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更新日:2025.11.04
登録日:2025.11.04
住居、ホテル、展望施設も!「六本木五丁目西地区」の超大型再開発で六本木駅・交差点周辺が一変

住居、ホテル、展望施設も!「六本木五丁目西地区」の超大型再開発で六本木駅・交差点周辺が一変
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バリアフリー非対応の六本木駅、歩行者空間が不十分だった六本木交差点
                                                                        六本木交差点の様子
六本木駅の南側の六本木五丁目では、「六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業」が進められています。六本木交差点を起点に、外苑東通りと特別区道第1130号線(芋洗坂)、環状第3号線、特別区道第849号線(鳥居坂)に囲まれた広域なエリアで、住所は、港区六本木五丁目及び六丁目、麻布十番一丁目。面積は約9.2ha(※1)と、大規模な再開発となる予定です。
六本木駅は、東京メトロ日比谷線と、都営地下鉄大江戸線が乗り入れていますが、各駅をつなぐ連絡通路は、階段もしくはエスカレーターのみで、バリアフリー非対応となっていました。駅構内や出口付近、地上の六本木交差点周辺は、歩道は整備されているものの多くの歩行者がスムーズに移動できる十分な空間が不足。駅利用者や歩行者が、六本木交差点付近に滞留し、混雑が生じることがありました。
また、バスやタクシーの公共交通機関の乗降場所が点在。駅出口から、バス乗り場、タクシー乗り場までやや歩く必要があり、地下鉄の改札からの乗り換え動線は決して良いとは言えませんでした。
この六本木五丁目西地区は、エリアを東西に横断できる道路がない、芋洗坂・鳥居坂に代表されるように、高低差のある地形により道路が急こう配であるなど、歩行者にとっては何かと不便に感じる場所でもありました。
加えて車は、外苑東通りと環状第3号線の交通量が多く、特別区道第849号線(鳥居坂)への流入が増加。六本木五丁目交差点の右折車線の容量不足も懸念されていました。
このように、鉄道・バス・タクシーといった公共交通機関の安全性や利便性、駅周辺を利用する歩行者の環境、自動車の交通環境の3つの視点で、課題を抱えていました。複数の背景を踏まえ、令和6(2024)年4月に都市計画が決定し、令和7年度(2025年度)より着工、令和12(2030)年度の竣工を目指しています。
(※1)東京都都市整備局ホームページ 市街地再開発事業より
(※参考)森ビル株式会社・住友不動産株式会社 都市再生特別地区(六本木五丁目西地区)都市計画(素案)の概要
港区 建設常任委員会 六本木五丁目西地区計画の決定(原案)について
戦中・戦後は軍の街、バブル期は夜の街と変貌を遂げてきた六本木
                                                                        夜の街六本木
その昔、江戸時代の六本木は、飯倉六本木町と龍土六本木町という集落しかなく、ほとんどが武家屋敷や寺院、神社が立ち並んでいました。「六本木」の名前の由来は諸説あり、「6本の松の古木があったから」と伝わっていますが、はっきりとはわかっていません。
明治以降は、華族や実業家の広大な屋敷がつくられました。現在の国際文化会館(六本木五丁目)の庭園の前身は、三菱四代目当主・岩崎小彌太(いわさきこやた)が建設した岩崎家鳥居坂本邸の庭園。六本木には、このような御屋敷の名残が感じられる場所がいくつか存在します。
その後、戦争が始まると、武家屋敷は陸軍の施設として利用され、六本木は一気に陸軍の街へ。六本木に軍隊が置かれたのは、住人が少なく、広大な敷地を確保できたからといわれています。
終戦後は、アメリカ軍の進駐により街が一変し、米軍相手のさまざまな店がつくられます。1959(昭和34)年、米軍施設は日本へ返還。同年、日本教育テレビ(現・テレビ朝日)が設立したことにより、テレビ関係者や芸能人などが集まる華やかな街に変貌を遂げていきました。
1964(昭和39)年には、日比谷線が開通。1970年代からバブル期の80年代は、ディスコ文化の聖地となり、夜の街としてにぎわいました。2000(平成12)年には大江戸線が開通し、さらに交通アクセスが向上。
そして、2003(平成15)年に六本木ヒルズ、2007(平成19)年に東京ミッドタウンが開業。商業施設、オフィス、美術館、マンションなどが六本木に集結し、ビジネス、文化、芸術、国際交流など、多種多彩な魅力が詰まった国際色豊かな街になっていきました。
(※参考)港区ホームページ 地名の歴史(麻布地区)
六本木商店街振興組合による六本木オフィシャル情報サイト ラクティブ六本木
地上66階のビルが新ランドマークに!“第二の六本木ヒルズ”として期待も
                                                                        第二の“六本木ヒルズ”?
今回の六本木五丁目西地区の再開発は、A街区、B街区、C街区、D街区、E街区の4つの街区にわけて計画されています。
メインとなるのがA街区。その中でもA-1街区は、約38,600㎡と敷地面積が広く、事務所やホテル、店舗、展望施設、集会場、劇場が入居する、地上66階、地下8階の高層ビルの建設が予定されています。
具体的には、国際会議などの大規模イベントの開催ができるエリア最大級のイベントホール、カンファレンス施設のほか、文化・展望施設や、外国人観光客やビジネスワーカーが滞在できるハイクラスホテルを整備。
六本木ヒルズの開業から20年以上経ち、新たなランドマークとなること必至のこの高層ビルは、“第二の六本木ヒルズ”としても期待されています。
そのほか、A-1街区に隣接する、A-2街区、A-3街区には寺院や教会を建設。B街区にも地上70階、地下5階の高層ビルが建設され、外国人就業者や居住者のニーズに対応した国際水準の住宅や、店舗などが入る予定となっています。
C街区、D街区、E街区には、学校や住宅、宿泊施設などが入るビルがそれぞれ建設される予定です。
地下通路や広場を設置!“駅と街”“街と街”がつながり賑わいが生まれる
                                                                        六本木から、“駅と街”“街と街”がつながり賑わいが生まれる
今回の大規模再開発で新たに整備される空間で、チェックすべきポイントが3つあります。
一つ目は、「滞留空間・地下接続通路の整備」です。六本木交差点周辺には、歩行者が滞留可能な空間を設けて、駅からのアクセス動線を整備し、交差点南側の街と駅を接続します。六本木交差点下には、バリアフリー化された地下通路も整備されます。これにより、駅利用者や歩行者の安全性・利便性を確保することが可能になります。
二つ目は、「えきまち広場の整備」。駅と街、新たに設けられる「交通結節広場」をつなぎ、賑わいを生むとともに、災害時にも機能する約4,600㎡の「駅まち広場」が整備されます。
駅まち広場は、地下1階から地上1階の3層にわたった開放性の高い広場で、六本木駅から流入してくる人々を受け入れるとともに、南側の歩行者通路や外苑東通り、区画道路1号など、駅まち広場の各階から多方向へ、スムーズなアクセスを実現します。
三つ目は、前述した「交通結節広場の整備」。バスやタクシーの乗降場を集約した交通結節広場(約5,800㎡)を、1階と地下2階に整備。1階からは青山や新橋方面へ、地下2階からは浜松町、品川、羽田方面への交通が可能になります。
交通結節広場があることで、公共交通機関の利用者にとっては、鉄道からバスやタクシーへの乗り換えが無駄なくでき、利便性が格段に向上します。
そのほか、エリア内には、東西貫通道路・南北貫通道路が設けられます。外苑東通りと地区幹線道路沿いには商業店舗の入居が予定されているなど、駅と街、街と街をつなぐ、ネットワークの形成や新たな賑わいに注目したいところです。
さらに、広大な敷地一体を緑で覆う、立体的な屋上庭園が誕生。「都心の森」となる、緑豊かでまとまったオープンスペースが生まれます。非常用の水源、防災備蓄倉庫の整備、帰宅困難者支援機能を持たせるなど、防災力も強化されます。
このように、すでに成熟されている都心の六本木エリアで、都内最大級の再開発が始動。国際交流の拠点にふさわしい多様な機能がここに集結し、街が大きく生まれ変わろうとしています。
そして、森ビルによる既存の超都心型大規模再開発である六本木ヒルズや麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズとも相互に融合。新たな人の往来が生まれ、隣り合う街同士が刺激を受けながらさらに発展・成長していく未来に期待が高まります。
国際色豊かな六本木らしさを色濃くしつつ、ますます魅力的な複合市街地が形成される予定の大型再開発。今後もその動向に注目が集まりそうです。
※2025年7月時点の情報です。

マンション専門調査員
今村 浩一
マンション管理会社にて管理組合の運営支援業務、その後、大手不動産仲介会社にて売買仲介営業に従事し、2016年に東京カンテイに入社後現在に至る。
マンション専門調査員として東京都心部を中心に、埼玉県全域、 名古屋市、札幌市、福岡市、広島市、宇都宮市、高崎市など、延べ15,000棟以上のマンションについて現地/データの二面から調査を行う。
趣味はマンション関連のネットサーフィン、モデルルーム巡り、マンション将来価格予想。夢は歴代住んだマンションの模型を部屋に並べてお酒を飲むこと。
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