住めば都も、遷都する2018/10/24

コージーとは、ぬくぬくしているといった感じ。心地良い空間で、くつろげる雰囲気のこと。そう言えば、猫は、季節ごとに気持ちよく過ごせる場所を、よく知っている。「あれ、いないな?」と思って探すと、暑かった頃と違うスペースに居場所を移しているのだ。

 

人も動物も闘ってばかりはいられない。どこかにコージーな居場所を持っていて、ホッとするときを過ごす必要がある。ただ、人の場合、日常のこわばりをゆるめることも、「力の抜き方」を学ばないと、だらけているだけで、かえって疲れてしまうこともある。

 

そう、ちょうど座禅で「雑念を捨てて」と言われたときのように。あるいは、ヨガで、息を口から吐きながら、ゆっくりと体を曲げていくように。リラックスにもコツがあるらしい。

 

猫を観察していると、まあるくなってまどろんでいても、時々、ウウーンと伸びをする。そして、体勢をそろそろと変える。ちょうどあんな感じで、人も、脱力の間に、体全体の伸びを入れるといい。

 

 

コージーな場所でくつろぎながら、何をしようか。いや、何もしなくてもいいのだ。日本茶、紅茶、コーヒー、炭酸水など、飲みたいものをかたわらに、音楽を聴きながら、本を読んでもいいし、ボーッとしていてもいい。

 

ただし、時には意識しながら脱力をしよう。そして、猫のように体勢を変えよう。体の動きに気を配りながら、ゆっくりと。座っているのなら、たまには立つのも大切。最近、椅子にいる時間が長いと、体に弊害が出ることが問題になっている。

 

立禅というものがある。確かに、立ち姿で頭から足の裏への重力のひっぱりを感じながら、ゆっくりと呼吸をすると、気持ちがいい。意識的な脱力ができるのである。天窓のある部屋で、空からの光を受けながら、目をつぶって立っていると、そこもコージーな空間になる。

 

住めば都も遷都する。新しい住まいを見学するときは、どこが脱力できるスペースになるかを五感で感じてみよう。フィンランドの古都を訪れたとき、分厚い出窓空間があった。正しく言えば、城の壁の厚さが1メートルほどあるので、室内から見ると窓は出窓に感じると言うべきかも知れない。出窓のコーナーに座りながら、コージーとは、まさにこれだと思った。

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

 

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