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更新日:2024.09.12
登録日:2022.08.25
東京への一極集中が起こる要因と問題とは
東京都の人口は1997年以降、24年間連続で増え続けています。その要因としてあげられるのが、他県から東京圏(1都3県)へ流入する転入超過です。では、どれくらいの人がどういった理由で東京に移動しているのでしょうか。また、東京に人口が集まることでどのような問題が起きるのかなどをご紹介します。
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東京圏への転入超過の状況
「転入超過」とは、転入数と転出数を比べたときに、転入数が転出数を上回っていることを言います。日本国内の転入超過数は2018年の調べで14万8,666人おり、その中でも、およそ9割の13万9,868人は、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県などの1都3県に転入しています。この数字は、前年に比べても1万4,338人増えており、東京圏への転入超過が近年も伸び続けていることがわかります。転入超過の傾向として次のことがあげられます。
女性の移動者が多い
東京圏への転入超過数を男女別に見ると、2009年以降は、女性が男性を上回って推移しています。年齢別にみた場合、15歳から29歳が多く、10代は進学、20代は就職を理由とした移動が多いです。
地方の大都市から東京に移り住む
東京圏への転入が多い都市を転入超過数別にみると、政令指定都市(札幌市、仙台市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市、北九州市など)が上位に並びます。札幌市、仙台市、名古屋市、福岡市から東京圏へ移動する人の男女比の割合では、女性が多い結果となっています。
東京圏に人が集まる理由とは?
東京に人が集まる理由の1つとしては、進学や就職があげられます。10代から20代の人が東京圏での学生・社会人生活を志望し人が集まる傾向があります。その背景には次のことが考えられます。
大学や就職先が東京に集中している
東京圏は、地方に比べて大学数が多かったり、大企業や正規雇用、事務職などの職種やサービス産業の割合が多かったりすることが、若者の東京圏への移動を後押ししていると考えられます。
格差社会が拡大する中、地方での生活に未来が見えずに上京している
日本では、都市圏と地方圏の所得格差が続いてきました。それに加えて近年では、教育や学力、さらには生活水準や就職においても地域格差が生じています。そのような状況から、より所得の高い地域に魅力を感じ、地方から上京する若者が増加しています。
都会への憧れ
東京圏以外の出身者(18~34歳)への調査※で、東京で暮らし始めた理由として男女共に最も多かったのが「東京に進学したい大学や専門学校があったから」でした。次いで「新しい生活を始めたいと思ったから」、「色々なチャンスがあると思ったから」、「都会に憧れがあったから」などの結果が出ています。
※首相官邸「東京一極集中の動向と要因について」
2020年以降に転入超過する可能性が高いエリア
2020年以降に東京の区市町村で転入超過しているのは、どのエリアなのでしょうか。東京都総務局統計部のデータによると2020年以降に転入超過数が多かったのは、世田谷区、大田区、練馬区、足立区、江戸川区などです。それ以外に近年転入超過数増加傾向にあるのは、品川区や足立区などで、今後の動向に注目です。
参照元:東京都総務局統計部「東京都の人口(推計)」
東京への一極集中がもたらす弊害
地方の過疎化、地方の活力が衰退化
地方から東京圏へ若年者を中心とする流入が増えることで起きる一番の弊害は、地方の過疎化です。私たちが日常生活を送るために必要な小売業や飲食業、娯楽、医療などの各種サービスは、一定規模の人口があったうえで成り立っています。人口が減少した場合、サービスの縮小やその地域からの撤退が進んでしまいます。また人口減少は税収減につながる一方で、地方高齢化の進行から社会保障費の増加が見込まれ、地方財政がますます厳しくなることが予想されます。その他、利用者が減ってしまうと公共の交通機関は本数を減らすなどの縮小または路線を止めるなどの撤退が必要となったり、学校が統廃合されることになったり、居住環境においては、空き家や空き地が増えるなど様々な方面で影響が出てくるでしょう。
災害に対するリスクが高まり
人口密度が高いエリアでは、もし災害が発生した場合、甚大な被害が予想されます。中央防災会議では「東京一極集中リスクとその対応について」として次の被害を想定しています。
- ・膨大な建物被害と人的被害
- ・救急・救助活動、医療活動の不足
- ・帰宅困難者による混乱
- ・避難所の不足
- ・情報通信の集中・輻輳に伴うサービス停止
- ・エネルギー供給施設等の被災による電気、ガス等の利用停止
- ・東京湾コンビナートの被災による混乱と生産停止による影響
- ・道路・鉄道の被災による交通混乱
- ・物流停滞による物資不足
- ・上下水道施設被災による利用停止
- ・密集市街地における火災
- ・産業廃棄物処理場など復旧・復興のための土地不足
- ・被災による政府職員等の対応力の低下
- ・企業の本社機能の停滞による全国的な経済活動の低下
- ・サプライチェーン寸断による全国への生活から経済までの広範囲にわたる影響
- ・羽田・成田空港の同時被災による海外及び国内の航空輸送への影響
- ・金融中枢機能の混乱
- ・国際的な信用失墜による海外への企業移転
- ・海抜0m地帯など低地における高潮・津波・洪水による長時間の浸水の影響
- ・軟弱地盤における液状化や地盤沈下等の影響
参照元:内閣官房国土強靭化推進室「戦略的政策課題『東京一極集中リスクとその対応』について」
東京への転入による住環境の変化
東京圏へ進学や就職・転職を求めて転入する人の多くは単身者です。東京圏は交通機関が発達しているため、車の所有率も低く、駅に近い場所の単身者向けアパートやマンションに人気が集まることが予想されます。また、東京の転入超過数は、若年層の女性が多いことから、女性の割合が多い街に活気が出て、住環境や商業施設が充実していくと考えられます。
東京へ人口が集中することの要因や問題についてお伝えしてきました。一極集中は便利な生活ができたり、雇用や教育の環境が充実していたりという利点があり、悪い面だけではありません。人によっては、都心に住みたいと考える方もいれば、田舎に住みたい方もいると思います。人の住まいに求める価値観は人それぞれ違いますので、東京圏でのマンション物件の賃貸や購入、売却をお考えの際の参考にしてください。
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