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更新日:2023.08.10
登録日:2022.08.23
天井高の平均は?天井が高い・低い物件のメリットとデメリットも解説
マンションを購入するにあたって、天井高は意外と重要な要素です。同じ敷地面積であっても、天井高が違えば部屋の広さの印象が変わります。天井が高い物件と低い物件には、それぞれ特有のメリットがあり、それを理解したうえでの選択が必要です。
また、思い描く自宅のデザインを考える際に、マンションの天井高をどう考慮すればよいかわからない人もいるでしょう。
この記事では、物件の天井高について知りたい人に向けて、平均の高さやメリットを解説します。物件を選ぶ際に、どうすれば好みの空間をつくれるか参考になるので、ぜひ最後までご覧ください。
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天井高(てんじょうだか)とは床面から天井までの距離
天井高(てんじょうだか)とは床面から天井までの距離
そもそも天井高とは何を指すのか、正確な定義が分からない方もいるかもしれません。天井高と似たものを指す言葉に「階高」というものがありますから、間違えないようにまずは天井高なのか階高なのか、どちらの言葉が何を指すのかを覚えていきましょう。
天井高とは、床から天井までの高さのことです。居室の天井高に関しては、建築基準法によって最低限のラインが決められています。
「第二十一条 居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
2 前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。」(※)
居室だけの指定ですが、2m10cm以上の天井高が必要となります。ただ、これは最低ラインとなりますので、実際のマンションの天井高はもっと高いです。具体的には、マンションの天井高の平均は約2m50cmとなっております。
■首都圏
■近畿圏
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■中部圏
※横にスクロールできます。
(※2)
※2東京カンテイ「主要圏域別新築マンション構造スペック調査結果」のデータを基に作成
天井高の平均は?後悔しない基準は2400mm
天井高の平均は?後悔しない基準は2400mm
マンションの天井高は平均2400mm、つまり2.4mです。マンションによって天井高は異なりますが、建築基準法によって2.1m以上にしなければならないと定められています。
天井高が高いと、同じ敷地面積であっても空間を広く感じられることが特徴です。マンションの場合、階によって天井高が異なる場合があるので、注意しましょう。
天井高がどれくらいかによって部屋のスペース感も変化し、インテリアの配置や与えられる印象も異なります。昔はマンションの部屋数を確保するために、天井高を低くする傾向にありました。しかし、現在ではスペース確保のために天井高を2500mm以上にするケースも多く見られます。
マンションを選ぶ際は、天井高の最低ラインを2400mmに設定しましょう。2400mm未満だと、部屋全体が狭く感じられる可能性があります。
天井高と併せて押さえておくべき用語2選
天井高と併せて押さえておくべき用語2選
天井高と合わせて押さえておくべき用語は以下の2つです。
・階高
・スラブ厚
階高とスラブ厚を知っておくと、マンションの特性をより深く理解できます。より自分に合った物件を選べるので、しっかり把握しておきましょう。
また、階高と天井高との違いも知っておくと便利です。スラブ厚は鉄筋コンクリートのマンションを見るうえで重要です。以下では、それぞれ詳しく解説します。
①階高
階高とは、床から1階上の床面までの高さを指します。防音などの目的から、天井と上階の床のあいだにスペースを設けるケースが主流です。内部構造は、天井と床がそれぞれ二重につくられており、それぞれ二重天井・二重床と呼びます。
天井高は、階高から床および天井の下地をのぞいた高さを指します。違いを理解しましょう。
二重床と二重天井は、以下記事でそれぞれ詳しく紹介しています。
マンションの二重床はどんな構造?リフォームに向いている理由を解説
二重天井はどんな構造?直天井との違いやメリットとデメリットを解説
②スラブ厚
②スラブ厚
スラブ厚は、鉄筋コンクリート造の建築物にみられる構造床です。二重床であれば、実際の床の下にスラブがあります。柱、梁など建物の骨格に壁とスラブが組み合わさるので、強度がアップします。
階高から天井高とスラブ厚を引くと、部屋と部屋の間にあるスペースの見積もりが可能です。物件選びの際は、スラブ厚もチェックしましょう。
鑑定士コメント
スラブ厚が大きいほど、遮音性がよくなります。一般的には、スラブ厚が180mm以上あると、遮音性が高いと言えるでしょう。賃貸マンションは分譲マンションに比べ遮音性が低いと言われますが、これは賃貸マンションのスラブ厚がおよそ150mmが標準だからです。
直天井や直床にして部屋数を増やしているマンションもある
直天井や直床にして部屋数を増やしているマンションもある
二重天井や二重床ではスラブと天井・床の間にスペースを作っていますが、マンションによってはスラブに直接クロスを張って、床や天井とすることがあります。ただ、直床や直天井にするにはスラブの凹凸をなくさなければ、直接クロスを張ったときに目立ってしまいます。
そのため、建設会社によっては直天井+二重床にすることもありますが、技術のある大手のゼネコンが造れば直天井+直床にすることができ、同じ高さでもマンションの階数を増やすことが可能となります。なお、リフォーム時にも直天井と直床へと変更し、階数を増やすことも可能です。
天井高の高いマンションのメリット4選
天井高の高いマンションのメリット4選
天井が高いマンションには、多くのメリットがあります。具体的には、以下の4つです。
・開放感が得られる
・高級感を味わえる
・インテリアの幅が広がる
・高さのある家具で収納量を増やせる
それぞれ詳しく解説します。
①開放感が得られる
天井が高いことのメリットはなんと言っても広々とした印象を受けることができることでしょう。床の面積が同じでも天井が高いか低いかで、その部屋の広さの雰囲気が大きく変わってきます。開放感のある広い部屋に住みたいと考えているなら天井が高いマンションを選ぶべきでしょう。
②高級感を味わえる
それに、天井が高ければ、シャンデリアやシーリングファンをつけることができるので、高級感のある部屋を演出することが可能です。開放感や高級感を求めるのであれば、天井が高いマンションにすべきでしょう。
③インテリアの幅が広がる
③インテリアの幅が広がる
天井が高いと、吊り下げ型の照明など、設置できるインテリアの幅が広がります。インテリアの選択肢を増やしたいのであれば、天井が高いマンションがおすすめです。
また、部屋全体の圧迫感をなくせるので、同じ広さでも天井は高い方が快適に過ごせるでしょう。おしゃれな居住空間を求める人は、天井高も意識してみると、快適な部屋づくりをしやすくなります。
④高さのある家具で収納量を増やせる
天井が高いと、その分だけ背の高い家具を利用できます。段数の多いタンスなどを利用できれば、収納できるものの量が増え、同じ場所にまとめて保管できて便利です。
特に両親や子どもと同居しており、世帯人数の多いケースだと少ないスペースを活用していかに収納できるかが重要と言えます。天井の高い物件であれば、収納スペースを確保しやすく、床面積の節約も可能です。
ソファやベッドなど、他の家具に割けるスペースが広がる点も、天井の高いマンションに住むメリットです。
天井が低いマンションのデメリット3選
天井が低いマンションのデメリット3選
天井が低いと、多くの面で居住性に影響を及ぼします。天井が低いマンションのデメリットは、以下の3つです。
・圧迫感がある
・吊り下げ型の照明機器は不向き
・設置できる家具が限定される
天井が低いことによるメリットは、存在しないと言っても過言ではないでしょう。以下では、それぞれ詳しく説明します。
①圧迫感がある
天井が低いことによって、圧迫感があったり窮屈に感じたりする方もいるでしょう。狭い場所が苦手という方にはおすすめできません。内見で見たときの印象は良くても、長く住んだ場合に不快に感じないかも加味して検討していきましょう。
②吊り下げ型の照明機器は不向き
天井が低いので、照明器具に縛りはあります。具体的に言うと、シャンデリアやシーリングファンなど吊り下げ型の照明器具は不向きとなります。イメージすると分かるように、シャンデリアやシーリングファンをつけると窮屈に感じますし、邪魔に感じるかもしれません。
③設置できる家具が限定される
③設置できる家具が限定される
天井が低いと、背の高い家具は物理的に設置できません。部屋の床面積が同じでも空間全体が狭くなるため、収納力が低くなってしまいます。
世帯人数が多い場合、収納用の家具が多く必要になることが想定されます。しかし、天井が低い中で収納スペースを確保しようとすると、家具のサイズを大きくする必要があるでしょう。そうすると、他のインテリアを置くスペースを圧迫します。
置ける家具も機能やサイズ、デザインが限定されるため、おしゃれの面でも制約があります。特に世帯人数が多い場合は、天井が低いとデメリットが大きくなる点に注意が必要です。
鑑定士コメント
マンションの作りによっては、天井高を後から高くすることができます。コンクリートの下に石膏ボード下地があるマンションです。ボードを外すことで、天井を上げられます。但し、管理規約により制限されていることもあるので、確認しましょう。
まとめ:天井高は2400mm以上がおすすめ
まとめ:天井高は2400mm以上がおすすめ
天井高の定義や平均的な高さ、天井が高い部屋のメリットなどを解説しました。天井高は床から天井までの高さを指し、空間の広がりに影響します。同じ床面積であっても、天井の高い部屋であれば広く感じ、背の高い家具も設置可能です。
天井高は建築基準法によって、2100mm以上と定められています。天井高の平均的な値は2400mmほどです。天井高が2400mm以上あれば、吊り下げ型の照明や背の高い家具を利用しやすく、スペースを有効活用できるでしょう。逆に、天井が低いメリットはないと言っても過言ではありません。
マンションを選ぶ際には、天井高にも注目することがおすすめです。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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