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更新日:2023.07.20
登録日:2023.07.20
所有権移転登記とは?手続きが必要な場面や費用の相場をわかりやすく紹介
不動産を取得したときに、「いつ誰がどのような手続きを行うのか」「いくら費用がかかるのか」など、わからないことは多いでしょう。不動産の売買や相続、贈与を行った際に必要な手続きが、所有権移転登記です。
そこで、本記事では、所有権移転登記について詳しく解説しています。登記が必要な場面や費用の相場についても紹介しているので、不動産を取得した際の参考にしてください。
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所有権移転登記とは
所有権移転登記とは
所有権移転登記とは、土地や建物の所有権が移行した際に行われる登記手続きのことです。不動産情報は登記簿に記録されており、所有者情報が変更されるたびに、登記手続きを行います。
所有権移転登記によって、不動産の所有者(持ち主)が明らかになります。登記手続きは、原則、登記権利者と登記義務者が共同して行わなければいけません。
所有権移転登記は、所有権が移行した時点で、正確かつ迅速に行うことが大切です。必要な書類が多く、手続きが複雑であるため、通常は司法書士に依頼します。
鑑定士コメント
所有権移転登記に期限はあるのでしょうか。基本的に所有権移転登記には、明確な期限が定められていません。2024年4月1日より相続登記の申請は義務化(※)されており、期限は相続を知った日から3年と決まっています。相続以外の場合は、期限は定められていまんが、登記を行わないと第三者に所有権を主張できないため、不動産の引き渡し時には必ず遅滞なく登記申請を行いましょう。
※参照:法務局
所有権移転登記が必要な場面
所有権移転登記が必要な場面
どのようなタイミングで、所有権移転登記が必要になるのか把握しておきましょう。
所有権移転登記が必要な場面は、以下の4つのケースです。
・不動産を売買したとき
・不動産を相続したとき
・不動産を贈与されたとき
・離婚で財産分与するとき
不動産を売買したとき
不動産の売買取引では、売主から買主に所有権が移行するため、所有権移転登記が必要になります。
不動産売買時の手続きは、新しい所有者が所有権を主張するためのものなので、所有権移転登記の費用は買主側が負担することが多いです。ただし、買主と売主の合意が得られた場合は、売主が負担しても問題ありません。
買主と売主の引き渡しの場に司法書士が立ち会って、不動産の取引完了を確認後、司法書士が代理で所有権移転登記を行います。
仮に売主が二重売買を持ちかけていた場合、後に買った第三者が所有権移転登記を行う可能性もあります。不動産の取引後、速やかに登記申請をしましょう。
不動産を相続したとき
不動産の所有者が亡くなり、遺言や遺産分割協議によって不動産を相続した場合にも所有権移転登記が必要です。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、不動産の相続を知った日から3年以内(※)に相続登記の申請をしなければいけません。
2024年4月1日以前に相続された不動産にも、相続登記の義務が生じます。
所有者移転登記を行わないまま相続人が亡くなった場合は、多くの書類が必要になったり、手続きの手間が増えたりします。不動産を相続したら、必ず登記申請をしましょう。
※参照:法務局
不動産を贈与されたとき
不動産を贈与されたとき
夫婦間の贈与や親子間で生前贈与をすることもあるでしょう。不動産を贈与する場合にも、所有権が移行するため、所有権移転登記を行います。
贈与契約は口頭でも成り立ちますが、贈与を受けたことを第三者に明示するためには、所有権移転登記が必要です。
登記手続きを行わないと、トラブルになるケースがあります。
例えば、生前贈与を受けていたにもかかわらず、所有者移転登記を行わないまま、贈与者が亡くなった場合を考えてみましょう。
贈与を受けた人が「贈与を受けた」と主張しても、登記情報が変更されていないため、贈与があったことを証明できません。結果、贈与が認められず相続財産とみなされ、遺産分割される可能性があります。
不動産の贈与を受けた時点で所有権移転登記手続きを行いましょう。
離婚で財産分与するとき
離婚で財産分与を行う際にも、不動産の所有権移転登記が必要です。財産分与は、夫婦財産の精算であり、贈与とは異なるので注意しましょう。
裁判上の離婚の場合、財産分与を受ける人が単独で登記申請できる可能性があります。
一方で、協議離婚の場合は、財産分与をする人と受ける人が共同で登記申請を行います。
財産分与による登記手続きができるタイミングは、離婚成立後です。しかし、離婚成立後から、相手に登記手続きの協力をしてもらうのは難しいかもしれません。
円滑に登記手続きを完了させるために、離婚協議書の作成や登記に必要な書類の準備などを事前に済ませておきましょう。
財産分与を行っても、住宅ローンの債務者は変更されないことを覚えておいてください。
鑑定士コメント
所有権移転登記は必ず手続きしなくてはいけないのでしょうか。2024年4月1日から相続登記の申請は義務化(※)されますが、その他のケースでは義務化にはなっておらず、手続きをしなくても構いません。しかし、登記手続きをしないことで、第三者に所有権を主張できなくなります。また、住宅ローンを組めないことはもちろん、購入した不動産の所有権を第三者に主張されたりと、さまざまなトラブルに発展する可能性がありますので、登記手続きは多少の手間と費用はかかりますが、優先してすべき事項でしょう。
※参照:法務局
所有権移転登記に必要な費用
所有権移転登記に必要な費用
所有権移転登記には、次の3つの費用が発生します。
・登録免許税
・手続きにかかる雑費
・司法書士の報酬
税金の計算方法や報酬の目安を紹介しているので、所有権移転登記を行う際の参考にしてください。
登録免許税
登録免許税とは、登記手続きを行う際に課される税金のことです。所有権移転登記の登録免許税は、以下の計算式で算出しましょう。
登録免許税額 = (課税標準)×(税率)(※1)
課税標準は、毎年5月〜6月(自治体によって異なる)に送付される、固定資産税課税明細書に記載されています。
課税標準にかける税率は、次の表を参考にしてください。
登録免許税額は、計算した結果から100円未満を切り捨てた金額です。
相続による土地の所有権の移転登記において、次の2つに該当する場合、登録免許税が免税されます。(2025年3月31日まで)(※3)
・相続によって土地を取得した個人が、登記を受ける前に死亡した場合
・不動産の価額が100万円以下である不動産を取得した場合
※1参照:法務局
※2参照:国税庁
※3参照:国税庁
手続きにかかる雑費
所有権移転登記には、次の雑費がかかります。
・登記事項証明書の発行手数料:480円〜600円(※)
・必要書類の取得費用
・書類を入手するための郵送料や交通費
登記事項証明書は、不動産情報を確認するために必要な証明書です。
手続きにかかる雑費の合計は、多く見積もっても2万円程度でしょう。
※参照:法務省
司法書士の報酬
司法書士の報酬
登記手続きには必要な書類が多く、正確かつ迅速に行うことが求められます。通常は、司法書士に依頼します。
所有権移転登記の報酬の相場は、5万〜10万円(※)です。
ただし、上記の金額はあくまでも目安であり、依頼する司法書士や事案によって異なります。
まずは、司法書士事務所に問い合わせて見積もりを依頼しましょう。「相談の段階で明確な費用はわからない」と回答されるかもしれませんが、司法書士によってはおよその金額を提示してくれます。
※参照:関西あおぞら合同事務所
所有権移転登記の費用を安く抑えるには
所有権移転登記の費用を安く抑えるには
不動産を取得した際には、税金や手数料などのさまざまな支払いが発生します。少しでも負担を減らすために、登記費用を安く抑える方法を紹介します。
費用を抑える方法は、次の2つです。
・自分で申請する
・見積もりを複数取って比較する
自分で申請する
通常、所有権移転登記は司法書士に依頼しますが、登記手続きに資格は必要ありません。
手間はかかるものの、対象となる不動産の権利関係が複雑でない場合は、自分で手続きができる可能性があります。自分で法務局に行き、登記手続きをすることで、司法書士への報酬の支払いが不要になります。
ただし、所有権移転登記は正確さが求められるため、慎重に行ってください。
具体的な手続きの手順や必要な書類については、以下の記事で詳しく解説しています。記事を参考にして所有権移転登記を行ってください。
所有権移転登記は自分でできる?やり方の手順や必要な書類を徹底解説
見積もりを複数取って比較する
基本的に、司法書士への見積もりは無料です。複数の司法書士に見積もりを依頼して、料金を比較してください。
依頼する司法書士を選ぶ際には、料金以外にも次の項目をチェックしましょう。
・自宅から近い場所に事務所があるか
・親身に相談に乗ってもらえるか
・登記に関して専門的な知識があるか
問題が発生したときに、すぐに相談できるように自宅近くの司法書士事務所から探してください。
まとめ:所有権移転登記はプロに依頼するのがおすすめ
まとめ:所有権移転登記はプロに依頼するのがおすすめ
所有権移転登記は、不動産を取得した際に必要な手続きのことで、迅速かつ正確に行うことが求められます。第三者に所有権を主張できるように、必ず手続きを行ってください。
手続きは複雑で手間がかかるため、司法書士に依頼するのがよいでしょう。司法書士を選ぶ際には見積もりを複数取って比較し、自分に合った司法書士を選びましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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