住めば都も、遷都する2021/4/8

家にいる時間が長くなると、朝昼夕と射し込む光が変わることに気づく。ステイホームを求められる前は、こんなにゆっくりと光と影のドラマを味わうことはなかった。

 

もちろん、部屋が向いている方角によって、時間ごとの影は変わってくる。それにしても、影を見ても、季節が進んだことを感じる。外光が強くなった分、影も濃くなった。

 

子どもの頃に住んでいた家には、障子に庭の木々が映り込んでいたと、ふと思い出す。残念ながら、いま住んでいるところには、障子がないけれど。

 

そうか、映り込んだ影だって、インテリアの一部かも。ちょうど影絵の芝居が演劇のひとつの分野であるようにね。確か、ジャワ島やバリ島には、ワヤン・クリと呼ばれる影絵芝居があった。

 

 

シャドウ・アートと呼ばれる美術のジャンルもあるらしい。壁に突出部があって、下からの照明で、顔が浮かび上がるとか、手前に抽象的な形のオブジェを置いて、光を当てると、壁にはリアルな人間の影が映り込むなど…検索すると、色々な作品が見られる。

 

住めば都も遷都する。住まいを見学するときは、誰もが日当たりを確かめる。そのついでに、夕方のモデルルームを訪れる機会があったら、壁に映り込む影を楽しむのも悪くない。

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書に『女と夜と死の広告学』(晃洋書房)『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』(明日香出版社)『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)他。論文に「記号としての心臓 なぜ、血液のポンプが、愛の象徴になったのか」「映画に描かれた『料理』と『食事』の4類型」「月の絵本 無生物とのコミュニケーションを描いたナラティブ」(いずれも『コミュニケーション科学』)他。

 

住めば都も、遷都する についての記事

もっと見る