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更新日:2025.12.24
登録日:2025.12.23

​団体信用生命保険への50歳以上の加入は可能?年齢制限や持病の不安を解説

​団体信用生命保険への50歳以上の加入は可能?年齢制限や持病の不安を解説

「団体信用生命保険には50歳以上でも加入できるの?」
「団体信用生命保険は持病があっても審査に通るのか知りたい。」

50歳を過ぎてから住宅ローンを組む場合、上記のような不安を抱く方は少なくありません。

団信には年齢や健康状態に関する条件があるため、50代になると審査のハードルが上がるケースがあります。しかし、団信の仕組みや代替手段を正しく理解しておけば、50歳以上でも住宅ローンを組むことは十分可能です。

本記事では、50代で団信に加入する際の注意点や、持病がある場合の対策について解説します。

【この記事でわかること】
・50歳以上の団信加入には「満70歳未満」などの年齢上限があること
・50代では健康告知が審査のポイントになること
・団信に加入できなくても、ワイド団信・フラット35・生命保険など代替策があること

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団体信用生命保険に50歳以上で加入する際の基礎知識

団体信用生命保険に50歳以上で加入する際の基礎知識

団体信用生命保険に50歳以上で加入する際の基礎知識

50歳を過ぎてから住宅ローンを検討する場合、まず押さえておきたいのが団体信用生命保険の仕組みと基本ルールです。団信は住宅ローン審査に深く関わるため、年齢や健康状態によって条件が変わる点を理解しておくことが、スムーズな手続きにつながります。

 

ここでは、50歳以上で団信に加入する際に知っておきたい基礎知識を解説します。

 

・団体信用生命保険(団信)とは

・50歳以上で住宅ローンを組む人が増えている背景

・団信の一般的な年齢制限

団体信用生命保険(団信)とは

団体信用生命保険(以下、団信)とは、住宅ローン返済中に契約者が死亡したり、重い障害を負ったりした場合に、残りの住宅ローンがゼロになる保険です。保険会社が銀行へローン残高を支払うことで、遺された家族が返済を続ける必要がなくなります。

 

団信の保険金は、ローン返済の進行に合わせて減っていく仕組みで、加入できるのは住宅ローンの借入時や借換え時のみです。借入後に新たに加入することは原則できません。

 

万一の際にも住まいを失わずに済むため、団信は住宅ローン利用者にとって非常に重要な保険といえるでしょう。

50歳以上で住宅ローンを組む人が増えている背景

近年、50歳以降に住宅ローンを組む人が増えています。主な理由のひとつが、シニア世代の就業率の上昇です

 

令和6年版「高齢社会白書」によれば、60〜64歳の男性の84.4%、女性の63.8%が働いており、65〜69歳でも男性61.6%・女性43.1%が就業しています。70代前半でも男女ともに一定の割合が働き続けており、多くの人が長く収入を得られる環境にあります。(※)

 

また、50代は老後の暮らしを見据えて「建て替え」や「中古住宅の購入」、「大規模リフォーム」を検討するケースが増えていることも、住宅ローン利用の増加につながっています。

 

こうした働き方・住まい方の変化が、50歳以上で住宅ローンを活用する人が増えている背景です。

 

※ 参照:内閣府

 

50代だけでなく、60代で住宅ローンを検討する人も増えています。年齢が上がるほど審査や返済計画のポイントは変わるため、別記事で詳しくまとめています。気になる方は、あわせてご確認ください。

住宅ローンを60歳から組むのは可能?知っておくべきリスクと審査通過のコツを解説

団信の一般的な年齢制限

団信には、あらかじめ加入できる年齢が決められています。一般団信では、住宅ローンを借りる時点での年齢が「満70歳未満」であることが基本の条件です

 

とはいえ、銀行ごとに基準は少しずつ違います。たとえば「18歳以上71歳未満」「20歳以上65歳以下」など、年齢条件にはバラつきがあります。

 

50代から住宅ローンを考える場合は、まず各金融機関の年齢条件をチェックしておきましょう。年齢が上がるほど選択肢が狭くなるため、早めに情報を集めて比較することが大切です。

50歳以上が団信に加入する際の注意点

50歳以上が団信に加入する際の注意点

50歳以上が団信に加入する際の注意点

50歳以上が団信に加入する際に押さえておきたい注意点を3つ解説します。

 

・一般団信は完済時年齢80歳未満までが基本

・特約付団信は年齢制限が厳しくなる

・健康状態の審査が厳しくなりやすい

一般団信は完済時年齢80歳未満までが基本

50歳以上で団信に加入する場合は、「完済時年齢が80歳未満」である点に注意が必要です

 

一般団信は、住宅ローンを組むときに基本的にセットで加入する保険です。契約者が亡くなったり、重い障害を負ったりした場合に、保険会社が残りの住宅ローンを支払い、返済が免除される仕組みになっています。

 

多くの金融機関では完済時年齢の上限を80歳未満としているため、50歳でローンを組む場合、返済期間は最長30年です。

 

50歳以降に団信加入を検討する場合、老後の収入や生活設計を踏まえ、無理のない返済期間を設定することが大切です。

特約付団信は年齢制限が厳しくなる

特約付団信は一般団信よりも幅広いリスクに備えられますが、その分、加入できる年齢が厳しく設定されている点に注意が必要です。

 

主な特約は次のとおりです。

 

 ・がん保障特約付団信:がんと診断された時点で残高が0円

 ・3大疾病保障付団信:がん・心筋梗塞・脳卒中をカバー

 ・5大疾病・7大疾病・8大疾病特約:生活習慣病なども含む広い保障

 ・11大疾病特約:より多くの疾病に備えたい方向け

 

これらの特約には年齢上限があり、多くの金融機関では「満50歳まで」や「満56歳未満」といった制限が設けられています

 

特約を付けたい場合は、利用できる年齢が限られる前に、早めに検討することが大切です。

 

団信についてより詳しく知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

団体信用生命保険の保険料は月々いくら?基本的な仕組みと注意すべきポイントとは

健康状態の審査が厳しくなりやすい

団信に加入する際には、健康状態の告知が必要です。50歳を過ぎると病気のリスクが高くなるため、審査が厳しくなる点は押さえておきましょう

 

告知では、主に次の内容を申告します。

 

・直近3か月以内の治療・投薬

・過去3年以内の手術や長期治療

・現在の身体障害の有無

 

特に、心疾患・がん・精神疾患などは審査で慎重に確認され、内容によっては加入できないこともあります

 

ただし、告知事項があるからといって必ずしも審査に落ちるわけではありません。病状や治療状況が安定していれば、加入が認められるケースもあります。

50歳以上の団信審査で重要視される「健康告知」とは

50歳以上の団信審査で重要視される「健康告知」とは

50歳以上の団信審査で重要視される「健康告知」とは

50歳以上で団信に加入する場合、審査で特に重視されるのが「健康告知」です。持病や既往歴の申告内容によって、団信に加入できるかどうかが大きく変わります。

 

ここでは、以下の点に着目して解説します。

 

・健康告知の目的や重要性

・50代で注意したい病歴

・虚偽申告のリスク

健康告知の目的と告知義務の重要性

団信に加入する際には、現在の健康状態や過去の病歴を申告する「健康告知」が必要です。これは、万一のときに保険金が正しく支払われるかどうかを判断するための大切な情報になります。

 

団信は住宅ローンの返済を保障する保険であるため、保険会社は加入者のリスクを正しく把握する必要があります。病気やケガを隠して申し込むと「告知義務違反」とみなされ、契約解除や保険金が支払われないといった重大な不利益につながる場合があります。

 

住宅ローンの返済に直結する団信だからこそ、正しい告知は自分と家族を守るための重要なステップです。健康状態は必ず正直に申告しましょう。

50代で告知が必要になる可能性が高い主な病歴

50代になると、団信の告知対象となる病歴に該当しやすくなります。特に次のような病歴は、告知対象となる可能性が高いでしょう。

 

・心疾患(高血圧症、狭心症・心筋梗塞など)

・糖尿病、リウマチなど

・脳疾患(脳卒中など)

・がん・肉腫などの腫瘍

・精神疾患(うつ病・神経症など)

・肝臓・膵臓の病気

・腎疾患

・眼の病気(緑内障など)

・婦人科系疾患(子宮筋腫、子宮内膜症など)

 

なお、これらの病歴があっても、必ず審査に落ちるとは限りません。治療状況や現在の健康状態によっては、加入が認められるケースもあります。

告知内容に虚偽があった場合のリスク

団信の申し込みで事実と異なる内容を記入したり、持病を故意に隠したりした場合は「告知義務違反」とみなされます。

 

告知義務違反が判明すると、万一の際に保険金が支払われず、家族が大きな不利益を受ける可能性があります。また、契約そのものが解除され、金融機関から一括返済を求められるケースもあるため注意が必要です。

 

中には「契約から2年経過すれば解除されないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、それは誤解です。悪質な虚偽があれば、経過年数に関係なく契約取消となります

 

違反履歴が残ると今後の生命保険や団信への加入が難しくなる可能性もあるため、健康状態は正確に申告しましょう。

鑑定士コメント

「持病があると団信は難しいのでは?」と不安に感じる方は多いのですが、実は50代でも加入できる可能性はあります。一般の団信に通らなくても、条件がゆるやかな「ワイド団信」を利用できるケースがあるからです。ただし、ワイド団信でも健康告知は必要で、すべての病歴が認められるわけではありません。また、一般団信より金利が少し上がる点には注意しておきましょう。

団信の審査に通過できなかった場合の代替策

団信の審査に通過できなかった場合の代替策

団信の審査に通過できなかった場合の代替策

ここでは、団信に加入できなかった場合に検討したい代替策を4つ紹介します。

 

・団信加入が任意の「フラット35」を検討する

・団信の代わりに「生命保険」を活用する

・配偶者名義での住宅ローン契約やペアローンにする

・借入額を減らしてローン審査のハードルを下げる

 

もし団信の審査に落ちてしまっても、住宅ローンの利用をあきらめる必要はありません。団信以外にもリスクをカバーする方法や、別のローン商品を選ぶことで住宅購入を進められるケースがあるので、詳しく見ていきましょう。

団信加入が任意の「フラット35」を検討する

多くの住宅ローンでは団信への加入が必須であり、団信に入れない場合はローン自体を借りられないことも珍しくありません。そこで、団信の審査に通らなかった人の選択肢として注目されるのが「フラット35」です

 

フラット35は団信の加入が任意のため、健康上の理由で一般団信に加入できない場合でも利用できる可能性があります。

 

また、団信が必須ではない仕組みを活かし、健康に問題がない人も保険料負担を抑えるためにフラット35を選択するケースも少なくありません。

 

団信の審査に不安がある人や、保険料を抑えたい人にとって、フラット35は有力な選択肢といえるでしょう。

団信の代わりに「生命保険」を活用する

団信に加入できなかった場合でも、生命保険を活用することで万一の返済リスクに備えることができます

 

生命保険は遺族が現金を受け取れるため、その保険金を住宅ローンの返済に充てれば、団信と同じように家族の負担を軽減できます。また、まとまった一時金で受け取るタイプや、毎月の生活費として受け取るタイプなどがあり、家計に合わせて柔軟に選べる点もメリットです。

 

ただし、団信のようにローン残高に自動で連動して返済を肩代わりしてくれる仕組みではない点には注意が必要です。ローン残高や家計状況を踏まえて、適切な保障額を設計することが大切です。

配偶者名義での住宅ローン契約やペアローンにする

自分が団信に加入できない場合は、住宅ローンの契約者を配偶者名義にする方法も有効です。配偶者の収入や健康状態に問題がなければ、主たる債務者を配偶者にすることで団信の審査に通る可能性が高まります。

 

ペアローンや連帯債務型の住宅ローンを利用すれば、夫婦それぞれが返済を分担しつつ、健康状態の良い方を団信の対象者にできる点もメリットです。

 

ただし、いずれか一方にもしものことがあった場合、もう一方の家計負担が増えるリスクは残ります。特に共働きで返済を計画している場合は、自分が働けなくなるケースも見据えておく必要があるでしょう。

 

必要に応じて、生命保険や収入保障保険などで備えておくことが大切です。

借入額を減らしてローン審査のハードルを下げる

団信に通らない場合や、年齢によって住宅ローン審査が厳しくなるときは、「借入額を抑えること」が有効です

 

50代でローンを組むと返済期間が短くなるため返済比率が上がりやすく、若い世代より借入可能額が少なくなる傾向があります。結果として、高額なローンほど審査に通りにくくなります。

 

また、定年後は収入が大きく減る可能性が高いため、年金や再雇用後でも無理なく返済できるラインに設定しておくことが重要です。

 

物件価格を見直す、頭金を増やすなどして借入額を抑えれば、審査通過の可能性を高められるでしょう。

鑑定士コメント

団信なしの住宅ローンもありますが、リスクは大きいと言えます。団信に加入していない場合、契約者に万一のことがあれば、住宅ローンはそのまま家族が引き継ぐことになります。返済が難しければ、せっかく購入した家を手放す可能性も。一般の団信に加入できない場合でも、「ワイド団信」など代替策がありますので、保障は必ず確保しておくことをおすすめします。

50歳以上で住宅ローンと団信を賢く利用するためのポイント

50歳以上で住宅ローンと団信を賢く利用するためのポイント

50歳以上で住宅ローンと団信を賢く利用するためのポイント

ここでは、無理なく住宅ローンと団信を利用するためのポイントを3つ解説します。

 

・退職金や年金収入を考慮した無理のない返済計画を立てる

・頭金を多く準備し、借入額と返済負担を軽減する

・「親子リレーローン」の活用も視野に入れる

 

50歳以上で住宅ローンを利用する場合は、返済期間が限られるため、若い世代以上に慎重な計画が必要です。団信の審査も厳しくなるため、収入の変化や老後の生活を見据えた際には、どのようなものがあるかを見ていきましょう。

退職金や年金収入を考慮した無理のない返済計画を立てる

50代で住宅ローンを組む際は、定年後の収入減少を見据えた返済計画が欠かせません

 

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、50〜54歳男性の平均賃金は月42万8,200円で、手取り年収は約410万円と推計されます。(※)この場合、借入額の目安は手取り年収の約7倍で、2,800万円前後が一つの基準になります。

 

ただし、定年後は年金中心の生活になるため、現役時代の収入だけで返済計画を立てるのは危険です。できれば、公的年金の受給開始前後までに完済できるように設定しましょう。

 

借入額は、現役時代と退職後の収入の両方を踏まえて、無理のない範囲で設定することが大切です。

 

※ 参照:厚生労働省

頭金を多く準備し、借入額と返済負担を軽減する

50代で住宅ローンを組む場合は、頭金をしっかり準備しておくことが大切です

 

頭金が多いほど借入額を減らせるため、総返済額を抑えられます。毎月の返済負担も軽くなるため、返済期間が短くなりがちな50代には大きなメリットです。

 

また、借入額が少なくなることで返済比率が下がり、住宅ローン審査にも通りやすくなります。審査面で不安がある人にとっても有効な対策といえるでしょう。

 

50代での住宅購入では頭金をしっかり確保することが、将来の家計を守るための賢い選択肢です。

「親子リレーローン」の活用も視野に入れる

親子リレーローンは、親と子の2世代で返済を引き継ぐ仕組みです。返済期間は、後継者である子の年齢を基準に設定できます。

 

50代で返済期間が短くなりがちな人でも、長期の返済プランを組みやすく、毎月の負担を抑えられる点が大きなメリットです

 

ただし、団信の扱いには注意が必要です。多くの場合は「子のみ団信に加入」または「親子で半分ずつ加入」という形になります。この場合、親が先に亡くなると、子に返済が残ります。

 

親が団信に加入できないローンでは、さらにリスクが高まります。親が早い段階で亡くなると、子が大きな負債を背負う恐れがあるためです。

 

子の負担を減らすには、親も団信に加入できるローンを選んでおくと安心です。

 

マンションを選ぶ際には、購入後の資産性も重要なポイントです。将来の価値を重視したい方は、以下の記事で具体的な方法を確認してください。

今できる!資産性のあげ方

まとめ:50歳からの団信加入は正しい情報収集と計画性が成功のカギ

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50歳以降の住宅ローンや団信には、年齢や健康による制約があるものの、利用できる制度は多くあります。一般団信だけでなく、ワイド団信、フラット35、生命保険の活用、親子リレーローンなど、状況に応じて組み合わせることで、無理のない住宅取得が実現できます。

 

実際に50代で住宅を購入する人は増えています。大切なのは、健康状態や老後の収入見込みを踏まえながら、早めに情報収集を行い、計画的に準備することです

 

あなたに合った方法を選べば、50歳からでも安心して新しい暮らしを始められるでしょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

「分譲マンション」の所有形態のうち、当てはまらないケースはどれですか?

答えは 3

解説

どちらも賃借権のため分譲マンションの所有形態に当てはまりません。

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  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
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  • 修繕積立金が
    年々上がる
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