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更新日:2024.09.12
登録日:2024.03.22
住宅ローン組むなら何歳まで?ローンを組む際に気を付けておくべきポイント
「住宅ローンは何歳までに組んだらよい?」
「年齢が高いと利用は難しくなる?」
マイホームを購入して住宅ローンを利用しようとする際、上記のように悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
住宅ローンを借り入れる時は年齢制限について把握し、適切な返済計画を立てることが大切です。本記事では、主要な金融機関の年齢の条件や、理想の完済時年齢についてご紹介します。
年代別の住宅ローン利用時の注意点や、返済の負担を軽減する方法もあわせて解説するので、ぜひ参考にして無理なく住宅ローンを利用してください。
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住宅ローンは何歳まで借りられるのか
住宅ローンは何歳まで借りられるのか
多くの住宅ローンでは、利用時の条件として申し込み時と完済時の年齢制限が設けられています。年齢制限のポイントは以下の2点です。
・申し込み年齢は20歳以上70歳以下が多い
・完済時の年齢は通常80歳未満が多い
それぞれの内容について、詳しく解説します。
申し込み年齢は20歳以上70歳以下が多い
まずは主要な金融機関について、2024年2月時点の住宅ローンの申し込み時・完済時の年齢制限をチェックしましょう(※)。
金融機関によって条件は異なりますが、住宅ローン申し込み時の年齢の条件は、20歳以上70歳以下である場合が多いでしょう。一部の金融機関では上限が65歳前後の場合もあるため、申し込み時にはよく確認してください。
※参照:
完済時の年齢は通常80歳未満が多い
住宅ローン完済時の年齢制限は、80歳前後としている金融機関が一般的です。申し込み時の年齢制限を満たしていても、完済までの期間が短ければ、返済に無理が生じる可能性がある点には注意しましょう。
たとえば70歳で住宅ローンを申し込んだ場合、完済時の年齢制限が80歳であれば、10年で住宅ローンを返済しきらなければなりません。返済期間が短いと、月々の返済額は高額になります。
返済途中で資金繰りが厳しくならないよう、申し込み時の年齢から完済時の年齢までの返済計画をよく考えることが大切です。
住宅ローンは何歳までに組むのがよいか
住宅ローンは何歳までに組むのがよいか
何歳までに住宅ローンを組めばよいか判断する際、注目すべきポイントは以下の2点です。
・住宅ローンを組む人の平均年齢
・理想の完済年齢の目安
それぞれのポイントについて、詳しく説明します。
住宅ローンを組む人の平均年齢
2022年度の「フラット35利用者調査」によると、利用者の平均年齢は42.8歳です。2020年度は40.3歳、2021年度は41.5歳となっており、平均年齢は年々上昇しています(※)。理由には、定年の年齢が上がったことなどが挙げられるでしょう。
ただし、年を重ねるほど健康上の問題が起こるリスクは高まり、返済が難しくなる可能性も上がります。住宅ローンの審査も厳しくなるため、借り入れを考えている人は早めに検討するのがおすすめです。
※参照:住宅金融支援機構
鑑定士コメント
住宅ローンに通りやすい年齢の目安はあるのでしょうか?住宅ローンの審査に通りやすい年齢は、30〜35歳程度といわれています。なぜなら、35年の最長借り入れ期間でも、完済時の年齢が65〜70歳となり、まだ再雇用などで収入のある年齢でローンを完済できると判断できるからです。また、30代前半は一般的に働き盛りであり、収入が安定している人が多いことも理由として挙げられます。ある程度の貯蓄があったり、勤務先での立場が中堅以上であったりする人もいるでしょう。以上のことから、住宅ローンは30代前半が利用しやすいといえます。
理想の完済年齢の目安
住宅ローン完済時の理想の年齢は、一般的な定年年齢である65歳前後です。定年を迎えるまでは、月々安定した収入がある場合が多いと考えられます。病気やケガがローンの返済に影響する可能性も、65歳以降に比べると低いでしょう。
ただし、令和3年には「高年齢者雇用安定法」が改正され、従業員が70歳まで働けるような措置を講じることが事業主の努力義務とされています(※)。加えて退職金や年金が支給されれば、70歳以降の完済予定でも問題ないと考える人もいるでしょう。
しかし、定年後も仕事を続けられた場合でも、65歳以上になると収入が減るケースもあります。高齢になるほど負担は増えやすいため、なるべく65歳までに完済しておくのがベターです。
※参照:厚生労働省
【年代別】住宅ローンを組むときの注意点
【年代別】住宅ローンを組むときの注意点
住宅ローンを組むときの注意点は、以下の年代ごとに異なります。
・20代~30代
・40代
・50代以降
それぞれの年代別の注意点を詳しく解説します。
20代~30代
20代〜30代の場合、働き出してからの期間が短く、収入がそれほど高くない場合がある点には注意しましょう。希望どおりの金額を借り入れられないこともあるため、自分の収入と購入予定の住宅の価格について、バランスを考えることが大切です。
また、結婚・出産・引っ越しなど、人生における大きな変化によって出費が増えやすい年代でもあります。住宅ローンの申し込み時には、返済計画とあわせてライフプランも考慮しましょう。
40代
40代では、住宅ローンの借り入れ期間に注意が必要です。40代前半であれば35年ローンも利用できますが、後半になると完済時の年齢が80歳を過ぎるため難しいでしょう。
40代後半で住宅ローンを組むには、借り入れ期間を短くしたり、余裕のあるときに繰り上げ返済をしたりする工夫が必要です。繰り上げ返済についての詳細は後述します。
また40代は、子どもの成長によって学費や食費などの負担が大きくなりやすいうえ、老後のための貯蓄も考えなければなりません。収入が安定しやすい年代ではありますが、より計画的にローンを返済していく必要があります。
50代以降
50代以降
50代以降は、住宅ローンの申し込み時点で完済時の年齢制限が迫っています。前述のとおり、住宅ローン完済時の年齢制限は80歳前後が多いため、35年のローンは組めません。借り入れ期間が短くなり、借り入れられる金額も少なくなる点には注意しましょう。
また、年齢が上がるにつれて、健康上の問題が発生したり収入が減ったりするリスクも上がります。住宅ローンの条件を満たせなくなる可能性も考慮して、借り入れ期間や金額を検討しましょう。
鑑定士コメント
45歳以上で住宅ローンを組む場合に注意すべきことはあるでしょうか?45歳以上で住宅ローンを組むときは、できるだけ多く手元に資金を用意することが望ましいでしょう。住宅ローンの返済や生活費・教育費だけでなく、定年退職までの貯蓄も考慮する必要があるためです。45歳以上での住宅ローン利用時には、頭金を多めに支払うなどして、老後の資金を少しでも多く確保することを考えましょう。月々いくらの積み立てが必要かを計算し、今後の資金繰りを検討することも大切です。
住宅ローンを組むときのポイント
住宅ローンを組むときのポイント
住宅ローンを組むときのポイントは、以下の4点です。
・無理のない返済計画を立てる
・年齢が高い場合は団信の審査に通りにくい
・住宅ローン以外での支払も視野に入れる
・親子ローンを活用する
それぞれの内容について詳しく解説します。
無理のない返済計画を立てる
住宅ローンを借り入れる際は、実現性のある返済計画を立てることが大切です。せっかくマイホームを購入しても、住宅ローンの負担が大きければ生活費や教育費を削らなければなりません。
返済計画を立てるには、事前にシミュレーションしたり、金融機関や不動産会社の窓口で相談したりするのがおすすめです。住宅ローンを扱う金融機関のホームページでは、無料でシミュレーションできる場合があるためチェックしてみましょう。
年齢が高い場合は団信の審査に通りにくい
住宅ローン申し込み時には、団信(団体信用生命保険)などへの加入が必須である場合が多いものです。団信に加入すると、加入者が死亡・障害などで住宅ローンを返済できなくなった際、残りの住宅ローンの返済が免除されます。
団信に加入できる年齢は、70歳前後までが一般的です。しかし、疾病・持病を抱えている人でも加入できるワイド団信は、住宅ローンの申し込みを50歳未満などに制限している場合があります(※)。
高齢になるにつれ、団信に加入できず住宅ローンの利用条件を満たせなくなるリスクが上がるため、条件の内容をよく確認しておきましょう。
※参照:三菱UFJ銀行
住宅ローン以外での支払も視野に入れる
住宅ローン以外での支払も視野に入れる
日々の生活における支出は、当然住宅ローンの返済だけではありません。光熱費・食費などの生活費や子どもの教育費、老後のための貯蓄など、住宅ローン以外の支払いも視野に入れましょう。
毎月の収支のバランスが崩れて生活が回らなくなることは、避けなければなりません。住宅ローン以外での支出額や、毎月貯蓄に回す金額をすべて洗い出し、自分の収入で無理なく返済していける金額を借り入れるのがポイントです。
親子ローンを活用する
親子で同じ家に住んでいる場合や、親から子へ住宅を贈与する予定がある場合は、親子ローンも検討するとよいでしょう。
「親子リレーローン」や「親子ペアローン」とも呼ばれる親子ローンは、親子がペアで住宅ローンを組み、2世代にわたって返済していくプランです。
親子ローンでは世代を超えて返済できるため、希望の金額を借り入れやすくなります。1世代でローンを組むより、返済の負担を軽減しやすい点もメリットです。
また、親子ローンなら親が70歳以上でも申し込める場合があります。家庭の状況に合わせて利用しやすいプランを選びましょう。
住宅ローン返済の負担を軽くする方法
住宅ローン返済の負担を軽くする方法
住宅ローン返済時の負担をできるだけ軽くする方法には、以下の2つがあります。
・繰り上げ返済
・借り換え
それぞれの内容について、詳しく解説します。
繰り上げ返済
住宅ローンの繰り上げ返済とは、月々の返済額とは別に大きな金額を返済する方法です。返済額を一度に減らせるぶん利息を軽減でき、総支払額を抑えることに繋がります。まとまった金額を無理なく用意できるなら、メリットの大きい返済方法です。
繰り上げ返済には、以下の2つのタイプがあります。自分が利用している金融機関がどちらを扱っているか確認してください。
繰り上げ返済をするときには、手数料がかかる場合があります。金融機関によって繰り上げ返済の内容は異なるため、住宅ローン申し込み時に必ず把握するようにしましょう。
なお、住宅ローンの繰り上げ返済については、以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてください。
住宅ローンの繰り上げ返済で損をしないための基礎知識|タイミングの判断ポイント
借り換え
借り換えとは、新たな住宅ローンを借り入れ、その借り入れ金で利用中の住宅ローンを一括返済することです。新たな住宅ローンのほうが好条件の場合、返済の負担を軽減できます。
借り換えのメリットが得られやすい条件は、以下の3つが目安です(※)。
・現在の住宅ローンと新たな住宅ローンで、金利の差が年1.0%以上ある
・現在の住宅ローンの返済期間が10年以上残っている
・現在の住宅ローン残高が1,000万円以上残っている
住宅ローンの借り換え時には、事務手数料などがかかります。借り換えによる利息軽減効果が手数料より高くならなければ、借り換えのメリットはありません。借り換えを検討する際は、条件をよく確認しましょう。
※参照:SBI新生銀行
まとめ:住宅ローンは完済までの計画を立てて利用しよう
まとめ:住宅ローンは完済までの計画を立てて利用しよう
住宅ローンの申し込みは、20歳頃から70歳頃までに制限されているのが一般的です。また、完済時の年齢は80歳未満としている金融機関が多いでしょう。
住宅ローンを組むときは、団信への加入や住宅ローン以外の支払いなども考慮しなければなりません。年代ごとの注意点を把握し、確実に返済できるようライフプランを見直しましょう。
繰り上げ返済や借り換えなど、住宅ローンの返済を軽減できる方法も、状況に合わせて検討するのがおすすめです。マイホームで快適に暮らすために、住宅ローン利用時には無理のない返済計画を立ててください。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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