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オープンキャンバス2017/12/4

 

皆さん、こんにちは。マンションマイスターこと不動産鑑定士の石川です。

このブログで講義している「マンションの価値を形成する要因」について、各論の内容も身近なテーマが中心になって佳境に入っきていますが、ご理解の程はいかがでしょうか。

 

前回まででマトリックスの1段目、「4つの性格」のうち

1.「安全性」

2.「居住性」

が終わりました。

1.「安全性」が終わったところでもチェンジ・オブ・ペースで補講を開催しましたが、今回も2.「居住性」が終わったところですので、補講にします。

また、前回補講同様、これまでの講義の中で出てきた項目についてQ&A形式で、ポンポンと、分かりやすく振り返ってみます。

その前に2.「居住性」を振り返ってみましょう。

 

このテーマの講義の最初に、まずマンションにとって「居住性」とは何なのか、という論点で、3つに分解しましたね。

 

1つ目は、暮らしを快適に過ごせることを考えて作られているか。

これは、すなわち、設計・設備をうまく考えているか、という「設計の良否」。

 

2つ目は、自然の恵みをうまく取り入れて快適に過ごせるようになっているか。

これは、すなわち、眺望・気候の快適性が取り入れられているか、という「眺望・気候の快適性」。

 

3つ目は、落ち着いた暮らしを実現するために、静かな居住空間になっているか。

これは、すなわち、遮音性を高めているか、という「遮音性」。

 

以上を表にまとめると、このようになりましたね。マトリックス表から、「居住性」部分を取り出してみます。

 

 

はい、ではQ&Aを始めましょう。

 

教えて!マンションマイスター!Q&A

 

 

「床の構造によって防音に違いがありますか?」

「防音は床の構造だけでなく、仕上材や天井の構造スラブの工法等によっても違ってきますので、一概には言えません。」

 

 

「直床と二重床のそれぞれの長所、短所はなんですか?」

「床や天井の工法は建物の色々な条件によって決まってきます。それぞれの長所・短所は直床と二重床では逆になります。直床の場合、スラブに直接フローリングを設置するため、天井高は高くなります。しかし、設備配管のスペースが無いため、リフォームの自由度が低くなります、また、水回りの床に段差が生じることがあります。」

 

 

「直天井、二重天井のそれぞれの長所、短所はなんですか?」

「直天井は天井裏が無いため、配線・配管等のリフォームが難しくなりますが、その分天井高が高くなります。二重天井の場合は直天井と逆になります。」

 

 

「天井高の計測の仕方って?」

「販売時図面の間取り図や仕様のページには記載されていることが多いです。また、実際に現地で測る時は、レーザー測定器という便利な機械もあります。

 

 

「開口部の定義って何ですか?」

「外部に対して開放された窓、バルコニーを指します。閉めた状態で採光を取れるものなので、玄関ドアは通常含みません。」

 

 

「梁とは何ですか?また、小梁というものもあるようですが、違いは何ですか?」

「建物を支える構造体の一部に大梁と小梁があります。梁とは床版を支持する構造材で、床からの荷重を柱に伝える役割をします。柱と柱をつなぐものを大梁、柱と梁または梁と梁をつなぐものを小梁といいます。」

 

 

「小梁がある場合のデメリットは何ですか?」

「構造的には必要なものですが、部屋の中にあると天井から突起物が出ている構造になります。天井高が下がるため、圧迫感を感じる場合があります。」

 

 

「小梁がある部屋とない部屋があるのは何故ですか?」

「梁は構造床版を支えるものであり、必要な場所に設置されます。桁行方向のスパンが長い場合などに小梁が出てきます。」

 

 

「部屋によって天井高が異なるのは何故ですか?」

「天井裏には色々な配管が通っていますので、それを隠すために天井が低くなる部分があります。」

 

 

「バルコニーの一部が劣化しているのですが、自分で修理できますでしょうか?」

「バルコニーは共用部であり、勝手に修理は出来ません。管理組合に届ける必要があるのが通常です。また、非常時の避難経路になる為、物置など避難の障害となるものを置いてはいけない等、管理規約に規定が定められています。」

 

 

「間取り図の、浴室の箇所に1416という数字等の記載がありますが、これはなんですか?」

「ユニットバスの大きさを示します。メーカーによって異なりますが、通常は内法の寸法が記載され、1400mm×1600mmの広さです。」

 

 

「混合水栓とは何ですか?」

「お湯と水を混合する水栓の事で、シングル式とツーレバーの型式があります。」

 

 

「給湯器の号数の違いはなんですか。大きいものを使えばお湯が出やすくなりますか?」

「水温+25℃のお湯を1分間に24L出せれば、24号となります。号数が大きいほど一度に大量のお湯を使うことができます。しかし、配管の太さや給水設備によって水量が限定されている場合がありますので、一概に大きいものを使えばよいというわけではありません。また、管理規約によって使える給湯器の大きさが決められている場合があります。」

 

 

「電気のアンペア数は変更できますか?」

「電気を多く使う方で、現状のアンペア数では足りない場合は、東京電力にアンペア数の変更を依頼することができます。しかし、最大アンペア数が住戸により決まっている場合がありますので、管理組合にお問い合わせください。」

 

 

「エアコンを増やせますか?」

「エアコンは室内機と室外機がセットの構成になっており、増やすためには屋内から屋外へと管を通す必要があります。管を通すためには躯体に穴をあける必要があるため、当初想定されていない位置にエアコンを増やすことは難しいでしょう。」

 

 

「メーターボックスってなんですか?中に物を置けそうなのですが置いてもいいですか?」

「メーターボックスは各戸の電力、水道、ガスなどのメーターが設置されているスペースです。また、メーターボックスは共用部になりますので、物を置くことはできません。」

 

 

「家具のレイアウトを変更したら照明の位置を変更したくなったのですが、できますか?」

「二重天井の場合、変更可能ですが、直天井の場合、躯体に掘り込まれている照明器具やブラケットは位置の変更をすることができません。」

 

 

「室内で段差がある理由は何故ですか?」

「古い建物ですと床下に配管類が通っている場合があります。その為、水廻りで1段床が高くなっています。トイレやキッチン、ユニットバスなどの設備配管をスラブの上に通している場合、それを隠すために床を一段上げます。そのため、室内に段差が発生します。」

 

 

「室内に段差がある場合、リフォームで段差なくせますか?」

「床下に配管類がある場合は、床を下げることはできません。しかし、周りの床を上げることで段差を解消することは可能かもしれません。また、配管の変更を伴うフルリフォームを行う場合などは段差を解消することができるかもしれません。管理規約や設計図書を参照したうえで、住戸ごとの対応が必要になります。また、共用部分の段差は個人では手が付けられませんので、管理組合に相談して下さい。」

 

 

「手摺を付けたいのですが、ホームセンターで買ってきたものを取り付けても大丈夫ですか。」

「専用部分であれば、自由に手すりを取り付けることはできますが、壁に下地がない場合、しっかりと取り付けることができず危険です。安全性確保のため、リフォーム業者などと相談のうえで取り付けたほうがいいでしょう。」

 

 

「常勤、日勤、巡回、自主管理それぞれどういう形態なのでしょうか?」

「管理人の勤務状態を表し、常にいるか、日時を決めて駐在するか、複数のマンションを巡回しながら管理するかに分かれます。自主管理は管理会社に依託しないで住民が管理を行う方法です。」

 

 

「インターホンをモニタ付のものにリフォームすることはできますか?」

「オートロックのインターホンは共用部分に変更が生じるため、各戸ごとに変更することができません。管理組合との相談が必要になってきます。」

 

 

「玄関ドアに鍵を増設したいのですが、問題はありませんか?」

玄関ドアは共用部分に属するため、自由に変更することはできません。管理組合に相談をしてからのほうがよいでしょう。」

 

 

「火災警報装置がついていないのですが?」

「2006年(平成18年)6月から改正消防法が施行され、すべての住宅に火災警報装置の設置が義務付けられております。設置場所などの基準は各行政庁にお問い合わせください。」

 

 

 

いかがでしたか。4つの性格のうち、2つが終了しました。

次回からは後半戦で、

3.耐久性

の講義に入ります。

 

マンションは戸建住宅よりも耐久性に優れ、ずっと長く住み続けられるもの。それだからこそ、中古になっても流通していくのですが、その耐久性にも良し悪しの個別性があります。

このチェックポイントを勉強していきますよ。

お楽しみに!

マンションマイスターの石川でした。

 

 

石川勝

不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

 

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