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更新日:2024.09.12
登録日:2024.04.23
住宅ローンの審査で転職は不利になる?申し込むタイミングの見極め方を解説
転職は住宅ローンの審査結果を左右する可能性があります。「審査に通らないのではないか」「いつ申し込めばいい?」など、悩みを感じている方は多いのではないでしょうか。
転職によって住宅ローンの審査に落ちることがないように、基本的な知識を確認しておくことが重要です。本記事では、転職が住宅ローン審査にあたえる影響をわかりやすく解説します。
申し込むべきタイミングや、転職していても審査が通りやすいケースとあわせてまとめました。返済中に転職する際の注意点や転職後に住宅ローンを申し込む際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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転職は住宅ローン審査に不利にはたらく
転職は住宅ローン審査に不利にはたらく
転職が住宅ローン審査に不利にはたらく理由は以下の通りです。
・勤続年数が重要視されるから
・安定した収入がないと判断されやすくなるから
なぜ不利にはたらくのか、具体的な理由をわかりやすく紹介します。
勤続年数が重要視されるから
住宅ローン審査では勤続年数が重要視されるため、転職は不利にはたらきます。「令和4年度民間住宅ローンの実態に関する調査(※)」では、93.2%の金融機関が審査項目として勤続年数をあげました。
転職後は勤続年数が短くなるため、住宅ローン審査に通りづらいと考えられます。基準となる勤続年数は金融機関によって異なりますが、調査(※)によると1年以上とするケースが多いようです。
なお、全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」では、勤続年数を申し込み要件としていません。転職後1年以内の方でも利用しやすいでしょう。
※参照:国土交通省
安定した収入がないと判断されやすくなるから
勤続年数が短い場合、金融機関に「収入が安定していない」と判断されやすくなります。住宅ローンを組んだあと、またすぐに転職する可能性が考えられるためです。
転職によって年収が下がり、住宅ローンの返済が難しくなるケースもあるでしょう。貸し倒れを防ぐために、勤続年数が長く安定した収入があることを審査の条件としているのです。
以下の記事では、住宅ローン審査に通らない原因を紹介しています。具体的な対策も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
転職する場合に住宅ローンを申し込むべき適切なタイミング
転職する場合に住宅ローンを申し込むべき適切なタイミング
転職直後だと勤続年数が短くなるので、住宅ローンの申し込みは避けましょう。しばらくして家計が落ち着いてから、検討するのがおすすめです。
住宅ローンの比較検討や頭金の貯金など準備期間にあてることで、安定した返済プランをたてられます。多くの金融機関で勤続年数の目安を1年としているため、最低でも転職後1年は住宅ローンの申し込みを控えましょう。
また、住宅ローンの審査中に転職すると再審査が必要になり、希望する金額を借りられない可能性があります。住宅ローンの返済がスタートしてから数ヶ月ほどたち、余裕ができたタイミングで転職を検討してください。
鑑定士コメント
住宅ローンの融資実行日と審査完了日の間に転職は可能でしょうか?審査完了日と融資実行日は異なるため、審査が完了するまで転職はしない方がいいでしょう。金融機関では、事前審査と本審査の内容をもとに住宅ローンを貸付けできるか判断します。融資実行日前に転職すると、審査時の申告内容と最新の状況に差異がでてしまうので注意が必要です。融資を受けられない可能性があるので、必ず融資実行日のあとに転職してください。
転職しても住宅ローン審査に通りやすいケース
転職しても住宅ローン審査に通りやすいケース
申し込み前に転職していても、住宅ローンの審査に通りやすいケースがあります。
・関連会社への出向や転籍
・前職と同業界でのキャリアップ
・ヘッドハンティングによる転職
なぜ審査に通りやすいのか、それぞれの具体的な理由を解説しましょう。
関連会社への出向や転籍
関連会社への出向や移籍の場合、住宅ローンの審査に通る可能性は高くなります。在籍先が変わっても同じグループ会社間であれば、転職ではなく人事異動の一環とされるためです。
転職ではないと判断されるため、転職後の在籍期間が1年未満でも住宅ローン審査には影響しません。金融機関にはあらかじめ人事異動の一環であることを伝えておきましょう。
前職と同業界でのキャリアップ
前職と同業界に転職して、キャリアアップや年収アップを実現しているケースです。キャリアに一貫性があり計画的に転職をおこなっていると判断されるため、ローン審査に大きな影響はありません。
一方で全く異なる業界や職種に転職を繰り返している場合は、安定性を疑問視されるでしょう。業種や職種を何度も変えることは住宅ローン審査に不利にはたらくので、注意が必要です。
ヘッドハンティングによる転職
ヘッドハンティングによる転職
ヘッドハンティングによる転職の場合は、住宅ローン審査に有利にはたらく可能性があります。ヘッドハンティングは、優れた経験とスキルを持った人材に対しておこなわれるためです。
金融機関は信頼性の高い顧客として判断することが多く、ローン審査にもよい影響をおよぼします。ただし、ヘッドハンティングでも回数が多い場合は金融機関から信頼が得られないので、転職スパンには注意しましょう。
住宅ローンの返済中に転職する際の注意点
住宅ローンの返済中に転職する際の注意点
住宅ローンの返済中に転職する場合の注意点を、まとめました。
・金融機関に必ず申告する
・転職での収入減となった場合は返済プランの変更を相談する
・同一年内の転職以外では住宅ローン控除の手続きが変化する
トラブルを避けるために、あらかじめチェックしておきましょう。
金融機関に必ず申告する
住宅ローンの返済中に転職する際は、必ず金融機関に申告しましょう。多くの金融機関では、住宅ローン契約書で転職の申告を義務づけています。
借入をした金融機関に問い合わせ、指示に従って必要書類を提出してください。トラブルを避けるために、転職後はなるべく早く申告することが重要です。
鑑定士コメント
転職を申告しなかった場合はバレるのでしょうか?住宅ローン申し込みの際に提出する健康保険証の資格取得年月日で、転職時期がわかります。また、住宅ローン返済中に転職した場合は、あとから発覚するとペナルティが課される恐れがあります。一括返済を求められるケースもあるので、転職したときは必ず申告しましょう。
転職での収入減となった場合は返済プランの変更を相談する
転職で収入が減った場合は、返済プランの変更を検討してください。住宅ローンの返済を無断で遅らせると遅延損害金が発生するため、早めに対応することが重要です。
月々の返済が困難になる前に、金融機関に返済プランの変更を相談しましょう。以下のような方法によって、返済負担が減らせる可能性があります。
・ボーナス返済額の減額・中止
・返済期限の延長
・自己資金があれば繰り上げ返済
・ほかの金融機関への乗り換え
それぞれの状況によって適した方法は異なります。担当者のアドバイスを参考にしながら、最適な方法を選択することが重要です。
同一年内の転職以外では住宅ローン控除の手続きが変化する
同一年内の転職以外では住宅ローン控除の手続きが変化する
年の途中に転職して勤務した場合は、転職先で住宅ローン控除の手続きをする必要があります。年間の所得税額の算出は転職前後の所得との合算です。
転職前の企業が発行した源泉徴収票を、転職先の企業に提出しなければいけません。なお、退職後に再就職せず年末を迎えた場合は、確定申告による住宅ローン控除の手続きを自分でおこなう必要があります。
転職後に住宅ローンを申し込むときの注意点
転職後に住宅ローンを申し込むときの注意点
転職後に住宅ローンを申し込む際の注意点は以下の通りです。
・審査にとおりにくくなる可能性がある
・希望どおりの金額を借りられない可能性がある
・申込時に求められる書類が増える
注意点を把握しておくことで、想定外のトラブルを防止できるでしょう。
審査にとおりにくくなる可能性がある
住宅ローンの審査に落ちると、ほかの金融機関の審査にとおりにくくなる可能性があります。金融機関が共有する信用情報に、記録が残ってしまうことが理由です。
記録が残るのは一定期間ですが、繰り返し審査を受けて落ちてしまうと信用を損ねる恐れがあります。審査にとおりにくい転職直後は避けて、一定以上の勤続年数になってから申し込むことがおすすめです。
希望どおりの金額を借りられない可能性がある
転職直後に住宅ローンを申し込んだ場合、審査を通過しても希望する金額を借りられない可能性があります。勤続年数の短さによって審査の評価が低くなるからです。
確実に希望する金額を借りたいなら、一定の勤続年数になるまで待ってから住宅ローンを申し込みましょう。ただし、前の企業より良い条件での転職なら有利にはたらくケースがあるので、審査の前に履歴書などを提出してください。
申込時に求められる書類が増える
申込時に求められる書類が増える
転職直後に住宅ローンの申し込みをすると必要な書類が増えます。通常提出すべき書類にくわえて、以下のような書類の提出が求められるでしょう。
・採用通知書・雇用契約書
・職歴書
・見込収入証明書
・勤務先発行の勤続証明書
・転職後の給与明細書
必要な書類は金融機関によって違います。転職直後に住宅ローンを申し込む場合は、必要書類と提出のタイミングを確認しておいてください。
まとめ:住宅ローン審査に転職は影響するため、タイミングは慎重に見極めよう
まとめ:住宅ローン審査に転職は影響するため、タイミングは慎重に見極めよう
転職は住宅ローン審査に不利にはたらきます。審査項目として勤続年数が重視されるため、転職後は審査に通りづらいと考えられるでしょう。
住宅ローンを申し込むなら、最低でも転職から1年たったあとがおすすめです。一方でキャリアアップの転職など審査に有利に働くケースもあるので、状況にあわせて適切なタイミングを見極めましょう。
住宅ローンの返済中に転職する際の注意点や、転職後に住宅ローンを申し込むときの注意点もあわせてチェック。住宅ローンと転職によるトラブルを防ぐために、基本的な知識を把握しておくことが重要です。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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