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更新日:2023.06.02
登録日:2023.06.02
二重ガラスとは?二重サッシやペアガラスとの違いや効果を紹介
マンション購入やリフォームを検討する際、窓ガラスについても詳しく検討することがおすすめです。窓ガラスは普段の生活にも影響するさまざまな効果があり、とくに二重ガラスはさまざまなメリットがある窓ガラスです。
本記事では、二重ガラスとは何か、特徴や種類、メリット・デメリットについて解説します。ペアガラスや二重サッシとの違い、リフォームなどで交換する際の注意点についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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二重ガラス(複層ガラス)とは
二重ガラス(複層ガラス)とは
二重ガラス(複層ガラス)とは、言葉の通り1つのサッシにガラスを二重で設置した構造の窓ガラスです。二重ガラスについて、下記の内容を詳しく解説します。
・二重ガラスの特徴
・ペアガラスと二重ガラスの違い
・二重サッシとの違い
二重ガラスの特徴
二重ガラスは、ガラスとガラスの間に空間が設けられているため熱伝導率が低いという特徴があります。二重ガラスは、スペーサーを挟み込むことで、ガラスとガラスの間に空気層を作っています。この空間には、乾燥空気やクリプトンガス、アルゴンガスなどの熱伝導率の低い期待を注入することで、熱伝導率を低くしているのです。
また、空気を注入するのではなく、空間を真空状態にしている製品もあります。
一方で、従来の1枚ガラスよりも窓全体が厚くなるのも特徴です。二重ガラスは、ガラスが二重になっているほか空間の厚みも含まれるため、単純に1枚ガラスの2倍以上の厚みになります。
ペアガラスと二重ガラスの違い
二重ガラスとペアガラスは同じタイプの窓ガラスです。異なる名称で呼ばれている理由は、総称か商品名かの違いによるものです。
二重ガラスは「ペアガラス」と呼ばれることがあります。名称が違うため、それぞれ違うガラスだと思われがちです。ペアガラスとは、ガラスメーカーであるAGCが開発して商標登録した二重ガラスの商品名であり、二重ガラスは同様の特徴を持つ窓ガラスの総称として使用されています。ペアガラスが広く流通して知名度が上がったことで、二重ガラスのことをペアガラスと呼ぶ人が増えました。
二重サッシとの違い
二重サッシとは、独立したサッシが二重に設置された状態のことであり、二重ガラスは1つのサッシにガラスが二重で設置されたものです。二重ガラスの場合は窓が1つですが、二重サッシの場合は窓が2つになります。
窓について調べていると、二重ガラスのほかに「二重サッシ」という言葉を見かけることがあります。混同してしまう人もいるかもしれませんが、二重ガラスと二重サッシは同一のものではありません。
また、二重サッシには、防音や防犯対策になるなどのメリットがありますが、サッシが二重になることで部屋が圧迫されたり掃除の手間が増えたりするなどのデメリットもあります。それぞれのメリットとデメリットを比較したうえで選択することが重要です。
二重ガラスのメリット
二重ガラスのメリット
二重ガラスには、下記4つのメリットがあります。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
・断熱性が高い
・結露を防ぐ対策になる
・紫外線を防止できる
・防犯性が高まる
断熱性が高い
二重ガラスは、ガラスとガラスの間に空気の層があるため、通常の窓ガラスと比べて断熱性が高いです。空気の層が熱を伝えにくくするため、室内の熱が室外に逃げず、室外の熱が室内に入ってきません。
冬に、暖房をつけていても窓を触ると冷たいと感じる人も多いでしょう。通常の窓ガラスだと、ガラスを通して外の冷たい空気が室内に入り込んでしまいます。二重ガラスでは、窓ガラスを通して熱が伝わりにくいため、室内の温度を快適に維持することが可能です。
また、断熱性が高いことで空調効果を高めることができるため、エアコンの設定温度を抑えることで電気代の節約にもつながります。
結露を防ぐ対策になる
二重ガラスは、結露を防ぐ対策にもなります。結露とは、室内の空気中に含まれる水蒸気が窓で冷やされることで水滴に代わる現象です。室内と室外の温度差が大きいと、窓が結露して水浸しになりやすくなります。
カーテンにも水がついて、嫌な思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか。二重ガラスは、空気の層により室内と室外の温度差が小さくなるため結露しにくいです。結露を防ぐことで、カビの防止にもつながります。
紫外線を防止できる
そもそもガラスには紫外線を防止する性質があるため、二重ガラスにすることでさらに紫外線の防止効果が期待できるでしょう。紫外線には、A波・B波・C波があります。その中でも、A波とB波は日焼けやシミ、皮膚がんなどの原因になります。
ガラスにはB波を防止する効果がありますが、A波は波長が長いためある程度透過してしまうのです。二重ガラスだと、紫外線A波もさらに防止しやすくなります。また、UVカット効果のあるガラスを利用することで、紫外線防止効果を高めることも可能です。紫外線を防止すると、人だけではなくフローリングや家具などへのダメージも軽減できます。
防犯性が高まる
空き巣の侵入方法で多いのは、窓ガラスを割っての侵入です。二重ガラスにすると、割らなければならないガラスが増えて時間がかかるため、空き巣に狙われにくくなります。
また、さまざまな特徴を持つガラスを組み合わせることができるため、防犯性の向上にもつながるでしょう。ガラスには、割れにくい強固な網入ガラスや強化ガラスなどがありますが、防犯性を求めると紫外線カットのようなほかの機能を選べません。
二重ガラスではガラスを2枚使用するため、1枚は紫外線カット、もう1枚は防犯性の高いガラスを採用することが可能です。2枚とも防犯性の高いガラスにすることで、防犯性をさらに向上できます。
鑑定士コメント
複層ガラスにも寿命があります。グレードにより差はありますが、標準タイプでおよそ約10~15年ほどと考えてきましょう。複層ガラスは、劣化すると空気層の機能が低下します。機能が低下すると、2枚のガラスの間で「内部結露」が発生します。この兆候が見られたら寿命の1つの目安として考えることができるでしょう。
二重ガラスのデメリット
二重ガラスのデメリット
二重ガラスには多くのメリットがある一方、下記3つのデメリットもあります。それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
・共鳴透過現象が発生する
・価格が高い
・通常のガラスよりも重い
共鳴透過現象が発生する
二重ガラスでは、共鳴透過現象が発生します。
共鳴透過現象とは、2枚のガラス間の空気がばねのように振動することで、もう一方のガラスに音が伝わる現象です。特定の周波数帯で共鳴が生じ、その周辺の周波数域の音波がガラスを透過しやすくなります。
そのため、共鳴透過現象が発生すると一時的に遮音性能が低下してしまいます。二重ガラスを採用する際は、遮音性が低下する可能性があることに留意しておく必要があるでしょう。
鑑定士コメント
二重ガラスのデメリットであげられるのは、共鳴透過現象からくる遮音性の低下があります。しかし技術革新により、これを防ぐ方法も開発されています。共鳴透過現象は空気が振動して発生する現象ですので、ガラス間が真空状態になっている二重ガラスであれば防ぐことができます。また、防音ガラスを採用する、2枚のガラスの厚さを別々にすることも効果的とされています。但し機能が高いと価格も高い、ということは悩ましいところですね。
価格が高い
二重ガラスは、ガラスを2枚使用しているため、通常の1枚ガラスの窓と比べて価格が高いです。ガラス間の空気層に乾燥空気やアルゴンガスなどが注入されているため、その価格も二重ガラスの価格に反映されます。
空気層の種類によって価格は異なり、とくに真空状態のものはもっとも価格が高くなります。ガラスの種類を変えることでも価格が高くなるため、予算に合わせてガラスや空気層の種類を選ぶ必要があるでしょう。
通常のガラスよりも重い
二重ガラスは、通常の1枚ガラスと比べてガラスの枚数が倍のため、単純に重さが倍以上になります。普段開閉しない窓なら問題ありませんが、普段から開閉する窓だと負担に感じる人もいるでしょう。
ガラスは透明なため重さを想像しにくいかもしれませんが、ガラスの比重は約2.5です。つまり、縦横1mの場合は厚さ1mmあたり約2.5kgあることになります。比重約2.5は、普通コンクリートとほぼ同じ数値です。二重ガラスを検討する際は、実際に開閉時の重さを体験することをおすすめします。
二重ガラスの種類
二重ガラスの種類
二重ガラスには、下記のような種類があります。
・Low-E複層ガラス
・真空ガラス
Low-E複層ガラスとは、酸化錫や銀などの金属膜のコーティングが施されたLow-Eガラスを使用した二重ガラスです。金属膜が太陽の熱を吸収・反射することで、夏は暑さをやわらげる効果、冬は空調の熱を外へ逃がさないなどの効果があります。
真空ガラスは、先述した通り空気層が真空状態の二重ガラスです。乾燥空気やアルゴンガスが注入された二重ガラスと比べて、断熱性能が高く共鳴透過現象を防止するなどの効果があります。ただし、価格が高くなりやすいので注意が必要です。また、3枚のガラスを使用するトリプルガラスもあります。
二重ガラスに交換するときに注意すること
二重ガラスに交換するときに注意すること
既存のガラスを二重ガラスに交換する際は、下記のようなポイントに注意しなければなりません。それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。
・マンションでは管理規約を必ず確認する
・アタッチメント部分の結露に注意する
マンションでは管理規約を必ず確認する
マンションで既存の窓を二重ガラスに変える場合、必ず事前に管理規約を確認する必要があります。自分が使用している部屋でも、マンションでは共有部分は自由にリフォームできません。
マンションの窓は、外観などにも影響する場所であり、マンションの資産価値に関わる部分であるため共有部分になっていることがあります。共有部分を無断でリフォームするのは管理規約違反であるため、事前に窓が共有部分ではないかを管理規約で確認しましょう。
なお、マンションの共有部分については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
マンションの共用部分とは?トラブル防止のために理解しておくべきこと
アタッチメント部分の結露に注意する
通常のガラスを二重ガラスに変更する場合、一般的には窓枠ごと交換する必要があります。しかし、アタッチメントを使用することで既存の窓枠で二重ガラスを取り付けることも可能です。
ただし、アタッチメント部分は結露しやすいため、結露防止のために二重ガラスに交換しようとしている人は注意する必要があります。確実に二重ガラスのメリットを活用するためには、窓枠ごと交換することがおすすめです。
まとめ:二重ガラスの特徴を把握して使用を検討してみよう
まとめ:二重ガラスの特徴を把握して使用を検討してみよう
二重ガラスは、断熱性や結露・紫外線防止、防犯性などのさまざまなメリットがあるガラスです。しかし、価格面や使用面でデメリットがあるのも事実です。リフォームなどによって既存のガラスを二重ガラスに交換する際は、注意しなければならないポイントもあります。
また、ガラスの種類や空気層の内容によって効果は変わります。二重ガラスを検討する際は、目的をある程度設定して二重ガラスの特徴を把握したうえで検討しましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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