のことです。サンドペーパーで細かい傷をつけ、表面をザラザラにします。ケレンの作業工程に含まれていて、4種ケレンに該当。ケレンで古い塗膜やサビを除去したあと、目粗しで塗料の付着性を高めるのが基本の流れです。
ケレンの作業方法

ケレンの作業方法
ケレンの作業方法は以下の通りです。
・物理的な方法
・化学的な方法
ケレンの種類によって作業方法は異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
物理的な方法
物理的な方法には、以下のようなものがあります。
※横にスクロールできます。
上記のように、ケレンの種類によって使用される道具は異なります。汚れやサビを除去するのは基本的に同じですが、サビや劣化が酷いほどより強力な方法を選択するのが基本です。
化学的な方法
酸性の薬品や剥離剤を使用して古い塗膜を剥がす方法を、酸洗浄(酸洗い)といいます。1
種ケレンのときに使用されるため、一般住宅に用いられることはありません。
研磨剤を吹きかけてサビや古い塗膜を除去するブラスト工法と、あわせて行います。酸洗浄は危険な薬品が使用され、ブラスト工法は金属粉やサビが飛び散るため、作業時には対策が必要です。
ケレン作業の費用相場

ケレン作業の費用相場
種類別にケレン作業の費用相場をまとめました。
サビや劣化の状態が酷く、広範囲に及ぶほど高額になります。適切な費用か確認するために、相場と見積もりを比較しましょう。
ケレン作業の見積もりでチェックすべき注意点

ケレン作業の見積もりでチェックすべき注意点
見積もりをとる場合、ケレン作業が含まれているか必ず確認しましょう。ケレンは重要な工程なので、省かれている場合は悪徳業者の可能性があります。
外壁の劣化状況やケレンの種類、スケジュールなど、詳細を確認しておくことが大切です。また、業者によって表記が異なるため、以下のように記載されていることがあります。
・下地処理
・素地調整
・表面処理
・表面仕上げ
・サビ除去
・木目荒らし
どの工程がケレン作業に該当するのか、業者に聞いておきましょう。費用は安すぎても高すぎてもいけません。複数の業者から見積もりをとり、作業内容や費用を比較するのがおすすめです。
鑑定士コメント
サンドペーパーやワイヤーブラシなら、軽度なサビや汚れは落とせます。しかし、状態が悪い場合、削るための工具が必要です。さらに素人だとサビや劣化状況を把握するのは難しく、どの部分にケレン作業をすればいいのかわかりません。ケレン作業が不十分な場合、塗膜がすぐに剥がれる可能性があります。高品質な塗装を実現するためには、DIYより業者に依頼するのがおすすめです。
まとめ:ケレン作業は信頼できる業者に相談してみよう

まとめ:ケレン作業は信頼できる業者に相談してみよう
ケレン作業は塗装の前処理として欠かせない工程です。古い塗膜やサビを除去して、塗装面を整えるために必要とされます。
ケレン作業を怠ると、塗料が十分に付着しません。塗膜が剥がれやすくなり、耐久性が極端に短くなる可能性があります。保護するための機能が発揮されず、建築物や構造物自体の劣化や資産価値の低下を招くので注意が必要です。
外壁塗装などを依頼する場合は、信頼できる業者に依頼しましょう。ケレン作業の有無や費用について、見積もりのとき確認しておくことが大切です。複数の業者に見積もりをとり、費用や内容を比較してください。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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