オープンキャンバス2018/1/16

 

皆さん、こんにちは。マンションマイスターこと不動産鑑定士の石川です。

 

告知してますとおり、12月28日(日)の第2回のフィールドトリップの準備に入っています。

お申込みいただいた方、ありがとうございます。

今回は、第1回でお申込み頂き残念ながら定員で参加できなかった方も、再度お申込み頂いたとのことで、とてもありがたく思っています。

当日、お会いできることを楽しみにしています!

 

このブログも18回を迎え、講義の「マンションの価値を形成する要因」について、4分の3が終了しました。

季節でいうと、春夏秋が終わり、これから冬という段階ですね。

 

前回まででマトリックスの「4つの性格」のうち

1.「安全性」

2.「居住性」

3.「耐久性」

が終わりました。

1.「安全性」、2.「居住性」が終わったところでもチェンジ・オブ・ペースで補講を開催しましたが、今回も3.「耐久性」が終わったところですので、補講にします。

また、前回補講同様、これまでの講義の中で出てきた項目についてQ&A形式で、振り返ってみます。

その前に3.「耐久性」を振り返ってみましょう。

 

「耐久性」とは、言葉の通り、どれだけ長く使えるか、ということですが、その長く使えるか、の定義も「物理的耐久性」「機能的・社会的耐久性」と大きく2種類ありました。

 

「物理的耐久性」は一般的に使われる概念で、経年を主として、モノとして安全に使える状態がどれだけ長く続くかを現します。

一方、「機能的・社会的耐久性」は、モノとしてはまだ安全に使える状態にあるのだけど、人の生活様式や、選好性の変化によって、当初のニーズが弱まり「時代遅れ」になることを現します。

 

これにより「耐久性」をさらに分解すると、以下の3つになることを勉強しました。

 

1つ目は、物理的耐久性の中でも、表面劣化への影響。

つまり、通常に目に見える部分へ影響を与える要因です。

2つ目は、物理的耐久性の中でも、構造劣化への影響。

つまり、通常では目に見えない、構造体へ影響を与える要因です。

3つ目は、機能的・社会的な変化による影響です。

つまり、「時代遅れ」になる要因ですね。

以上を表にまとめると、このようになりましたね。マトリックス表から、「耐久性」部分を取り出してみます。

 

 

マンションは言うまでもなく、高い買い物。できるだけ長く良い状態で、住み続けたいですよね。そのカギとなる耐久性について、補講の質問を受け付けます。

はい、ではQ&Aを始めましょう。

 

教えて!マンションマイスター!Q&A

 

 

「表面劣化へ影響を与えると説明のあった、『潮風の風向き』や『日照時間』を簡単に調べる方法がありますか?」

 

日本気象協会のHP「アメダス実況」というコーナーがあり、ここに気温、降水量、風向き・風速、日照時間、積雪深のデータがかなり細かく見ることが出来ます。しかも、実況だけでなく、過去数年間もさかのぼって見れますので1年を通してのデータが調べられますよ。」

 

 

「構造劣化へ影響を与えると説明のあった、『自然災害の有無・履歴』を簡単に調べる方法がありますか?」

「国土交通省の『国土交通省ハザードマップポータルサイト』では、過去の災害情報と、それを前提にした現在の災害の危険性が閲覧できます。

また、気象庁のHPの、「各種データ・資料」で『災害をもたらした台風・大雨・地震・火山噴火等の自然現象のとりまとめ資料』が閲覧できます。」

 

「機能的・社会的要因の『世帯数・人口動態の変化』を簡単に調べる方法がありますか?」

「都道府県別では、総務省統計局の『統計データ』に過去分も含めて公開されています。エクセルファイルのデータもありますので、いろいろ自分で加工も可能です。もっと狭い範囲でしたら、各行政庁のHPに、町丁目別推移や年齢別人口一覧等が、公開されていることが多いです。Googleで「○○市 人口」といったキーワードで検索をかければヒットすると思います。」

 

 

「気になるマンションがあるのですが、大規模修繕の履歴や、設備交換の履歴ってオープンになっているのでしょうか?」

「講義で説明したとおり、マンションの耐久性には、築年数だけでなく、大規模修繕の履歴や内容、前回の修繕からの年数が重要になってきます。築年数ならば、登記簿謄本や販売情報を見れば分かります。しかし、大規模修繕の情報に関しては、残念ながら、現状では所有者・住人の方以外には、ほとんどオープンになってはいないでしょう。所有者・住人の方なら、管理組合の記録で確認できます。もしマンションに売り物件があれば、それを取り扱う仲介会社経由で管理組合に問い合わせ頂くのが一番確実かと思います。」

 

 

「なぜマンションの外壁はタイル張りがいいのですか?」

「古いマンションには吹き付けが見られますが、近年のマンションの外壁はほぼタイル仕様ですね。タイルは、見た目では高級感や風合いが感じられて、グレード感を出してくれます。また、さらに大事な利点は、マンションの耐久性を高めてくれることです。講義でも説明したとおり、構造体の寿命はほとんどコンクリートの寿命が原因です。コンクリートが雨風・二酸化炭素・紫外線等で劣化・中性化すると鉄筋が錆び、膨張し、ひび割れが生じます。これを防ぐために、外壁を加工するのですが、吹き付けよりも、タイル張りにすることが断然耐久性が高まるとされます。」

 

 

「良いタイルと悪いタイルの見分け方がありますか?」

「前述のとおりマンションの外壁にはタイル張りがいいのですが、実はタイルとひとくくりに言っても、耐久性の観点からはピンからキリまであります。一つは品質の違い、もう一つは施工の違いです。品質の違いで言いますと、風格と耐久性の違い、と言い換えられます。風格の良いもの、耐久性のよいものは当然それだけコストがかかりますので、マンションのコストのかけ方によって違いが出てきます。タイルは素人目にはコストの違いが判明しずらいので、作り手がコストダウンをしやすい部分でもあります。まずは、タイルの中でも最高級と呼ばれるものを見るのがおすすめです。手前味噌ですが、第1回フィールドリップでヴィンテージマンションを見学しましたが、それは良いと言われるものがどういうものか体感するのが大事と考えるからです。また、タイルメーカーのHPにていろんな種類のタイルとコストが紹介されていますので、参考になるかと思います。施工の違いでは、職人の腕によってタイルの施工の質が異なります。丁寧な仕事をしていれば、それだけメンテナンスが少なくなり、耐久性が増します。」

 

 

「タイルの施工が悪いと、どんなデメリットがありますか。小梁がある場合のデメリットは何ですか?」

「前述したとおり、外壁タイルは職人が1枚1枚張り付けて施工していくのが一般的です。施工の質が悪いと、最悪の場合、ある時、突然タイルが剥がれ落ちていきます。丁寧なタイルの施工方法として①目荒らし②水分③清掃処理があげられます。①目荒らしとは、下地コンクリートの上にモルタルを塗ったタイルを貼り付けるの時に、接着する部分の表面積が増えると接する面積が増えて剥がれにくくなりますので、モルタルの表面に細かな傷を付けていきます。この作業が甘いと、接着力が足りず剥がれやすくなるのです。②モルタルとタイルが接着するためには水分が必要ですが、作業中に時間がたつと水分が下地に吸水されたり直射日光を受けて蒸発してしまい、接着の強度が不足します。丁寧にしようとゆっくり作業するわけにもいかないんですね。③作業中に下地コンクリートにゴミが付着すると接着強度が弱まりますので、モルタルの清掃処理が必要となります。以上のように、職人は丁寧に仕事をする必要があるのですが、丁寧にしようと時間をかけすぎても蒸発やゴミの付着などマイナス面があり、熟練した腕が必要なんですね。実際には目視で、タイルの浮きやたわみ、ずれがないか確認してみましょう。また、バルコニー部分から外壁タイルを確認できますので、施工の程度を確認しましょう。」

 

 

「室内の壁や天井の状態のチェックポイントを教えてください。」

「目視できる範囲で、壁や天井の状態を確認し、異常なはらみや破損の有無の確認します。クロスにカビの発生や端部の剥がれの有無、雨漏りや漏水、結露によるものと思われる箇所がないか確認します。構造躯体であるコンクリートが地震等による大きなひずみは仕上げ材にまで影響を及ぼすことがあります。クロス下地の異常な割れやクラック、下地のひずみによる仕上げ材の異常があればその原因をヒヤリングしましょう。」

 

 

「サッシや手すりの劣化状態のチェックポイントを教えてください。

 

「サッシを開閉してみて開閉がスムーズか、異音がしないか、閉めた状態で隙間があいていないかを確認します。クレセントを掛けた状態でサッシに左右の遊びがないか確認。クレセントの開閉が硬すぎないか、ゆるすぎないか、閉めた状態でサッシ周辺部、召し合わせ部に隙間がないかを確認。網戸の開閉に支障がないか、異音がしないか、たるみや破れがないかを確認。バルコニー等の手すりは前後に揺らしてみて、しっかりと取り付けられているかを確認します。」

 

 

いかがでしたか。これで4つの性格のうち3つが終了しました。いよいよあと一つ、

最後の性格

4.資産性

の講義に入ります。

 

この4つ目の性格「資産性」は、マンションの価値を形づける総決算になります。資産性とは今だけでなく、将来にわたってその価値を維持していくことを意味しています。

そのチェックポイントを勉強して、マンションの価値を形成するものを総ざらいして体系化しますよ。

お楽しみに!

マンションマイスターの石川でした。

 

 

石川勝

不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

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