住めば都も、遷都する2021/3/10

夜になると、ますます元気になる人がいる。夜行性というのかしら。明かりがともると、自分の時間が始まると考える。反対に日が沈んだら、静かに時が過ぎゆくのを味わいたいという人もいる。

 

どちらのタイプにとっても、部屋の照明は大切。ライティングによって、インテリアの雰囲気は大きく変わる。そう、劇場の舞台が照明ひとつで変化するように。

 

住まいのそばを歩く人にとっても、窓から洩れてくる光は、魅力的。人がいる暖かさを感じることができる。

 

大昔、人が洞窟に暮らしていた頃も、遠くからたき火の光が見えると、私たちの祖先は嬉しかったはず。光のあるところには、家族や仲間がいて、寝床も食べ物もあったからだ。

 

 

インテリアデザイナーが言っていた。「照明を工夫することは、もっとも手軽に部屋の雰囲気を変える方法です。夜の住み心地をもっと考えましょう」と。

 

住めば都も遷都する。開口部が広い家、逆に効果的に窓をつけた家、洩れてくる光の印象は異なる。夜の散歩をしながら、見上げた部屋の照明を採点してみるのも楽しい。

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書に『女と夜と死の広告学』(晃洋書房)『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』(明日香出版社)『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)他。論文に「記号としての心臓 なぜ、血液のポンプが、愛の象徴になったのか」「映画に描かれた『料理』と『食事』の4類型」「月の絵本 無生物とのコミュニケーションを描いたナラティブ」(いずれも『コミュニケーション科学』)他。

 

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