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更新日:2025.06.21
登録日:2022.08.24
マンションで地震が起こったらどうする?住民が必要になる地震対策とは?

「マンションで地震が起きたらどう行動すればいい?」
いつ起きてもおかしくはない災害の一つである地震。突然の災害が起きた時にどうすればよいのか、漠然と不安を抱えている人もいるでしょう。
この記事では、マンションで地震が起きた時にとるべき行動をご紹介します。また、今日からでも取り組める地震対策や、マンションの新耐震基準と旧耐震基準の見分け方などの基礎知識も網羅的に解説します。
マンション購入を検討している人や、防災について知りたい人はぜひご覧ください。
【この記事でわかること】
・マンションの地震への強さは、耐震基準で判断する
・地震発生直後は命を最優先に行動し、その後二次災害対策や避難行動に移る
・日頃から避難経路の確保、避難ルートの確認、備蓄品の常備などの地震対策が大切
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マンションの地震で知っておくべき基本

マンションの地震で知っておくべき基本
マンションで地震が起きた時のために、あらかじめ知っておきたい基本知識を紹介します。
・地震でマンションはどうなる?戸建てとの違い
・「新耐震基準」と「旧耐震基準」の見分け方
・マンションが地震の揺れを制御する仕組み
マンション購入を検討している人や、マンションの防災が気になる人は参考にしてみてください。それぞれ詳しく解説していきます。
地震でマンションはどうなる?戸建てとの違い
マンションと戸建住宅が地震でどのような影響を受けるかは、震度と耐震基準を見るとわかります。
施行された年代によって3つの耐震基準が存在します。
マンションであれば、新耐震基準で建設されたマンションが現状で地震に強い建物です。一方、木造の戸建住宅であれば、2000年基準がもっとも地震に強い建物といえます。
マンションも戸建ても、地震での倒壊リスクを考慮するなら、適用される耐震基準を確認してみましょう。
「新耐震基準」と「旧耐震基準」の見分け方
耐震基準は、施工された年月日によって適用されるイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
「新耐震基準」と「旧耐震基準」を見分ける際は、施工日や築年数ではなく建築確認申請が受理された「建築確認日」をチェックします。建築確認日は、個人で申請したり確認したりできない書類のため、建物の所有者に問い合わせましょう。
建築確認日が、耐震基準の改正前か改正後なのかで、マンションの耐震基準を見分けられます。
新築マンションであれば、新耐震基準で建てられるため問題ありませんが、リノベーションマンションのように築年数が長い物件の場合はよく確認することが重要です。
マンションが地震の揺れを制御する仕組み
マンションで地震が起きると高層階になればなるほど大きな揺れを感じやすい特徴があります。近年では、一般的な耐震構造に加えてマンションの揺れを抑える制振構造、免震構造のマンションも増えています。
地震の揺れを制御するそれぞれの構造について以下の表にまとめました。
マンションによっては、制震構造と免震構造の特徴を合わせて、耐震性を上げている建物もあります。
免震構造については以下の記事で詳しく解説しています。マンションの耐震構造について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
鑑定士コメント
マンションが地震で倒壊する可能性はあるのでしょうか?マンションが建っている地盤や耐震構造、地震の大きさによって倒壊する可能性はゼロ%ではありません。新耐震基準では、震度7程度でも倒壊しないとされる設計になっていますが、さらに耐震性の高いマンションを選びたい人は、免振構造や制震構造などに注目してみましょう。
マンションで地震発生!そのときどう行動する?

マンションで地震発生!そのときどう行動する?
マンションで地震が発生した時にとるべき行動を3つのポイントから解説します。
・地震発生直後
・揺れが収まったら
・避難が必要な場合
それぞれ詳しくご紹介するので、実際に地震が起こったときにパニックにならないように、理解しておきましょう。
地震発生直後
地震発生直後は、何をおいてもまずは自身の身の安全を最優先しましょう。
家の中で安全そうに感じていても、タンスや家電などが落ちてくるとケガをする恐れがあります。大きな揺れが収まるまでは、机やダイニングテーブルの下などに入り、身を守ってください。
地震発生直後にとるべき行動は以下を参考にしてみてください。
地震が発生した時に火を使っていても、揺れが収まるまでは無理にガスを止めないでください。一般的なマンションの場合、大きな揺れが発生すると自動的にガスが止まる仕様になっています。
マンションは耐震構造上、あえて揺れることで倒壊を防ぐ構造になっています。揺れが長引く可能性がありますが、収まるまでは身の安全を最優先にしましょう。
その後の行動
地震発生後の行動は、以下のポイントを参考にしてみてください。
※参考:東京消防庁「地震その時10のポイント」
地震発生後はさらなる二次被害を防ぐために、冷静な行動をとることが重要です。
大地震の場合、発生後の火災や津波が大きな損害を出すケースが考えられます。テレビやラジオなどでいち早く正確な情報を取得して、適切な場所に避難しましょう。
避難が必要な場合
マンションから避難が必要な場合の注意点をご紹介します。まず、部屋から避難する際の注意点は以下の通りです。
・エレベーターは使わない
・周囲と協力し冷静に避難する
地震発生後の避難にエレベーターは使用しないようにしましょう。たとえエレベーターが動いていても、余震でエレベーターに閉じ込められる可能性があるからです。
部屋から避難する際は、非常階段や避難はしごなどを利用しましょう。
また、集合住宅であるマンションでは、焦って避難しようとするとケガをするかもしれません。住人同士で押し合いにならないように、冷静に避難することが大切です。
避難場所は市区町村で指定された一時避難場所か広域避難場所に向かいましょう。建物の外にはがれきやガラスの破片が飛び散っていることがあるため、靴やスリッパで足の裏を保護してください。
鑑定士コメント
マンションの地震が起きたときに安全な階はあるのでしょうか?
一般的にマンションは耐震構造上、上の階に行けば行くほど揺れが大きくなります。個別のマンションの設計・構造によりますが、地震が起きた時に少しでも揺れが小さく、スムーズに避難したい場合は、3階以下の部屋を選ぶことも選択肢の1つでしょう。
今日からできる!マンションでの地震対策

今日からできる!マンションでの地震対策
いざというときにパニックにならないよう、今日からできるマンションのための地震対策をご紹介します。
・避難経路の障害物をなくす
・避難場所と避難経路を確認しておく
・家具や家電を固定しておく
・備蓄品を準備しておく
・地震保険に加入しておく
地震はある日突然起きるため、事前準備をしておけばスムーズに避難でき、身を守ることにもつながるでしょう。
避難経路の障害物をなくす
地震によって避難経路が塞がれたり、火災が起こって廊下が通れなくなったりすることがあります。そうならないように、部屋の中から玄関までの間に道を塞ぐようなものを置かないようにしましょう。
マンションの共有部分の障害物については事前にマンション管理組合に相談することをおすすめします。
他にも、廊下が通れなくなった場合には、ベランダから隣の部屋に移る方法もあります。しかし、ベランダに物置を設置してしまうと避難口が塞がれて、こうした方法で逃げることができなくなってしまいます。
ベランダはマンションの共有部分となりますので、マンション管理組合に相談して障害になるものを置かないようにしてもらい、避難経路を確保していきましょう。
避難場所と避難経路を確認しておく
いざ地震が発生すると「避難場所がわからない」「避難場所までどのルートで行けばいいのか判断できない」などで困ることがあります。
お住まいの地域の避難場所がどこにあるのか日頃から確認しておき、いざという時にスムーズに移動できるようにしましょう。
また、自宅から避難所までのルートは、地震発生後に通行できなくなる場合も考えられます。
地震発生時に、危険な場所や避けた方がよさそうなルートをあらかじめ確認しておきましょう。
家具や家電を固定しておく

備蓄品を準備しておく
地震発生時には、タンスやテレビは凶器へと変わります。
揺れによって倒れたり、場合によっては自分に向かって飛んできたりすることもあります。特にマンションの場合には揺れやすくして倒壊や崩壊が起こらないような構造にしてあり、高層階に行くほど揺れやすくなるため、家具や家電が脅威になる可能性が高まるからです。
家具や家電によってケガをしないためにも、壁・天井・床にしっかりと固定してください。扉が開かないように固定するものや、タンスの上下が崩れないように連結するものもありますので上手に活用して、万が一の際に困らないように準備していきましょう。
備蓄品を準備しておく
地震対策の王道は備蓄の準備です。食品や生活品に関しては日常的に消費していくものもあります。
災害に備えて食材等を多めに準備しておき、日常生活では備蓄品から消費し、消費した分を補充していくことで、常に備蓄品をキープできます。
このように日常から備えていけば、万が一の際に困りません。どのようなものを揃えればよいのかは、家族構成や人数に合わせて調整しましょう。以下に具体的な品目例をご紹介します。
地震保険に加入しておく
地震が起きると、揺れによって建物が倒壊・崩壊したり、家具が壊れたりします。地震による脅威はそれだけではなく、地震の影響による火災にも注意が必要です。
例えば、切れた電線の火花によって木が燃え、それが家屋に燃え移ることもあります。
地震で停電し、電気ストーブやオーブントースターの電源がONになっている状態で避難した場合、通電したときに稼働してしまい火災になってしまうこともあるでしょう。
こうした地震が原因の火災による被害には火災保険が適用されないため、地震保険に入っておく必要があるのです。
マンションにも地震保険が必要になるケースがあります。以下の記事でマンションの地震保険に関する情報をまとめているので、現在マンションの購入をお考えの人はぜひご確認ください。
地震に強いマンションの選び方|5つのポイント

地震に強いマンションの選び方|5つのポイント
地震に強いマンションは、以下の5つのポイントを基準に選びましょう。
・建築時期と耐震基準の確認
・採用されている地震対策構造の確認
・耐震等級の確認
・地盤の確認
・住宅性能評価書の確認
具体的に解説していきます。
建築時期と耐震基準の確認
地震に強いマンションを選ぶなら、建築時期と適用する耐震基準を確認しましょう。震度5以上の地震で倒壊のリスクが高まる旧耐震基準のマンションを避けて、新耐震基準のマンションを選ぶことが大切です。
また、地震の時の揺れ方は構造の違いで異なるため、高層階でできるだけ揺れを抑えたい場合は、制震構造や免震構造のマンションを選びましょう。
採用されている地震対策構造の確認
地震発生時の揺れ方はマンションの構造によって異なりますが、タワーマンションなどでは制震と免震どちらの特徴も持つ独自の取り組みがはじまっています。
一方、中古マンションを検討する場合は、耐震性能をよく確認することが大切です。どんなに部屋や外観を綺麗にしていても、耐震強度に問題があると不安要素が大きくなってしまいます。
中古マンションの耐震性能を確認するには、管理会社に耐震性能診断の結果を問い合わせてみましょう。
耐震等級の確認
マンションの耐震等級は3段階に分けられます。耐震等級はマンション構造の安定性を評価する等級で、建物の性能を知る情報のひとつです。
耐震等級の特徴をご紹介します。
少なくとも耐震等級1であれば、現行の建築基準を満たすマンションであると判断できます。耐震等級2以上のマンションであれば、耐震性能の高い証となるでしょう。
地盤の確認
マンションの建設予定であれば、地盤の強度を調べましょう。砂質や盛土になっている、埋め立て地や田んぼだった場所は、軟弱な地盤の可能性があります。
一方、海や川から遠く、切土や岩盤など人工的ではない場所は強い地盤の可能性が高いでしょう。
地盤調査は、以下の方法で確認してみてください。
・不動産仲介業者に問い合わせる
・役所に聞く
・Webなどで公開されている地盤調査データを見る
その場所で長く住み続けるなら、地盤の確認は欠かさないようにしましょう。
住宅性能評価書の確認
住宅性能評価書は、専門家が共通の評価基準で住宅性能を評価し、理解しやすくまとめる制度です。評価結果を元に、住宅の性能を比較できます。
耐久性や音環境、防犯にいたるまで、10分野の性能が評価され、表示されます。
住宅性能評価を受けたマンションは、一定の性能を評価された指標として、マンション購入の際の検討材料にしましょう。
住宅性能評価はマンションのパンフレットやチラシに記載される場合があります。現在マンションの購入をお考えの人は、マンションのパンフレット&チラシの正しい見方を確認できる以下の資料もご確認ください。ダウンロードは無料です。
まとめ:マンションの地震には日ごろから万全の備えをしておこう

まとめ:マンションの地震には日ごろから万全の備えをしておこう
マンションの地震が起こったときは、焦らず冷静に対応することが重要です。まずは、身の安全を最優先に行動し、揺れが収まった後に二次被害を防ぐ対策や火災、津波などから確実に避難してください。
マンションで地震が起きても冷静に行動できるように、日頃から避難経路の確保や、避難場所のチェック、備蓄品の準備などを行いましょう。
大きな地震が起きても倒壊のリスクが低いマンションに住むなら、耐震基準や構造、地盤などの情報を取得してマンションを選んでみてください。
いざという時に備えるために、日常から防災の意識を高めましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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