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更新日:2026.03.16
登録日:2026.03.16

神社再生プロジェクトとの一体開発が生み出す、環境先進×災害レジリエンス向上
マンション図書館員が聞いてみた!

神社再生プロジェクトとの一体開発が生み出す、環境先進×災害レジリエンス向上
マンション図書館員が聞いてみた!

「小山」の名の通り、小高い丘から「しながわ百景」を望む地での暮らし――住宅街と緑の空間が静けさをもたらしつつ、お祭りのときには神輿がまちを練り歩く活気も持ち合わせています。これらを叶えるのが、小山八幡神社再生プロジェクトとの一体開発です。
東急不動産は、東京都品川区で分譲マンション「ブランズ西小山」を建設中。2025年12月から第一期販売を開始し、2026年8月の引き渡しを予定しています。同物件は、約1,000年の歴史を持つ小山八幡神社の敷地の一部に定期借地権を設定し建設するものです。小山八幡神社にて社殿などの修繕・建替といったリニューアルも行い、借地料で神社の収入にも寄与する事業スキームを採用しました。地域インフラとなっている神社の施設更新・運営を持続的に支える意義がある一方で、地域に親しまれてきた地だからこそ配慮すべき点もあります。同社初となる神社再生事業型の環境先進マンションに挑む、住宅事業ユニット 首都圏住宅事業本部 分譲計画部 事業企画グループの山中健史課長補佐と、同 熊谷友之主任(以下敬称略)にお話を伺いました。

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「小山の丘」に建つマンション

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    「ブランズ西小山」外観

    エントランスラウンジ

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――神社再生事業型の環境先進マンションである「ブランズ西小山」は、「第一種文教地区」「第一種低層住居専用地域」に位置し、厳しい建築制限で静かな住環境が確保されていることに加え、「しながわ百景」に指定された高台からの眺望を持ち合わせた、全国的にも稀有な立地にあります。この立地を生かした計画のポイントを教えてください。

 

熊谷:立地の希少性を核にした「小山の丘」というコンセプトを掲げました。マンションエントランスのある通りには神社の石造りの玉垣が並んでおり、マンション外観でも玉垣と調和するデザインとしています。具体的には、外構の植栽の基壇部を石積みにして、物件の外壁タイルの素材も石の質感に寄せています。自然との調和というと木を使う発想もありますが、この場所に溶け込むデザインとしては石やタイルの採用が最適と判断しました。また、神社境内にある想定樹齢200年超の大樹2本の間にマンションエントランスを配置して、神社とマンションが連続した外観となるよう工夫しました。セキュリティ上、マンションの背面となる高台側にはフェンスを巡らせていますが、外側にフェンスが目立たなくなるような植栽を設けて、あえて境界をあいまいに見せています。

植栽計画では生物多様性を考慮し、例えば、地域の在来種の樹種を選定・配置するなど、生態系・環境保存に繋がる計画としました。これらはマンション用地として我々がお借りする土地に限ったものではなく、小山八幡神社含めた全体の取り組みで景観づくりのお手伝いをしています。従来から神社の敷地一帯は、地域に開かれた憩いの場所でした。マンションが建ったあとも、その役割を継続しつつ新しい住人も溶け込めるようにする配慮は、今回の事業ならではと言えるでしょう。「しながわ百景」の眺望は、マンションからの眺望でもありアピールポイントの一つではありますが、これまでと同じように地域の方にも楽しんでいただけるような配置計画としています。

建物・ランドスケープのデザイン監修はアーキサイトメビウスが担当し、東急不動産グループである造園会社・石勝エクステリアに樹種の選定など含めて協業してもらいました。

 

敷地配置図

敷地配置図

災害からの復旧・復興力向上を叶える環境性能

――「ZEH-M Ready」と全住戸「ZEH Ready」取得予定で、それぞれ基準を満たすのは品川区初※となります。

 

山中:「ZEH-M Ready」では一次エネルギー消費量を建物全体で50%以上削減、「ZEH Ready」では住戸ごとに50%以上削減する必要があります。高断熱・高効率設備導入による省エネに加え、創エネの確保も必須となるため、屋上に太陽光パネルを導入したほか、各住戸に発電能力を備えた高効率給湯器「エネファーム」を採用して日照・時間に左右されない発電で補完しています。創エネ要件のない「ZEH-M Oriented」の取得よりも計画上の難易度は上がっています。

 

熊谷:ZEH認証を取得するためだけに太陽光パネルなどを設置するのではなく、それらの設備によって災害レジリエンスを向上させるという目的があります。小山八幡神社は高台にあるため、地域の避難場所としての機能も持っているようです。そういった安全な立地で暮らすことのメリットを「ブランズ西小山」の性能によって底上げし、お住まいになる方へご提供したい。例えば、蓄電池を共用部だけでなく各住戸に設置することで、災害時にも太陽光発電から電力を供給し、住戸内での一定の生活を送っていただけるような工夫をしています。

 

山中:先ほどお話した「エネファーム」も、災害レジリエンス向上に寄与しています。停電時であっても、ガスを使って各住戸へ電力を供給できます。

 

※MRC調べ(2025年4月時点)

 

歴史ある建物はそのままに、後世につなぐ支援

――小山八幡神社のリニューアル内容について教えてください。

 

熊谷:小山八幡神社様にて、建物をそのまま移動させる曳家技術を用いて歴史ある社殿と神楽殿を改修・保存、社務所の新築をされています。松井建設様の社寺建築部が設計・施工・監修を担当されています。また当社では、マンションの外構工事に加え、神社境内の外構整備も一連の工事として実施します。神社様のお祭りなどの行事がとても盛んなので、祭事にどれくらいのスペースが必要なのかなどを神社様にヒアリングしながら敷地構成を考えました。神輿を担いで裸足になっても安全に歩けるような植栽に、といった要望も取り入れています。なお、このリニューアル工事で発生した伐採樹をマンションのエントランスラウンジに設置するアートなどに活用させていただく予定です。

 

――神社再生プロジェクトとの一体開発という事業スキームをどのようにお考えですか。

 

熊谷:一定の収入が見込みづらい神社にとっては、建物の維持管理をはじめとした運営は大きな課題かと思います。小山八幡神社様も、老朽化が進む建物と広い敷地の植栽管理にお困りでした。そうした状況に対して、敷地の一部に定期借地権を設定し、地代によって神社運営を安定することができる今回のようなスキームは意義深いことだと我々は考えており、神社様にもご理解いただけていると思います。

 

新ZEH基準を先取り、選ばれる「BRANZ」へ

お客様に、「ブランズがいい」と思っていただくのが目標

お客様に、「ブランズがいい」と思っていただくのが目標

――「ブランズ西小山」で得られた知見は、今後どのように展開されていくでしょうか。

 

熊谷:寺社建築がからむ事業は当社として経験がありませんでした。かつ、曳家技術を用いた神社再生プロジェクトとの一体開発という点では、他社にも見られない事例でしょう。後世のことを考えれば、歴史ある建物の保存・改修は欠かせない視点です。ハード・ソフトの両面で地域と調和する手法や合意形成のプロセス、定期借地権スキームの運用といった知見も併せて、同様のお困りごとに応えていければと思います。さらに、「ブランズ西小山」を通して、当社の分譲マンションブランド「BRANZ(ブランズ)」が提供する、高い環境性能と安心・安全な住環境を発信していきたい。お客様に、「ブランズがいい」と思っていただくのが目標です。

 

山中:BRANZブランドはいま、「環境先進と未来資産」というコンセプトを掲げています。「未来資産」とは、時間や環境変化、突発事態に対して価値が目減りしにくい住まいをつくることです。その考えにもとづいて、国が2027年度から導入する新基準「GX ZEH」を先取りし、標準化しました。省エネ・創エネの強化は、環境負荷の低減にとどまらず、エネルギー価格の変動に強い家計、停電時にも暮らしをつなぐ自立性、将来の制度変更への適応力といった“時間に耐える力”を住まいに組み込む取り組みです。その第一歩が「ブランズ西小山」。この地の歴史と当社の方針が結びつき、環境先進と、被災後の復旧・復興力を兼ね備えた「未来資産」の具体像を提示できたと考えています。ここから、環境性能を「未来の安心と価値の持続」にしながら、より良い住まいをお客様にお届けしていきます。

 

「BRANZ」など東急不動産の住まいに関する情報を、公式noteで発信しています。 

熊谷 友之 氏(写真左)と山中 健史 氏(写真右)

熊谷 友之 氏(写真左)と山中 健史 氏(写真右)

山中 健史 氏(写真右)

東急不動産株式会社 住宅事業ユニット 首都圏住宅事業本部 分譲計画部 事業企画グループ 課長補佐

2010年東急不動産入社。本社と札幌支店で分譲マンション事業企画に従事したのち、経理部門を経て、「Shibuya Sakura Stage」の再開発事業に携わる。2023年より現職。2025年4月から「ブランズ西小山」を担当している。

 

熊谷 友之 氏(写真左)

東急不動産株式会社 住宅事業ユニット 首都圏住宅事業本部 分譲計画部 事業企画グループ 主任

2018年東急不動産入社。ウェルネス事業ユニットでリゾート施設の運営・事業管理に従事したのち、2023年より現職。「ブランズ西小山」の初期計画段階から携わる。

 

藤谷 有希

マンション図書館専属ライター

藤谷 有希

建設業界紙記者、建築系書籍の編集業務に従事したのち、2023年東京カンテイ入社。市場調査部・研究員として、市況レポートや会員向け冊子の作成にあたっている。日本経済新聞、『グッド!モーニング』等に掲載・出演実績あり。

休日はおいしい食べ物を目指して街を歩く。スコーンやクッキーを見つけると、とりあえず買ってしまう。

今村 浩一​

マンション専門調査員

今村 浩一​

マンション管理会社にて管理組合の運営支援業務、その後、大手不動産仲介会社にて売買仲介営業​に従事し、2016年に東京カンテイに入社後現在に至る。​
マンション専門調査員として東京都心部を中心に、埼玉県全域、 名古屋市、札幌市、福岡市、広島市、宇都宮市、高崎市など、​延べ15,000棟以上のマンションについて現地/データの二面から調査を行う。​
趣味はマンション関連のネットサーフィン、モデルルーム巡り、マンション将来価格予想。​夢は歴代住んだマンションの模型を部屋に並べてお酒を飲むこと。​

佐伯 知彦

賃貸不動産経営管理士

佐伯 知彦

大学在学中より郊外を中心とする各地を訪ね歩き、地域研究に取り組む。2015年大手賃貸住宅管理会社に入社。以来、住宅業界の調査・分析に従事し、2020年東京カンテイ入社。
趣味は旅行、ご当地百貨店・スーパー・B級グルメ巡り。

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