ボンが見聞きしたあの街の美味しいお店2018/4/17

ワタシのご主人はこの家の奥様。毎日のようにワタシを散歩に連れて行ってくださる。

そしてご自身は美味しいレストランで毎日のように食べ歩き、カフェでコーヒーを飲み時々ケーキも食べ、その街の美味しいパンを買って帰る。たまに奥様のダンナ様もご一緒する事もあるが回数は限られている。そしてその日の食事報告をワタシに逐一してくださる。たまに私の食事分もドギーバッグに入れて持って来てくださる。。

あっ、私の名前はボン。オスのコッカースパニエル、4歳。

 

 

27回目は「人形町駅」周辺をポタポタ散歩。

以前にも水天宮駅、浜町駅周辺を散歩してこの周辺の事をレポートしたが、今回は人形町に絞ってお話しして行くワン。

 

このエリアが正式に人形町と呼ばれるようになるのは関東大震災後の区画整理によるもので昭和8年(1933年)と意外に新しい。

 

地名の由来は江戸時代に江戸歌舞伎の猿若座(後の中村座)や江戸歌舞伎の村山座(後の市村座)が上演するための芝居小屋をこのエリアに建てた。その他にも見世物小屋、曲芸、手品などを見せる小屋も出来、その中に人形浄瑠璃の結城座、あやつり人形の薩摩座などの小屋も集るエリアであり、それらの人形を作る人形師、操り人、修理人、土産用の人形などを扱う店がたくさんあったため「人形通り(人形丁)」と呼ばれていたことから。浮世絵や江戸時代の音楽などの江戸町人、庶民文化の元にもなったエリアでイイ感じだワン。

 

さらに遡るとこの辺りは湿地帯だったそう。江戸時代初期に埋め立てられ、その後元和3年(1617年)幕府がこのエリアに江戸市中の遊郭を集めることになる。葦(よし、あし)の茂る場所であったので「葭原(よしはら)」、後に縁起の良い「吉原」の字に変わっていく(後に明暦の大火で浅草山谷付近に移転しそこが「新吉原」と呼ばれるようになる)。

 

江戸時代から昭和の変化や名残りを感じつつ今日もいつものようにご家族とワタシでポタポタ散歩開始。

 

 

それにしても散歩していて気づいたが人形焼の「亀井堂」が閉店していたのはショックだったワン。

 

 

この辺りでは重盛の人形焼が有名だが、昭和4年開業の亀井堂はよく店の前に男性店員が立って「牛乳を入れずに江戸時代から味はそのまま…」的な口上を説明されていた。思わず心の中で『あれ?江戸時代創業じゃないのに…、それに美味しくなるなら牛乳入れてもいいんじゃないか?…ワン』とひとり突っ込みしながらも、店に引き込まれよく瓦煎餅や人形焼きを買い物をしたものだった。好きなお店だったのに残念だワン。

 

この辺り昭和の風情が残り散歩するのに大好きなゾーン。

 

さて、ランチ。案の定3人バラバラの行動を取るよう。ダンナ様からお店を誘われていたが奥様全く聞き入れない。

 

結局ダンナ様は古くからある路地裏に佇む洋食屋さん「芳味亭」へおひとりで。

 

 

 

すでに昼時、行列も出来て店内も多くの客で賑わっているこの店、昭和8年(1933年)創業と長い歴史を持つ。

創業当時はこの辺りは花町。洋食が座敷で食べれる事がオシャレで芸者さんを連れて来る男性、歌舞伎役者さん達に人気にだったそう。

初代料理長は横浜ニューグランドホテルのシェフだった方。と言う事はこの店のメニューは「ホテル発」の洋食と言うことになる。

 

 

ダンナ様は「ランチセット」をオーダー。

目玉焼が乗ったハンバーグ、それに海老フライ、クリームコロッケ、ハムステーキ、スティック状のキュウリ、トマト、ポテトサラダがお皿を彩る。そして何と言ってもハンバーグにたっぷりかけられたデミグラスソースは1ヶ月かけて煮込み何度も濾したと言う代物。

ハンバーグにはもちろん、海老フライにも、ホワイトクリームとろ~りのクリームコロッケにも、外側のサクサクした衣と相まって美味しさが掛け算でやってくる。

 

この店のご贔屓には作家の向田邦子氏もいて、「女の人差し指」と言うエッセイにも

『やはり裏通りの洋食屋「芳味亭」でコロッケとご飯もよし、』という文章で紹介されている。

昭和の香りのする町で、昭和の味を食するのも楽しいのでワタシも大好きな店だワン。

 

坊ちゃんと奥様は一緒に移動したので一緒の店に行くのかと思いきや最後に隣同士の店、天ぷらの「中山」と牡蠣フライ「三友」に分かれて行った。

 

 

 

奥様はどうしても今シーズン中に一度は三友の名物「牡蠣フライ」を食べたいと、ガンと受け入れなかった。奥様、男前だワン。

ワタシは人の行列に邪魔にならないようにお座りして待つことにした。

 

両店とも人が相当数並んでいたが、坊っちゃんは割と早めに店に入れた。

 

 

奥様は既に41番目の札を渡される。今12時少し過ぎだが、奥様たちの40番台は「食べ始めが13時頃」と、店の行列を仕切る女性に言われていた。これは先が長い。奥様、待てるのか?

 

 

 

坊ちゃんの入った店「中山」の対応はテキパキ、特にお母さん、息子の動きにムダがなく、お父さんは揚げる作業にひたすら取りくむ。お母さんに時々軽く怒られてるけど。

 

 

カウンター8席、小上がり10席かな…。この日は11時15分オープンの店に11時少し過ぎの到着でもギリギリの入店だったと言う。11時前からランチで動くのはサラリーマンには難しい。

 

 

10分弱で着丼。天ぷらは見た目、相当黒い。食材は人参天ぷら。…ワタシも後で少しづつ分けて食べさせてもらって食べたが、人参はシャキシャキでうまい。海老2、アナゴ(やや生臭さを感じてしまった)、キスの構成。タレは甘いが、たくあんとシジミの味噌汁がうまい具合に中和。この味噌汁、相当美味しい。

 

これで1050円は並ぶのもよくわかる。

でも、メニュ表にも1020円と書いてあるし、それが消費税抜きなら1100円程度になるのかと思いきや、謎の数字。

 

 

 

 

一方、奥様の並んでいる「三友」

牡蠣フライは50食限定、まだ、売り切れてなかったけど、12時20分までに並んだ客で50食到達。これにて今日のランチは終了。

並んでいる間に否が応でも鼻に入るダクトから外に溢れ出る牡蠣フライの油の匂いがたまらなくお腹が刺激されるワン。

もともと、年明けの方が牡蠣が美味しくなるので、毎年のことだが1月、2月狙いで来ることが多い。

 

12時35分着席。意外に早い進行だワン。

 

 

先ほどの札に書いてある数が牡蠣の注文数、5分ほど待って12時40分に前払いキャッシュ徴収がされる。特に言われないが、なるべく小銭を用意してあげた方が良い。この日は1万円しかなく申し訳ない気持ちに。

(牡蠣フライ3つは1400円、2つは1080円。いずれも税込)

たまに仕入れの問題からか全員2個までとなる日もある。

 

 

12時53分食べ始め。並び始めて約50分、着席から18分。確かに言われたように40番台は13時近くからの食べ始めだった。

5、6個の牡蠣を1つにして揚げるボリューム感たっぷりの牡蠣フライ。それが3つ。

かなりボリューミー。

 

 

ただし過去の経験から、奥様も2個にするとちょっと物足りない、3個にすると超満腹。

2.5個が個人的な理想だが、それは出来ない。

サイドにキャベツ、ポテサラ。お新香に「高菜とタクアン」が付く。

とんかつソースと辛子でいただくパターン。

 

13時15分食べ終わり。

 

 

豚肉は少ないが豚汁がつく。具にはネギ、大根、人参、牛蒡、豚肉。

奥様お腹いっぱい…、大満足のランチ。今シーズンやるべき事を一つやった感じだとつぶやいたワン。

 

 

甘酒横丁、辺りを小一時間散歩。

そして、夜は珍しく家族揃ってミルフィーユの有名な店へ。と言ってもスイーツではなくて鍋。

 

 

博多に本店を持つ「やましょう」人形町店。

もつ鍋で有名だが店名を付けた「やましょう鍋」も有名。豚肉と白菜を挟み込んだ、これがいわゆる「ミルフィーユ鍋」。豚肉は鹿児島産黒豚。

醤油出汁ベースに、唐辛子を効かせて、特製の酢醤油で食べる一品。体がポカポカするお鍋。

 

 

付きだしは「モツの酢の物」。お酢が効いてぷりぷり食感。胃袋が活動を始めるのに良い一品。

 

 

その他「白レバカツ」…佐賀県の吉原牧場の黒毛和牛のレバーを使い、塩とカラシで食べる。こうするとステキなB級ワールドが広がる。

 

 

「カリカリゴボウサラダ」…野菜好きにはスターターとしてグッド。

 

 

「レンコンスティック」…レンコンが糸を引くほど鮮度よく美味しい。これはマストメニュー。

 

 

「地鶏のたたき」…宮崎県産の地頭鶏。ちょい肉が硬い。。

 

 

「手羽先の唐揚げ」…味付けうまし。これもマスト。

 

 

「そら豆の素揚げ」…カリカリで美味しい。

 

 

 

そしてメインイベント。この店のスペシャリテ「ミルフィーユ鍋こと、やましょう鍋」の登場。店の方が最初は作ってくれるが灰汁を取るのは客の役割。最初から唐辛子を入れて煮込むがもう少し辛い方が美味しいからと自分で追加。

 

 

白菜と豚肉とこの辛めの出汁がマッチして美味しく、体ポカポカ。

 

 

鍋は最後の〆に、「雑炊」「うどん」「ちゃんぽん麺」の3種から選べるが、この日はちゃんぽん麺をセレクト。超シンプルだけど美味しい。

コースメニューや2時間飲み放題にするとお得。久しぶりに家族団欒を満喫できた料理だったと奥様大満足。鍋料理のチカラは偉大だワン。

 

 

そしてここで若干の訂正だワン。

人形町のパン屋さんを紹介すべきコーナーではあるが、昨年秋に水天宮駅周辺のご紹介をした時、ちくわパンで有名な「まつむら」を取り上げさせていただいた。その時長期休暇に入っていた「オーゾウベーグル(OZO BEGGLE)」が紹介できなかった。

そのB「オーゾウベーグル(OZO BEGGLE)」帰って来たのでここにご紹介するワン。

 

 

去年の9月に訪問した際には10月に再開すると表示されていたが、結局再度オープンしたのは今年2018年の1月初旬だったらしい。なかなか出会えなかった幻のパン屋さん。超人気ベーグルパン屋さん。

 

何を挟むかなどカスタムメイドできる分、一人当たりに時間がかかり、長蛇の列になる。

そして割と早い時間に売り切れる。

 

 

奥様がこの日買ったのは、

プレーン(200円)…基本形ベーグル。この店のベーグルは食べやすく、皮も意外に硬くなくソフトでむっちり、生地はもちもち。

エブリシング(オニオンや岩塩が入る、250円)…オトナのベーグルって感じ。店に同じ時間に来ていた人がこれだけを3つ買って帰って行った。

あんこ…粒あんとベーグルが微妙に合う。

 

ボローニャソーセージ&チーズサンドイッチ…柔らかソーセージとシャキシャキレタスが絶妙で美味しい。これ、サンドイッチ食べたいと思ったら買うべきマスト商品。

 

この店の製法はニューヨークの老舗ベーグル専門店の伝統製法を教わったもの。

 

ちなみに看板のロゴとキャラクターは和田誠さん制作だとか。

 

 

奥様とご家族とワタシで食べても食べきれず、「プレーン」と「エブリシング」を冷凍してして、後日自然解凍して食べてもまずまず美味しかった。その食べ方もちゃんと紙で印刷されており、親切。いいお店だワン。

 

 

 

さて今回はここまで。来週の散歩は、どこかなぁ。

 

* 文中に出てくるBはパン屋さん、数字を囲む◯は昼間の利用、●は夜利用を表すワン!

この情報は作者とボンの散歩時点のものであり、変更が起きている場合があります。最新情報はご自身でご確認ください。

 

 

川井潤  食関係含めた幅広いプロデューサー

食に限らず多くのプロジェクトを手掛ける。テレビ番組「料理の鉄人」企画ブレーン(1992年~97年)。地域や食のため世界中に出向く。ほぼ外食生活。食べログフォロワー数日本一。食雑誌dancyu等、執筆多数。

https://tabelog.com/rvwr/kawaijun/ 

https://magazine.tabelog.com/articles/author/kawai_jun

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