住めば都も、遷都する2021/2/27

「住まいのデッドスペースを活かそう」という情報を目にすることが多い。確かに階段下など、有効利用されていない空間は家の中に見つかる。

 

「すでに本棚に活用している」という人もいるだろう。昨今のテレワークで、テレビ会議をするのにピッタリでもある。照明を工夫すれば、良好な画像を送ることも出来る。

 

考えてみれば、昔の宮殿などは、役に立たないデッドスペースが空間の多くを占めていた。でも、いまの私たちはそうした大邸宅には住んでいない。空いた空間を見つけると、つい「活用しなければ」と思う。

 

デッドスペースの活用と言えば、収納場所が王手である。家の中に増えたものを置いておくスペースとして最適なのかも知れない。

 

 

一方、デッドスペースこそ、ゆとりの空間だとも言える。先ほどの宮殿は「ゆとりの御殿」なのだ。そう、マイミュージアムという手もある。ワンちゃんなどペットの「住まい空間」にしている家庭もある。

 

住めば都も遷都する。住まいを探すときは、デッドスペースのない合理的な間取りを選ぶか。あるいは、あいまいなスペースを見つけて、どんな遊び空間にしようかと心を広げるか。さて、あなたはどちらのタイプだろうか。

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書に『女と夜と死の広告学』(晃洋書房)『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』(明日香出版社)『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)他。論文に「記号としての心臓 なぜ、血液のポンプが、愛の象徴になったのか」「映画に描かれた『料理』と『食事』の4類型」「月の絵本 無生物とのコミュニケーションを描いたナラティブ」(いずれも『コミュニケーション科学』)他。

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