住めば都も、遷都する2018/7/5

私たちは、星空を眺めることがある。街の灯を一望することもある。どちらも、夜の楽しみ方といえる。ただ、どちらをより好むかと聞かれたら、月や星など天上に向かう人と、賑わう地上に目が行く人のいずれかに2分されるのではないか。

 

夜空に光るものたちは、遠くにある。心をはるかに飛ばすとき、私たちは、月や星を見る。本屋に行くと分かるが、夜空を描いた絵本は、意外なほどに数が多い。幼い子供も、空を仰いで、色々なことを考えるのである。

 

一方、高層ビルから、街にきらめく光を見つめる。これはこれで、大都会に住む喜びを感じさせる。離れたビルの窓辺に人影が見えると、世の中は動いていると実感する。人々の営みが生み出す華やかな夜景は、私たちに明日への活力を与えてくれる。

 

 

住まいのそばに大きな公園があれば、大都会であっても、少なくとも一等星は見えるはずだ。月の明かりに驚くこともできる。夜空を見上げるのを好む人は、公園、里山、川、海岸の近くなど、月や星が他よりも見えやすい地域に住むのがいいだろう。

 

広がる都会の夜景を好む人は、高層マンションの上層階がお薦めである。もちろん、うまく場所を探すと坂の上の低層マンションでも、街の灯を楽しめる。毎夜、光のドラマを鑑賞できる坂上物件というのも魅力的ではないか。

 

住まいを選ぶとき、夜という時間にも心を配ってみたらどうか。あなたが、天上のきらめきにより魅了されるのか、あるいは地上の輝きにより関心があるのか。しばし、それを考えてみよう。

 

どちらの好みも満足させる地区や物件もあるはずだ。家族の意見が分かれたら、そうした天と地と双方のドラマを楽しめるところを探してみよう。住めば都も、遷都する。太陽が地平線に沈んだ後、どんな風景を見ていたいか。あらためて思ってみるのも悪くない。いずれにしても、毎夜、テレビやスマホの画面が発する光とつきあうだけでは、もったいないと思う。

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

 

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