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更新日:2024.09.12
登録日:2024.06.24

住宅ローンの元金均等返済とは?元利均等返済の違いやどちらを選ぶべきか特徴をくわしく解説

住宅ローンの元金均等返済とは?元利均等返済の違いやどちらを選ぶべきか特徴をくわしく解説

住宅ローンの返済タイプは、元金均等返済と元利均等返済に分かれます。無理のない返済プランを立てるためには、十分に検討したうえで選択することが重要です。

一方で「違いがわからない」「どちらを選べばいいの?」など、疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、元金均等返済と元利均等返済の違いについてまとめました。それぞれのメリット・デメリットや選ぶ際のポイントをわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

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住宅ローンにおける元金均等返済と元利均等返済の違い

住宅ローンにおける元金均等返済と元利均等返済の違い

住宅ローンにおける元金均等返済と元利均等返済の違い

住宅ローンの返済タイプの違いは以下の通りです。

 

元金均等返済

元金のみを均等で返済する方法

返済が進むにつれて返済額が少なくなる

元利均等返済より元金の減少が早い

元利均等返済

元金と利息をあわせて均等に返済する方法

返済金額が一定

元金均等返済より返済開始当初の返済額が少ない

 

それぞれの基本的な知識を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

元金均等返済とは

元金均等(がんきんきんとう)返済とは、元金の返済額のみを均等とする住宅ローンの返済タイプです。元金のみが一定なので、上乗せされる金利によって返済額が毎月異なります

 

「返済回数で割った元本」と「月々の利息」を合計した金額が月々の返済額です。利息は住宅ローン残高が減るほど低くなるので、年月の経過によって月々の返済額が減っていく仕組みです。

 

元利均等返済とは

元利均等(がんりきんとう)返済とは、月々の返済額が一定になる住宅ローンの返済タイプです。借入利率が一定の場合、返済期間の開始から終了まで月々の返済額が変わりません

 

年月の変化に応じて元金分の割合と利息分の割合が変化します。当初は利息分の割合が多く、返済が進んでいくにつれて元金分の割合が大きくなっていく仕組みです。

鑑定士コメント

ボーナス返済を利用する際の注意点はあるでしょうか?ボーナス返済を利用する場合、将来的にボーナスによる返済が負担となる可能性があります。業績によってボーナスが減ったとき、支払えなくなることも考えられるでしょう。ほかにも毎月の返済額が減ることで元本返済のスピードが遅くなる、ボーナスをその他の支払いに使用できなくなるなどの注意点があります。

元金均等返済と元利均等返済をシミュレーションで比較

元金均等返済と元利均等返済をシミュレーションで比較

元金均等返済と元利均等返済をシミュレーションで比較

以下の条件で、元金均等返済と元利均等返済をシミュレーションして比較しました。

 

・借入額2,000万円

・借入期間30年

・固定金利年1.5%

 

まずは元金均等返済の月々の返済額や借入金残高などの概算を、紹介します。

 

※横にスクロールできます。

 

月々の返済額

元金部分

利息部分

借入金残高

1年目(12回)

79,791円

55,555円

24,236円

19,333,340円

5年目(60回)

76,457円

55,555円

20,902円

16,666,700円

10年目(120回)

72,291円

55,555円

16,736円

13,333,400円

15年目(180回)

68,124円

55,555円

12,569円

10,000,100円

20年目(240回)

63,957円

55,555円

8,402円

6,666,800円

25年目(300回)

59,791円

55,555円

4,236円

3,333,500円

合計

24,512,368円

20,000,000円

4,512,368円

 

※参照:住宅金融支援機構

 

元金均等返済のシミュレーションでは、利息部分の減少によって月々の返済額が減っていくのがわかります。次は元利均等返済のシミュレーションを紹介しましょう。

 

※横にスクロールできます。

 

月々の返済額

元金部分

利息部分

借入金残高

1年目(12回)

69,024円

44,634円

24,390円

19,468,058円

5年目(60回)

69,024円

47,392円

21,632

17,258,727円

10年目(120回)

69,024円

51,081円

17,943円

14,304,092円

15年目(180回)

69,024円

55,056円

13,968円

11,119,489円

20年目(240回)

69,024円

59,342円

9,682円

7,687,015円

25年目(300回)

69,024円

63,960円

5,064円

3,987,379円

合計

24,848,426円

20,000,000円

4,848,426円

 

※参照:住宅金融支援機構

 

元利均等返済では月々の返済額は一定ですが、返済当初は元金部分の割合が小さいのがわかります。元金均等返済より元金が減るのが遅く、利息は高くつくでしょう。

 

4,848,426円(元利均等返済の利息)-4,512,368円(元金均等返済の利息)は336,058円。元金均等返済のほうが、336,058円も利息が低いことがわかります。

元金均等返済のメリット

元金均等返済のメリット

元金均等返済のメリット

元金の返済額のみを均等とする元金均等返済のメリットは、以下の通りです。

 

・総返済額が元利均等返済より少ない

・借入残高の減りが早い

 

住宅ローンの返済タイプを選ぶ際の参考にしてください。

総返済額が元利均等返済より少ない

同じ条件で設定した場合、元金均等返済は元利均等返済より総返済額が少なくなります。元金が減るのが早いことで、利息を抑えられることが理由です。

 

借入金額や条件によっては、総返済額を大幅に減らせるでしょう。金融機関の公式サイトでシミュレーションして、総返済額をチェックしてください。

借入残高の減りが早い

元金均等返済は開始当初の元金の割合が大きく、元利均等返済より借入残高の減りが早いことが特徴です。借入残高にもとづいて計算される利息も早く減ります。

 

年月の経過によって月々の返済額が減っていくため、家計への負担も軽減されていくでしょう。返済プランを立てる場合は、年月の経過で返済額にどれくらいの変化があるのか把握しておくことが重要です。

元金均等返済のデメリット

元金均等返済のデメリット

元金均等返済のデメリット

元金均等返済のデメリットをまとめました。

 

・元金均等返済を選択できない場合がある

・元利均等返済より返済開始直後の負担が大きい

 

選択してから後悔しないために、あらかじめチェックしておきましょう。

元金均等返済を選択できない場合がある

住宅ローンは元利均等返済が主流なので、元金均等返済を取り扱っていない金融機関もあります。元金均等返済を選びたい場合、選択できるかあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。

 

また、住宅ローンの融資審査は第一月の返済額にもとづいておこなわれます。元金均等返済は第一月の返済額が高いため、借入金額を減らされたり融資に通らなかったりするリスクが高く、注意が必要です。

鑑定士コメント

元金均等返済はどの銀行で取り扱っているのでしょうか?元金均等返済は、多くの銀行で取り扱っています。みずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行、楽天銀行などで取り扱っています。そのほかにも取り扱っている銀行はありますが、それぞれ諸条件が異なりますので、公式サイトや問い合わせで確認してください。

元利均等返済より返済開始直後の負担が大きい

元金均等返済は借入残高にもとづいた金利が上乗せされるため、返済開始直後は月々の返済額が高くなります。借り入れした当初は家計への負担が大きく、返済に苦しむことも考えられるでしょう。

 

十分な収入や自己資金がない場合は、元金均等返済を選択すると住宅ローンを支払えなくなる恐れがあります。余裕をもって支払えるかどうか検討したうえで、元金均等返済を選択することが重要です。

元利均等返済のメリット

元利均等返済のメリット

元利均等返済のメリット

月々の返済額が一定になる元利均等返済のメリットを紹介しましょう。

 

・返済計画が立てやすい

・返済開始当初の返済額が少ない

 

住宅ローンの主流な返済タイプなので、基礎知識を確認しておくと安心です。

返済計画が立てやすい

元利均等返済は月々の返済額が変わらないため、資金計画が立てやすいといったメリットがあります。いつどのくらいの自己資金が必要なのか明確なので、キャッシュフロー表の作成が簡単です。

 

進学や老後などライフプランをふまえたうえで、住宅ローンを無理なく返済できるか予想できるでしょう。月々の返済額が固定されるため、資産形成のための貯蓄用資金も確保しやすくなります。

返済開始当初の返済額が少ない

元利均等返済では、元金均等返済と比較して返済開始当初の返済額が少なくなります。家計への負担を抑えながら、住宅ローンの返済が可能です。

 

住宅ローンの返済が滞るリスクも少なくなるでしょう。なお、融資審査は第一月の返済額にもとづくため、住宅ローンの審査に通りやすいといったメリットもあります

元利均等返済のデメリット

元利均等返済のデメリット

元利均等返済のデメリット

元利均等返済のデメリットは以下の通りです。

 

・総返済額が元金均等返済より多くなる

・借入残高の減りが遅い

 

2つのデメリットを把握しておくことで、自分にあった返済プランが選択できます。

総返済額が元金均等返済より多くなる

同じ条件で比較したとき、元利均等返済の総返済額は元金均等返済より多くなります。返済直後は元金部分の割合が小さいため、借入残高はなかなか減りません。

 

発生する利息が元金均等返済より多くなるので注意が必要です。シミュレーションしてそれぞれの総返済額を比較してから、住宅ローンの返済タイプを選択してください。

借入残高の減りが遅い

元利均等返済の場合、返済直後は借入残高の減りは遅くなります。元利均等返済で早く借入残高を減らしたいなら、月々の返済とは別にまとまった金額の返済(繰り上げ返済)を検討しましょう。

 

また、元利均等返済は返済額が一定なので、年月の経過で減ることはありません。定年退職後も返済を続ける場合、元金均等返済より負担が大きくなることが考えられます。

元金均等返済と元利均等返済のどちらを選択するべき?

元金均等返済と元利均等返済のどちらを選択するべき?

元金均等返済と元利均等返済のどちらを選択するべき?

家庭の事情によって、適した住宅ローンの返済タイプは異なります。

 

・元金均等返済が向いている人

・元利均等返済が向いている人

 

元金均等返済と元利均等返済のどちらを選択するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

元金均等返済が向いている人

以下のような人には元金均等返済が向いています。

 

・総返済額をなるべく減らしたい

・返済当初の返済額を支払える十分な自己資金や年収がある

・将来的に支出が増える予定がある

・定年後に月々の返済を減らしたい

 

元金均等返済は年月の経過で月々の返済が減るため、将来の負担を減らしたい方におすすめです。ただし、少しずつしか減らないので、いつどのくらいの支払い額になるのか確認しておきましょう。

元利均等返済が向いている人

元利均等返済が向いているのは以下のような人です。

 

・返済当初の返済額を抑えたい

・正確な返済計画をたてたい

・月々の返済額を一定にして家計収支をわかりやすくしたい

・計画的に貯金して資産を形成したい

 

元利均等返済は、ライフプランにあわせて返済プランを立てたい人に向いています。無理のない返済プランを立てることで、滞納などのリスクを減らすことが可能です。

まとめ:それぞれの返済タイプの特徴を理解して自分に合った方法を選択しよう

まとめ:それぞれの返済タイプの特徴を理解して自分に合った方法を選択しよう

まとめ:それぞれの返済タイプの特徴を理解して自分に合った方法を選択しよう

元金均等返済は元本のみを均等とする返済タイプです。年月の経過で月々の返済額が減る、総支払額が少ないといった特徴があります。

 

月々の返済額が変わらない元利均等返済との違いを理解したうえで、自分にあった方法を選択しましょう。メリットとデメリット、それぞれが向いている人を紹介したので、ぜひ参考にしてください

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

住宅ローンのメリットとして、正しいものを下記より選びなさい。

答えは 2

手持ち資金を確保し、別の運用や出費に備えることによりレバレッジ効果が期待できます

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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