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更新日:2026.02.25
登録日:2026.02.25

住宅ローンの適正な返済比率とは?「借りられる額」と「返せる額」の決定的な違い

住宅ローンの適正な返済比率とは?「借りられる額」と「返せる額」の決定的な違い

「返済比率の計算方法は?」
「自分の年収だとどれくらいの借入ができる?」

住宅ローンの返済比率(返済負担率)とは、「年収に占めるローン返済合計額の割合」のことです。年収でどのくらい借入ができるのか、目安を確認するための基準になります。

堅実な返済計画を立てるために、借り手が無理なく返済できる返済比率を把握することが大切です。本記事では、住宅ローンの返済比率の意味や計算方法を、わかりやすく解説します。

適正な返済比率を把握するための目安や返済比率シミュレーションを、あわせてまとめました。さらに審査に通りやすくする5つの方法や返済計画を立てる際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】
・返済比率は「年間のローン返済額 ÷ 年収 × 100」で計算する
・無理なく返済できるとされる返済比率の目安は20%~25%
・借入額を判断するときはライフステージの変化や住宅ローン控除の終了を考慮する

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住宅ローンの返済比率(返済負担率)とは?

住宅ローンの返済比率(返済負担率)とは?

住宅ローンの返済比率(返済負担率)とは?

住宅ローンの返済比率について、以下のポイントを解説します。

 

・返済比率の定義と計算方法

・「額面年収」と「手取り年収」どちらで計算すべき?

・審査金利と適用金利の違いに注意

 

住宅ローンを借りるときの基礎知識として、チェックしておきましょう。

返済比率の定義と計算方法

「返済比率(返済負担率)」とは、「年収に占める年間返済額の割合」のことです。返済額は以下のように計算できます。

 

年間のローン返済額 ÷ 年収 × 100=返済比率(%)

 

たとえば「100万円(年間のローン返済額)」 ÷ 「400万円(年収)」 × 100=「25%(返済比率)」となります。返済比率の割合が高いほど返済の負担が重くなり、低いほどゆとりをもった返済が可能です。

 

なお、返済比率を計算する際の「年間のローン返済額」には、住宅ローン以外の借入を含みます。自動車ローンやカードローンの借入額をすべて合算したうえで、計算してください。

 

※参照:三井住友銀行

「額面年収」と「手取り年収」どちらで計算すべき?

理想的な返済比率を計算するときに使用が推奨されるのは、「手取り年収」です。一方で金融機関が住宅ローンの審査をするときは、額面収入を使用します(※1)。

 

額面年収

1年間に会社から支払われた総支給額

手取り年収

額面年収から社会保険料と税金を差し引いた実際に受け取れる金額

 

求人票や源泉徴収票に記載されているのは額面年収です。手取り年収は額面年収の75〜85%ほどで、給与明細などで確認できます(※2)。

 

※1参照:三菱UFJ銀行

※2参照:三菱UFJニコス

審査金利と適用金利の違いに注意

住宅ローンを借りる際には、審査金利と適用金利の違いを確認しておきましょう。

 

適用金利

住宅ローンを借入するときに適用される金利

審査金利

金融機関が住宅ローン審査を行うときに使用する金利

 

審査金利は金利が上昇したときのことを想定しているため、適用金利より高く設定されるのが一般的です。金利が上乗せされた年間のローン返済額を審査対象とするので、返済比率が高くなることがあります。
 
※参照:三菱UFJ銀行

住宅ローンの返済比率の目安は?「借りられる」と「返せる」の違い

住宅ローンの返済比率の目安は?「借りられる」と「返せる」の違い

住宅ローンの返済比率の目安は?「借りられる」と「返せる」の違い

では無理なく住宅ローンを返済できる返済比率は、どのくらいなのでしょうか。

 

・金融機関の審査基準となる上限目安

・【フラット35】の返済比率基準

・無理なく返済できる理想の目安

 

無理なく返済できる返済比率の目安について、わかりやすく解説します。

金融機関の審査基準となる上限目安

金融機関によって異なりますが、一般的に返済比率の上限は「30~35%」が目安になります。返済比率が35%を超えると家計への負担が重くなり、返済が難しくなると考えられるからです。

 

また、他の要因も影響するので、返済比率が35%以内でも審査に通らない可能性があります。さらに30~35%はあくまで上限であるため、無理なく返済できるとは限りません。

 

※参照:三井住友銀行

【フラット35】の返済比率基準

フラット35とは、最長35年まで金利が変わらない全期間固定金利の住宅ローンです。審査基準として、返済比率の上限を以下のように設定しています。

 

400万円未満

30%以下

400万円以上

35%以下

 

※参照:住宅金融支援機構

 

フラット35は審査金利という概念がなく、そのまま適用金利で審査するのが原則です。返済比率が低く計算されるので、審査に通りやすい傾向があります(※)。

 

※参照:SBIエステートファイナンス

無理なく返済できる理想の目安

無理なく返済できる理想の返済比率は、手取り年収の「20%~25%(※)」とされています。たとえば手取り年収が500万円の場合、年間返済額は100~125万円(月々約8.3~10万円)です。

 

返済比率20%~25%であれば家計の負担を抑えて返済しやすく、教育費や老後資金の積み立てなども確保しやすい水準といえるでしょう。ただし、物価上昇や社会保険料の負担増などの影響もあり、より保守的な返済計画を立てる世帯は増えてきています

 

※参照:三井住友銀行

鑑定士コメント

返済比率を計算する際に使用する年間のローン返済額には、他の借入金、例えば奨学金の返済や、車・スマホ等の分割払いの返済も含まれます。住宅ローンを含むすべての借入が対象なので、合算したうえで返済比率を計算しましょう。このような借入が多いと、住宅ローンを審査する際の返済比率が高くなります。借りられる金額が少なくなり、さらに審査に通らない可能性もあるので、注意が必要です。

【年収別】住宅ローンの返済比率シミュレーション

【年収別】住宅ローンの返済比率シミュレーション

【年収別】住宅ローンの返済比率シミュレーション

以下の条件で、住宅ローンの返済比率をシミュレーションします。

 

返済期間「35年」

金利「1.99%(全期間固定金利)」

返済方法「元利均等返済」

ボーナス返済なし

 

手取り年収をもとに、返済額や借入可能額の目安をまとめました。

 

 

年間返済額

月々の返済額

借入可能額の目安

年収400万円(手取り320万円)

返済比率20%

64万円

5万3,000円

1,602万円

返済比率25%

80万円

6万7,000円

2,025万円

返済比率30%

96万円

8万円

2,418万円

返済比率35%

112万円

9万3,000円

2,811万円

年収500万円(手取り400万円)

返済比率20%

80万円

6万7,000円

2,025万円

返済比率25%

100万円

8万3,000円

2,509万円

返済比率30%

120万円

10万円

3,023万円

返済比率35%

140万円

11万7,000円

3,537万円

年収600万円(手取り480万円)

返済比率20%

96万円

8万円

2,418万円

返済比率25%

120万円

10万円

3,023万円

返済比率30%

144万円

12万円

3,628万円

返済比率35%

168万円

14万円

4,232万円

年収700万円(手取り560万円)

返済比率20%

112万円

9万3,000円

2,811万円

返済比率25%

140万円

11万7,000円

3,537万円

返済比率30%

168万円

14万円

4,232万円

返済比率35%

196万円

16万3,000円

4,928万円

年収800万円(手取り640万円)

返済比率20%

128万円

10万7,000円

3,235万円

返済比率25%

160万円

13万3,000円

4,021万円

返済比率30%

192万円

16万円

4,837万円

返済比率35%

224万円

18万7,000円

5,653万円

 ※手取り年収を額面年収の80%と仮定して計算

※参照:三井住友銀行

 

条件によって返済額や借入可能額は異なるため、あくまで目安と考えましょう。返済比率が高いほど月々の負担は重くなるので、無理せず返せる借入額にすることが大切です。

住宅ローンの返済比率を下げて審査に通りやすくする5つの方法

住宅ローンの返済比率を下げて審査に通りやすくする5つの方法

住宅ローンの返済比率を下げて審査に通りやすくする5つの方法

返済比率を下げれば、住宅ローンの審査が通りやすくなります。

 

・頭金を増やして借入総額を減らす

・既存の借入を完済する

・返済期間を最長(35年~50年)に設定する

・ペアローンや収入合算を利用して世帯年収を上げる

・借入先の金融機関や金利タイプを見直す

 

5つの具体的な方法について、わかりやすく解説します。

頭金を増やして借入総額を減らす

頭金を増やして借入総額を減らせば返済比率が下がり、住宅ローンの審査に通りやすくなります。頭金とは、住宅を購入するとき最初に支払う料金のことです。

 

頭金が多いと借入金額が少なくなり支払利息の負担が軽くなるため、総支払額が少なくなります。一方で手元の預貯金が減少してしまい、いざというときに使える貯蓄が減るので注意が必要です。

 

※参照:三井住友銀行

既存の借入を完済する

カードローンや奨学金など既存の借入を完済することで、返済比率を抑えられます。返済比率の計算には年間のローン返済額を用いて計算するため、他に借入があると審査に通りにくくなるからです。

 

借入が複数ある場合は、金利が高いものから完済しておくのがおすすめです。クレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借入は金利が高いため、優先的に完済しましょう。

 

※参照:三井住友銀行

返済期間を最長(35年~50年)に設定する

返済期間を長く設定することで、月々の支払額を抑えられます。最長(35年~50年)に設定すれば年間返済額が減り、返済比率が下がって審査に通りやすくなるわけです。

 

ただし、返済期間が長くなると支払う利息が増えるため、総返済額は増加します。定年後まで返済が続くケースもあるので、無理なく返せるか慎重に判断してください。

ペアローンや収入合算を利用して世帯年収を上げる

ペアローンや収入合算を利用すれば、審査の対象となる世帯年収が上がり借入可能額が高くなります。ペアローンと収入合算の違いは、以下の通りです。

 

 

ペアローン

収入合算

連帯債務型

連帯保証型

申込者

夫婦両方(お互いが連帯保証人)

夫婦片方(片方が連帯保証人)

夫婦片方(片方が連帯保証人)

借入可能額

それぞれの収入に応じた額

夫婦の収入を合算した金額に応じる

住宅ローン控除

それぞれ利用が可能

それぞれ利用が可能

債務者のみ利用可能

物件の名義

共同名義

共同名義

債務者の名義

団体信用生命保険

それぞれが加入

主契約者のみ加入

主契約者のみ加入

 

どちらがよいかは世帯の状況によって異なるため、まずは金融機関に相談しましょう。ペアローンや収入合算はどちらも配偶者に一定以上の収入があることが前提なので、利用できない可能性もあります。
 
※参照::りそな銀行

借入先の金融機関や金利タイプを見直す

金融機関によって、返済比率の上限や審査の基準が異なります。複数の金融機関で審査を申し込み、条件を比較・検討するのがおすすめです(※1)。

 

変動金利

市場の金利動向にあわせて定期的に利率を見直す

固定金利

返済開始から一定期間もしくは終了まで利率が一定

 

一般的には変動金利のほうが低い金利で審査されるため、返済比率が下がり審査に通りやすくなる可能性があります。ただし、期間固定金利型でもフラット35は比較的審査に通りやすいとされるので、あわせてチェックしておきましょう(※2)。
 

返済比率だけで借入額を判断してはいけない注意点

返済比率だけで借入額を判断してはいけない注意点

返済比率だけで借入額を判断してはいけない注意点

返済比率は住宅ローンの借入額を決めるうえで重要な基準ですが、それだけで判断するのは危険です。

 

・マンションは管理費・修繕積立金を上乗せして考える

・ライフステージの変化による支出増を想定しておく

・住宅ローン控除終了後の手取り減を想定しておく

 

確実に返済できる借入額を決めるために、3つの注意点を紹介します。

マンションは管理費・修繕積立金を上乗せして考える

マンションを購入する場合、住宅ローンの返済に加えて管理費・修繕積立金を支払わなければいけません。管理費と修繕積立費をあわせると、「月額で2~3万円(※)」になるとされています。

 

ほかには駐車場代や駐輪場代が必要なケースもあるでしょう。住宅ローンの返済額とその他毎月発生する費用を合計したうえで、無理なく返せるか検討することが大切です。

 

※参照:三菱UFJ銀行

 

また、以下の資料では、マンションのパンフレット&チラシの正しい見方を紹介しています。物件選びの参考として、ぜひ役立ててください。

マンションのパンフレット&チラシの正しい見方

ライフステージの変化による支出増を想定しておく

子どもの進学や親の介護など、ライフステージの変化による支出増を想定しておくことが大切です。新しい支出が発生する時期を明確にしたうえで、返済計画を立てましょう

 

車や家電の買い替えや冠婚葬祭など、数年に一度に発生する大きな支出についても想定しておきましょう。物価上昇や社会保険料の負担増は続くと考えられるため、より堅実な返済計画を立てることが推奨されます。

住宅ローン控除終了後の手取り減を想定しておく

住宅ローン控除による所得税の還付が終了すると、手取り額が減少します。要件により異なる場合がありますが、控除期間は「新築住宅等が原則13年」、「既存住宅だと10年」です(※)。

 

いつ控除が終了するか確認したうえで、ライフステージの変化と照らし合わせましょう。控除終了後にも無理なく返済を続けられるか、シミュレーションしておくことが大切です。

 

※参照:国土交通省

鑑定士コメント

同じ金額を借りることを想定した場合、変動金利のほうが住宅ローンの審査で有利になる可能性があります。変動金利は金利が低い商品が多く、年間のローン返済額が小さくなりやすいからです。固定金利だと返済比率が上限を超えていても、変動金利なら収まる可能性があります。ただし、将来の金利上昇を見越して審査金利を使用する金融機関は多いため、一概に変動金利が有利ともいえません。

まとめ:返済比率の適正値を見極め、安心できる資金計画を立てよう

まとめ:返済比率の適正値を見極め、安心できる資金計画を立てよう

まとめ:返済比率の適正値を見極め、安心できる資金計画を立てよう

住宅ローンの適切な借入額を判断する場合、返済比率は重要な基準です。無理なく返済できる返済比率は、一般的に「20%~25%」とされています。

 

年間のローン返済額 ÷ 年収(手取り年収)× 100で計算してみましょう。条件によって適切な返済額は異なるので、金融機関の公式サイトでシミュレーションしてみるのがおすすめです。

 

ただし、返済比率だけで借入額を決めるのはリスクがあります。ライフステージの変化や住宅ローン控除終了後の手取り減を踏まえたうえで、返済計画を立ててください。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

住宅ローンのメリットとして、正しいものを下記より選びなさい。

答えは 2

手持ち資金を確保し、別の運用や出費に備えることによりレバレッジ効果が期待できます

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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