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更新日:2022.10.31
登録日:2022.10.19
白洲信哉 「展覧会の見方」
骨董古美術を生活の中に取り入れると言っても、どこでどうやって買ったらいいか?目利きになるにはどうしたら、はたまた真贋を見分けるポイントは?とある寿司店経営者から矢継ぎ早に質問を受けた。僕ですら現在進行形で何が正解か掴めてない上、経験の積み重ねとしか言いようないのだが、まずは眼の訓練も必要ではないかと、せっかちな現代若者に話してみた。
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わが国には美術館や博物館が数多くあり、世界中の美術品を鑑賞する機会に恵まれている。戦後の文化政策の一環で、国をはじめ県や市、町や村のほか、百貨店や小さなものまで含めると数え切れない展覧会場があり、近年大規模な企画展が減ったとはいえ、千円ちょっとの入場料で一日の鍛錬の場になるのだから安いものだ。東博に限っても企画展専門の平成館に常設館。東洋館に法隆寺館と全てみたら大変だ。したがって、「見る」ことの訓練の場ミュージアムの見方に一工夫いるように思う。
まずは、行く曜日に時間帯。混雑は美の障害でしかない。古美術に「目垢」という言葉があって、どんないいものであっても色んなかたの目に触れると色褪せるという意味だが、出来るだけ週末は避け閉館間際昨今は金曜日とか遅くまで開館している時もあるので、兎に角人混みを避ける工夫が肝要だと思う。コロナ禍で予約制度も増えて嬉しい限りである。
時間帯以上に肝要なのが、「見る」ことは知識を溜めることではないと言うことだ。会場入り口でイヤフォンを借り、1つ1つの作品の前で丁寧にメモしている人も多いのだが、鑑賞するとき大事なのは、まずは自我を滅して無碍三昧にモノを「見る」ことが出来るか否かに尽きると思う。
僕は会場を足早に一周し、自分の気になる作品多くても5点くらいをチェックし、あとは時間の許す限り集中して見ることにしている。少し離れて全体の空気を味わい、近くに寄って作者の息遣いを感じる。その間はじっくり直視し続けることになる。画なら筆遣いや線のタッチ、色合いなどを注意深く見ていくと、いろいろなことがわかってくる。たとえば、緑という色が何種類もあることが見えてくる。画家の眼って凄いものだ。
友人の茂木健一郎さんは、等伯の国宝「松林図屏風」を2時間見ていたと言うが、それは極端にしても見て感じれば、自分に響くモノが何で、何が好みで何が苦手か?そのうちに峻別できてくる。
「美」はまず目玉で感じること、「耳学問」と云う通り耳では感じられない。知識というのは第三者の評価で、モノをいかに感じるか、冒頭に戻るがそれには訓練鍛錬がいる。何々展に行って「良かった」言う人に、では何が良かったか?即答出来ないのは実のところ「見ていない」からだ。あそこも行った、こっちも見た、インスタ映えに解説など、他人の評価に重きを置いているうち目は利いてこない。
小林秀雄は「解ることは苦労すること」と言っていたが、わが国は鍛錬する場に恵まれており見る側の姿勢次第、あわよくば値段の高低によらずモノを買って使ってみることから始まるのではないだろうか。
文筆家/アートプロデューサー
白洲信哉(しらすしんや)
1965年東京都生まれ。細川護煕元首相の公設秘書を経て、執筆活動に入る。その一方、広く日本文化の普及につとめ、書籍編集、デザイン、展覧会などの文化イベントの制作に携わる。父方の祖父母は、白洲次郎・正子。母方の祖父は文芸評論家の小林秀雄。主な編著書に『骨董あそび』(文藝春秋)、『白洲次郎の青春』(幻冬社)『天才青山二郎の眼』『小林秀雄 美と出会う旅』(新潮社)『白洲家としきたり』(小学館)『かたじけなさに涙こぼるる』(世界文化社)『旅する舌ごころ』(誠文堂新光社)他多数。最新刊に『美を見極める力』(光文社新書)。
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