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更新日:2025.06.20
登録日:2025.06.20
駅ホームの拡幅・住居ありの複合商業施設建設も!「泉岳寺駅」再開発で“駅と街”が一体化

2路線が乗り入れ、羽田にも成田にもアクセス可能な「泉岳寺駅」。オフィスビルやマンションが立ち並ぶ中に、忠臣蔵の聖地といわれる泉岳寺や、地元民に愛される高輪神社などの寺社仏閣があり、歴史を感じられるエリアでもあります。
そんな泉岳寺駅周辺の再開発が進行中。利用者増大を見越したホームや駅の大幅改良や、住居を備えた駅直結ビルの建設、周辺の広場やデッキの整備など、駅と街をつなぐ大規模再開発により、大きく生まれ変わろうとしています。
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国際交流拠点として利用者増大が見込まれる「泉岳寺駅」

泉岳寺駅外観
京浜急行電鉄と都営浅草線が乗り入れている泉岳寺駅。京浜急行では羽田空港へ、浅草線では日本橋や浅草、押上(スカイツリー前)などの都内の観光地や、成田空港へのアクセスが可能で、主要駅への接続として重要な役割を担っています。
コロナ禍以降の国内の移動や、インバウンドなどによる空港利用の需要も高まり、今後も泉岳寺駅の利用者がますます増えると予想されています。
そんな中、課題とされてきたのが、泉岳寺駅の利便性やホームの広さです。利用者が増えても安全かつスムーズな乗降を実現するためには、ホームの拡幅など駅全体の改良が必要となってきました。
また、泉岳寺駅だけでなく、品川駅や田町駅周辺エリアは、リニア中央新幹線の開業に向けて国際交流拠点としての街づくりが着々と進められています。
このような背景から、泉岳寺駅周辺の東京都港区高輪二丁目で、「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」が進行中です(※1)。工事完了予定は令和13年度。駅全体の改良や駅直結の複合ビルの建築、その周辺や幹線道路の整備などが進められ、泉岳寺駅一帯が新たに変わり始めています。
【主な経過及び予定】(※1)
都市計画決定/平成29年11月
事業計画決定/平成31年 2月
管理処分計画決定/令和2年1月
特定建築者決定/令和3年 6月
建築工事完了/令和13年度(予定)
(※1)東京都都市整備局ホームページ 市街地再開発事業より
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/sai-kai.htm
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/cpproject/field/sengakuji/saikaihatsu3-28.html
江戸期には武家屋敷もあった歴史を肌で感じられる街

泉岳寺の写真
泉岳寺駅周辺は、港区の中でも南側に位置する高輪二丁目。「高輪」の地名の歴史は戦国時代までさかのぼり、「高台に縄を引っ張ったような真っすぐな道」があったことに由来していると伝わっています。それがのちに簡略化されて「高縄」となり、さらに現在使われている「高輪」の表記になったといわれています。
この地には坂が多く、高台にあるのが特徴。かつて東側は、東京湾に面した斜面となっていました。江戸時代には藩の武家屋敷が数多く置かれ、明治に入ると財界人などの邸宅が建てられるようになりました。そのことから、今でも都内屈指の高級住宅街として知られています。
周辺で有名なスポットといえば、駅名にもなっている泉岳寺。慶長17年(1612年)の江戸時代に創建された歴史ある寺院です。忠臣蔵の聖地でもあり、赤穂浪士をはじめとする志士たちが祀られています。春には境内が桜で満開に。毎年4月と12月には、赤穂義士を供養する「赤穂義士祭」が開催されています。
そのほか、高輪の総鎮守として地域の人に親しまれている高輪神社も有名。寺院も多数あり、都会的な街並みの中にも歴史を身近に感じられるエリアです。
また、オフィスビルや高級マンションが複数立ち並ぶのも泉岳寺エリアの特徴です。一方で、住宅街に一歩入ると高輪皇族邸や亀塚公園などの広大な緑地がところどころにあり、緑を眺めながら1年を通して散歩が楽しめる、癒やしのスポットもあります。
コンビニは泉岳寺駅周辺をはじめ、エリアに点在。白金高輪駅方面に行けばピーコックなどのスーパーマーケットで買い物ができます。内科、外科、小児科、救急科、整形外科などのクリニックもあり生活するうえで安心です。
泉岳寺駅直結!地上30階、地下3階の複合ビルを建設予定
泉岳寺駅周辺の再開発により建設が予定されているのが、駅直結の地上30階、地下3階の複合ビルです(※3)。建築敷地面積は、約8,500平方メートル。約350戸の住宅をはじめ、商業施設や子育て支援施設などが完成予定。約250台収容できる駐車場や、南北2か所には泉岳寺駅につながる出入り口も新設される予定です。
駅前にはオープンスペース(広場)を整備することで、にぎわいが生まれ、地域住民にとって活動や憩いの場所に。敷地の一部には歩道上空地をつくり、人通りが多くても安全で快適に歩けるように整備される予定です。あわせて、バリアフリーにも配慮。
泉岳寺駅は、現在ホームが狭く、ラッシュ時には乗降客の滞留が起こっています。これから利用者が増えることを考えると、さらなる混雑、動線の錯そうなどが予想され、電車の遅延にもつながりかねません。
それらを解消するために、東京都交通局ではホームの拡幅、コンコースの改良、通路や出入口の新設などを行います(※4)。エレベーターによるバリアフリールートも整備して、さらに快適で便利に利用できる駅が誕生する予定です。
(※3)東京都都市整備局ホームページ 市街地再開発事業 NO.239 泉岳寺駅地区より
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/pdf/kushi_data_73.pdf?2403=
(※4)東京都交通局 泉岳寺駅改良事業 資料より
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/kanren/pdf/evaluation_03.pdf
駅と街が一体化した便利でにぎわいのある街に生まれ変わる

変わりゆく泉岳寺の街
泉岳寺駅は、ホームの拡幅などの大規模改良により駅機能が強化されると、これまでよりも混雑が緩和し、ストレスのない利用が期待できます。また、国内・国外問わず、羽田や成田などへ往来する利用者が増えたとしても、スムーズな乗り降りが可能なホーム・駅構内にリニューアル。混雑の少ない快適な駅は、頻繁に利用する人にとって便利で心地いいはずです。
駅直結の複合ビルが完成することで、駅からの動線ができ、駅と街が一体化する形に。住宅や商業施設も入ることで、泉岳寺で暮らす人や働く人、どちらにとっても利便性の高い街となるでしょう。
また、泉岳寺駅のみならず、2020年に開業した高輪ゲートウェイ駅、品川駅周辺は、大規模な再開発プロジェクトが進められています。今後はこれらの3駅をつなぐ歩行者デッキなどが整備される予定で、歩いて楽しめるストリート型の街づくりが進行中。
再開発により今まで以上に人の流れが増えることが予想される泉岳寺駅。さらに活気のある街に変貌を遂げることでしょう。

マンション専門調査員
今村 浩一
マンション管理会社にて管理組合の運営支援業務、その後、大手不動産仲介会社にて売買仲介営業に従事し、2016年に東京カンテイに入社後現在に至る。
マンション専門調査員として東京都心部を中心に、埼玉県全域、 名古屋市、宇都宮市、高崎市、福岡市、広島市など、約9年間で延べ12,000棟以上のマンションについて現地/データの二面から調査を行う。
趣味はマンション関連のネットサーフィン、モデルルーム巡り、マンション将来価格予想。夢は歴代住んだマンションの模型を部屋に並べてお酒を飲むこと。
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