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2023.10.28

マンションの未来を考える【りそな銀行】

マンションの未来を考える【りそな銀行】

「マンションの未来を考える」では、マンションを取り巻く環境について、現在から少し先の未来、さらに10年、20年先の未来の姿について、マンションに関わっていただいている様々な業界、業種の皆様から、多角的に語っていただこうと思っております。第二回目は、株式会社りそなホールディングス グループ戦略部 グループリーダー/株式会社りそな銀行 ライフデザインサポート部 グループリーダー 河津 崇臣 様(以下敬称略)にお話しを伺いました。

株式会社りそなホールディングス グループ戦略部 グループリーダー/株式会社りそな銀行 ライフデザインサポート部 グループリーダー 河津 崇臣 様(以下敬称略)

株式会社りそなホールディングス グループ戦略部 グループリーダー/株式会社りそな銀行 ライフデザインサポート部 グループリーダー 河津 崇臣 様(以下敬称略)

人生100年に寄り添う伴走者として

ーーライフデザインサポート部の設置目的と業務内容について教えてください。

 

河津:ライフデザインサポート部は、コンシューマービジネス部とローン事業部を統合して2021年に設置しました。お客様の人生100年に寄り添う伴走者として、多様な困りごとへの総合的なコンサルティング機能提供など、資産形成・ローンビジネスの一層の深堀・差別化を目的としています。従来2つであった部署が1つとなり、個人のお客様へどのような価値を提供していくか、ベクトルを合わせて、りそな銀行としての新しい流れをつくろうとしています。

 

――りそな銀行の住宅ローンの特徴や、お客様から好評を得ている点は何でしょうか。

 

拠点のご相談機能という観点では、不動産業者様向けのローンプラザの他に、土日や平日の仕事終わりの時間でもご相談を承るセブンデイズプラザを設けています。住宅購入は一生のうちに何度もあるわけではない大きなイベントですし、家計を見直すタイミングでもあります。忙しい中でもしっかりとご相談いただけるため、ご好評をいただいております。

商品面では、特別な団体信用生命保険がセットになった住宅ローンの「団信革命」があります。3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)だけではなく、さまざまなリスクを広くカバーします。また、就業不能期間なしでの保険金のお支払いが可能であることが特徴です。

変化する生活者の意識と住宅市場

――近年の住宅市場をどのように捉えていますか。

 

コロナ禍において最初の緊急事態宣言が発出された2020年4月以降、マーケット全体として住宅ローン需要がストップしたように思われました。2021年はその反動として、たまっていたマグマが噴き出すように需要が増大しました。現在は、コロナ以前と比較しても底堅く推移していると捉えています。購入エリアでは、2021年以降は郊外の新築戸建への流出が確かに進行していました。しかし、だんだんと郊外の住宅も価格が上昇する中で、新築だけでなく中古も視野に入れたお客様が増加し、2023年に入ってからは住宅購入者の中でも都心回帰が見え始めました。この方々は、ご自身のライフプランを照らし合わせながら、従来以上に見極めた物件の選択をされていると感じます。特にマンションは、将来の資産性を重視されている方が増えていて、今後その傾向は強まるでしょう。住宅購入がゴールではないことを示しているのだと考えています。個人的には、「老後2,000万円問題」から潮目が変わったように思います。単身世代であれば動きやすいように戸建よりマンションを、駅至近で利便性を高く…でも新築では手が届かないから中古を、といったようにリテラシーの高い方がご自身なりの理屈を組み立てながら購入する物件を選択されている印象です。

 

金融緩和の修正による生活者の変化

――2022年12月には、日本銀行が大規模な金融緩和の一部修正を決定しました。その後のお客様の動きはいかがでしたか。

 

個人のお客様や不動産業者様のご相談状況は、想定よりは落ち着いていた印象です。2023年に入ってからも変動金利を選択される方が多い現状に変化はありませんが、固定金利を選択される方の割合は増加しています。今後は、フラット35の選択も増えてくるのではないでしょうか。また、米国の銀行破綻を発端とした金融不安を受けて、変動金利と固定金利の水準がそれぞれどのように決まっているのかといったご相談も増えそうです。住まい方や社会情勢が変化していく中では、ローンの借り方や期間も変化していくことが予測されます。お客様に合ったご提案ができるよう、今まで以上にしっかりと対応していきたいと考えています。

――社会情勢が変化していく中で、住まい(マンション)の今後をどうご覧になっていますか。

 

マンションはそもそも、多くの方が資金を出し合って生活利便性を最大化する仕組みであり、その観点では引き続きマンション需要は続くと見ています。ただ、これからの新築マンションはコンセプト設定が難しくなるのではないでしょうか。以前は、ファミリー向け、単身向け、シニア向けなどターゲットを絞ったマンションが多かったように思いますが、その視点ではもはやニーズを満たせない。立地が良いのは当たり前で、多世代で過ごしやすいマンションが残っていくのだと思います。ライフプランの各ステージに応じて、マンションを使い分ける方も増えてくるかもしれません。「終の棲家」としてのマンションの姿は薄れていくのでしょう。

中古マンションでは、大規模修繕や建て替えの事例が増加しており、当社にも大手デベロッパー様を中心に建て替えのご相談をいただいています。息が長い事業ですので、金融機関の立場としては取り組むことが難しい事例はありますが、当社はプロジェクト単位で参加し、場合によっては住民説明会にも同席します。デベロッパー様と二人三脚で、丁寧にご対応しています。

マンションから離れてしまいますが、中古住宅市場が今後どうなっていくのかは注目しています。在庫はあるはずなのに、なぜ選ばれないのか? 中古戸建の需要が動けば、中古マンション需要はそれ以上に動くはずだと考えます。供給側である作り手の方が減少していく中、中古戸建の活用が、市場活性化のポイントになると個人的には見ています。金融機関としても貢献できることを考えなくてはなりません。

SDGsとマンション、りそなグループの取り組みとは

りそなのSDGs〜りそなのりそう~|サステナビリティ|りそなホールディングス

りそなのSDGs〜りそなのりそう~|サステナビリティ|りそなホールディングス

りそなのSDGs〜りそなのりそう~|サステナビリティ|りそなホールディングス

――マンションの今後を語る上では、SDGsの視点もあります。

 

りそなグループはサステナビリティ長期目標として、2030年までにリテール・トランジション・ファイナンス(SXローン)累計実行額10兆円を目指しています。SXはサステナビリティ・トランスフォーメーションを指し、「持続可能な社会に向けた世の中の変化を先取りし、企業のビジネスモデルや個人のライフスタイルを自ら変化させていくこと」と整理しています。住宅分野では、脱炭素に貢献するZEH・太陽光発電システム設置の住宅、耐震・耐久性に優れた住宅のご購入が対象です。2023年4月からは、SX専用商品として「りそなSX住宅ローン」の取り扱いを開始します。金利の引き下げや、太陽光発電を設置した物件を対象に3年間の日照保証を無料とするサービス、住宅のリフォーム・メンテナンス費用の割引、国内外の施設を割引価格で利用できるような会員制優待サービスをご用意しています。お客様の住宅購入に関わる各ステージにおいて、環境配慮住宅に関する情報やサービス提供を行い、お客様のSX実現に貢献していきます。

購入のみで終わらない、“家じまい”まで寄り添うサービスを

購入のみで終わらない、“家じまい”まで寄り添うサービスを

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――これからの住まいへどのような価値を提供していきたいとお考えですか。

 

住まいとは単なる「ハコ」ではなく、「お客様にとって最も大切な最小単位のコミュニティである家族を守る場所」だという想いがあり、住宅ローンは、その大切なご家族の生活を守るお手伝いをするものです。当社は、住宅ローンに古くから力を入れてきましたが、この発想を基にした価値提供はまだまだできていなかったように思います。住宅ローンビジネスに強みがあることを標榜するのであれば、これからは、単に「ローンを借りていただくために何ができるか」という視点だけでは足りず、家を購入した後のサポートも含めてお手伝いさせていただく必要があります。銀行は、住宅購入前のご相談から購入後の維持管理、売却や次世代へつなぐ「家じまい」まで30年を超える長い期間を寄り添うことができる数少ないプレーヤーです。我々は、さまざまなお客様とお取引させていただいており、ご購入から最適なタイミングでリフォームや住み替えなどの情報をご提供できると思います。

ローン以外にも、住宅購入という大きな決断をいかに納得できる体験にするか、金融機関ができることはまだまだあります。りそな銀行にしかできない、お金プラスαの価値提供をしていきたいと考えています。

 

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