オープンキャンバス2018/1/5

 

皆さん、こんにちは。

マンションマイスターこと不動産鑑定士の石川です。

2018年です!ブログを読んで頂いている皆さん、本年もよろしくお願いします。

今年はスタートより引き続き「教えて!マンションマイスター!」「Weekly!チラ見物件」のブログのほか、いよいよ第2回のフィールドトリップの準備に入っています。

申込みいただいた方、当日会えるのを楽しみにしております!

 

さて、今日の講義に入ります。

前回はマンションの価値を現す要因のマトリックスの中の、

 

3.耐久性

×

B.一棟の建物に関する要因

 

を見ていきました。

 

その中で、「耐久性」とは3つに項目に分けられ、

 

1つ目は、物理的耐久性の中でも、表面劣化への影響。=「通常に目に見える部分へ影響を与える要因」

2つ目は、物理的耐久性の中でも、構造劣化への影響。=「通常では目に見えない、構造体へ影響を与える要因」

3つ目は、機能的・社会的な変化による影響です。=「人の生活様式や、選好性の変化によって、時代遅れになる要因」

以上の3つの観点から、一棟のマンションのチェックすべき項目が出てきました。

 

今日は、さらにミクロ寄りの話となり、皆さんがお住まいになられる専有部分を見ていきます。

 

つまり、

 

2.耐久性

×

C.専有部分に関する要因

 

となります。

 

 

これを踏まえて、マンションの価値を形成するマトリックス表で、今日のテーマ部分と合わせて見てみましょう。

 

なかなか充実してきました。これだけ埋まってくると、もうゴールが見えてきましたね!

 

では今日は黄色の部分、

 

3.耐久性

×

C.専有部分に関する要因

 

の項目を埋めていきますよ。

 

 

では、いつものように、鉛筆にマンションマイスターの魔法を一振りすると・・・

 

ちちんぷいぷい!

 

 

はい、専有部分の項目が埋まりました。では順に説明していきますね。

 

 

まずは、「表面劣化への影響」から見ていきましょう。

 

・『壁・天井・梁のクラック』

専有部分の室内にて、壁・天井・梁のクラックが発生していないか、目視します。コンクリートは気温が暑ければ膨張し、寒ければ収縮します。つまり、夏に膨張し、冬に収縮します。このように経年劣化でクラックが発生している場合もあれば、地震等の影響でクラックが発生している場合があります。通常はクロスで隠れていますが、クロスがよれて皺になっていたりする場合は、

クラックが原因なのか、単なるクロス貼りの施工不良なのか確認しましょう。

また、仮に専有部分で梁のクラックが確認できる場合、表面レベルの軽微なものなら早めのこまめな補修で回復できますが、構造体にも劣化の影響が出ている可能性があるので要注意です。管理組合に原因を確認してもらうよう依頼しましょう。

 

・『サッシ・手すり等の劣化具合』

サッシやバルコニーの手すりは専有部分の生活に直接かかわり欠かせないものですが、マンションの共用部分にあたるため、原則は個人で交換・修理をすることはできず、管理組合による修繕を待たなければなりません。しかし、管理規約や細則によっては、個人で交換・修理することを認めているところも多いので、規約等を確認しましょう。また、個人で交換・修理が認めていない場合は、次回の修繕時期が読めない場合も多いので、緊急性を要する劣化が無いか確認する必要があります。

一般的にサッシや手すりの寿命は20年程度を見ておくのが一般的ですので、修繕や交換が行われた形跡がある場合は、その時期も確認しておきましょう。

 

・『室内配管の交換。洗浄時期』

マンション専有部分の給排水管に漏水が起こり、下階の住戸に被害が生じると損害賠償になります。排水管が床下スラブと床との間にある場合は、その配管は専有部分になり、原則としてその交換費用は区分所有者の個人負担になります。水道配管の寿命はおよそ20年となります。配管には鉄管と塩ビ管があり、近年の塩ビ管はかなり寿命が長いものもあります。

古いマンションでは鉄管を使用しており、経年によりカビが発生するので水管の高圧洗浄を行っています。高圧洗浄を長年続けていると配管内が少しずつ削られ腐食が始まり、寿命に至るのです。交換時期はもちろん、洗浄の頻度・時期を確認しましょう。また、併せて共用部分の配管の交換時期も確認しましょう。

 

 

 

次は「構造劣化への影響」です。

 

・『スケルトンインフィルか否か』

2000年以降、新しいマンションでは「スケルトンインフィル」を売りにしているものも目立つようになりました。「スケルトンインフィル」は、従来のマンションに比べて耐久性が高く、国土交通省が長期優良住宅につながるとして推進しています。

スケルトンインフィルとは、スケルトン(柱・梁などの躯体部分)とインフィル(内装や設備部分)とを分離した工法です。

構造体であるコンクリートは、寿命が約50年から60年、近年は100年コンクリートというものも多く目にします。しかし、古いマンションはその前に寿命を迎えるものがあるのは、給排水管設備の交換が構造上現実的に出来ないことが原因のケースが多いのです。

スケルトンインフィルは、躯体と設備を分離しているので、内装・設備部のみメンテナンスを繰り返すことで、建物自体長く使用することができます。また、共用部と専有部分ごとの給排水管が分かれているので共用の給排水管のメンテナンス・交換が容易・低コストにでき、長寿化にも繋がります。

 

 

最後に「機能的・社会的影響」です。

 

・『エアコン増設の可否』

意外に思いますが、部屋があるからと言って自由にエアコンが増設できるわけではありません。エアコンが無い部屋にエアコンを増設するには、室外機の設置スペースがあることと、冷媒管やドレンホースを通す配管用の穴が壁に開けられることですが、古いマンションでは特に、構造上、あるいは規約上、配管用穴が空けられないケースがあります。

ウインドエアコンや冷風機という選択肢もありますが、「時代遅れ」と言わざるを得ません。必ず全部屋を確認しましょう。

 

・『インターネット・BS/CS対応』

やはり今のブロードバンド主体の時代、利用可能なインターネット環境や、BS/CS環境を確認しましょう。古いマンションでは、光回線が設置可能であっても、速度が極端に遅いという例もあるようです。

 

・『スケルトンインフィルか否か』

もう一度、スケルトンインフィルが登場しました。スケルトンインフィルであれば、将来の家族構成の変化に合わせて、スケルトン(構造)以外を丸ごとリフォーム可能です。そのため、水回りの位置の変更、間取の変更、室内に余計なでっぱりが無いなど、時代に応じた変更が可能で、機能的・社会的影響に柔軟に対応できます。

 

 

いかがでしたか。

 

3.耐久性

×

C.専有部分に関する要因

 

のマトリックスは、実際の普段の居住空間に密接な部分です。内覧時しかチェックできない項目も多く、いかに事前にチェックすべき項目を整理して短時間で確認するか、がカギとなります。

手前味噌ですが内覧時には必ずこのマトリックス表を持っていくのもお勧めしますよ。

 

これで4つの性格のうち、

1.安全性

2.居住性

3.耐久性

 

が埋まりました。

 

残るあと1つの性格「資産性」を残すとこになりました。

 

次回はいつものように、区切りとして、「補講」のクラスをまた登場させたいと思います。

これまでの講義の中で出てきた項目について、Q&A形式で、ポンポンと、分かりやすく振り返ってみます。

お楽しみに!

 

マンションマイスターの石川でした。

 

 

石川勝

不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

 

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