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更新日:2025.02.27
登録日:2025.02.21
四条駅・烏丸駅②京都マンションの世界編――マンションがわかれば、京都がもっとよくわかる…京都の街をマンション図書館流に知ろう(京都府京都市/地下鉄烏丸線・阪急京都線)

土地の地歴や細かい紹介については、引き続き全国の地理を網羅している佐伯氏に任せることとし、ここでは日頃マンションの実地調査を行っている身として、物件の住環境や外観、価格傾向などを中心に所感を交え、京都市中心部の気になったマンションを簡単に紹介していきます。
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京都御所付近:御所東アーバンライフ
本マンションは京都御所の東側に位置します。京都御所に直接隣接している(京都御所の眺望を得られる)物件は数えるほどしかなく、それだけで希少ですが、御所の北側は今出川通り、西側が烏丸通、南側が丸太町通に面している中で、本物件が所在する東側は唯一大きな通りに面していないため、人通りや交通量が少なく、非常に静かな環境かつ、西:京都御所、南:梨木神社の緑と神聖な空気感を多分に感じられる稀有な立地といえます。また、西・南・東の三方接道により解放感も確保されていることで、その希少価値をさらに高めています。周辺他の物件では二方接道のものもありましたが(それも少ない)、三方接道については、少なくとも今回の実地調査では当物件のみの確認となりました。
ちなみに京都市内の住宅地の地価最高地点は、京都御所西側の京都市上京区室町通下立売上る勘解由小路町付近となります(2024年基準地価より)。
東京で類似するエリアを無理やり考えてみましたが、京都御所にちなんで、皇居周辺の千鳥ヶ淵周辺や新宿御苑の東側の内藤町付近がやや類似しているかなとも思いましたが、やはり京都独特のまた一味違う雰囲気と魅力を実感しました。
また、建物についてもバブル期、かつこの土地に相応しい堂々とした佇まいとなっており、敷地面積約2,200㎡に対して、総戸数25戸、4階建、平均専有面積約150㎡と、角住戸が多くゆとりのある造りです。エントランス前はしっかりと屋内の車寄せとなっており(京都では少ない印象)、天井は木調、銅板の屋根風の庇、石貼りの円柱が、京都らしい和の印象と風格を感じさせるマンションの顔を形成しております。外壁は凹凸のあるタイルが全面に施され(バルコニー内にも)、銅製の配管が採用されており、バブル期の造りらしい重厚な外観に仕上がっております。また、京都市内のマンションでは比較的駐車場の整備が低い印象ですが、本物件は地下屋内平置き駐車場が全住戸分以上を確保されているのもポイントです。
京都御所東側の神聖かつ閑静なエリア、三方接道の希少な立地、京都らしさとバブル期を感じ、かつ築年数を経ても色褪せない、寧ろ味が出てヴィンテージ化される重厚な外観、以上を踏まえ、個人的に思わず立ち止まりずっと眺めていたいマンションでした。
鴨川沿い:ザ・パークハウス京都鴨川御所東
本マンションは西側の京都御所と東側の鴨川に挟まれた立地で、その最大の特徴はなんといっても希少性の高い鴨川沿いの西側であることが挙げられます。
鴨川沿い西側は、鴨川はもちろんのこと、如意ヶ嶽を望むことが可能です。つまり、かの有名な五山送り火「大文字」をマンションの自分の部屋で鑑賞することができるわけです。本来、観光としてわざわざ足を運ぶ「鴨川」と「大文字」の両方を自宅に居ながら特等席で鑑賞できるわけですから、その価値は想像に難くないかと思います。実際、新築時の分譲価格は東向き最上階(4階)の角住戸が7億円台半ばで分譲されたことで話題となりましたが、坪単価は同階他の向きの住戸と2倍以上の価格差がありました。同様に中古価格水準についてもおよそ2~3倍の乖離傾向が確認でき、その他周辺同条件(鴨川沿い西側)のマンションについても、大変少ない中古事例ですが、同様の向きによる乖離傾向が確認できます(当然階数によっても異なります)。
「鴨川」+「大文字」の眺望がその価値を最大限に高めていると言って良いでしょうでしょう。

建物の構成は、西側5階建の【本館(美麗)】と東側4階建の【別館(暁)】の2棟が1・2階の廊下で一部接続された配棟となっております。【別館(暁)】においては、エレベーターが3基用意され、1フロア2戸に対して1基のエレベーター(いわゆる二戸一エレベーター)の配置で、プライバシー性に配慮された贅沢な造りとなっております。
敷地面積約5,100㎡、総戸数85戸の低層レジデンス、純和風の外構、エントランスは直接道路に面さず、石畳風の広い車路(車寄せ)の奥まった位置に配置され、防犯面、プライバシー面での配慮が感じられるとともに、京都らしいゆとりと堂々たる風格が感じられる佇まいです。
類似エリアとしては、兵庫県芦屋市の芦屋川付近が実地調査中頭に思い浮かびました。山や川の位置関係はやや異なりますが、きれいに整備された芦屋川とその周辺に落ち着いた低層レジデンス、そしてその街を見守る六甲山により、穏やかな時が流れる雰囲気がどことなく類似していると感じました。
両者ともとても本当に素敵な街です。個人的には老後にゆっくり丁寧に住んでみたい街です。

芦屋川
四条烏丸の中心地:サンクタス四条烏丸スティーロレジデンス

全体外観
京都市の地価最高地点は京都河原町駅近辺となり、西側の烏丸駅の方まで有名企業のオフィスビルや百貨店、ブティックなどが集積する、言わば京都のど真中に佇むマンションです。
四条通からやや奥まった、烏丸駅、四条駅徒歩2分に位置し、市内では他に類を見ない最高水準の利便性を享受できる立地です。
また、京都市内では2007年に新景観政策により建築物の高さが31mまでに制限されており、概ね10階建て前後の高さほどしか建てられません(一部緩和エリアあり)。本マンションはぎりぎり規制がかかる以前の建物のため、非常に希少な14階建てのマンションとなります。基本的にタワーマンションの建設が困難な京都市内においては(一部緩和エリアはあり)、ある意味街中心部の駅近タワーマンションに似た特性を持つマンションとも言えそうです。特に11階以上の住戸は中でも希少と言えるでしょう。南側は高い建物がなく開けており、京都中心部にありながら建物全体的に眺望の解放感が得られるのが魅力です。

建物の特徴としては、各戸玄関前に吹抜けに面した「ウェルポーチ」を設けています。
玄関扉と廊下との境に、天井まである竪格子ドアを設置し二重扉とすることで、共同住宅ながら独立性に優れた邸宅感を感じる造りです。
中心部、駅近のためもはや自動車は不要な立地とも言えますが、一定の駐車場区画が確保されており、屋内地下、出入口はリングシャッター付きとプライバシー性、防犯性に優れた造りとなっております。

マンション専門調査員
今村 浩一
マンション管理会社にて管理組合の運営支援業務、その後、大手不動産仲介会社にて売買仲介営業に従事し、2016年に東京カンテイに入社後現在に至る。
マンション専門調査員として東京都心部を中心に、埼玉県全域、 名古屋市、宇都宮市、高崎市、福岡市、広島市など、約9年間で延べ12,000棟以上のマンションについて現地/データの二面から調査を行う。
趣味はマンション関連のネットサーフィン、モデルルーム巡り、マンション将来価格予想。夢は歴代住んだマンションの模型を部屋に並べてお酒を飲むこと。

賃貸不動産経営管理士
佐伯 知彦
大学在学中より郊外を中心とする各地を訪ね歩き、地域研究に取り組む。2015年大手賃貸住宅管理会社に入社。以来、住宅業界の調査・分析に従事し、2020年東京カンテイ入社。
趣味は旅行、ご当地百貨店・スーパー・B級グルメ巡り。
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