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更新日:2026.01.30
登録日:2026.01.29
定期借地権マンションの資産価値はどうなる?損をしないポイントをくわしく解説

「定期借地権付きマンションの資産価値はどう変化する?」
「残存期間35年の壁はどうとらえるべき?」
「定期借地権付きマンションが向いている人ってどんな人?」
定期借地権付きマンションは、借りた土地の上に建つマンションのことです。「一等地なのに価格が安すぎる!」と思った物件は、もしかすると定期借地権付きマンションかもしれません。
しかし、安いからといって飛びつくと後悔する可能性があります。本記事では、定期借地権付きマンションの資産価値の変動や、購入におすすめの人の特徴、売却時のポイントなどを徹底解説します。
定期借地権付きマンションの購入、売却について知りたい方は、本記事をお役立てください。
【この記事でわかること】
・定期借地権マンションは、土地を借りて建物だけ所有する仕組み
・初期費用は安いが、契約満了になると資産価値はゼロになる
・売却時のコツは、残存期間に合わせて相場より価格を低く抑えること
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定期借地権マンションとは?所有権との決定的な違い
定期借地権マンションとは?所有権との決定的な違い
定期借地権付きマンションとは、土地の所有権を持たず、地主から期限付きで土地を借りて、その上に立つ建物を所有するマンションのことです。
一般的な分譲マンション(所有権)と定期借地権付きマンションの決定的な違いは、「土地の権利」と「契約期間の有無」にあります。
以下では、定期借地権付き分譲マンションの特徴を紹介していきます。
・定期借地権付き分譲マンションの基本的な仕組み
・普通借地権と定期借地権の違い
・定期借地権付きマンションの例
定期借地権付き分譲マンションの基本的な仕組み
定期借地権付き分譲マンションとは、あらかじめ決められた期間借り上げた土地の上に建てられたマンションのことを指します。
一般的な分譲マンションの場合、建物を購入すると同時に土地の所有権も保有します。所有者が誰かに譲らなければ、建物と土地はどちらも所有者のものです。
一方、定期借地権付分譲マンションは、建物のみ所有権があり、土地は地主から借りている状態です。住んでいる間は、土地の地代を支払いながら借りる仕組みになっています。
定期借地権付き分譲マンションの最大の特徴は、土地を借りる期間に上限があることです。
期限になったら土地の上の建物は取り壊され更地にする必要があります。これは、土地所有者の権利を守りながら、土地を有効に使うために、平成4年に借地借家法改正によって導入された仕組みです。
普通借地権と定期借地権の違い
借地付き分譲マンションの中には、普通借地権と定期借地権の2種類があります。それぞれの決定的な違いは、借地権の更新の可否です。
※特約で定めることで、契約の更新なしを設定できる
定期借地権は、契約期間の終了後に更新することができないため、同じマンションに住み続けることは不可能です。
一方、普通借地権は契約終了にあたって正当事由が必要となり、正当事由が認められるためには借主と貸主の両方の同意が必要になります。
つまり、土地の所有者側から理由をつけて契約を終了することはできず、借りる側に有利な仕組みだといえます。
定期借地権付きマンションの例
都内の定期借地権付きマンションの一例をご紹介します。
【パークホームズ南麻布ザレジデンス】
・2013年10月に竣工された定期借地50年の分譲マンション
・麻布十番駅から徒歩7分の都心
・総戸数は336戸と規模の大きいマンション
・専有面積約41㎡から約83㎡と2人暮らしからファミリ-向け
小・中規模マンションが建ち並ぶエリアに建つパークホームズ南麻布ザレジデンスについては、以下で詳細を記載しています。気になる方はチェックしてみてください。
定期借地権マンションの資産的なメリット
定期借地権マンションの資産的なメリット
定期借地権分譲マンションは、資産の面で以下のようなメリットがあります。
・都心・駅近等、土地の売買が少ない好立地
・一般的な分譲マンションより価格が安価
・土地分の固定資産税・都市計画税の支払いが不要
定期借地権付きマンションが建つ土地は、所有者が手放したくないような好立地な土地や、売買の実績が少ない希少な土地の傾向があります。
人気エリアに建っていることも多く、土地や周辺環境に合わせたデザイン性の高い専有エリアや共有エリアが資産的に見ても魅力です。
また、一般的には分譲マンションより1〜2割程度安く販売価格が設定されています。しかし、最近では希少価値のあるエリアのマンションは、定期借地付きの条件でも、分譲マンションと同様の価格のものも増えてきているので要注意です。
定期借地付きマンションについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。定期借地付きマンションを購入前の注意点などにも触れているので、気になる方はぜひご覧ください。
定期借地権マンションの資産価値はいつ下がる?
定期借地権マンションの資産価値はいつ下がる?
定期借地権付マンションの資産価値はどのように変動するのでしょうか?売買する際の注意点も含めて解説していきます。
期間満了(ゼロ)に向けて一直線に下がる
定期借地権付きマンションは、土地の契約期間が満了を迎えると同時に更地に戻すため、建物の資産価値はゼロになります。
また、契約満了日が近づくと、一気に資産価値が下がり売買が難しくなるのが現状です。では、取引当初の販売価格を、一般的な分譲マンションと比較してみましょう。
同じような築年数、間取り、周辺立地の物件でまとめてみました。
条件が似たようなマンションで、一般的な分譲マンションと定期借地付きマンションでは、3割程度の売買価格に差があることが分かります。
売却が難しくなる「残存期間35年の壁」
定期借地付きマンションの売却で大きな壁になるのが、残存期間35年の壁です。土地の契約満了まで残り35年を過ぎると、極端に売却価格が低下する傾向があるのです。
あるマンションでは、残存期間36年では相場の9割程度の売却価格だったのに対して、残存期間35年になったとたん約6割まで低下した例があります。
残存期間35年を割り込んだとたんにこのようなことが起きる理由として、住宅ローンが最長35年であることが指摘されています。
一般的に住宅ローンは最長35年で契約するのが一般的ですが、残存期間が35年を割ってしまうと、住宅ローンを全額返済できないからです。
こういった理由から、残存期間が35年を超えた定期借地付きマンションは、売却の際の資産価値はほとんどゼロになってしまうと言えます。
地代と解体準備金が値上げされるリスク
定期借地付きマンションの売却の際は、通常の分譲マンションと違い土地を更地にする必要があるため、地代と解体準備金が必要です。
最近の交通インフラや再開発の影響で、土地の固定資産税が上昇し、その結果地代も値上げされる傾向があります。
同様に、建物の管理コストの上昇による修繕積立金の不足で、解体準備金の負担増も懸念されています。
周辺の土地評価額の上昇や税金の増額など、ある程度値上げは仕方ありませんが、契約時に地代改定条項などの記載があるかどうか確認するとよいでしょう。
鑑定士コメント
契約期間が満了したら、解体費用は誰が負担するのでしょうか?定期借地付きマンションの解体費用は、原則として建物の所有者が負担します。定期借地は契約満了後に建物を解体して更地に戻した後、土地の所有者へ返還する仕組みとなっています。解体費用は高額になることから、解体準備金として毎月積み立てていくのが一般的です。
定期借地権マンションを買っても「後悔しない人」の条件
定期借地権マンションを買っても「後悔しない人」の条件
分譲マンションと比較すると資産価値は高くない定期借地付きマンションですが、実際に買っても後悔しないのはどんな人なのでしょうか?
定期借地付きマンションが向いている人の特徴と、逆に定期借地付きマンションに向いていない人の特徴を解説していきます。
定期借地権のマンションに向いている人の特徴
定期借地付きマンションが向いている人は、以下のような人です。
・通勤・通学や生活利便性を重視してマンションを選びたい人
・予算を抑えつつ、都心や人気エリアのマンションに住みたい人
定期借地付きマンションは都心、駅近、人気エリア内など、好立地の物件が多い傾向があります。同じエリアの一般的な分譲マンションと比べて、販売価格が抑えられるケースもあるので、立地重視の人は定期借地付きマンションをおすすめします。
定期借地権のマンションに向いていない人の特徴
逆に定期借地付きマンションに向いていないのは、以下のような人です。
・老後まで住み続けたい人
・長期の住宅ローンを組む予定の人
・残存期間が35年を割り込んでいる場合
定期借地付きマンションは、契約期間が終了後は更新できず、どんな理由があっても退去しなくていけません。
そのため、同じマンションに老後も住み続けたい人は、定期借地付きマンションは向いていません。購入時に残存期間が十分に残っていれば、終の棲家として検討してみてもよいかもしれません。
定期借地付きマンションは住宅ローンが組みにくい傾向があります。金融機関によって対応が異なりますが、残存期間が短いと長期の住宅ローンは断られる可能性があります。
同じ理由で、購入時に手頃な価格だと思って購入しても、残存期間が35年を割り込んでしまうと、売却が非常に難しくなるので注意が必要です。
鑑定士コメント
定期借地権付きでも住宅ローンは利用できるのでしょうか?住宅ローンは最大35年が多いですが、定期借地権付きマンションの残存期間が短いと融資を断られることもあります。そもそも、定期借地権付きのマンションを融資対象とする金融機関が少ないです。契約満了後に更地になる定期借地権付きマンションは、担保として付加価値が低くなりがちだからです。住宅ローンを利用するには、残存期間や残りのライフプランなどを見越しておくとよいでしょう。
定期借地権付きマンションの売却を検討する際のポイント
定期借地権付きマンションは、通常の分譲マンションより売却に苦戦する可能性があります。そのため、購入前から売却も視野に入れて計画的に動くことが大切です。
定期借地権付きマンションの売却を検討する時のポイントを3つにわけて解説します。
・残存期間があるうちに売却する
・ターゲットを絞り、メリットをアピールする
・残存期間に応じて相場よりも低めに価格設定する
それぞれ見ていきましょう。
残存期間があるうちに売却する
定期借地権付きマンションは残存期間が短くなればなるほど、売却しにくくなります。そのため、マンションの売却を考え始めたら、できるだけ早く売却へ向けた活動を始めましょう。
築30年以上のマンションになると、その情報だけで購入希望者が減ってしまう可能性もあります。それよりも早めの売却を目指しましょう。
ターゲットを絞り、メリットをアピールする
定期借地権付きマンションに住みたいと思うターゲットは限られます。一生涯住めない可能性が高い、ランニングコストがかさむなどのデメリットを受け入れられる層にターゲットを絞りましょう。
定期借地権付きマンションは、以下のような人を対象にアピールしてみてください。
・子どもや親族に資産(不動産)を残す必要がない人
・初期費用を抑えたい人
・決まった期間だけ人気エリアに住みたい人
残存期間に応じて相場よりも低めに価格設定する
希望売り出し価格は、残存期間に応じて通常の相場よりやや低めに設定しましょう。同条件で通常の分譲マンションと変わらない価格設定にすると、選んでもらえないからです。
適切な価格設定をすれば、同条件のマンションより初期費用を抑えられて買い手がつく可能性が高まります。
また、定期借地権付きマンションの売買が得意な不動産会社へ依頼するのも売却の時のポイントです。売却のノウハウを持った不動産会社であれば、よりスムーズな取引につながるでしょう。
マンションの不動産用語に関して、知識を深めたい方は以下も読んでみてください。
まとめ:定期借地権マンションの資産価値は期間を買う賢い選択肢
まとめ:定期借地権マンションの資産価値は期間を買う賢い選択肢
定期借地権付きマンションは、一定期間好立地で利便性の高いマンションに生みたい人にとって、価値のある選択になります。エリアによって条件が異なりますが、通常の分譲マンションより購入価格を抑えることも可能です。
そのかわり、売却の際は残存期間に気を付けながら、まだ資産価値が残っているタイミングで取引を始めましょう。
分譲マンションの建替え問題などの心配がなく、残存期間がはっきり決まっているため、ライフプランニングしやすいのが特徴です。
定期借地権付きマンションの特徴や仕組みをしっかり理解して、ライフスタイルに合った賢い選択をしましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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