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更新日:2025.06.25
登録日:2025.06.25
貯水槽清掃は義務?法律、頻度、費用相場、業者選びまで徹底解説!

「貯水槽清掃って具体的に何をするの?」
「貯水槽清掃が義務って本当?」
「失敗しない業者の選び方が知りたい」
マンションやビルに設置されている貯水槽は、住人が利用する生活用水をスムーズに供給するための設備です。しかし、水道水を一時的に溜めておくため、定期的な清掃やメンテナンスが欠かせません。
そこでこの記事では、貯水槽清掃の作業内容や、貯水槽の役割、貯水槽清掃の法的義務について解説します。実際に清掃業者を選ぶ時のポイントも合わせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
・貯水槽は1年に1回の清掃が義務付けられている
・貯水槽清掃の際の断水は、一般的に1時間30分~2時間30分程度
・貯水槽清掃に必要な費用は、容量によって異なる
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貯水槽清掃とは

貯水槽清掃とは
貯水槽清掃について理解するために、まずは基本的な情報を確認しましょう。
・貯水槽の役割
・貯水槽が汚れる原因
・貯水槽清掃の法的義務
それぞれ具体的に解説していきますので、ご確認ください。
貯水槽の役割
貯水槽は、マンションやショッピングモール、ビルなどの大型施設に完備されている、水を貯めておく目的のために設置された設備です。
戸建の場合、蛇口から出る水は水道水をそのまま引いて使用しますが、マンションのような大きな建物の場合は水が行きわたらない可能性があります。
そのため、あらかじめ貯水槽に水道水を溜めておくことで、多数の人が水を使用できるようになります。
一般的に水道水は水道局の管轄ですが、貯水槽は設置している建物の管理者に責任が発生します。貯水槽の水は、飲み水としても利用される可能性があり、安全性を確保するために適切な管理を行うことが必要です。
貯水槽が汚れる原因
貯水槽は、水道水を一時的に溜めて使用するため、定期的な清掃を怠ると細菌や藻類などが繁殖する可能性があります。
また、貯水槽の老朽化によってポンプや通気孔などの設備に不具合が起きると、ほこりや砂、動物のフンや虫などが混入するケースも考えられます。
通常、貯水槽は外から中の状態を確認しにくいため、「汚れても気付かないのでは?」と心配になる人もいるでしょう。
一般的に水質が汚染されるほど汚れるケースは少ないようですが、内部を確認するためにも定期的な清掃は欠かせないといえます。
貯水槽清掃の法的義務
貯水槽の清掃は、水道法施行規則第55条・56条※で義務付けられています。水道法によると、10立方メートルを超える簡易専用水道と呼ばれる貯水槽を対象に、1年に1回のペースで清掃と水質検査を実施しなければなりません。
先ほどもご紹介したように、貯水槽はマンションやビルのオーナーや管理組合のような、設置者に対して清掃義務が課されています。
ご自身のマンションで定期的に貯水槽が清掃されているか確認するには、マンションの掲示板や共有部分に掲示してある情報欄をチェックしましょう。
一般的には、1年に1回以上の定期点検やメンテナンスのお知らせが掲示されているはずです。そのような情報が確認できない場合は、一度マンション管理者へ問い合わせてみてください。
※参考:e-Gov 法令検索
マンションには貯水槽が必ず設置されています。現在マンションの購入をお考えの人は、マンションの不動産に関わる機能用語を確認できる以下の資料もご確認ください。ダウンロードは無料です。
貯水槽清掃の作業内容

貯水槽清掃の作業内容
貯水槽清掃の具体的な作業内容は以下の通りです。
・事前準備
・水抜き・排水
・槽内洗浄・消毒
・水張り
・作業報告書の作成
順を追って解説していきます。
事前準備
貯水槽清掃中は水の使用が制限されるため、住人への事前告知でトラブルを予防します。清掃の日時は、2〜3週間前までには決定し、当日までに必ず告知を実施します。
また、清掃を行う業者側の事前準備として、清掃用具の準備や消毒も必要です。同様のタイミングで、貯水槽の簡易水質検査も行います。
排水前の水の安全性に問題がないかどうか、においや色、味、濁り具合などを総合してチェックします。
水抜き・排水
貯水槽内を清掃するために、水抜きを行います。その際、新たに水道水が引き入れられないように断水処理をした後に排水を実施します。
貯水槽の大きさによっては、水抜きにかなり時間がかかるケースもあるそうです。
槽内洗浄・消毒
貯水槽内すべての水の排水が完了したら、中の状態を確認して内部の洗浄を開始します。一般的に、貯水槽内の汚れは洗剤を使用せず水のみで洗い落とします。
軽度の汚れであれば、作業員自身がモップやブラシなどでこするだけで問題ありません。長年の使用で頑固な汚れが残っている場合は、高圧洗浄機を使用することもあります。
貯水槽内の汚れの隅々まで洗い流した後に、次亜塩素酸ナトリウム溶液を貯水槽内に散布して殺菌を行います。
次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用した消毒作業は2回実施され、そのあと綺麗に洗い流し、残留塩素がないように拭き上げる流れが一般的です。
水張り
貯水槽内の排水が完了して完全に乾いた後、再び水道水を引き入れて水張りを行います。
再び貯水槽内に水が張られた後は、作業員による簡易的な水質検査を実施します。
作業当日は臭いや水の濁り、味などに変化がないかどうか確認し、後日持ち帰った水を専門機関に提出し、検査依頼をかけるのが一般的です。
作業報告書の作成
専門機関による水質検査の結果とともに、作業員による作業報告書が送付されます。マンションの管理者は、作業報告書の内容と、実際の貯水槽の状態に違いがないか確認する必要があります。
もし水質検査で異常がみられる場合は、速やかに水の供給を中止し、保健所への報告・指示を仰ぎましょう。
鑑定士コメント
貯水槽清掃中はどれくらいの断水が必要でしょうか?設置されている貯水槽の大きさによって違いがありますが、一般的には1時間30分から2時間30分程度を見てください。貯水槽内の汚れの程度や老朽化などの問題があれば、その都度対応が必要になるので、状況によって変わります。いずれにせよこの時間は水道利用が制限されますので、マンション内の周知は徹底しましょう。
貯水槽清掃にかかる費用相場

貯水槽清掃にかかる費用相場
実際に貯水槽清掃を依頼する場合にかかる費用は、設置されている貯水槽の大きさによって変わります。
依頼する業者やサービス内容によって異なりますが、目安として貯水槽清掃の料金相場をご紹介します。
貯水槽の状態や追加作業が発生した場合は、さらに費用がかかります。また、清掃時に行う水質検査は清掃料金とは別料金の場合があるため注意しましょう。
信頼できる貯水槽清掃業者5つの選び方

信頼できる貯水槽清掃業者5つの選び方
実際に貯水槽清掃を検討する時に、信頼できる貯水槽業者を選ぶポイントをご紹介します。
・都道府県知事の登録を受けているか
・実績と経験は豊富か
・見積もり内容は明確か
・アフターフォローや報告体制はしっかりしているか
・評判と口コミをチェックする
ひとつずつ解説していきます。
都道府県知事の登録を受けているか
貯水槽清掃業者を選ぶ際の大前提として、「建築物飲料水貯水槽清掃業」※の登録を受けている業者を選びましょう。
厚生労働省が定めた基準をクリアした業者の証なので、信頼できる業者といえるでしょう。
実績と経験は豊富か
検討している業者が、貯水槽清掃において実績があり、経験豊富であるか確認しましょう。貯水槽清掃の実績があることは、様々なケースにも対応できる証のため、信頼できる業者の可能性が高いです。
業者の実績は、公式ホームページに掲載がなければ、電話やメールなどで確認してみましょう。
見積もり内容は明確か
業者に提示された見積もり料金が分かりやすいかどうか確認しましょう。事前の見積もり内容が明確で、追加料金についての説明があるかなど、依頼前にかかる費用が示せる業者が望ましいです。
清掃後に追加料金を請求されないように、費用と作業内容のバランスがとれているか確認してみましょう。
アフターフォローや報告体制はしっかりしているか
清掃作業後に汚れが見つかった時や不具合が起きた時に、丁寧なアフターフォローがあるかも重要です。清掃後に一定期間の保障サービスが付いている業者であれば、再度清掃してくれる場合があるからです。
貯水槽には排水管やポンプなど周辺設備があり、それらのメンテナンスや調整も合わせて対応できる業者であれば、信頼して依頼できるでしょう。
評判と口コミをチェックする
清掃業者の対応力やサービス内容を検討する際は、実際の評判や口コミをチェックしましょう。
口コミはあくまでも個人的な感想なので、すべて参考になるわけではありませんが、ホームページでは分からない客観的な情報をもとに判断できます。
管理者は定期的に貯水槽点検をするのも義務

管理者は定期的に貯水槽点検をするのも義務
マンションの管理者は貯水槽内の水質を維持するために、年1回の清掃だけでなく、日常点検を行うことが重要です。
日常点検の際に必要なチェックポイントをご紹介します。
・タンク周辺の状況は清潔に保たれているか
・タンク本体に水漏れや亀裂はないか
・タンク内部に汚れや劣化はみられないか
・マンホールの蓋が防水密閉型かどうか
・通気孔やポンプに防虫網が正常に機能しているか
・給水管に問題はないか
ほかにも、臭いや味の確認など簡易的な水質検査を実施します。日常点検は、各水道局で用意されているチェックリストを使用し、提出を求められたときに対応できるようにしましょう。
鑑定士コメント
貯水槽清掃後に水質が悪くなることはあるのでしょうか?貯水槽清掃は人の手で実施されるため、どうしても異物や不純物が混ざっている可能性はゼロではありません。貯水槽内に異物があると、水質を悪化させる恐れがあるため、清掃後2~3日は水質の状態に注意しましょう。
まとめ:貯水槽清掃で安心して飲める水を確保しよう

まとめ:貯水槽清掃で安心して飲める水を確保しよう
貯水槽清掃は、年1回の清掃とメンテナンスが義務付けられています。定期的な清掃を行わないと、貯水槽内に溜めている水に細菌が発生し、水質を低下させる恐れがあります。
信頼できる業者に依頼し、貯水槽内の排水・清掃・消毒・水張りまで対応してもらいましょう。清掃後は水質検査を行い、住人が安心して飲める品質かどうかチェックすることも大切です。
マンションの管理者は、年1回の定期清掃とメンテナンスに加えて、日常的な点検も不可欠です。適切な管理を行い、安心して飲める水を維持しましょう。
#貯水槽清掃 #水質検査 #貯水槽点検 #貯水槽清掃の義務

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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