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更新日:2023.06.26
登録日:2023.06.26
マンションの権利書とは?紛失した場合の対応方法を解説
マンションの権利書は、「権利書」とわかりやすく記載された書類ではありません。マンションを買ってからしばらく経っていたり、いざマンションを売却しようとしたときに、見つからない場合もあるでしょう。
マンションの権利書はマンションの売買で必要な書類ですが、紛失してしまっても売買は可能です。
この記事では、マンションの権利書について以下を中心に解説しています。
・マンションの権利書とは何か
・権利書を紛失してしまった場合の対処法
・権利書を紛失してしまった場合の注意点
マンションの売却を考えている人や、権利書が手元に無い、見つからない人はぜひこちらの記事を参考にしてください。
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マンションの権利書とは?
マンションの権利書とは?
マンションの権利書とは、マンションの権利者(所有者)だけが持つ書類です。マンションを購入、所有した際には必ず手にするものであり、どこの建物が誰のものなのかを証明してくれるもの。
日本では、マンションや土地を購入した際や、権利者の名義が変更される際には新しく登記の申請が必要となっています。
権利書の正式名称
権利書の正式名称は「登記済証」と言います。所有するマンションや土地の権利者であることを証明する書類です。
現在は登記済証ではなく「登記識別情報通知書」が発行されますが、これまでの登記済証が無効になるわけではありません。すでに発行されているものは権利書として有効です。
登記済証では、マンションや土地の権利者であることを証明するだけでなく、所有権の名義人を変更する際にも使用する重要書類です。
登記識別情報とは
「登記識別情報」とは、現在発行される権利書の名称です。これまでの紙での登記済証ではなく、オンラインでの申請から発行されるようになりました。
これによって、これまでの法務局による公布ではなく、オンライン庁からの公布となります。
公布される登録識別情報通知書には、12桁の英数字が記載されており、この番号は権利者以外には教えてはいけないものとなっています。
マンションの権利書を紛失した場合
マンションの権利書は、マンションの売却や相続の際に必要な書類です。紛失してしまっても売買や相続は可能ですが、司法書士や弁護士による本人確認が必要となります。
また、「登録識別情報」の発行は1度のみとなっており、紛失しても再発行はできません。万が一、記載されている情報が第三者の手に渡ってしまった場合、悪用される可能性もあるため、保管には注意が必要です。
ちなみに紙で発行された権利書を、オンライン庁の「登録識別情報通知書」に切り替えることもできません。
鑑定士コメント
マンションの権利書は重要な書類と言えますが、紛失などが理由で再発行は可能でしょうか?実は発行は1度のみで、紛失しても再発行はできません。紙で発行された権利書を、オンライン庁の「登録識別情報通知書」に切り替えることもできないので注意が必要です。
マンションの権利書を紛失した場合の所有権
紛失しても所有権が失われるわけではありません。しかし、売却や相続の際には本人確認が必要となります。
発行は1度のみで、再発行ができないため大切に保管しておく必要があります。
紛失してしまっても、所有権は失わず不動産取引も可能ですが、第三者の手に渡ると悪用されかねないので注意してください。
権利書を紛失したマンションを売買するには
権利書を紛失したマンションを売買するには
権利書を紛失してしまったマンションの売買を行う方法は以下の3つです。
・司法書士や弁護士に本人確認をしてもらう
・事前通知制度を利用する
・公証人に本人確認してもらう
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
司法書士や弁護士に本人確認をしてもらう
司法書士や弁護士に、マンションの権利者(所有者)であることを証明してもらう必要があります。この方法は権利書を紛失した際に選ばれる最もメジャーな方法です。
司法書士や弁護士に本人確認や書類の作成をしてもらうのに、3〜5万円程度の費用がかかります。(※)また、必要書類を手に入れたり、探したりと時間がかかることも。
なお、司法書士や弁護士による本人確認は時間がかかることが多いため、余裕を持って依頼しすることをおすすめします。
権利書を紛失したと思ったら、すぐに手続きを開始しましょう。
※ 参照:あいはた司法書士事務所
事前通知制度を利用する
司法書士、弁護士に依頼しなくても本人確認ができる制度が「事前通知制度」です。
登記の申請をした後に、マンションの所有者であることが証明された通知が送付されます。そして通知書に署名と押印を行い、送付から2週間以内に提出することで登記完了です。
2週間を過ぎてしまうと登記却下されてしまうため、届いたらすぐに確認し署名、押印後に提出しましょう。
こちらの方法でも必要書類を手に入れなければいけません。司法書士や弁護士に依頼するよりも費用は安く済みますが、確実に登記が完了される保証が無いため、買主は完了するまで不安を感じるのがデメリットです。
※参照:町田・リーガル・ホーム
公証人に本人確認してもらう
公証役場に出向き、公証人に本人確認をしてもらう方法もあります。近くの公証役場は、日本公証人連合会のサイトで確認が可能です。
本人確認の費用は軽減できますが、司法書士や弁護士に比べてきちんとした本人確認が行われるわけでは無いため、無効になってしまう可能性があります。
必要書類を用意したり、自分で役場に出向いたりと手間がかかる方法でもあります。
マンションの権利書を紛失してしまった場合の手続き方法は、不動産会社が教えてくれる場合もあります。どの方法がよりベストなのか、悩んだときは相談してみてはいかがでしょうか。
※参照:司法書士法人アストラ
鑑定士コメント
所有者の証明方法は、司法書士や弁護士に本人確認をしてもらうのが確実でおすすめです。本文にあるとおり、それ以外の方法もあり費用は安く済みますが、無効になったり期限内に登記完了できない可能性があります。売買の大事な局面なので、費用がかかってもプロに任せた方が安心でしょう。
マンションの権利書を紛失したときの注意点
マンションの権利書を紛失したときの注意点
マンションの権利書を紛失したときの注意点は以下の2つです。
・決済日直前の紛失は間に合わない
・相続マンションを売却する場合は権利書不要
権利書がなくてもマンションの売買は可能ですが、本人確認のための手続きに時間がかかる可能性が高いため早めに準備が必要です。
上記について詳しく解説します。
決済日直前の紛失は間に合わない
マンションの売買契約が完了し、決済日直前に権利書の紛失がわかった場合、対応が間に合わない可能性が高くなります。
司法書士や弁護士による本人確認には十分な時間が必要ですし、その他の場合も時間がかかったり、無効になってしまう可能性があり、決済日に間に合わず中止となってしまうかもしれません。
権利書が手元にあるかどうかは、売却をする前に確認し、もし紛失している場合はすぐに本人確認の準備を始めましょう。
相続マンションを売却する場合は権利書不要
相続によって不動産の名義を変更する場合は権利書は必要ありません。
権利書が必要となるのは、売買と贈与の場合のみです。これらの場合は、権利者本人の意思確認が必要なため、権利書が必要となります。
相続の場合は権利者が亡くなっており、意思確認ができないことから必要が無いのです。
また、相続登記をすれば新たに権利書が発行されます。この権利書があれば売却が可能なため、相続以前の権利者が記載された権利書は必要ありません。
まとめ:マンションの権利証は紛失しても売買できる
まとめ:マンションの権利証は紛失しても売買できる
権利書を紛失していても、マンションの売買は可能です。しかし、権利書が無い代わりに本人確認をする必要があり、時間とお金、手間がかかります。
売買の際にトラブルが発生しないためにも、紛失がわかった時点で不動産会社に相談したり、本人確認の対応準備を始めておきましょう。
基本的には権利書は大切に保管しておくことが大切です。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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