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更新日:2025.09.19
登録日:2025.09.19

いま、家族と一緒に住まいを選ぶ:マンション図書館館員が聞いてみた!

いま、家族と一緒に住まいを選ぶ:マンション図書館館員が聞いてみた!

家族との住まい、どうやって決めましたか? 「キッチンは対面式がいいな」「電車通勤だから駅近が絶対」「近くに大きなスーパーがほしい」「ウォークインクローゼットがほしい」…何を大切にするかは人それぞれ。同じ家族であっても、住まいに求めることまで同じとは限りません。加えて、まだまだ住宅価格が高い水準にあり、住宅購入のハードルが上がっているようにも見えます。今回は、2025年4月に「住まいサポート部」を新設したりそな銀行へ、現在の購入事情を伺いつつ、住まい選びに役立つ同社の新サービスについても教えていただきました。お話いただくのは、株式会社りそなホールディングス グループ戦略部 グループリーダー/株式会社りそな銀行住まいサポート部 グループリーダーの河津崇臣氏(以下敬称略)です。

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株式会社りそなホールディングス グループ戦略部 グループリーダー 株式会社りそな銀行住まいサポート部 グループリーダー  河津 崇臣 氏

株式会社りそなホールディングス グループ戦略部 グループリーダー 株式会社りそな銀行住まいサポート部 グループリーダー  河津 崇臣 氏

高値が続く住宅市場、「リノベ前提」「通勤しやすい郊外」がトレンドに

――実需層の現在の住宅購入事情を教えてください。

 

河津:住宅市場は引き続き高値圏にあります。特に都心部のマンション価格は過去最高水準を更新しており、共働き世帯でも購入が難しいケースが増えてきました。大手不動産事業者様の決算も好調で、しばらくは価格水準が下がらないと予測されます。その中で、「どう生活したいか?」を考えて「都心近郊エリア」「中古物件」や「戸建てへのシフト」を検討している方が増加し、選択の幅が変わってきていると考えられます。

住宅ローンの申し込み状況は、当社では前年対比プラスで推移していますが、不動産価格上昇の影響もあり、エリアによっては伸びが鈍化している様子が見られます。日銀の政策変更による長期金利の上昇も影響し、変動金利型ローンの金利は緩やかに上昇していますが、固定金利型が同様に上昇していることもあり、変動型と固定型との金利差が引き続き大きいので、依然9割超の方が変動金利型を選択している状況です。我々としても、変動金利の上昇によってこれまでの傾向が大きく変わったようなことはありません。一方で、ペアローンの利用は都心を中心に全体の約3割にまで増加してきました。各金融機関においては、頭金不要なローンや所得合算枠の審査に対する変更も見られませんので、実需層の住宅購入を支援する姿勢は変わらないと思われます。

今後の購入者マインドがどうなっていくのか注視する必要はありますが、トレンドとしては「リノベ前提での中古物件購入」「通勤しやすい郊外エリアへの注目」のほか、災害リスクや地盤情報など立地の安全性に対するニーズの高まりが挙げられます。

 

「少し先の将来」を見据えてじっくり選ぶ

――住宅を購入する際、何を大切にしたら良いでしょうか。

「住み替え需要が高まる中でも、最初の住宅を納得して購入すること」

「住み替え需要が高まる中でも、最初の住宅を納得して購入すること」

河津:今だからこそ、最も大切なのは「無理のない資金計画」と「家族のライフスタイルに合った住まい選び」です。価格が高止まりしている現状では、「無理すれば買える家」を焦って選ぶのではなく、ご家族、特にご夫婦で納得し、長く住める住宅をじっくり選ぶことが重要です。一方で住み替え需要も高まっており、当社の調査において、東京都では購入から10年以内に約2割の方が住み替えています。我々としても、住み替えを望むお客様へのお手伝いは従来以上に力を入れていますが、一義的には、最初の住宅を納得して購入することが非常に重要です。

そうは言っても、老後のことまでを予想して住宅を購入することは現実的に難しいので、手が届く範囲の未来、例えばお子様が高校生になるまで、独り立ちするまでなど「少し先の将来」について、できる限り思いを巡らせ、後悔の少ない選択ができると良いでしょう。結果的に限られた時間の中で決断を迫られることもありますが、本来、家探しは楽しいイベントのはずです。普段は面と向かってご夫婦で話し合う機会が少なくても、2人で1つの重要な意思決定を、落ち着いてしてもらえたらと思います。納得して選んだ住宅ならば、愛着を持って手入れをしながら住んでいただけるので、資産性の維持も期待できます。

国内初! 2人で住まいを決めるためのサポート

河津:「おうちかいぎ」は、「物件を紹介すること」を最も重要な目的には置いていません。「パートナー間で納得し合いながら大きな選択をすること」を提供価値とした、国内初のサービスです。住宅を購入しようと思い立ったときから、購入に必要な知識などを2人でしっかり話し合うきっかけやテーマを提供し、「2人で決めるプロセス」をサポートします。

具体的には、はじめに各々が想定しているライフプランや家に求める機能を入力したのち、2人の意見や考えを並べて見られるようにしています。お互いのギャップを見える化し、優先順位をつけながらギャップを埋めていくことを目指します。加えて、現在支払っている家賃をベースに月々のローン支払額を踏まえた物件価格も算出し、「ふたりのこだわり条件」を作成するという流れです。このほか、実際に物件を見に行った際に活用できるメモ機能もあります。内覧時に感じた、良かったところ・モヤモヤしたところを保存して、あとから他の物件と比較するのに活用できます。物件ごとに写真を記録いただくことも可能です。

 

おうちかいぎ|二人の住まい選び、そのまんなかに。

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    おうちメモ機能。内覧で確認したほうがいい観点の予習にも

    内覧した物件を評価、並べ替え

    物件ごとのおうちメモに写真を追加する機能も搭載

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河津:当社は、2025年4月に住宅ローンビジネスを担う部門を中心とした「住まいサポート部」を設立しました。「住まい」を冠した部署は、国内の銀行ではほとんどありません。家探しをライフプランの一部と考えている当社にとって同部署の設立は、ローンの提供をしたその先も、お客様の人生と長く伴走していく決意表明なのです。「おうちかいぎ」は、それが最も顕著に表れたサービスであると言えます。

「おうちかいぎ」では今後、おすすめエリアの提示や、不動産業者様など異業種との連携も検討しています。住宅ローンを通して継続的にお客様と接点を持つことができる金融機関だからこそ、住まいの資産性維持や流通活性化に貢献したい。ひいては住宅市場、日本経済の活性化にもつなげたいと考えています。

 

藤谷 有希

マンション図書館専属ライター

藤谷 有希

建設業界紙記者、建築系書籍の編集業務に従事したのち、2023年東京カンテイ入社。市場調査部・研究員として、市況レポートや会員向け冊子の作成にあたっている。日本経済新聞、『グッド!モーニング』等に掲載・出演実績あり。

休日はおいしい食べ物を目指して街を歩く。スコーンやクッキーを見つけると、とりあえず買ってしまう。

今村 浩一​

マンション専門調査員

今村 浩一​

マンション管理会社にて管理組合の運営支援業務、その後、大手不動産仲介会社にて売買仲介営業​に従事し、2016年に東京カンテイに入社後現在に至る。​
マンション専門調査員として東京都心部を中心に、埼玉県全域、 名古屋市、札幌市、福岡市、広島市、宇都宮市、高崎市など、​延べ15,000棟以上のマンションについて現地/データの二面から調査を行う。​
趣味はマンション関連のネットサーフィン、モデルルーム巡り、マンション将来価格予想。​夢は歴代住んだマンションの模型を部屋に並べてお酒を飲むこと。​

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