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住めば都も、遷都する2017/10/18

思い切って転居をすると、気分一新ができる。徒歩圏内にある食べ物屋さんも変化する。わたしたちの生活の基本は、衣食住といわれる。面白いのは、衣食住は関係し合っていて、住まいを移すと、食べるものにも影響してくることだ。

 

近くに良いレストランがあると、足が向く。気負わずにふらっと出かけることになる。その方面では著名な店であっても、ご近所となれば、日常的な感覚でおいしさを楽しめる。

 

ここが大切だ。わざわざ遠くから出かけていくのもいいが、散歩のついでという感じで、すてきな食事に出会える幸せを味わいたい。普段着に、少しだけおめかしをして、レストランのドアを開けてみよう。

 

もちろん、食事の種類はさまざまである。和洋中に加えて、東南アジア、中近東、アフリカ、オセアニアなど、食材も調理も新しい体験をさせてくれるところが増えた。

 

で、興味深いことは、最近の中高年は、和よりも洋の料理に魅せられていること。ここで、ちょっと食のトレンドを見てみよう。

 

たとえば、肌寒くなってくると鍋物が恋しい。これはある年齢以上なら、多くの人が思っていたことだが、最近では、焼きたてピザといい勝負になってきた。

 

 

ここで、「洋高和低」という傾向をもっと確かめてみよう。下の表は、50代男女が、「好き」と答えた率が、1998年と2016年でどう変化したかを示している(博報堂生活総合研究所調べ。首都圏・阪神圏 1998年・2016年)。洋食系は、「好き」という率が増加した。たとえば、ハンバーグは、20ポイントも伸びて、いまや、男性の54.4%、女性の51.9%が好んでいる。1998年には、「好き」の率が男女とも2割台だったことを思うと、隔世の感がある。

 

 

「和vs.洋」の綱引きを、「うどんそばvs.スパゲティ」「鍋物vs.ピザ」「焼き魚vs.ハンバーグ」「野菜の煮物vs.サラダ」という形で対決させてみると、洋の伸びは明確である。

 

小津安二郎の映画などでは、昔の50代といえば、刺身、焼き魚、野菜の煮物、味噌汁、漬け物、鍋物が似合っていた。だが、いまや、事情はだいぶ変わったのである。

 

もちろん、とはいっても、この国に育った人は、誰でも、こうしたあっさりした和食を食べたいときもある。それも事実だ。

 

うどんそば、鍋物、焼き魚、野菜の煮物など、和食系のおいしい料理店を求めるか。スパゲティ、ピザ、ハンバーグ、サラダなど、洋食系のすてきなレストランを探すか。はたまた、エスニックの珍しい店が集まる界隈を見ていくか。

 

引っ越しにあたっては、食というひとつのポイントにこだわって見るのも面白い。和食のすぐれた街には、伝統的なものが残っている。先端的なフレンチやイタリアンの似合う街は、それなりにオシャレである。中近東やアジアのトレンドが見られる街は、時代の息吹を感じさせる。住まいと食にあわせて、それぞれ、街を行く人々のファッションも違ってくる。さあて、次は、どんな街に住んでみようか。

 

 

関沢英彦

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

https://ameblo.jp/ideationconsultant/

 

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