美的 Life Style by 花千代2019/8/22

 

先日滞在したLAのホテルは、ウエストハリウッドにあるデザイナーズホテルで元々アパートだった建物をホテルに改造したコージーで居心地の良いインテリアでした。

あまり鋭ったデザインでなく、今流行の少しカフェ的なスパイスをまとわせたややカジュアルな内装で、LAらしい気楽さが信条のリラックスできる空間でしたが、1点感心したのは壁です。

 

 

 

朝食を取るためのカフェを抜けると小さなスペースにテラス席があるのですが、そこからの展望が隣のビルが迫っていて、あまり良い眺めとはいえません。

そこでインテリアデザイナーは目隠しとしての用途で壁を設営したと思うのですが、普通壁を作った場合、花や植栽で隠すとか、壁そのものをキャンパスとしてアーチストに絵を描いてもらうとか、、すると思うのですが、壁をアートの芝生でできたグリーンで覆ってしまい、さらに鏡を沢山散らしてアクセントにしていました。カフェからテラススペースに入ると、どんと聳える壁が、アートグリーンと様々な形の違う鏡の効果で、まるで不思議の国のアリスのお茶会に招かれたような気分になるのです。

 

 

これは本物のグリーンでは出ない効果で、フェイクグリーンの色や質感がアリスの擬人化された兎などのfantasyとしっくりくるので、ある意味フェイクであることを利点とした素材使いで、そこに感心しました。

 

私がパリに住んでいた頃、植物との共生をアート活動とし、壁面緑化と名づけられたオリジナルの作品を発信していたパトリック・ブランという植物学者がいました。

そのアイデアが世界的ブームになり、フランスのみならず台湾、スペイン、日本等、世界中の壁に彼は植物を植えつけてきました。日本では金沢21世紀美術館の壁が特に有名ですからご覧になった方も大勢いると思います。

生きている植物ですから日々成長しボリュームや形も変化するのが愉しめるブランの「垂直庭園」とは違って、今回はフェイクグリーンであることが特色の壁。

フェイクであることが効果を生むアート植栽の使い方にとても刺激を受けた次第です。

 

やはり旅は発見があり素晴らしい!

来月は初めてのスペインで、今からワクワクしています。

 

 

 

 

 

花千代 フラワーアーティスト
パリにて4年間フラワーデザインを学ぶ。
帰国後、CMや映画のスタイリング、イベント装花や店舗ディスプレー、ホテルのフラワーアートディレクションなど多岐わたって活躍。
2008年洞爺湖G8サミット公式晩餐会会場装花、2013年オランド仏大統領総理官邸公式ランチョン、APEC総理公邸晩餐会で和のテーブル装花なども手がける。
2013年、2015年と夏目漱石原作芝居「三毛子」と「「こころ」の舞台美術を、2016年新作「乙姫さま」の舞台美術をそれぞれ三越劇場にて担当、テレビ東京「ソロモン流」NHK「グランジュテ」などTV出演、ジュエリーや家具、シューズデザインなどコラボワークも多い。
近著に「花千代流テーブル&フラワースタイリング」誠文堂新光社

Hanachiyo Flower Design Studio  http://www.hanachiyo.com/

https://www.facebook.com/Hanachiyo

 

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