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更新日:2023.11.22
登録日:2023.11.22

劣化対策等級とは?長く住み続けられる住宅を選ぶための知識を解説

劣化対策等級とは?長く住み続けられる住宅を選ぶための知識を解説

住宅を選ぶ際、立地や間取り、耐震性能などをこだわる人は多いかもしれません。これらの内容は重要ですが、どれだけ長く住めるかという視点から「劣化対策等級」を確認することも重要です。

本記事では、劣化対策等級とは何か、メリットや評価の内容について詳しく解説します。劣化対策等級で求められる基準についても解説するので、劣化対策等級について知りたい人はぜひ最後までご覧ください。

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劣化対策等級とは?

劣化対策等級とは?

劣化対策等級とは?

劣化対策等級とは、住宅性能表示制度の中の評価項目の1つです。住宅は長年利用すると必ず劣化します。しかし、住宅に使用されている材料や構造次第では、劣化を防いで長持ちさせることも可能です。

 

劣化対策等級は、これらの劣化対策の性能を評価するための等級です

 

ここでは、劣化対策等級の概要や劣化対策等級に関わる住宅性能表示制度について詳しく解説します。

劣化対策等級の概要

劣化対策等級とは、建物の劣化に対する対策が行われているかを評価する項目です。主に柱や梁、壁などの構造躯体に使用されている材料に着目して、どの程度劣化を軽減する対策が施されているかを評価します。

 

なお、評価は日常的に清掃や点検、補修が行われることを前提として行われます。劣化対策等級は1~3等級に分かれており、3等級がもっとも優れた等級です。

 

劣化対策等級が定められた建物は、長期的に劣化に対する耐性があります。しかし、等級によってその効果は大きく異なるため、住宅を選ぶ際は劣化対策等級のうちどの等級かまで確認しましょう。

住宅性能表示制度とは

住宅性能表示制度とは、住宅の性能を評価して表示するための基準や手続きを定めた制度です。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづき、「日本住宅性能表示基準」「評価方法基準」などの共通ルールによって住宅の性能評価や表示を行います。

 

客観的な評価を行うために、性能評価は登録住宅性能評価機関として登録された第三者機関が行います。性能評価が行われると、その結果として住宅性能評価書が交付されるのが特徴です。

 

住宅性能評価書を確認することで、住宅の性能に関する専門的な知識がない住宅の購入者が客観的に性能を評価できます。住宅性能評価書には下記2種類があり、それぞれ評価を行ったタイミングが異なります。

 

種類

評価を行うタイミング

設計住宅性能評価書

設計図書の段階

建設住宅性能評価書

施工段階と完成段階の検査を経た段階

 

劣化対策等級のメリット

劣化対策等級のメリット

劣化対策等級のメリット

劣化対策等級には、下記のようなメリットがあります。

 

・住宅の性能を比較できるようになる

・住宅ローンや地震保険が控除されることがある

・トラブルを防ぎやすい

 

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

住宅の性能を比較できるようになる

住宅を選ぶ際、誰しもより良い住宅を選びたいと考えるでしょう。しかし、実際に性能が良い住宅を選ぶためには、住宅に関する専門的な知識が必要です。

 

劣化対策等級が定められた住宅であれば、ほかの住宅と性能を比較することができるため、より良い住宅を選ぶことができます。項目も別れているため比較すべき場所がわかり、劣化対策等級をもとに性能の内容について詳しく聞けます。

 

劣化対策等級の評価は登録住宅性能評価機関が行うため、別々の会社が建築した住宅であっても同一の指標で性能を比較することが可能です。第三者機関が評価しているため、公正なデータで比較できます。

住宅ローンや地震保険が控除されることがある

劣化対策等級は長期優良住宅の条件の一つでもあるため、長期優良住宅の基準を満たすことで住宅ローンや地震保険の支払いの一部が控除されるというメリットがあります。長期で住めて、かつ優遇を受けられるのは大きなメリットでしょう。

 

また、劣化対策等級が定められた住宅は長期的に住むことが前提の住宅であるため資産価値が落ちにくいです。劣化対策等級が定められていない一般住宅と比べると、売却額も高くなる傾向にあります。そのため、住宅ローンの審査に通りやすく低金利のローンを組みやすいというメリットもあります。

トラブルを防ぎやすい

劣化対策等級が定められた住宅には、建設住宅性能評価書が交付されます。建設住宅性能評価書が交付された住宅は、万が一トラブルが発生した際に「指定住宅紛争処理機関」にトラブル対応を依頼できます

 

指定住宅紛争処理機関とは、国土交通省が指定した機関です。建設住宅性能評価書が交付された住宅において請負契約や売買契約に関する紛争が発生した際に、紛争のあっせんや調停、仲裁を行います。

 

建設住宅性能評価書が交付されていない住宅でトラブルが発生した際、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターや国民生活センターなどに相談するのが一般的です。

 

これらの機関に相談すると、最終的に裁判を行わなければならない可能性もあります。裁判を行うのは時間面や金銭面で大きな負担になるでしょう。指定住宅紛争処理機関であれば裁判を行わずに住宅の紛争を処理できます。

劣化対策等級の評価

劣化対策等級の評価

劣化対策等級の評価

劣化対策等級の評価は、1〜3の等級があります。それぞれの等級の性能について詳しく解説します。

等級3

等級3は最も高い等級であり、想定される自然条件下及び維持管理の条件のもとでおよそ3世代まで、大規模な改修工事を必要としません。年数で言うと、75〜90年程度です。これだけの長い期間にわたって劣化への対策が講じられているのが等級3です。

等級2

等級2は、想定される条件のもとで2世代にわたって劣化対策ができる等級です。等級3ほどの劣化対策は行われていませんが、大規模な改修工事が必要とするまでの期間を50〜60年程度伸長することができます。

等級1

等級1は、建築基準法定める劣化対策が講じられている住宅に認められる等級です。劣化対策等級の中では最低限の劣化対策ではありますが、それでも1世代(25〜30年程度)にわたって大規模な改修工事が必要ない住宅です。

鑑定士コメント

劣化対策等級の等級によって何が違うのでしょうか、?劣化対策等級は、等級によって住宅の耐久性が異なります。等級3であれば75〜90年、等級2であれば50〜60年、等級1であれば25〜30年と等級が上がるほど住宅の耐久性が向上します。

劣化対策等級で求められる基準

劣化対策等級で求められる基準

劣化対策等級で求められる基準

ここでは、劣化対策等級で求められる基準について、以下の3つの構造別に解説します。

 

・鉄骨造

・鉄筋コンクリート造

・木造

 

ひとえに住宅といっても、さまざまな構造があります。劣化対策等級についても、住宅の構造によって求められる基準や評価方法が異なるため注意が必要です。

鉄骨造

鉄骨造の場合、住宅の基礎となるのは鉄骨です。鉄骨は鋼材であるため、さびなどの劣化が現れる材料です。

 

そのため、鉄骨がさびないような対策が行われていることを評価します。例えば、水分や空気中の物質によって錆が発生しないように、メッキや塗装などに工夫が施されているか、換気が行われているかなどを確認します。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造の場合は、鉄骨造と同様に鋼材のさびを軽減することが重要です。鉄筋コンクリートは鉄骨がコンクリートに覆われているため、コンクリートの質が鋼材の劣化につながります。

 

鉄筋コンクリートでは、コンクリートの厚さや強度が確保されているか、適切な外装材が使用されているかなどが評価項目です。

木造

木造の場合は、木材が腐朽する、シロアリによる食害が発生するなどして劣化が進みます。そのため、これらの被害への対策が評価されます。

 

水分が集まって木材を腐朽させないように通気・換気しやすい構造になっているか、高耐久の木材が使用されているかなどが評価の対象です。

鑑定士コメント

長期優良住宅では、劣化対策等級はいくつでしょうか?長期優良住宅と認定されるには、劣化対策等級の等級3の基準を満たす必要があります。これは、どのような構造の住宅か、新築・既存の住宅かに関わらず全ての住宅において定められた基準です。

まとめ:劣化対策等級を把握して、マンションの売買に活用しよう

まとめ:劣化対策等級を把握して、マンションの売買に活用しよう

まとめ:劣化対策等級を把握して、マンションの売買に活用しよう

劣化対策等級は、住宅の耐久性に関わる劣化に対する対策の等級を表したものです。劣化対策等級によって、それぞれの住宅の性能を客観的に比較できます。

 

劣化対策等級は、住宅の資産価値にもつながる項目です。住宅の劣化対策等級を把握して、マンションの売買に活用しましょう

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

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解説

建物の構造体は建物の利便性を確保するものではありません。

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