オープンキャンバス2018/2/14

 

こんにちは、マンションマイスターの石川です。

あっという間にこの講義も20回目を迎えました。

 

皆さん、1月28日(日)の第2回のフィールドトリップ、

『築古マンションでアイランドキッチン!?おしゃれなスケルトンリフォームマンションを見学しましょう』

後日記事はもう読んでいただけましたでしょうか。ご好評頂きありがとうございます。

私はレクチャーを行う方なのですが、毎回いろいろな新しい発見があり、勉強になります。

 

 

もう少し暖かくなって春の声が聞こえたら、第3回目のフィールドトリップを企画する予定です。

また詳細の告知を行うまで、こうご期待ください!

 

 

さて、本題です。

小休止の補講を挟み、前回の講義からマンションの価値を現す4つの性格のうち、最後の4つ目となる、

4.「資産性」

の講義に入りました。

 

この「資産性」は、先の3つの性格の集大成と言っても良い性格となる、大事な項目となります。

 

例えば2つのマンションが2つあり、現在は同等の価値があっても、10年後、20年後に同じ価値を維持しているとは限りません。むしろ、価値が違っているのが通常です。

 

そうであるならば、10年後、20年後に価値が高いマンションを選びたいですよね。

将来にわたって価値を維持すること、つまり、資産価値を保つこと、これを「資産性がある」「資産性を高める」と言います。

 

前回、この「資産性」を3つの観点から分類しました。

 

ひとつ目は「品等」です。品等、すなわち品格やグレードと言い換えられるもので、品等を保つことが、資産性を高めることに繋がります。

 

2つ目は「市場性」です。「人気」とイメージしてください。人気を維持するには、需給バランスを保つことが大事で、これを市場性と言います。

 

3つめは「メンテナン性」です。常に良い状態を保つ取り組みが資産性を高めます。

 

 

これを踏まえて、マンションの価値を形成するマトリックス表は、どこまで埋まりましたでしょうか。

今日のテーマ部分(黄色部分)と合わせて見てみましょう。

 

 

もう残すところ、最後の2項目になりました。

ゴールは目の前、このまま走り切りましょう!

今日は黄色の部分、

 

4.資産性

×

B.一棟の建物に関する要因

 

の説明に入っていきます。

 

 

では、いつものように、鉛筆にマンションマイスターの魔法を一振りすると・・・

 

ちちんぷいぷい!

 

 

はい、出てきました。

今日はマンション1棟の建物の価値に関する大事な項目が多いので、じっくり見ていきましょう。

 

では具体の中身を見ていきます。

 

 

まずは、「品等」カテゴリーから見ていきましょう。

 

・『建物品等』

建物のいわゆる「グレード」になります。外壁タイル、エントランス、共用廊下等の使用素材、共用設備等にしっかりとコストをかけて十分な建材が使われているか、これが長い目で見て建物品等を維持させます。

おおまかに「高級」「上級」「中級」「並」といった分類を目安にし、どのような建物がどの分類に入るのか、代表的な例で見るのが近道です。もちろん、時間が許す限り、できるだけ多くのマンションを見て経験・知識を付けることが大事です。この点はまた「教えて!マンションマイスター!」の次の企画等でレクチャー予定ですので、ご期待下さい。

 

・『建物規模・戸数』

建物規模と総戸数の程度が「グレード」を高める要因になる場合があります。もちろん小規模でもグレードの高い建物や、大規模でもグレードが劣る建物もありますので、総合的に判断することが必要です。

 

・『設計・施工等主体のステータス性』

マンションの建物グレードを高めるものとして、使用建材や設備のハード面はもちろん大事ですが、ソフト面でのステータス性も品等を高める要因になります。例えば、著名建築家が設計したこととか、設計のコンセプト性、施工業者であるゼネコンの信頼性・ランクといった側面から見ることも要因となります。

 

・『居住者の属性』

言うまでもなくマンションは各専有部分所有者の共有となる性格のため、どのような属性の居住者で構成されているか、という観点が品等に影響します。また、所有者のみならず、賃貸に供されている場合にどのような借り手が属性として見てとれるか、ということもチェックしましょう。

 

 

次は「市場性」です。

 

・『用途の混在性』

マンションの用途の混在の程度が、市場性に影響する場合があります。純粋に居宅だけなのか、店舗・事務所が含まれるのか、そうした用途の混在の程度が、そのエリアと立地に即して市場性に影響がないのかどうか、確認します。

 

・『プランの企画性』

いわゆる間取プランが、きちんとエリアの需給に合わせた企画性を持っているかチェックします。ファミリー向けプランのみで構成されている場合、コンパクトタイプや、VIP性を持つタイプが混在している場合、それぞれの分譲当時の企画の妥当性をチェックします。また、分譲当時はニーズに合っていても、現在はニーズをカバーしていないケースもあるので、同一エリアで最近新築されたマンションがあれば、そのプランの内容と比較することも参考になります。

 

・『投資的性格か否か』

純粋にエンドユーザーが主体のマンションか、投資用の性格を持っているマンションかをチェックします。投資用であれば賃貸に供され、居住者の属性が偏ったり、入れ替わりが激しい場合もあり、それが市場性にマイナスとして作用していないかチェックします。

 

 

最後に「メンテナンス性」です。

 

・『管理の良否』

建物の資産性を維持するには、中長期的な修繕はもちろん大事ですが、日々の管理の程度も大きな要因となります。委託している管理会社が日常的にメンテナンスをきちんと行っているか、維持管理に力を入れているか、確認します。

日常的な管理の良否は以下の項目がチェックポイントになります。

清掃がきちんとされているか

ごみ置き場が整理整頓されているか

掲示板の掲示物が整理されているか

メールボックスにチラシがあふれていないか

自転車置き場に自転車が整然と止められているか

管理員の所在がはっきりしているか 挨拶を返してくれるか

共用廊下に自転車が置かれていないか

植込みの植栽の手入れがされているか

 

・『適切な長期修繕計画が否か』

いくら新築時にコストを掛けてグレードの高いものを作っても、その後の管理・修繕がいい加減だと、品質を維持できません。そのために、「長期修繕計画」というものがあります。これまでの長期修繕工事の履歴、管理組合で計画している長期修繕計画の内容、見直しの有無とその理由、適切な修繕積立金か否か、修繕積立金の残存額等を確認します。

 

・『管理組合運営の良否』

マンションの1棟のメンテナンス全般に関しては、所有者・居住者が独断で決定することは出来ず、全て管理組合にて決定されることになります。管理組合の運営がきちんと機能しているか、資産価値維持の目線で取り組んでいるか、をチェックします。ヒヤリングがもとより、管理規約や総会議事録といった書面が参考になります。

 

・『住民コミュニティの充実度』

管理組合といった正規の組織だけでなく、マンションの住民でコミュニティ形成が充実しているかをチェックします。コミュニティ形成が盛んなマンションでは、住民の資産価値維持の意識が高いケースが多く、参考になります。

 

 

いかがでしたか。

 

資産性ということで、前回はまずはマンションの建っているエリアからの目線、今回は1棟の建物全体からの目線を持って、

将来にわたって価値を維持すること、つまり、資産価値を保つこと、これを「資産性がある」「資産性を高める」ことの要件を見てきました。

 

マクロ的なエリアの話から、1棟のマンションに至るまで、いろいろな角度から見る必要があることがお分かりになりましたでしょうか。

 

次回は、次のマトリックス

4.資産性

×

C.専有部分に関する要因

 

の講義にはいります。

 

資産性という観点で、専有部分のどのような項目が、将来にわたって資産価値を維持していくのか。それが住みやすさ・暮らしやすさとどう関係しているのか、を見ていきます。

 

次回をお楽しみに!

 

マンションマイスターの石川でした。

 

 

 

石川勝

不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

 

 

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