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更新日:2025.08.25
登録日:2025.08.25
マンション名義変更は夫婦間でも必要?手続きや費用をくわしく解説

「夫婦でマンションの名義変更ってできるの?」
「名義変更にかかる費用が知りたい」
何らかの理由でマンションの所有者を変更したい場合は、名義変更が必要です。しかし、名義変更の手続きが分からないとお悩みの人もいるでしょう。
本記事では、夫婦間で名義変更が必要なケースの紹介や、住宅ローンが残った名義変更の注意点、手続きの流れや必要書類などを解説します。夫婦で名義変更を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
・名義変更は、相続・生前贈与・財産分与(離婚)などで必要な手続き
・住宅ローンが残った状態では、基本的に名義変更できない
・名義変更は、基礎控除110万円+20年以上の夫婦に対するおしどり贈与1,000万円など、が適用される
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夫婦間でマンションの名義変更が必要になる3つのケース

夫婦間でマンションの名義変更が必要になる3つのケース
夫婦間でマンションの名義変更が必要になるケースは、以下の3つです。
・【離婚】財産分与で名義を変更する
・【生前贈与】夫婦の一方からもう一方へ贈与する
・【相続】亡くなった配偶者から名義を引き継ぐ
それぞれのケース毎に詳しくご紹介します。
【離婚】財産分与で名義を変更する
夫婦間で離婚をした時、不動産の名義を夫から妻に変更するなどの財産分与が発生した場合です。
基本的に、結婚後に購入したマンションは、夫婦の共同財産となり、離婚後にどちらかの単独名義となる場合、名義変更をした方が後々のトラブルも回避できます。
離婚による名義変更は、元夫婦間で書類や手続きが必要となるため、時間が経ってからだと協力してくれない可能性も考えられます。
そのため、離婚後すぐに手続きができるように、あらかじめ財産分与について話し合っておくとよいでしょう。
【生前贈与】夫婦の一方からもう一方へ贈与する
生前、夫婦どちらかからもう一方へ贈与する場合、名義変更の手続きが発生します。生前贈与のメリットは、夫婦間だけで不動産の贈与が成立する点です。
亡くなった後に名義変更する場合は相続となりますが、この場合、子どもや配偶者の兄弟なども相続となる対象となります。夫が「自分の死後に妻へ家を残したい」場合は、生前贈与を選択すれば、贈与に関連する手続きが楽になります。
ただし、名義変更にかかる費用は相続より生前贈与の方が高くなるため、費用面も考慮して選択しましょう。
【相続】亡くなった配偶者から名義を引き継ぐ
夫婦のどちらかが亡くなった後、名義を引き継ぐ際に名義変更の手続きが必要です。相続による名義変更は、他の相続人がいる場合は、夫婦間の合意だけでは手続きを進められません。
・子どもがいる場合
・子どもはおらず、被相続人の親がいる場合
・子ども、被相続人の親はおらず、兄弟姉妹がいる場合
以上のような場合、名義変更に関して合意してもらう必要があります。相続は親族間でトラブルになるケースも少なくありません。
死後、マンションの名義変更でトラブルが起きないように、あらかじめ遺言を残すなど、相続先を明記しておくとよいでしょう。
鑑定士コメント
死後、名義変更をしないでいるとどうなるのでしょうか?名義人が故人のままだと、不動産の売買を行う際に抵当権の設定ができず、取引が進められなくなります。また、新しい不動産を建築する場合も、名義変更をしていないと建築許可が下りないケースがあるので注意が必要です。
マンションの住宅ローンが残っている場合に夫婦間で名義変更するには

マンションの住宅ローンが残っている場合に夫婦間で名義変更するには
名義変更をしたくても、まだマンションの住宅ローンが残っている場合の注意点をご紹介します。
・住宅ローンを借りた金融機関への相談・承諾が必須
・無断変更は「契約違反」のリスクがある
・金融機関から提示される、3つの選択肢
・ペアローンや連帯保証の場合の注意点
住宅ローンが残っている状態で名義変更を検討している場合は、リスクを理解して適切な対応をしましょう。
住宅ローンを借りた金融機関への相談・承諾が必須
住宅ローンが残ったまま名義変更をしたい場合は、住宅ローンを借りた金融機関への連絡が必須です。
原則として住宅ローンは契約者と金融機関の間での契約であり、名義変更が認められるケースは多くありません。住宅ローンは、契約者の支払い能力や物件の担保評価などを元に契約しているため、夫婦間であっても債務者が変われば新たな審査が必要になるからです。
一般的に、住宅ローンの名義変更は簡単ではありません。しかし、夫から妻へ名義変更する際、妻が同様の返済能力があり、ローンの組み直しが可能なら対応できる可能性もあります。
どちらにしても、住宅ローンが残ったまま名義変更したい場合は、必ず金融機関へ相談しましょう。
無断変更は「契約違反」のリスクがある
もし、金融機関に相談せずに名義を無断変更した場合は、契約違反になるリスクがあるので注意しましょう。
金融機関が定期的にマンションの名義をチェックしているわけではないため、住宅ローンの滞納でもない限り名義の無断変更には気付かないかもしれません。
しかし、無断変更に気付いた場合は、住宅ローンの一括返済や、家屋の差し押さえなど、非常に重い制裁を受ける可能性があることも理解しておきましょう。
金融機関から提示される、3つの選択肢
マンションの住宅ローンが残ったまま名義変更をしたい場合、以下のようなケースであれば認められるかもしれません。
・離婚したケース
・住宅ローンの契約者の経済的な理由によるケース
・共同名義から単独名義へ変更するケース
住宅ローンの名義変更で多いのが、離婚したケースです。例えば、夫名義のマンションに離婚後、妻が住み続けるケースの場合、妻に十分な返済能力があると判断されれば、名義変更に応じてもらえます。
また、住宅ローンの契約者が何らかの理由で返済が難しくなった場合、引き継ぐ名義人の返済能力が認められれば、名義変更が可能です。
住宅ローンを夫婦の共同名義で契約していた場合、単独名義人の収入によっては名義変更が難しい場合もあります。
ペアローンや連帯保証の場合の注意点
離婚で名義変更したい時に、住宅ローンの連帯保証人やペアローンを組んでいる場合は注意が必要です。
連帯保証は、債務者の支払いが滞った時の債務を保証する制度です。離婚して片方が住み続けていても、連帯保証から外れることはありません。
連帯保証の関係を解消するには、マンションを売却して住宅ローンを返すか、住み続ける側に十分な収入があれば借り換える方法をとりましょう。
ペアローンは、夫婦どちらも債務者であり、連帯保証人となるため、どちらかの滞納が発生すると住み続けられないトラブルが発生します。
離婚後のトラブルを避けたい場合、マンションの売却で契約関係を解消する方法を検討しましょう。
マンションの名義変更では資産性を上げることも重要な要素です。現在マンションの購入をお考えの人は、マンションの不動産に関わる機能用語を確認できる以下の資料もご確認ください。ダウンロードは無料です。
夫婦間でのマンションの名義変更にかかる費用

夫婦間でのマンションの名義変更にかかる費用
夫婦間でマンションの名義変更に必要な費用をご紹介します。主に必要な費用は以下のとおりです。
・登録免許税
・不動産取得税
・贈与税
・譲渡所得税
・司法書士に依頼する場合の費用相場
費用の内容や金額などを確認して、名義変更の際の参考にしてみてください。
登録免許税
夫婦で名義変更をする場合、マンションの所有者を法務局に登録する際に「登録免許税」がかかります。
登録免許税は、相続と贈与によって必要な費用が異なるため、以下の表で確認してみましょう。
名義変更の内容が、相続なのか贈与なのかによって、かかる費用がかなり違うことがわかりますね。
※参考:国税局
不動産取得税
不動産取得税とは、その名の通り不動産を取得する時に必要な税金です。しかし、不動産取得税は、相続と贈与で課税の有無が変わるので注意しましょう。
名義変更が相続を目的としている場合、不動産取得税は非課税になります。一方、贈与を目的としている場合は、原則として4%の税率が適用されますが、軽減税率が適用されると3%です。
夫婦間で名義変更する費用は、相続か贈与かによって基本的な費用が大きく違うことを理解しておきましょう。
※参考:国税局
贈与税

贈与税
マンションの名義変更を贈与によって行う場合、贈与税が発生します。贈与税は、基礎控除の110万円を超えた額が対象となりますが、夫婦の場合は贈与税の配偶者控除の適用が可能です。
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)は、2,000万円まで贈与税非課税となる制度で、基礎控除との合計で最大2,110万円まで非課税となります。
おしどり贈与の条件は以下のとおりです。
注意点として、おしどり贈与は同じ夫婦間で一度きりの適用であることと、非課税対象の2,000万円以下でも繰り越しはできない点です。
長く婚姻生活を続けている夫婦は、おしどり贈与の制度を賢く利用すれば、名義変更に伴う費用を抑えられるでしょう。
譲渡所得税
譲渡所得税は、相続や贈与の場合は非課税であるものの、売買と離婚による財産分与では課税されます。
離婚によってどちらか一方に不動産を渡す場合、資産の譲渡にあたるため譲渡所得税がかかるケースがあります。
ただし、譲渡所得税が発生するのは、財産分与時の時価が不動産の購入時より上回っている場合です。分与時の時価が上がっている場合であっても、必ずしも課税されるわけではありません。
課税対象となるのは、「不動産の時価ー(取得費+譲渡費用)-特別控除額」で算出された金額です。
仮にこの金額がマイナスになる場合は、課税対象にはなりません。
司法書士に依頼する場合の費用相場
夫婦間でマンションの名義変更を行う時は、プロに依頼する人も少なくありません。では、名義変更を司法書士に依頼すると、どのくらいの費用相場になるでしょうか?
依頼する手続き内容や範囲によって差はありますが、5万円~15万円ほどが相場です。住宅の名義変更は、様々な条件によって対応方法が異なるため、まずは気軽に相談してみましょう。
マンション名義変更の手続きの流れ

マンション名義変更の手続きの流れ
マンションの名義変更の手続きを順を追って解説します。
・基本的な手続きの流れ
・手続きに必要な書類一覧
・手続きは自分でできる?司法書士に依頼するメリット
夫婦間で名義変更を検討している人は、参考にしてみてください。
基本的な手続きの流れ
マンションの名義変更の基本的な手続きの流れは以下のとおりです。
1.必要書類の準備
2.書類の作成
3.法務局に書類を提出
4.審査
5.審査完了後、名義変更
マンションの名義変更が終了したら、登記識別情報が送付されます。この登記識別情報は名義変更にともなって新しく発行され、本人確認手段として重要な役割を果たすため、大切に保管しましょう。
手続きに必要な書類一覧
手続きに必要な書類は、「相続」「生前贈与」「財産分与(離婚)」によって変わります。それぞれで必要な書類一覧をまとめたので、ご確認ください。
その他の書類は必須ではなく、必要に応じて追加で用意する書類です。
手続きは自分でできる?司法書士に依頼するメリット
マンションの名義変更の手続きは、手続き内容が簡単であり、必要書類の用意に慣れている人であれば自分で行うことも可能です。ただし、手続き内容が簡単かどうかの判断は個人には難しく、書類集めにかかる負担で挫折するケースも少なくありません。
司法書士に依頼すると一定の費用が発生しますが、以下のような場合はプロへの依頼をおすすめします。
・相続人が複数存在する、状況が複雑で整理できない
・時間がない
・書類集めに不安がある
・登記漏れや複雑な手続きが難しい場合
名義変更に伴う手続きの疑問点がある人は、相談だけでも対応可能です。自分で進められる状況か判断が難しい場合も、気軽に相談してみましょう。
鑑定士コメント
名義変更手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?マンションの名義変更の手続きは、おおよそ1ヵ月かかります。必要書類の準備や作成、法務局への提出、審査待ちなど、スムーズに進んでも1日で終わるような手続きではありません。
まとめ:夫婦間の名義変更はケースバイケース!迷ったら専門家に相談しよう

まとめ:夫婦間の名義変更はケースバイケース!迷ったら専門家に相談しよう
夫婦間でマンションの名義変更を行う場合は、「相続」「生前贈与」「財産分与(離婚)」によって手続き内容が異なります。名義変更をせずそのまま住み続けていると、一括返済や家屋の差し押さえなどのペナルティが発生する可能性もあるため、気を付けましょう。
夫婦間の名義変更は、20年以上の婚姻生活があれば、2,000万円以内の贈与税控除が受けられるなど、手続きによる費用を抑えることも可能です。
手続きが複雑で相続のように複数の相続人が関わる場合は、司法書士へ依頼するのもひとつの方法です。ケースバイケースで状況に合わせた適切な手続きを行いましょう。
#マンション #不動産 #名義変更 #夫婦

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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