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更新日:2024.11.22
登録日:2024.11.22
ドライウォールとは?工法や魅力を紹介
住居の内壁下地工事には、さまざまな種類が存在します。その中でも、ドライウォールは日本ではあまり採用されていないものの、アメリカ・カナダなど北米で主流の工法です。
本記事では、ドライウォールとは何か、使用するボードやジョイント処理方法などのドライウォール工法について詳しく解説します。ドライウォールのメリット・デメリットについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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ドライウォールとは?
ドライウォールとは?
ドライウォールとは、石膏ボードを使用して施工された内壁のことです。また、石膏ボードを使用した内壁下地工事をドライウォール工法と呼びます。
アメリカでは最も主流とされている工法です。1940〜50年代にかけてベビーブームによる住宅需要の高まりによって、アメリカ国内で高いシェアを誇るようになりました。
仕上げ面は、塗装仕上げとクロス仕上げが主流です。ドライウォールは曲線を取り入れやすく、内壁のデザイン性も高いという特徴があります。
鑑定士コメント
アメリカで開発されたドライウォール工法は、日本にも輸入されました。しかし、輸入されたのは建材製造技術で、現場での施工技術はあまり導入されませんでした。そのため、ドライウォール工法の施工技術を持った技術者が少なく、日本ではあまり普及しなかったのです。
ドライウォール工法とは
ドライウォール工法とは
ドライウォール工法とは、石膏ボードをつなぎ合わせて内壁の下地を造る工法です。ここでは、ドライウォール工法に関する下記の内容を解説します。
・使用するボード
・貼り方
・ジョイント処理方法
・ドライウォール工法の作業工程
それぞれの内容について、詳しく解説します。
使用するボード
ひとえに石膏ボードと言っても、側面の形状によって下記のような種類があります。
日本で使用される頻度が高いボードはテーパーエッジとスクェアエッジとベベルエッジですが、ドライウォール工法で使用されるボードはテーパーエッジです。
また、できるだけつなぎ目が少なくなるように大きなサイズのボードを使用します。厚さ9.5mm、12.5mm、15mm、21mmの製品があります。サイズは4×8(1,220mm×2,440mm)の石膏ボードが一般的です。
貼り方
日本の住居ではボードを縦に貼るのが一般的ですが、ドライウォール工法では石膏ボードを縦ではなく横に貼ります。上下で互い違いにレンガ貼りすることで、ジョイント部を常にT字にするのがポイントです。
ジョイント部をT字にすることで、ジョイント部のひび割れを抑えられます。また、横揺れに対する強度も高まります。
ジョイント処理方法
ドライウォール工法では、石膏ボード同士のジョイントをテーピング処理とパテ処理で行います。ボードのテーパー部の窪みにテーピング・パテ処理を行うことで、耐震性・気密性に優れた強固な継ぎ目を形成します。
まず、下塗りとしてテーパー部にジョイントコンパウンドを下付けしてジョイントテープを圧着します。ジョイントコンパウンドが乾燥したら、中塗りとして再度ジョイントコンパウンドを塗り付けます。
中塗りのジョイントコンパウンドが乾燥したら上塗りで再度ジョイントコンパウンドを塗り付け、石膏ボード同士をジョイントします。
ドライウォール工法の作業工程
ドライウォール工法の作業工程は下記の通りです。
1.石膏ボードを柱や間柱にビス留めする
2.コンパウンドを塗布してテーピング処理する
3.再度コンパウンドを塗布する
4.仕上げパテ処理でジョイント部をフラットに仕上げる
また、ドライウォールの性能を最大限発揮するためには、ジョイント処理のタイミングが重要です。日本の建築では、一般的におおよその建築が終わってから内壁などの仕上げを行います。
しかし、建物の骨組みが終わってからドライウォール施工を行っても、十分なジョイント処理を施せません。ドライウォール工法は、住居の大枠を建築する際のボードだけの状態でジョイントすることで、住居全体がドライウォールで囲われて効果を発揮します。
鑑定士コメント
石膏ボードの紙は、我々のイメージする接着剤ではなく、焼き石膏に水を加えた際の化学反応によって接着しています。焼き石膏は石膏を加熱脱水することでできる物質であり、水を加えると石膏に戻ります。石膏に戻る際に化学反応によって凝結硬化して接着します。
ドライウォールのメリット
ドライウォールのメリット
ドライウォールのメリットには、下記のようなものがあります。
・耐火性能が高い
・耐震性能に優れている
・リフォームしやすい
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
耐火性能が高い
ドライウォールに使用される石膏ボードの芯材は無機質な石膏であるため、基本的に燃えることはありません。また、全体の約20%が結晶水で構成されています。
石膏ボードが高温になると、石膏に含まれる水分が熱分解することで水蒸気として排出されます。そのため、温度の上昇を抑えられるのです。
元々耐火性能が高い石膏ボードですが、ドライウォール工法によってつなぎ目の隙間がなくなることでさらに耐火性能が高められています。
耐震性能に優れている
ドライウォール工法によって内壁が一体化した住居は、耐震性能にも優れます。高い品質のジョイント処理が施されたドライウォール工法は、強度が非常に高いです。
住居全体が内壁によって面で支えられるため、住居をより耐震性に優れた強固なものにできます。
リフォームしやすい
ドライウォールは、汚れたり傷がついたりしてもすぐに補修できます。メンテナンス性に優れており、リフォームの際にも壁を解体すると言った大きな工事でなければ自分で作業可能です。
汚れや傷のついた箇所に同じ塗料を塗り直すことでメンテナンスできるので、クロスの貼り替えのように専門の職人に依頼する必要がありません。リフォームしやすいのはドライウォールの大きなメリットの1つでしょう。
ドライウォールのデメリット
ドライウォールのデメリット
ドライウォールは優れた建材・工法ですが、下記のようなデメリットもあります。
・施工には専門技術が必要
・工期が長くなる
それぞれのデメリットについて解説します。
施工には専門技術が必要
リフォーム・メンテナンスは比較的容易に可能ですが、施工には専門技術が必要です。施工技術が輸入されておらず日本ではあまり普及していなかったことから、正しいドライウォールの施工を行える業者もそう多くはありません。
加えて一般的な内壁仕上げとは異なり住居全体の建築に合わせて作業が必要なため、施工価格も高価になりやすいでしょう。
工期が長くなる
ドライウォールは一般的なクロス仕上げなどと比べて作業工程が多いです。そのため、工期が長くなるというデメリットがあります。
3層にわたってパテ処理を行うため、乾燥だけでもある程度時間がかかります。また、気温や湿度によって乾燥にかかる時間が変わってくるため、季節や環境によってはより工期が長くなる可能性もあるでしょう。
まとめ:ドライウォールは日本ではまだ珍しい
まとめ:ドライウォールは日本ではまだ珍しい
ドライウォールは、石膏ボードを使用した内壁下地工事です。ジョイント処理によって内壁を一体化させることで、高い耐火性能・耐震性能を誇ります。また、専門技術が必要なものの、完成後のメンテナンスやリフォームは比較的容易に行えるところが特徴です。
北米では主流の工法ですが、日本ではドライウォールの施工技術があまり輸入されておらず、まだまだ珍しい工法です。しかし、その優れた性能から、今後日本でも注目される可能性があります。住宅の内壁工法を検討する際は、これらの特徴を理解した上で、自身のニーズに合わせて検討することをおすすめします。
#ドライウォール #施工 #工法
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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