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更新日:2024.09.12
登録日:2024.06.24
住宅ローンの審査を個人事業主がクリアするための3つのコツを伝授!
「個人事業主で住宅ローンを組みたいけれど、審査に通らないかもしれない」
「収入が不安定だとみなされないか」
個人事業主のなかには、このように心配する人もいるのではないでしょうか。
個人事業主は会社員に比べ、住宅ローンの審査に通りにくいといわれていますが、事前に準備すれば住宅ローンの借入は可能です。この記事では、住宅ローン審査に通りにくいとされる理由や審査で見られるポイントを徹底解説します。
住宅ローン審査をクリアするコツや、審査の申し込みに必要な書類などがわかります。住宅ローンの申し込みがしたい人や、審査に通るか心配な人はぜひ最後までご覧ください。
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個人事業主は住宅ローン審査に通りにくいといわれる理由
個人事業主は住宅ローン審査に通りにくいといわれる理由
個人事業主が住宅ローンの審査に通りにくいとされる理由は3つあります。
・収入が変動しやすく安定性を証明しづらいため
・個人事業主の審査に対し金融機関が消極的になりやすいため
・審査対象が売上ではなく所得となるため
個人事業主は、健康状態や経営状況などの影響で収入が年度によって変動しがちです。将来にわたって安定した収入が得られることが証明しづらいことから、返済能力が不安定とみなされやすくなります。
金融機関は貸し出しリスクのなるべく低い利用者を選びたいという心理が働くため、個人事業主の審査には前向きになりにくい傾向もあります。
また、個人事業主は売上ではなく所得が審査対象です。年間の売上から経費を引いた所得が、直近3期分において連続黒字でなくてはなりません。
住宅ローンで個人事業主が審査で見られるポイント
住宅ローンで個人事業主が審査で見られるポイント
住宅ローンの審査で個人事業主が見られるポイントは、以下の5つです。
・所得が黒字かどうか
・自己資金を用意できるかどうか
・保険料や税金を未納・滞納していないか
・健康状態に問題はないか
・ブラックリストにのっていないか
個人事業主が住宅ローンの審査をクリアしやすくするためには、審査でチェックされるポイントを知り、対策をしておくことが重要です。
金融機関が審査においてチェックする最大のポイントは、安定した収入が得られており、自己資金が用意できるかどうかです。さらに、収入の安定性を測るために健康状態を見られ、保険料や税金などの未納、クレジットカードの支払い漏れがないかなども確認されます。
個人事業主の住宅ローン審査でチェックされやすい項目について、1つずつ解説していきます。
所得が黒字かどうか
個人事業主が住宅ローンに申し込んだ場合、はじめに安定した収入を継続的に得られているかどうかの審査が行われます。収入は返済能力をはかるうえで重要なポイントとなるためです。
安定した収入を継続的に得られていると認められるためには、3期連続で黒字を計上している必要があります。つまり、事業を3年以上継続していることが前提です。ここでは、売上高ではなく所得が審査されるという点に気をつけましょう。
また、3期の業績にばらつきがある場合、平均ではなく最も低い所得額が審査基準となる可能性もあります。継続的な安定収入の明確な基準は公表されておらず、金融機関によって基準が異なる点にも注意が必要です。
自己資金を用意できるかどうか
審査では自己資金をどれだけ用意できるかということも重要視されます。頭金が多いほど借入金額を減らせることから、事業の業績が不安定になった場合でも住宅ローンの返済が負担になりにくくなると考えられるためです。
理想的な返済負担率の目安は、20~25%以下(※)です。返済負担率とは、年収に占める年間の返済額割合のことを指します。計算式は「年間返済額÷年収×100」です。頭金を多く支払っておくことで、返済負担率を下げやすくなります。
個人事業主は収入の安定性が低いと金融機関にみなされやすいため、頭金をできるだけ多く準備し希望の借入額を減らすことで審査が通りやすくなります。
※参照:三井住友銀行
保険料や税金を未納・滞納していないか
保険料や税金を未納・滞納していないか
保険料や税金などの未納がないかどうかも、審査における重要なポイントです。国民健康保険料や国民年金保険料などの保険料、住民税や所得税などの各税金を期限内に納めているかを確認する必要があります。
未納があると、少額の支払いを滞納するなら住宅ローンも滞納される恐れがあると金融機関に判断されやすくなるためです。また、住宅ローンの返済困難により物件を売却するとなった場合、未納分の保険料や税金などの支払いを優先されることで、金融機関としてはローンを回収できなくなるリスクが高まります。
実際に、多くの金融機関では税金の未納分がないかをチェックするために納税証明書の提出を求めます。同様に、国民健康保険料や健康保険料などにも滞納があると、住宅ローン審査に大きく響くので注意が必要です。
もし納めるべき保険料や税金に未納がある場合は、納付後に納税証明書を取得し、住宅ローンの申し込みを行いましょう。
健康状態に問題はないか
審査では健康状態も確認されます。住宅ローンを組む場合、多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)への加入を申し込みの条件としているためです。
団信は、住宅ローンを返済する人が返済中に亡くなったり高度障害状態になったりした際、支払われる保険金で住宅ローンを完済できる保険です。団信は生命保険であるため、加入にあたり健康状態の告知が義務付けられています。
たとえば、既往歴や持病などがあると加入できないケースもあります。加入できないと住宅ローンを組めなくなる恐れもあることから、健康状態に問題がないタイミングで申し込むというのも大事なポイントです。
ブラックリストにのっていないか
ブラックリストにのっていないかどうか、個人信用情報の照会が行われます。申込者の返済能力に問題がないかをチェックするためです。
個人信用情報は、携帯電話料金やクレジットカードなどの割賦販売、マイカーローンといったローン契約に関する取引事実が登録されたものです。支払に滞りがなかったかどうかについて、株式会社日本信用情報機構や全国銀行個人信用情報センターなどの個人信用情報機関の情報をもとに確認されます。
支払い状況に滞納や遅延した事実があった場合、審査にマイナスの影響がでやすくなります。なお、個人信用情報は個人での開示請求が可能です。心配な人は住宅ローンを申し込む前に、開示を申し込み内容を確認しておきましょう。
鑑定士コメント
個人事業主が審査に落ちる典型的パターンはあるのでしょうか?自営業者がローン審査に落ちる主な理由は以下の通りです。
・所得に対する返済負担率が高い
・物件の担保価値が低い
・負債が多い
・滞納履歴がある
自営業者は収入の安定性を不安視されやすいため、これらの点が審査に影響します。特に返済負担率は所得ベースで判断されるため、収入が高くても所得が低いと審査に通りにくくなります。また、資金繰りのチェックも重要になります。
自営業・個人事業主でも住宅ローンの審査をクリアするコツ
自営業・個人事業主でも住宅ローンの審査をクリアするコツ
自営業や個人事業主が住宅ローンを審査に通過するコツは、以下の3つです。
・節税対策で経費を使いすぎない
・各種ローンは完済しておく
・個人事業主向け住宅ローンがある金融機関を選ぶ
節税対策で経費計上しすぎると所得が少なくなるため、審査対象の3期では過度な節税を避ける事が大切です。また、審査では既存の借入状況も考慮されるため、借り入れやローンはできるだけ完済しておきましょう。
そのほか、個人事業主向け住宅ローンがある金融機関を選択するのも1つの手です。申告内容以外の状況も含めて判断してくれるため、一時的に経費が増え所得が低い場合でも審査対象となる場合があります。
それでは、審査をクリアする3つのコツについて以下で詳しく解説します。
節税対策で経費を使いすぎない
個人事業主にとって節税は大切ですが、節税対策として経費を使いすぎることは避けましょう。なぜなら、売上が多くても経費が多額になることで所得が少なくなり、利益が出ていないと判断される可能性があるためです。
実際に、個人事業主は節税を考えてできる限り経費を多く計上し、所得を少なくするケースがあります。これは節税には有効です。一方、住宅ローン審査では不利になる恐れがあります。
住宅ローンを検討する場合は、節税を心がけるよりもまずは審査で見られる所得を増やし、審査で少しでも有利になるよう準備しておくことが大切です。
各種ローンは完済しておく
借り入れ前にローンを完済しておくことも重要なポイントといえます。審査では既存の借入の借入額や件数などもチェックされ、借入額や件数が多いほど審査に通りにくくなるためです。
住宅ローンの審査では、既存のローンや借入などを申告しなければなりません。具体的には、事業資金の借入やカードローン、マイカーローンなどが該当します。
審査をクリアする可能性を高めるためには、ローンや借り入れなどを住宅ローンの申し込み前に完済、もしくは支払を少しでも進めるなどの対策が必要です。
個人事業主向け住宅ローンがある金融機関を選ぶ
フリーランスや個人事業主向け住宅ローンの取り扱いがある金融機関に申し込むという手もあります。世帯全体での資産はあり、申告書類の所得のみで判断され審査に通らなかった場合でも、審査の対象になることがあるためです。
たとえば、所得だけではなく世帯全体での資産状態や事業内容、中長期的に見た事業の計画なども含めて判断してもらえることがあります。
そのほか、日ごろから利用している金融機関に相談するという方法もあります。メガバンクやネット金融機関などで審査に通らなかった場合は、普段使っている金融機関や自営業者向けの住宅ローンを取り扱う金融機関を選ぶのも効果的です。
鑑定士コメント
自営業の場合でも住宅ローン控除を受けることは可能でしょうか?住宅ローン控除は個人が住宅ローンを利用して新築住宅を購入した場合などに利用できるため、会社員でも、自営業の人でも、所得税の控除を受けることが可能です。しかし、控除には所定の条件を満たす必要があります。
個人事業主が住宅ローンの審査申し込むときに必要な書類
個人事業主が住宅ローンの審査申し込むときに必要な書類
個人事業主が住宅ローン審査に申し込む際の必要書類は、以下のとおりです。
一般的に必要な書類は上記になりますが、金融機関や購入する住宅の種類などによって、多少異なる場合があります。
また、外国籍で永住許可を得ている人は、さらに在留カードや特別永住者証明書が必要になることも覚えておきましょう。詳細は、申し込みを検討している金融機関のウェブサイトなどで正しい情報を確認してください。
まとめ:住宅ローンが組めるか心配な個人事業主は事前の準備をしっかりしておこう
まとめ:住宅ローンが組めるか心配な個人事業主は事前の準備をしっかりしておこう
個人事業主が住宅ローンの審査をクリアするためには、経費を使いすぎないことやローンがある場合は返済しておくことなど事前の準備が必要です。
さらに、自己資金をできるだけ多く用意し、健康状態のよいタイミングで申し込むことで審査に通りやすくなります。個人信用情報に問題がないか不安な人は照会を行い、万全の態勢を整えたうえで住宅ローンに申し込むようにしましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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