住めば都も、遷都する2018/9/30

工房・アトリエ・工作室など、趣味のための部屋はこれからの必需品。書斎をそうしたホビー・ルームに含める人もいるだろう。トレーニング用の部屋も身体作りが趣味だと考えれば、ホビー・ルームだと言える。

 

茶室や踊りの稽古をする広間も趣味の空間。料理が好きならば、大きい台所は立派なホビー・ルームでもある。音楽の演奏や鑑賞のために防音された部屋を作る人もいる。

 

アメリカの人々に「理想の家」の絵を描いてもらうと、多くの人がホビー・ルームを書き込む。しかし、日本での調査では、趣味専用の部屋を思い浮かべる人は少なかった。それだけのスペースのゆとりがなかったからだろう。

 

だが、最近では状況が変わってきた。例えば、子供が巣立っていった後、親たちのホビー・ルームにする人も増えたようである。

 

自分だけの空間で、自分だけの時間を持つ。これは、なかなか有意義なひとときだ。絵を描く、模型の列車を走らせる、手芸を始める、陶芸で土をこねる…こうした趣味に没頭できる人は、人間関係で悩んだりすることも減ると言われている。何と言っても、本人がハッピーだからだ。

 

 

将来、AI(人工知能)が身近なものになっていくと、ホビー・ルームで一緒に遊んでくれるようになるだろう。将棋や囲碁の対戦相手にもなってくれるはず。「だいぶ、うまくなりましたね」などと、AIにほめられるのも楽しそうだ。

 

ホビーと言えば、ひとりで没頭するというイメージがある。しかし、「同好の士」ということで、友達を増やす原動力にもなりうる。SNSで、同じ趣味の人たちと情報交換をする楽しみもある。

 

住めば都も遷都する。そう、趣味のために引っ越しするのも素敵ではないか。アトリエにぴったりの北向きの部屋、大音響を出しても大丈夫な音楽室、茶室にできそうな和室…こうした趣味仕様に改造できる住まいを探すのは楽しそうだ。何よりも、好きと呼べるモノや活動が、心のまんなかにある。それは、人生をひとまわり大きくするに違いない。

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

 

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