住めば都も、遷都する2018/4/23

商店街って、どこか懐かしい。いまでも、都内には2535ほどの商店街があるという(2016年 東京都産業労働局調査)。100以上の商店街が生き残っているのは、大田区(145)、世田谷区(134)、杉並区(132)、台東区(107)、新宿区(103)、練馬区(102)、品川区(101)だとか(カッコ内は商店街の数)。他の区や市も、ほとんど2桁台の商店街が健在だ。

 

時間帯によっては、人影の少ない商店街も増えたが、いまだに多くの人が行き交う商店街もある。「ヘーイ、いらっしゃい。今日は、○○が、入っていますよ」「お客さん、こっちの方が新鮮」にぎわう商店街がご近所にあれば、歩くだけで元気になりそうだ。

 

大売り出しの福引きも待ち遠しい。子供の頃、福引きの抽選器を回すのは興奮するイベントだった。幼い手には、結構重い。ガラガラと回して、「あーあ、残念賞」ということが多かったが、たまに係りの人が、カランカランと鐘を鳴らしながら、「大当たり!」と大きな声で祝ってくれるラッキーな瞬間もあった。

 

もっとも、商店街のある街も、一本、裏通りに入ると静かだ。瀟洒なマンションが建っていたりもする。にぎやかさと静けさと、どちらも味わえるのである。

 

 

一方、「商店街は、声をかけられるから、面倒」という人もいる。スーパーや大規模店舗で買い物をする方が気楽なのだ。こうしたタイプの人は、並木道のある街に住みたいと言う。ワイワイガヤガヤと人の声がするよりも、靴音がコツコツと響く道を歩きたいのである。

 

道路に沿って樹木を植える。こうした街路樹は、すでに3000年前、ヒマラヤの山麓にあった。日本では、平城京にタチバナ、ヤナギ、エンジュの並木が作られた。江戸時代になると、マツ、スギ、ケヤキなどが主流になる。イチョウ並木は、明治時代になってからのようだ。

 

対面販売ではない大きな店で買い物をした後、ゆっくりと散歩をする。ベンチがあれば、ちょっと休憩。青々と繁った枝が、日かげを作ってくれる。もし、そこがイチョウ並木であれば、秋はドラマチックな空間になる。すべてが黄色のドームのようだ。都会ならではの時間を味わえる。

 

商店街と並木道。どちらの近くに住みたいか。友達に聞いてみると、性格判断ができる。もちろん、両方が揃っている「贅沢な街」もある。

 

住めば都も、遷都する。昔々から、商店街はあった。市が立ったのである。また、並木道もあった。遷都されると、庶民たちは、街作りにかり出されて大変でもあったが、どんな街になるのか、期待感もあっただろう。さて、現代のあなたは、どんな街に関心があるのだろうか。

 

 

関沢英彦

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

 

 

 

 

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