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更新日:2023.08.23
登録日:2022.08.24
不動産の仲介手数料とは?売買・賃貸の相場や値切り交渉を解説
「不動産の仲介手数料ってなに?」
「手数料の相場や、値切りできるのかを知りたい」
上記のような思いを抱く人は多いでしょう。不動産を借りたり売買したりすると、仲介手数料を支払わねばなりません。仲介手数料はしばしば大きな出費なため、極力抑えたいものです。
この記事では、不動産の仲介手数料を徹底解説します。物件売買・賃貸の相場や値切り交渉の可否も紹介。仲介手数料以外にかかる費用も取り上げるため、引っ越しや物件購入を検討中の人はぜひご覧ください。
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仲介手数料は不動産仲介業者への成功報酬
仲介手数料は不動産仲介業者への成功報酬
仲介手数料は、契約が成功した際に不動産の仲介業者へ支払う報酬のことです。不動産の取引には、必ず専門知識を持った業者のサポートが必要です。報酬と引き換えに、不動産の仲介業者は以下の業務を請け負います。
・物件の法的査定
・現地での物件案内
・家主や売り手とユーザーの条件交渉の代行
・重要事項の説明書・売買契約書の作成
・不動産に関する契約やローン手続きの締結のサポート
・物件の引き渡しの立ち会い
・登記識別情報の発行のサポートなど
上記のような売買・賃貸手続きは、個人の力では行えません。不動産のプロである仲介業者の力を借り、対価を手数料として支払っています。
物件売買の仲介手数料は契約時と引き渡し時の2回発生する
物件売買の仲介手数料は契約時と引き渡し時の2回発生する
物件売買の場合、仲介手数料は売買契約時と引き渡し時の2回発生することが一般的です。二重に手数料が発生するわけではなく、タイミングを分けて半分ずつ支払います。
仲介手数料の支払先は、主に2つです。不動産業者が売主である場合は、同じ業者にすべての仲介手数料を支払います。物件を売る業者と不動産を紹介した業者が違う場合は、それぞれに半分ずつ仲介手数料を払う形です。
なお、仲介手数料の支払いは、宅地建物取引業法で成功報酬型のみと決まっています。売買が成立しない限り、仲介手数料の支払いは発生しないため安心してください。
鑑定士コメント
仲介手数料は、賃貸の場合は現金払いだけでなく、クレジットカード決済を導入する仲介会社が増えてきました。しかし売買の場合は、現金払いが原則です。そもそも売買の場合、契約や引渡しは金融機関で行うため、その金融機関内で預金口座より引き落とし決済されることが多いのです。また、クレジットカード決済は扱う不動産会社が決済手数料(扱う金額の数%)を負担しますので、仲介手数料が何百万円と大きな金額となる売買の場合、手数料もばかになりません。これもクレジットカード決済が少ない理由です。
仲介手数料の相場を売買・賃貸別に解説
仲介手数料の相場を売買・賃貸別に解説
仲介手数料の相場は、物件の売買と賃貸で大きく異なります。ここでは、仲介手数料の相場を、物件の売買と賃貸別に紹介します。
物件売買の仲介手数料は物件価格の約3%
物件売買にかかる仲介手数料の相場は、400万円以上なら物件価格の3%+消費税です。なお、物件の売買にかかる仲介手数料は、下記の通り上限が決められています。(※)
もし、上記を超える金額を請求されても、応じる必要はありません。物件購入の際に参考にしてください。
※SUUMOを参考に作成
賃貸の仲介手数料は家賃の0.5~1か月分
賃貸の場合、仲介手数料は家賃の0.5〜1か月分に設定されることがほとんどです。手数料には消費税も発生するため、正確な価格は家賃の0.5〜1か月分+消費税となるでしょう。
なお、手数料の上限は家賃の1ヶ月分+消費税に定められています。それ以上の金額を取られる事はないため、転居の際には相応額を用意すれば安心です。
なお、賃貸の仲介手数料に上限はあっても、下限はありません。キャンペーンなどで値引きされたり、仲介手数料無料の物件も中にはあります。
仲介手数料の値下げ交渉は難しい
仲介手数料の値下げ交渉は難しい
結論から言うと、業者が定めた価格から仲介手数料を値下げ交渉することは難しいです。条件によっては可能なケースもありますが、簡単にできるものではないと心得ましょう。ここでは、売買・借入別に仲介手数料の値引き交渉事情を解説します。
・物件の売買は両手仲介なら交渉の余地がある
・賃貸の仲介手数料はほぼ値引きできない
それぞれ詳しく説明します。
物件の売買は両手仲介なら交渉の余地がある
物件を売買する際の仲介手数料は、条件交渉できるケースがあります。売主・買主両方の仲介を同じ業者が行う「両手仲買」の場合は、比較的手数料の値引き交渉をしやすいです。一方で、売主と買主の仲介を別の業者が行う「片手仲介」の場合は、値引き交渉は難しいでしょう。
両手仲介の場合、仲介業者が受け取る利益は大きくなります。そのため、多少の交渉の余地があると考えられます。
不動産売買の際に仲介手数料を抑えたい場合は、両手仲介の物件を選びましょう。媒介契約を結ぶ前に値引き交渉を行えば、交渉が成功する確率が高くなります。しかし、不動産業者に仲介手数料の値引きを行うと、以下のデメリットも発生しやすいです。
・価格重視と思われ訳アリ物件を紹介される
・業者から対応の優先度を下げられ、物件を紹介してもらいにくくなる
また、両手仲介にこだわりすぎることで良い物件を逃してしまうことも考えられるので、バランスが大切と言えます。
賃貸の仲介手数料はほぼ値引きできない
賃貸の場合は、仲介手数料が不動産会社によって一律で設定されているため、値下げ交渉はほぼできないでしょう。物件の状態や立地が多少悪かったとしても、それで手数料が安くなることはありません。キャンペーン期間などでない限り、値引き交渉はできないと考えましょう。
しかし、まれに大家が仲介手数料の半額を支払っている物件もあります。そういった物件では、仲介手数料が家賃の0.5か月分に設定されているケースが多いです。
仲介手数料を安く抑えるコツ2選
仲介手数料を安く抑えるコツ2選
仲介手数料の値引き交渉は難しいものの、価格を抑えるコツはいくつか存在します。ここでは、仲介手数料を抑えるのに効果的なコツを2つ紹介します。
1.物件の売買はキャンペーンを利用する
2.賃貸は仲介手数料無料の物件を探す
仲介手数料を上手に抑えて、賢く不動産を売買したり借りたりしましょう。以下では、それぞれ詳しく解説します。
物件の売買はキャンペーンを利用する
不動産ポータルサイトの中には、契約が成立した場合、仲介手数料を値引きするキャンペーンを行っているところがあります。キャンペーンは仲介手数料を値引きするものや、お祝い金として現金を支給するパターンが多いです。
キャンペーンを行っている業者は、インターネットで簡単に検索できます。特典を受ける条件も、サイト内に表示されています。しかし、キャンペーンには条件が課されていることがほとんどなので、サイト内の要項はしっかりチェックしましょう。
賃貸は仲介手数料無料の物件を探す
管理会社が直接物件の入居者を募集している場合は、仲介業者を挟まないので手数料がかかりません。個人の大家が不動産会社から借り上げ管理をしているサブリース物件でも、仲介手数料が無料になることがあります。
勤務先の福利厚生を利用できる物件も、同様に仲介手数料が少なくなる可能性があります。手数料が無料の物件は多数あるため、インターネットなどを活用し探してみましょう。なお、一定期間分の家賃が無料になるフリーレント物件もあります。手数料そのものが安くなるわけではありませんが、初期費用全体で見たときにトータルコストを抑えることができます。
鑑定士コメント
フリーレントは、長期間空室となっている場合に、入居者を誘致する目的で設定されることがほとんどです。つまり、空室になるだけの理由がある可能性が高いため、本当にお得なのかどうか、慎重に検討する必要があるでしょう。
不動産の売買時に仲介手数料以外でかかる費用
不動産の売買時に仲介手数料以外でかかる費用
不動産を売買する際には、仲介手数料のほかにさまざまな費用が発生します。「ローンや仲介手数料だけを支払えばいい」と思っていると、突然の出費に手をこまねくことになるかもしれません。物件の売買から実際に住むまでには、以下の費用がかかることを必ず念頭に置き、物件の契約や購入を行いましょう。
1.引越し費用
2.登記費用
3.各種税金
それぞれ詳しく解説します。
①引越し費用
引っ越しをする際には、引っ越し業者を利用する人が多いことでしょう。引越し業者の料金は荷物の内容や距離、時期により変動します。特に引っ越しの時期は料金に大きくかかわるため、繁忙期を避けて転居を行うことがおすすめです。
引っ越し費用は転勤・入学など新生活が始まる3〜4月に高くなりやすいです。対して、5〜2月に引っ越しをすれば、比較的費用を抑えやすいでしょう。
なお、引っ越し価格が安くなる時期は、家族の構成によっても変化します。単身者の引っ越し費用は11・12・8月に、2人以上の世帯は1・11月に費用が安くなる傾向にあります。もっとも、友人に協力を頼むなどすれば、引っ越しの費用を大きく抑えられるでしょう。
②登記費用
不動産を購入すると、登記のための諸費用が発生します。登記費用は原則現金払いですが、クレカなどのキャッシュレス払いに対応した業者も、近年では登場しています。
なお、登記費用の内訳は固定資産税評価額で変わります。以下の表を参考に、税額の概算が可能です。(※)
登記費用には、司法書士手数料と登録免許税が含まれます。すべての税金にプラスし、手続きを行う司法書士に支払う費用も追加されるのです。
※ウェルスハックを参考に作成
なお、司法書士への報酬は、一般的に所有権移転登記は2~11万円、抵当権設定登記は2~7万円に設定されています。
③各種税金
③各種税金
物件を購入する際には、以下3つの税金がかかります。(※)
不動産売買契約書に貼る印紙税のほか、所得や登録に対する税金がかかります。住宅購入の際には、各種税金がかかることを考慮し資金を用意しましょう。
※住友不動産販売、不動産売却塾、マンションの暮らしガイドを参考に作成
まとめ:仲介手数料は不動産業者へのサービス料
まとめ:仲介手数料は不動産業者へのサービス料
仲介手数料は、不動産の契約をサポートしてくれる仲介業者に支払うサービス料と言えます。不動産の取引には専門知識が必要であり、不動産のプロの力を借りる必要があります。
仲介手数料の相場は、以下の通りです。(※)
値下げ交渉は基本的にできませんが、特定の条件下では相談の余地があります。物件の売買においては、売主・買主両方を同じ業者が仲介する両手仲介なら、手数料を交渉しやすいでしょう。
フリーレント物件やキャンペーンを利用し、仲介手数料を下げる方法もあります。管理会社が直接物件の入居者を募集している場合、仲介業者を挟まないので手数料がかからない点にも注目です。この記事を参考に、仲介手数料の知識を深めましょう。
※『選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 基礎編』を参考に作成
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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