美的 Life Style by 花千代2018/5/28

今、日本中のグルメ雀たちの噂の的である「五十嵐」は、数ヶ月前にオープンしたばかりのニューカマー。

その1席の予約を取るのはすでに争奪戦なのですが、巷に予約の取れない店というのは他にもたくさんある中で、この「五十嵐」は何が違うのでしょうか?

 

 

それは従来のレストランにはない予約システムとコンセプト。

なんと!住所電話番号非公開、貸切不可、電話予約不可です。

では、予約を取るにはどうするのでしょうか?

 

まずはFBでオーナーのOgawara Osamuさん(通称ダンボネ氏)と繋がることが条件で、FBの個人メッセージを通じてのみ予約可能なのです。

メインカウンター10席と、個室という構成ですが、まだスタートしたばかりなので個室は毎日は入れない方針のようです。

 

初めての来店はまずはお一人さまで、というコンセプトで、2回目からはMAX2名までなら可能ですが、基本的に一人で食べにくる方々が1回の食を通じて同じカウンターに並んだ初対面の他のゲストとダンボネさんが誂える空間と時間と料理を共有し、新しい関係性を構築していくストーリーを愉しむという店なので、お一人さまが優先です。

 

 

 

 

こんな条件であれば、1人で誰も知らない方々の中に混じるのは苦手というゲストもいらっしゃるでしょうが、来店前からSNSを通じて苦手食材のことだけでなく、世間話も含めて細やかな数回のやりとりがダンボネさんとあり、徐々に不安感がぬぐわれていきます。

来店前から、ゲストは店に行くというよりは、友人であるダンボネさんのお家に招かれた、というような気持ちに成り代わっていく手腕がお見事!

とは言えこの店のことをどこかで知り、ダンボネさんとSNSで繋がり予約をするような方はもともと食への探究心があり、新しいことにチャレンジするのが好きな大人でしょう。

 

私が座った時は偶然知り合いが2人いましたが、たとえ初対面の方ばかりだったとしても食を愉しむキラキラした大人たちの気持ちをシェフの五十嵐さんと、オーナーであるダンボネさんが凹凸コンビで引き出していて、暖かくもどこかピリッと引き締まった空気感を心地よく感じたと思います。

 

 

 

ただのサプライズというような内容でなく、まさしく身を削るような思いでクリエイトしている五十嵐さんの料理は古巣の「奥田」時代から比べると大幅に変化していて、進歩というよりは、ダンボネ氏の創られた、まるで現代の茶室ともいえる空間でいただく東京和食という新しいジャンルの食の創造かもしれません。

今、「五十嵐」を体感すること、、、、それは料理、空間、おもてなし全てに、饒舌と静謐、という相反する二つを同時に感じる貴重な体験となることでしょう。

 

 

 

 

花千代 フラワーアーティスト
パリにて4年間フラワーデザインを学ぶ。
帰国後、CMや映画のスタイリング、イベント装花や店舗ディスプレー、ホテルのフラワーアートディレクションなど多岐わたって活躍。
2008年洞爺湖G8サミット公式晩餐会会場装花、2013年オランド仏大統領総理官邸公式ランチョン、APEC総理公邸晩餐会で和のテーブル装花なども手がける。
2013年、2015年と夏目漱石原作芝居「三毛子」と「「こころ」の舞台美術を、2016年新作「乙姫さま」の舞台美術をそれぞれ三越劇場にて担当、テレビ東京「ソロモン流」NHK「グランジュテ」などTV出演、ジュエリーや家具、シューズデザインなどコラボワークも多い。
近著に「花千代流テーブル&フラワースタイリング」誠文堂新光社

Hanachiyo Flower Design Studio  http://www.hanachiyo.com/

https://www.facebook.com/Hanachiyo

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