全国市況レポート
注目記事
暮らす
更新日:2024.09.12
登録日:2023.03.23
部分リフォームとは?費用の相場とメリット・デメリットを解説
「部分リフォームではどういうことができるの?」
「古くなった水回りを取り換えたいけど、費用はどのくらいかかる?」
部分リフォームを検討する際には、このように疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
この記事では、部分リフォームについて詳しく解説しています。最後まで読めば、部分リフォームのメリットやデメリット、費用相場などもわかりますよ。ぜひ参考にして、部分リフォームを上手に進めてください。
マンション図書館の物件検索のここがすごい!
- 個々のマンションの詳細データ
(中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧 - 不動産鑑定士等の専門家によるコメント
表示&依頼 - 物件ごとの「マンション管理適正評価」
が見れる! - 新築物件速報など
今後拡張予定の機能も!
部分リフォームとは?
部分リフォームとは?
部分リフォームとは、家の中の一部分を新しく取り替えたり、改修したりすること。家全体をきれいにするフルリフォームとは違い、古くなって劣化した水回りや床、壁などの一部が対象になることが部分リフォームの特徴です。
部分リフォームの例としては、水漏れが起きた水栓の取り替えや、傷やへこみのある床の張り替えなどが代表的。また部分的に耐震補強や断熱工事をする場合にも、部分リフォームが検討されます。
廊下に手すりをつけたり、防音扉を設置したりといった改修工事ができる点も、部分リフォームの魅力のひとつ。部分リフォームは、変化する生活スタイルに合わせてより住みやすい環境を整えるための手段ともいえるでしょう。
リフォームと似た言葉に「リノベーション」があります。リノベーションのほうが、リフォームより大規模な工事であることが一般的です。リノベーションについては以下の記事で詳しく説明していますので、気になる人はチェックしてください。
リノベーションの意味は?リフォームとの違いや費用・流れを徹底解説
部分リフォームのメリット
部分リフォームのメリット
部分リフォームのメリットには、以下の3点があります。
・コストを抑えてリフォームできる
・工事期間が短い
・生活しながらリフォームできる
それぞれの内容について詳しく説明していきますので、部分リフォームを検討する際の参考にしてください。
コストを抑えてリフォームできる
部分リフォームのひとつ目のメリットは、コストを抑えられることです。部分リフォームは工事する場所の範囲が狭いため、フルリフォームと比べて材料費や人件費が少なく済む場合が多いといえるでしょう。
たとえば、ファミリー向けの80㎡のマンションをフルリフォームする場合、費用の目安は約900〜1,300万円となります。しかしキッチンのみの交換であれば、約50〜120万円の予算で済むのが一般的です。(※)
できるだけ安くリフォームしたいなら、老朽化した部分だけに絞って部分リフォームするのがおすすめ。リフォームの際には、家全体の工事が必要なのか部分的に取り替えれば済むのかを、十分に検討する必要があります。
工事期間が短い
部分リフォームのふたつ目のメリットは、工事期間が短いこと。家の一部分のみを工事する部分リフォームでは、それほど時間がかからない場合がほとんどです。
フルリフォームする場合には大規模な工事が必要となるため、工事期間は数カ月程度と長くなりやすいもの。しかし部分リフォームの場合、内容にもよりますが、トイレやキッチンなどの設備取り替えなら1日〜1週間程度で終わることが多いでしょう。(※)
ただし台風などの災害が起きたり、途中で追加工事を希望したりすれば、工事期間が延長される場合がある点には注意が必要です。用意していた設備の仕様やサイズが合わず、さらに時間がかかるといったケースもあります。事前のプランニングで、リフォームの内容を細かく確認しておくことが大切ですよ。
生活しながらリフォームできる
生活しながらリフォームできる
部分リフォームの3点目のメリットは、工事期間中も自宅で生活できる場合が多いことです。大規模な工事を長期間行うフルリフォームは、仮住まいの手配が必要。しかし部分リフォームは、工期が短く生活スペースも確保しやすいため、工事をしながらでも生活しやすいといえます。
ただしキッチンやお風呂など、使えなければ生活に差し支える場所の工事が長くかかる場合は、仮住まいを用意したほうがよいこともあります。部分リフォームを選べば、必ずしも生活しながら工事ができるわけではない点には注意が必要です。
仮住まいの手段はマンスリーマンションやホテル泊などさまざまですが、手続きの時間や費用もかかるため、早めに工事の内容を確認しておきましょう。
鑑定士コメント
リフォームする際には、遅くとも1カ月半〜2カ月ほど前にはリフォーム会社に相談しておくことをお勧めします。実際に工事に取り掛かるまでには、家の調査や見積もり、材料の発注や人員の手配などが必要です。どの程度急いでいるかにもよりますが、「来週からすぐに工事してほしい」などといった希望をかなえることは難しいでしょう。また、管理組合への届け出は必ずしておきましょう。工事日・工事時間・工事内容に制限が無いか、など事前に確認が必要だからです。
部分リフォームのデメリット
部分リフォームのデメリット
メリットが多いように見える部分リフォームですが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の2点です。
・追加費用が必要になる場合がある
・希望通りにリフォームできないケースがある
それぞれの内容について詳しく解説しますので、メリットと合わせて検討してみてください。
追加費用が必要になる場合がある
ひとつ目のデメリットは、あとから追加工事が必要になる場合があること。これはリフォーム全般にいえることですが、床下の老朽化や害虫による被害などは、着工してから発覚することがあります。状態によっては追加工事が必要になり、費用も見積もり時より高くなるでしょう。
追加工事をする場合には、工事期間が延長されることも珍しくありません。施工箇所によっては、あとから仮住まいの手配が必要になることもあります。仮住まいが必要になることで、さらに費用がかかるといったことにもなりかねません。
とくに古い家のリフォームは、追加工事が必要になるケースが多いです。追加工事の可能性があるか、事前にリフォーム業者に確認しておくとよいでしょう。また、費用は余裕を持って準備しておくのがおすすめです。
希望通りにリフォームできないケースがある
部分リフォームのデメリットのふたつ目は、希望通りの工事ができない場合があること。たとえば部屋の間取りを変更したいと思っても、壁や柱のなかには耐震面の理由からどうしても撤去できないものがあります。そのため、希望の間取りに変更できないということも珍しくありません。
またマンションの場合、管理規約でリフォームの禁止事項が決まっている物件もあります。部分リフォームを検討する際には、希望通りの工事ができるか事前にリフォーム業者に確認したり、マンションの管理規約をチェックしたりしておきましょう。
なお間取りの変更などは、部分リフォームというよりリノベーションと呼ばれることが多い内容です。以下の記事では、マンションのリノベーションの費用やメリットを解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
【金額別】部分リフォームの費用相場
【金額別】部分リフォームの費用相場
部分リフォームを検討する際に気になるのが、費用相場。部分リフォームの費用相場は、希望する内容によって変動します。費用相場ごとにどのようなリフォームができるのかを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【10万円以内】リフォーム例
10万円以内でできる部分リフォームには、水栓の取り換えや部品の設置など、半日程度で終わる小規模な内容が多いといえます。詳しい内容については、以下の表をご覧ください。(※1)
【50万円以内】リフォーム例
50万円以内でできる部分リフォームは、フローリングの張り替えやトイレの交換などがあります。詳しい内容は以下の表をご覧ください。(※2)
【100万円以内】リフォーム例
100万円以内の部分リフォームになると、家の外周部分やガレージの設置など、広範囲の工事が可能になります。外周部分の工事は、主に戸建て住宅に住む人が検討する内容です。詳細は以下の表をご覧ください。(※3)
【150万円以内】リフォーム例
150万円以内でできる部分リフォームには、システムキッチンやユニットバスの設置などがあります。工事だけでなく設備自体にもまとまった費用が必要となるため、ほかの工事と比べて高額になる場合が多い内容です。リフォーム例の詳細は、以下の表をご覧ください。(※4)
※1〜4 表はすべて右記を参照:部分リフォームに費用はいくらかかる?
マンションのリノベーションの場合は、間取りごとに費用が異なります。以下の記事ではマンションのリノベーションの費用について詳しく解説しているので、気になる人はぜひ参考にしてください。
鑑定士コメント
部分リフォームの費用を抑えるには、まず優先順位を明確にしておくことが大切です。あれもこれもとリフォーム箇所を増やしてしまうと、当然費用もかさみます。本当にリフォームが必要な部分はどこなのか、リフォーム業者にも相談しながら検討するとよいでしょう。またキッチンやトイレなどの住宅設備や、床や壁に使用する建材のグレードによっても費用が変わります。同居する家族の意見も聞きながら、予算と照らし合わせてリフォーム内容を決定しましょう。
部分リフォームで注意するポイント
部分リフォームで注意するポイント
部分リフォームする際の注意点としては、以下の3点が挙げられます。
・水回りのリフォームは配管に注意
・住みながらリフォームする場合は工期が長引く可能性も
・工事中はほこりや騒音がでやすい
それぞれの内容について詳しく説明しますので、部分リフォームを検討する際には事前にチェックしておくとよいでしょう。
水回りのリフォームは配管に注意
水回りの場所を移動するリフォームは、配管の場所が確保できない場合があるので注意しましょう。水回りを移動した場所まで排水管を繋げられなければ、水を流せないためリフォームはできません。
とくに複数の住戸の排水管が合流する部分があるマンションは、水回りの移動が難しいことが多い建物。排水管の合流部分から遠い場所に水回りを移してしまうと、水の流れが悪くなることがありますよ。
また、排水管は勾配差をつけることで汚水を排出していますが、勾配差の基準は各自治体によって明確に定められています。リフォームの際に勾配差の基準を満たせなければ、水回りの移動ができないことも注意点のひとつ。水回りの移動を検討する際には、工事ができるかどうか専門業者に相談しましょう。
住みながらリフォームする場合は工期が長引く可能性も
工事する家に住みながらの部分リフォームは、仮住まいを用意した場合に比べて工期が長引くことがある点には注意しましょう。なぜなら工事現場に住人がいれば、業者側としても住人への配慮が必要となるためです。
作業スペースを確保するために家具や家電を移動させたり、ほかの部分に傷や汚れがつかないよう養生をしたりと、住人がいるなかでの工事はさまざまな準備が必要。準備に時間を取られれば、結果的に工期が長くかかってしまうでしょう。
なお、工期が長引けばそのぶん人件費もかかるため、リフォーム費用が高くなる場合もあります。住みながらの工事では長引きそうな場合は、仮住まいの手配も検討するとよいでしょう。
工事中はほこりや騒音がでやすい
工事中はほこりや騒音がでやすい
リフォームする部分を解体する際には、ほこりや騒音が出ることは避けられません。とくに自宅に住みながらの部分リフォームでは、ほこりや騒音が生活に影響を及ぼしやすいことも注意点のひとつです。
部分リフォームの際には、工事する場所の周辺が汚れないためにブルーシートを敷いたり、家具や家電に養生をしたりすることが多いです。そのため工事中には、周辺の家具や家電が使えなくなる場合があることは気に留めておきましょう。
また、マンションでの工事や戸建て住宅の外壁工事などは、騒音によって近隣住民にも迷惑が掛かることがあります。リフォームによる騒音が予想される場合には、工事が始まる1週間前には近隣に挨拶しておくのがおすすめです。
まとめ:上手に部分リフォームして理想の部屋にアップデートしよう
まとめ:上手に部分リフォームして理想の部屋にアップデートしよう
家が古くなってくると、さまざまな箇所が老朽化してトラブルが起こりやすくなります。部分リフォームなら、コスト面や生活面にも負担がかかりにくく、フルリフォームと比べると気軽に快適な生活を手に入れられますよ。
部分リフォームのメリットや注意点、価格相場などを理解しておけば、スムーズに手続きや工事が進められます。上手に部分リフォームして、自宅を理想の環境にアップデートしてください。
参考文献・サイト
選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 基礎編
選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 実践編
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
公式SNSをフォローすると最新情報が届きます
あなたのマンションの知識を確かめよう!
マンションドリル上級
あなたにとって一生で一番高い買い物なのかもしれないのに、今の知識のままマンションを買いますか??後悔しないマンション選びをするためにも正しい知識を身につけましょう。
おすすめ資料 (資料ダウンロード)
マンション図書館の
物件検索のここがすごい!
- 個々のマンションの詳細データ
(中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧 - 不動産鑑定士等の専門家による
コメント表示&依頼 - 物件ごとの「マンション管理適正
評価」が見れる! - 新築物件速報など
今後拡張予定の機能も!
会員登録してマンションの
知識を身につけよう!
-
全国の
マンションデータが
検索できる -
すべての
学習コンテンツが
利用ができる -
お気に入り機能で
記事や物件を
管理できる -
情報満載の
お役立ち資料を
ダウンロードできる
関連記事
関連キーワード
カテゴリ
当サイトの運営会社である東京カンテイは
「不動産データバンク」であり、「不動産専門家集団」です。
1979年の創業から不動産情報サービスを提供しています。
不動産会社、金融機関、公的機関、鑑定事務所など
3,500社以上の会員企業様にご利用いただいています。